外国の方に英語で日本茶について説明する方法

日本茶に興味を持ってくださる外国の方が増えています。
アメリカやヨーロッパ諸国など、様々な国の方が日本の煎茶や抹茶を取り入れている様子をニュースなどでも見かけることが多くなりました。

日本茶を呈茶する機会もある筆者ですが、実際にイベントで外国人の方がいらっしゃっても英語すらできない典型的な日本人でして。

お恥ずかしいことに日本語で説明をしながら淹れることも精一杯で、英語で呈茶などは恐れ多くてできません…。

ですが、常々せめて英語で「日本茶を説明する」ことができるようになりたいと思っております。

そんな時に調べていて、丁度良い教材を見つけましたのでいくつかご紹介したいと思います。

伊藤園の英語サイト


■Tea Guide-ITO EN

あの有名な伊藤園の英語サイトです。

煎茶の淹れ方、抹茶の淹れ方、水出しのご紹介等々、映像で確認ができるので初めて日本茶に触れる人にとっても見やすいものとなっています。

また、日本茶を外国の方に説明する際、英語表現の勉強になります。

もちろん、伊藤園の商品も英語表記で販売されています。
筆者が気になったのは、「macha LOVE」という商品。
ティーバッグもありまして、「抹茶+煎茶+リンゴ+ショウガ」というようなものや、ハーブをブレンドしたものもあります。

さらに、缶商品もあります。

Greentea shotと書かれており、米食品医薬品局(USDA)での標準的な緑茶の6倍ほどのカテキン(1缶当たり約192㎎)が含まれており、カフェインも1缶当たり約28㎎含まれているとのことです。

カフェインは煎茶100gあたり20㎎程度ですので、かなり高濃度なカテキンが含まれています。

日本の特定保健用食品(トクホ)のような存在なのでしょうか。
アメリカでは緑茶がまるで薬のようにもてはやされているブログなどをやたらとよく見かけます、そういえば。(まとめサイトとか)

先日ご紹介した「Hustle」という商品も抹茶のエナジードリンクのような商品でした。
やっぱり流行っているのですね。

茶の包装会社が11か国の言葉で日本茶を紹介


NIHONCHAFAN.COM

株式会社吉村による英語を含む11か国の言葉で日本茶について紹介しているサイトです。
かわいい猫のイラストでお茶の淹れ方を紹介しています。

吉村さんには個人的に店時代にお世話になっていました。
そして、吉村さんのすごいところは「給茶スポット/お茶Bar」などの茶の推進事業に非常に力を入れているところです。

ですので、イチ押し。

2019/3/3追記
日本茶について紹介しているPDFが公益財団法人 日本茶業中央会にも掲載されていますので、こちらも是非どうぞ。
日本茶紹介パンフレット(PDF)

結び

ほかにもさまざまなサイトはあるのですが、日本茶や淹れ方の表現は微妙に異なります。
日本茶だけにかかわらず、茶の淹れ方の本を見るとやはり蒸らし時間や方法が微妙に異なっていますので、まずは上記のサイトを参考に英語を覚えてみたいと思います。

筆者がお茶の世界に入ったばかりの時、茶の入門書を読み漁りましたが、微妙に違う表現に混乱をした覚えがあります。

まずは一つの表現を覚え、通じなかった時に新しい表現を覚えていかないと自分がパニックになるのが明白ですので、地道に一つずつ覚えようと思います。


ルワンダでの茶生産について-SORWATHEの緑茶専門工場‐




緑茶の人気は世界中で年々高まっています。
日本の場合は特に抹茶がアメリカを中心として一大ブームとなりつつあります。

抹茶の話は以下参照いただければ幸いです。
▼参照記事:本物の抹茶(仮)と量が多くて価格の安い抹茶。違いは何?

そして、意外と知られていませんが、日本だけではなく緑茶を作っている国は実はたくさんあるのです。

一番多いのは中国でしょうか。

台湾、インドネシアやベトナム、紅茶で有名なインドやスリランカでも作られています。

筆者もダージリンや近隣のネパールで作られた緑茶、中国や台湾の緑茶はよく飲んでいます。

日本は独自の蒸し製の煎茶が主ですが、他国の場合は釜炒り緑茶がほとんどかと思われます。
(蒸し製緑茶については中国の恩施玉露くらいしか思いつきません。他にもあるのかも知れませんが…)



ルワンダでの茶生産について

紅茶の世界有数の輸出国であるケニア。
ケニアにほど近いルワンダ。

南アフリカでお茶を作っている国は増加傾向にあります。

現在のルワンダの主要農作物は珈琲ではありますが、ほとんど輸出してしまうため、国内で飲まれているのは圧倒的に紅茶が多いそうです。

ルワンダに1975年、ルワンダ政府とアメリカ企業の共同で<ソルワテ(SORWATHE)>という紅茶工場が設立されました。

ルワンダ紛争、大虐殺などを経て、ソルワテでは独自にインフラ整備を行い、学校や診療所も創設、多くのルワンダ人を雇用しました。

茶に従事する人は3000人にも及ぶそうです。
紅茶だけではなく、白茶、黒茶なども生産しており、世界各国に輸出。

レインフォレスト・アライアンスの認証を受けています。農薬・化学肥料を使用せず、環境や自然との調和を考えて作られているサスティナブルな商品作りをしています。
▼参照記事:ベトナムのお茶って?ベトナムの茶産業は?

ルワンダに新しく緑茶専用工場が!


環境に配慮し、児童労働なども行わず人権問題とも真剣に向き合ってきたこの製茶工場の他に新しく緑茶工場が作られることになったというニュースが先日ありました。

ルワンダ北部のRulindo地区のKinihiraに、10億ルーブルを超える新しい緑茶専門工場が設立。
Kinihiraで今後多くの雇用の創出、緑茶の世界的なブームから輸出による利益は高く見込めると予測しています。

さらに、ルワンダ北部州知事はRulindoと近隣の地域でより茶栽培を増やすように促しています。
そしてルワンダ人の生活を潤す現金作物としての茶の宣伝を政府がこれから増々後押ししていくことを表明しています。

現在Rulindoと近隣の地域では約4000人が茶農業に従事していますが、1ヘクタール当たり10トンしか生産ができていません。
対してソルワテでは14トン生産しています。

2018年末までに26,897ヘクタールの茶畑から9200万ドルの売上を目指しています。
ルワンダの茶生産は、2000年の14,500トンから2017年の25,128トンに大幅に増加しています。




結び

15年前ほどでしょうか、ルワンダより南にあるマラウィの紅茶を出しているお店があって飲んだことがあります。

当時はケニアの紅茶もここまでメジャーではなく(今もブレンドに使用されていることが多いのでそれほど単一農園物は見かけませんが)、南アフリカでもお茶作っているのだなぁという感想くらいでした。

この20年ほどでインドやスリランカの経済成長に伴い、茶生産に従事する人が減り、茶生産地図はかなり変動しています。

今後ルワンダのお茶も様々な形で日本でも見かけるようになっていくのでしょう。
楽しみです。

日本の緑茶よりルワンダの緑茶の方が美味しい、なんてことにならないように日本の緑茶も増々の躍進、そして世界に羽ばたいていってほしいと願います。

ルワンダのソルワテ茶園の紅茶はこちらで購入が出来ますね。


こちらはアフリカ系のお茶を多く扱っているので、興味がある方は是非ご利用ください。
お試しパックなどもありました。(以前そちらで購入したことが…)
OP、CTC、シルバーチップなども作っているようで興味深いです。
さらに緑茶が加わると…楽しみですね。

※写真やソルワテ紅茶工場についてはHPよりお借りしております。

Hongyacha(HYC)-中国の山奥で見つかったノンカフェインの茶樹ー




先日お茶のニュースをいつものごとく見ていたところ、中国の科学者が中国の山奥から「カフェインを含まない」野生の茶を発見したというニュースを見つけました。

ご存知の通り、「チャ」学名「Camellia sinensis(カメリア・シネンシス)」にはカフェインが含まれています。

緑茶、紅茶、烏龍茶等チャノキを使って作られた「茶」にはすべてカフェインが含まれています。
そのためデカフェ茶やカフェインレス茶は<茶葉に自然に含まれているカフェインを人工的に抜いている>ことになります。

カフェインを抜くためにはいくつかの方法がありますが、そちらについては過去の記事を参照ください。

茶と茶の辺縁種って何?


山茶花の花

<チャは学名カメリア・シネンシスというツバキ科の常緑樹>であるということはこれを読んでいる多くの方は一度は聞いている話かと思います。

改めて簡単に説明しますと、植物は「界」-「門」-「綱」-「目」-「科」-「属」-「節」-「種」となっています。

チャの場合でいうと、「植物界被子植物真正双子葉ツバキ目ツバキ科ツバキ属(チャ節)チャノキ種」が植物界の正式名称となります。
長いね…。

ツバキ属はチャ、ツバキ、サザンカなど約90種もの種類があります。

チャはツバキ属の中の【チャ節】として位置づけられているのですが、【チャ節】の中には、
Camellia sinensis var. sinensis←中国種
Camellia sinensis var. assamica←アッサム種
Camellia taliensis
Camellia irrawadiensis
があります。

上記4種類にはカフェイン、テアニン、カテキン類が含まれています。(含有量は異なりますが)

また、ツバキ属サザンカ節である<サザンカ>には0.01%以下ですがカフェインが含まれているそうです。
ツバキ科のつるつるとした葉っぱを見るとそわそわする茶マニアの筆者。
でも、昔チャドクガにやられて酷い目に合ったことがあります。全身湿疹…



カフェインが含まれていない茶?


カカオの実

今回、中国農業科学アカデミー(the Chinese Academy of Agricultural Sciences)のChen Liang博士が率いる研究者チームが中国福建省の山中からHongyacha(HYC)を発見したと「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に発表しました。

実はそれ以前にも実は中国にはカフェインが生成されない茶の一種がありました。

通称ココア茶(毛叶茶、学名:Camellia ptilophylla)です。

ココア茶(毛叶茶、学名:Camellia ptilophyllaは広東省チワン族自治区、広東省、湖南省、海南省、中国本土のほかの地域にも分布しています。

およそ標高500m以下で生育しているそうです。

カフェインを含まず、テオブロミンを多く含んでいるとのこと。
※テオブロミン:チョコレートやココアの原料であるカカオに含まれる有機化合物
▼参照記事:人々を魅了するチョコレートの歴史や製法について

ココア茶で作った緑茶はカメリアシネンシスの緑茶とは違う香りで、烏龍茶や紅茶についてはカメリアシネンシスのものと近い香りが出るという研究論文もありました。
研究は今も継続して行われているようです。

植物について詳しくないので、詳細は分かりませんがCamelliaがついているので、ツバキ属に属するチャの辺縁種となるのでしょうか…?

また、カメリアシネンシス、カメリアタリエンシス、カメリアイラワジエンシスにはテオブロミンが若干含まれているようです。
▼参照図書:図解 茶生産の最新技術



カフェインが含まれていない茶の今後

日本でもカフェインを含まない茶品種の研究はされています。

というのも、以前の記事でもご紹介していますがカフェインが入っていない茶を好む傾向が顕著です。

茶飲料を作っている企業でもカフェインを抜いたペットボトル飲料の研究が進んでいる現状です。
▼参照記事:カフェインゼロへの挑戦。「キリン生茶」の試み。カフェインを吸着する物質とは?!

筆者の店でも妊婦さん、年配の女性などがよく「カフェインが入っていない紅茶はありますか?」と訪ねていらっしゃいました。
残念ながらハーブティしか置いてなかったのですが…

年々需要が増えている印象を受けていたのは事実です。

それゆえに、もともとカフェインが含まれていない茶樹の存在は貴重です。
なにせカフェインを抜くためには最初にもちらりと書きましたが、手間や費用がかかるからです。

ただ、お茶を飲む方たちにとっても心配なのは、従来のチャノキから作られる緑茶、烏龍茶、紅茶ができるかどうか、というところです。
ココア茶のようにテオブロミンを多く含んでいたりすると、どうしたって味は変わるでしょうし。

「カフェインを取るか
お茶の味や香りを取るか
それが問題だ」

というようなことになりそうです。



結び

不思議なもので、カフェイン抜きの紅茶や珈琲を好む人が増えている反面、<エナジードリンク>や<茶の成分を高濃度含んでいる機能性茶飲料>も増えています。
▼参照記事:学生のカフェイン過剰摂取が問題に?受験シーズンのカフェイン摂取について。

筆者は単純にお茶が好きなので、「自然に入っているものを、自然に摂取」することが幸せなのですが…。

人はないものねだりなのでしょうね。

ただ、お茶好きとしては今後、その野生のカフェインレスのココア茶やHongyachaがどのように研究され、どんな新しいお茶が生まれるのか楽しみでなりません。

ひとまず飲んでみたい、の一言です。

 

 

簡単にお茶を飲めるグッズ①-茶漉し付きマグ-




「お茶を飲みたいなぁ。」

そう思ったけど、急須(ポット等)に茶葉を入れてゆすいで、飲み終わったら湯飲み(カップ)を洗って…ということすら面倒くさい…という時もあります。
ニンゲンダモノ。

筆者は結構なお茶好きなので、基本的にひとつのテーブルにお茶グッズを並べて、いつでも飲めるようにしています。
…それでも、面倒くさい時があるわけですよ。

例えば、残業してもうご飯を作る元気もなく、コンビニで弁当を買って帰宅。
食器を洗いたくもない。
そんな日ってあるじゃないですか。
ニンゲンダモノ(二回目)。
※かいがいしく世話をしてくれる奥様がいるような方は別ですけどね。(悲)

お茶に慣れてない人にとったら、「お茶を淹れる」ということは実はかなりハードルが高いものなのではないでしょうか。

疲れたけど簡単にお茶を飲みたい人におすすめのお茶グッズをご紹介したいと思います。
現在筆者が非常に気に入って毎朝使っているものです。

茶漉しマグカップの茶漉し部分

茶漉し付きマグカップは昔から様々な形のものが販売されています。
筆者も紅茶を好きになってから、ある紅茶専門店へ行きひとめぼれして購入したものを長らく使用しています。(ちなみに今も現役。)

中国茶や台湾茶などを淹れる用の磁器等で作られた茶こし付きマグカップもかなり昔からありました。
色々試してきました。

今メインで使用しているのはこちら。

2014年にC401が販売となりました。
coresの純金コーティングの珈琲フィルターはその前に販売されており、珈琲界隈では有名のようです。
メッシュ部分が純金コーティングされており、従来のプラスティック製品に比べても味や香りに影響を受けにくいとのことです。
純金とプラスティックがどう違うのかは筆者にはいまいちわかりかねますが、非常に繊細な舌の持ち主であるお茶好きさん数名に聞いたところ、「プラスティックは変な味と臭いがする」そうです。
そんなこだわりが強い方にはぴったりではないかと思います。

マグカップ部分

マグカップ部分はダブルウォール構造になっており、熱いものは冷めにくく、冷たいものは温かくなりにくいです。

さらに、ガラスが二重になっていることで水滴がつかないのです。
筆者はこれが何より気に入っています。
雑貨屋や食器屋でもかなりメジャーになった二重構造のガラスカップですが、店のグラスに出てくると嬉しくなります。

特に気温が高くなるとすぐに水滴がつくため、冷やグラスの下にもコースターを使わなければいけません。
さらに冷茶を注文されたら、またコースター。
夏はコースターが出払ってしまう上に、かなり消耗が激しいです。

自分が客として店に入ったときに、冷やグラスがこの二重グラスだとちょっとだけテンションが上がります。
店の方のお気遣いに感謝すらします。

温かいまま、冷たいまま、お客様に提供したいという気持ちが何よりうれしいですよね。
※とはいえ1個が割と高価のため、回転数が多い店では難しいと思います。

 

結び

デザインもオシャレですし、お茶を気軽に飲むには本当にオススメです。
筆者は基本的毎朝紅茶を飲むのですが、こちらを必ず使用しています。

茶漉し部分をひっくり返して茶殻を捨て、水でゆすぐだけで済むのでとにかく楽!
朝は時間がないので、このひと手間が省けるのは本当にいいです。
さらに冒頭のように疲れている状態の時は、お湯さえ沸かせばすぐに美味しいお茶にありつけます。幸せ。

紅茶もいいのですが、中国茶(台湾茶)もいいのです。
何煎も飲む場合は抽出が終わったら、蓋の部分が茶漉し受けになっていますので置いておいて、飲み終わったらまたカップに茶漉しをセットしてお湯を注ぐだけ。

筆者はさすがに臭いがつくのが嫌なので、お茶専用としていますが、使い勝手がかなり気に入っているのでもう一つ珈琲用に購入したいと思っています。
珈琲の場合は少し微粉が出てしまうとパッケージにも記載がありますが、それでもドリッパー不要なのはありがたいです。

お茶や珈琲を気軽に飲みたいという方は是非おひとつどうぞ。

静岡県製茶指導取締条例撤廃?!と騒然の2017年からおよそ1年。静岡県茶業振興条例(仮称)とは?




2017年の夏頃に巷を騒がせた「静岡県製茶指導取締条例撤廃」。
茶に関係する人たちがあちこちで声を上げたあの例の件。
先日一部に動きが見られたようですので、改めてどんな話なのかをまとめたいと思います。

 

静岡県製茶指導取締条例とは?

1956年(昭和31年)に設けられた静岡県独自の条例となります。

【条例の目的】
(条例第1条)
製茶の改善指導並びに不良製茶の 製造、加工及び販売を防止することに より、製茶の声価を維持することを目的 とする。

【条例の概要】
① 製茶の製造施設及び加工施設の清潔の維持
② 製茶への着色や異物(茶以外のもの)混入の 制限。ただし、知事の許可を受けたものは除く。
※玄米茶は異物ではないと認められています。
③ 製茶指導吏員(県職員)、製茶指導員(団体職員)に 立入調査の権限
④ 罰則
⇒②に違反し、製造・販売した者は、1年以下の懲役、 または30万円以下の罰金。                    ⇒③の調査を拒否した者は、3万円以下の罰金。

条例の設定のきっかけになったのは以下のようなことからでした。
1、「茶」以外のものを混入してかさ増し
2、石膏や黒鉛等を混ぜて着色

1945年に終結した第二次世界大戦によって日本茶の輸出は激減しました。
しかしアメリカの援助物資の見返りとして茶が選択されたことにより、茶産業は息を吹き返し始めます。
そんな大事な時期に、粗悪茶が多発したのです。
一説にはアメリカの検査員が日本茶を飲んで体調を崩したところから粗悪茶であることが発覚したとか。

アメリカからも指摘を受け、日本茶の名声を落とさないために条例が発令されました。
ちなみに、旨味を増すためにグルタミン酸(アミノ酸)や発色をよくするための重曹を添加することも禁止されています。

なぜ静岡県製茶指導取締条例を撤廃?!

2017年の夏に静岡県が「静岡県製茶指導取締条例」を撤廃させる方向にあることがニュースになりました。

静岡県内の茶の生産者や商工業者の団体で作られる「県茶業会議所」はその前年(2016年)に、1956年から状況は変化しているとして、条例の維持をしながらも、申請手続き(②の異物混入について)の簡素化や1956年以降に急速に生産が増加している紅茶や抹茶も規制対象に加えるよう条例の改定を求めました。

しかしながら、静岡県は確かに状況が変化していること、時代が変わっていることを鑑みて、「改定⇒撤廃」へ舵を切ろうとしたのです。
食品衛生法や食品表示法等の整備も進み、粗悪茶の取り締まりを目的とした「静岡県製茶指導取締条例」はもう役目を終えた、という判断でした。

確かに時代は変わりました。
変な化学物質を入れて、着色をしようとする業者も藁等を混ぜてかさ増ししようとする業者もいなくなったでしょう。多分。

でも、撤廃は極端じゃないの?!というのが消費者団体なども含め、茶に携わる多くの人の意見でした。
あちこちで反対意見を目に耳にしました。

「県茶業会議所」が求めていたのは撤廃ではなくあくまでも改定

「県茶業会議所」が求めていたのは今までの条例を残しつつ、時代に合わせて改定をしていってほしいということでした。

改定を求める理由は以下のようなことです。

①諸外国への輸出や若い人たちへの茶購入を促進するために、いわゆる「異物」入りの緑茶の申請を簡素にしたい

⇒玄米は「異物」ではないと認められているので、玄米茶は1956年当時から問題ありませんでした。
例えば紅茶などでドライフルーツが入っているものやフレーバーを着香しているものがあるように、緑茶もそういった商品の需要が増加しています。
しかし、この条例によって、「知事の許可」が必要であるため手続きが負担であるという不具合が生じているのが現状です。(大手企業などは良いでしょうが、個人の茶農家ではなかなか許可を取るのも大変…)

②1956年に発布された条例では緑茶のみだが、現在は紅茶や烏龍茶の生産や販売も多くなっているため、条例適用範囲を広げてほしい

⇒条例発布当時は緑茶のみに適用でしたが、国産紅茶や国産烏龍茶も盛んに作られるようになっています。
緑茶のみで考えるのではなく、他の茶種でも検討を行うべきではないかということです。

その結果、パブリックコメントを集め、2018年3月には静岡県の議会で改めて「条例の一部維持していくものの、フレーバーや花などの添加に関しての規制緩和を検討」していくことになりました。

結び

筆者も2017年当時、このニュースを聞いて驚き、あちこちの静岡茶関係の知り合いに話を聞きました。
おおよその人が条例廃止には反対という意見でした。

2018年10月27日のニュースで、新たな動きがありました。
1956年に発布された「静岡県製茶指導取締条例」は廃止、その上で新たに「静岡県茶業振興条例(仮称)」を制定する方針を固めたそうです。

▼グルタミン酸、重曹などの添加物規制は継続
▼フレーバー類は食品衛生法の範囲内で混入可
▼違反者には指導や勧告、従わない場合は公表
▼新たな商品の創出など、時代に合った茶業振興策を展開

と、上記のような内容で検討していき、11月には再度パブリックコメントを求めるとのこと。
年度内に静岡県議会へ条例案の提出を目指すようです。

時代は刻一刻と変化しています。
人が求めるものも常に変わります。
状況に応じて検討し、改定し、フットワーク軽く販路を広げていくことも茶業界には必要なことだと思います。

…茶業界以外の法律の改正もあちこち早く見直してほしいものですが…。

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