日本のお茶刈り(摘採)について‐手摘み?ハサミ?機械?なんのこと?





筆者は茶の栽培に関わるようになって日が浅いです。

何度も書いていてしつこいですが、筆者は元々お茶カフェを経営しており、淹れる方が専門でした。(おまけに紅茶の方が強い)

日本茶の資格も持っていますが、実際製茶の現場で細かく製茶についてお伝え出来るかと言えば(残念ながら)そうではありません。
今も怪しい部分は多々ありますが…

2020年の新茶期を過ぎて、色々と気づいたことや感じたことがあったのでまずはお茶刈りについて簡単にまとめてみたいと思います。

日本のお茶刈り(摘採)について

日本茶の場合、ほとんどの農家は機械摘みです。

…機械摘み、と言われて頭に浮かぶだけでも十分お茶を知っている人ではないでしょうか。
茶を摘むことを「摘採(てきさい)」と言います。

「機械摘み」と言っても、大きく分けて二種類あります。

可搬型機械摘み(二人用茶摘機)

②乗用型機械摘み

他にもレール式や自走式等あるのですが、今回は大きく上記2つに分けてメリットデメリットを見てみましょう。

①可搬型機械(二人用茶摘機)摘みとは?


▼参考:落合刃物工業株式会社HP

両側を人が持ち、後ろの部分に大きな袋をつけます。

本体の手前にギザギザの葉が付いているのが分かると思いますが、ここで新芽を切り、モーターで起こした風によって後ろの袋に切った新芽を送っていきます。

…という説明でも分かりづらいので、動画を探しました。(音注意!)

お分かりいただけますでしょうか…。
今は動画があってありがたいですね。

筆者も様々な農家がSNSで動画をあげているのを見て、「こんな機械もあるんだなぁ」や「持ち方がちょっと違う」などを学んでいます。
今年は特にSNSにアップしてくれている農家が多い気がしています。気のせい?

②乗用型機械摘みとは?

▼参考:落合刃物工業株式会社HP

こちらは両側にキャタピラが付いていますが、その間に茶刈機が付いています。(シルバーの部分)

そこで刈った茶葉を後ろのコンテナに積み込んでいくものになります。

かなり大型です。

こちら非常に分かりやすいです。

一人が茶刈機を運転し、ガーーーーっと刈り取り。
もう一人はコンテナから出した茶葉をトラックで工場に運ぶ。

しかも可搬型機械(二人用茶摘機)摘みに比べて一気にたくさんの量が収穫できることが分かると思います。

刈られた後も綺麗ですね。

※ちなみに、コンテナではなく袋をつけて収穫を行うタイプもあります。
今回は可搬型と比較しやすいようにコンテナのものを採用しました。



可搬型機械(二人用茶摘機)摘みと乗用型機械摘みのメリットデメリット

★可搬型機械(二人用茶摘機)摘み★

【メリット】
・小回りが利く
・微調整がしやすい
・山間地(急傾斜)でも刈れる

【デメリット】
・人手がいる
・収量が限られる

★乗用型機械摘み★

【メリット】
・大量に収穫が可能
・人手が少なくて済む

【デメリット】
・初期費用(維持費等)がかかる
・平地でなければ使用できない

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他にも細かい部分はたくさんあるのではないかと思いますが、大きい部分をピックアップして比較しました。
とはいえ、乗用型機械を使用したことないので筆者には細かいところは分かりかねます。。

可搬型機械(二人用茶摘機)摘みの場合は山間地(静岡の山の方など)ではよく見かけますし、乗用型機械摘みは平地(鹿児島など)でよく使われています。

傾斜が多いような場所ではどうしても可搬型機械(二人用茶摘機)を使わざるを得ず、効率が上がらないというのが現状です。

乗用型機械摘みは機械を購入するのにかなりの費用がかかると思いますが、茶畑の仕立て方も乗用に合わせてしまえば毎年安定した収穫ができて、しかも工場への搬送時間も短くなる傾向にあり、新鮮な状態で製茶に進めるため「より良いお茶」を作れると考えられます。

山間地ではあえて可搬型機械(二人用茶摘機)も使用せず、人の手で摘むことによりプレミアム感を持たせて販売しているようなところもあります。

※絶対、という訳ではありませんが機械で摘むよりも人の手で摘む方が茶葉の状態は良いと言われています。
機械の場合はどうしても摘む葉の位置にバラつきが出てしまいますが、人が摘むと同じ大きさで摘めるので良質になりやすいようです。
▼参照記事:煎茶伝統の手揉み茶が危機?手揉み茶とは?皇室献上茶とは?

時々聞く「ハサミ」って何?

こちらは茶業界用語なのではないかと思います。

筆者も最初聞いたとき「ハサミ?」となりました。。

機械刈りのことを通称「ハサミ」と言います。

「やぶきたのハサミです」=「やぶきたという品種を機械で摘採しました」
という意味です。

筆者が知っている限りでは可搬型機械(二人用茶摘機)摘みを「ハサミ」ということが多いように思います。(乗用の場合も言うのかな…?どなたか教えてください。)

農家に話を聞くときに時々出てくる場合があるので、覚えておくと便利です。
試験に出ます(笑)

ちなみに、本当に「茶ばさみ」というものもあります。

一人で茶摘みをすることが多い筆者はこちらが非常に欲しいです。

使ってみたことがないので詳細は分からないのですが、かなり収量が上がると思いますので欲しい…!

一人用茶摘機もあるのですが、そちらよりもレトロな感じで茶ばさみ欲しいです。(訴え)

結び


そもそも上記写真のように茶を仕立てているのは機械で刈り取るのに都合が良いためです。

手摘みで良ければ、「自然仕立て」という形で畝にせず、自然に伸ばして育てていきます。
▼参照記事:煎茶伝統の手揉み茶が危機?手揉み茶とは?皇室献上茶とは?
▼参照記事:旅の思い出2019年5月-京都府茶業研究所①(玉露の本ず栽培)-

茶農家は少しでも効率よく、収量が取れるように年間通して茶畑を管理しているのです。

そのためには機械で刈り取る際に一斉に新芽が伸びるように、茶期以外の管理や品種選び等が大事になってくる訳で、結局「茶農家スゲー」ってことです。(雑)

筆者は見習い(兼業)茶農家ですが、専業茶農家は本当にすごいです。

ただ、見習いだからこそ、「知らない人」の気持ちがよーくわかるのです。
筆者も知らないことがまだまだ多く、常に学びです。

「茶を知らない人」にいかに分かりやすく伝えていくか。

これは多くの茶業関係者の悩みでもありますので、筆者もできるだけ平易に伝えられるように努力していきたいと思います。

少しずつ新茶も届いてきました。
農家と自然に感謝しつつ、美味しくいただいていきたいと思います。(^^)/