兼業茶農家の畑仕事ー2020年秋整枝終了!刈り取った枝で焼茶を作ってみるー






急に寒くなったり、台風の後は暑かったりで体がついていきません。。
寒くなり、日の出も遅くなってきて布団から出られず辛くなってくる季節到来。

こたつや冬物を出したりして冬支度を少しずつ始めているご家庭も多いのではないでしょうか。

同じように茶畑もそろそろ冬支度をしなければいけません。

そんな茶畑の冬支度のお話と、刈り取った枝を使って原始的な茶を作ってみたという内容です。

秋整枝とは?

来年の一番茶摘採のためのベース作り、が第一義ではないかと思います。

秋整枝は、最終芽が硬化した時点で行います。
もうひとつの判断として、越冬芽が萌芽開葉しないように気温が下がるのを待って実施する必要があります。
茶樹は、整枝した時点で次の芽をつくる「したく」をはじめます。



上記文章はこちらの書籍に書かれています。
筆者も以前から茶畑管理の参考にしている本です。

今苗や挿し木を育てていますので、そちらも参考にさせていただいています。

こちらの書籍中で平均気温は18℃~19℃以下になるまで待ってから行うこと、また秋整枝が遅くなった場合、早すぎた場合などのデメリットも書かれていますのでご興味がある方は是非参考になさってください。

通常は一番茶、二番茶、三番茶、秋冬番(しゅうとうばん)と、新芽が1年の間に何度か出てきて、それを摘み製茶します。

そしてもう芽が出てこない今くらいの時期に上部を刈り取ることにより、来年の新芽の数が多く出るように、揃って出てくるように調整をする訳です。

それらを秋整枝と言い、来年美味しいお茶を作るために非常に大切な作業です。

筆者のところは?

筆者のところは一番茶を刈った後、深く刈り落としました。

これは以前記事にしていますので是非ご覧ください。
▼参照記事:兼業茶農家の畑仕事‐更新という作業について‐

そのため、二番茶、三番茶は収穫していません。
というか、毎年生葉の納品は一番茶だけなのですが…。(-_-;)

一部の畑は一番茶を刈った後更新せず、その後手で芽を摘めるように伸ばしたままにしていました。

二番茶の芽、三番茶の芽(それ以外にもばらばらと芽が出てきますのでその都度摘んでいました)を摘んで手で茶を作っています。

今年は新型コロナウイルスの影響で例年より更に二番茶、三番茶の茶の買取価格は下がり、芽は摘まずに刈り落としだけを行うところも多かったようです。

そして廃業していく方たちも今まで以上に多く…。涙

話を元に戻しますと…。
筆者のところは、一番茶が終わってからずっと伸ばし放題の畑の枝が30cm以上伸びていました。

ですが、このお陰でかなり葉が元気になり、葉層が厚くなりました。

葉層の話もこちらの記事よりどうぞ。
▼参照記事:兼業茶農家の畑仕事‐更新という作業について‐

それを以前更新した時と同じ「浅番刈機(あさばんかりき)」を使用してごっそり刈り落としました。

もう少し綺麗にならして、春先にもう一度「化粧刈り」を行って5月の新芽を待ちます。



刈り落とした枝を再利用

ごっそり刈り落とした枝や葉はそのまま畝間で枯れていくので、筆者のところは放置しています。

ただ、病気にもなっていない(炭疽病など)綺麗な葉が多かったのと、花芽がたくさんついていたので何本か持って帰ってきました。

この時期はトップ画像のようにそっと飾ったりしています。
また、先日ご紹介しましたが花を摘んで保存しておいたりもします。
▼参照記事:茶畑の二次活用を考える③ー茶の花で遊ぶ

毎年行っているのですが、「焼き茶(やきちゃ)」を作ってみます。

焼き茶とは?

山野において茶葉の用意がなかった時、身近な茶の枝を折り取って焚き火で炙り、薬缶で煮出す方法である。
林業者の間では今でも当たり前のように行われている…(略)

焼き茶と呼ばれる方法で、普通に当たり前に行われている(いた?)方法だったようです。

引用はこちらからお借りしています。


最近注目されることが増えた日本中にある「番茶」について細かく書かれていますのでご興味のある方は是非どうぞ。

漬け込んで発酵させる「碁石茶(ごいしちゃ)」や「阿波番茶」などについても書かれていて、参考文献として非常に役立っています。

焼き茶は本当に「茶」を飲むことの始まりの始まりかも知れないと考えさせられます。
火と茶があればどこでも飲めますものね。(水と器も必要ですが。。)

そしてある先生が仰っていましたが、番茶は民俗学とは切っても切り離せない存在なのだと感じます。

番茶についてもまた機会があれば記事を書きたいと思います。

焼き茶の作り方

焼き茶の作り方も何も…なのですが、一応筆者のやり方をご紹介します。

①火で炙る
②オーブントースターで焼く

今回はこちらの二種類で作ってみました。


ガス火でただ炙ります。

一部火がついて焦げ、茎にはなかなか火が通っていない状態だと思われます。。


オーブントースターに入れて焼いたところ、かなり焦がしました。。。

そのため、もう一度焦げるまでいかない程度に焼いたものと二種類作りました。


同じ薬缶が三つ無かったので、手鍋で煮ます。


出来上がり!

お分かりいただけると思いますが、真ん中が一番水色が濃いです。

これが焦げたものでした。
そして一番飲みやすかったです。(笑)
ほうじ茶のような味わい。

左はガス火で炙ったもので、右は程よくトースターで焼いたものですがどちらも生っぽい、青っぽさが非常に強くあまり美味しいとは言い難いものでした。

結論!

「焼き茶は焦がしてなんぼ」

結び

枝や葉などの茶畑にあるものを活用して何か遊んでやろうという気持ちでいっぱいです。
▼第1弾:茶畑の二次活用を考える‐茶杓を作ってみる‐
▼第2弾:茶畑の二次活用を考える②‐0円でリースを作ってみた‐
▼第3弾:茶畑の二次活用を考える③ー茶の花で遊ぶー

あとは、漬け込んで発酵させる系のお茶を作ってみたいのと、あとは…えーと…。

案外思いつかないもので、思いついたらまた時折更新していきたいと思います。(;’∀’)

寒くなってきましたが、着実に春が近づいているのですでにわくわくしております。

そろそろほうじ茶の作り置きをしなくてはなぁという感じですね。
▼参照記事:ほうじ茶って何?自宅で簡単ほうじ茶の作り方をご紹介!
▼参照記事:年の瀬のほうじ茶作り。2019年に向けての棚卸



新規の茶畑を開拓中ー新規茶畑までの道のり②ー







現在(9/3)かなりの勢力を持った台風が近づいているようです。

9号が今来ていて、さらに大型の台風10号。
先日の大雨で九州地方はまだ大変な状況だと言うのに…。

被害が最小限であることを毎回祈るばかりです…。

今年(2020年)は年明けから新型コロナウイルスに翻弄され、7月には熊本を中心に集中豪雨で災害が起き、今度はまた台風が…。

大地震も起こるのではないかと時折ニュースを目にしては「もう人類滅びるんでは…?」と思うほど。

そんな中でも今の世を生きているものたちすべて、生きていくための営みを続ける訳です。←なんの話?

マルチをひいた後

雑草取って、ようやくマルチをひき、あとは春まで置いておけば…というところですが、自然はそう簡単に人の侵入を許しません。

≪Before≫

≪After≫

Oh…。

思わずつぶやいてしまいます。。
雑草よ、暑いのに元気だな…。

確かにマルチをひいてから少しだけ時間は開きました。
筆者は土日しか畑仕事が出来ないため、気づけば半月以上?

除草剤を撒いてしまっても良いのですが、それほど広くない畑(5畝くらい)ですのでまぁ撒かずとも良いかというところに落ち着きました。

が。
やはりさすが雑草君たちです。ツライ…。

いざ、草刈り

農家にはお馴染みというか、家庭菜園を行っている人にもお馴染みなので説明するまでもないのですが農業を全くやったことの無い人のために刈払機(かりばらいき)の説明を。

所謂、草刈機です。

草刈りは少ない量でしたら鎌や手で行いますが、通常は刈払機を使用して行います。


上記は充電式の刈払機なので、使いやすそうです。

筆者たちが使用しているのは燃料を別途入れて使いますので、もう少しコツが必要です。

機種によってもメーカーによっても若干仕様が違うのでよく検討して購入されるのをお勧めします。
筆者は完全に素人から始めているので最初はわからないことだらけでした。(;^_^A

刈払機の使い方例は下記動画でどうぞ。

「チップソー」と言われる刃が欠けて飛んでけがをしたり、刈払機を使ったまま崖から転落して足や手を切ってしまうというような事故も後を絶たないそうです。

最初に見た時は簡単そうに思ったのですが、実際にやってみると顔に様々な破片が飛んできたり、土が乾燥しているところだと土埃で大変な目に遭ったり…。

使い方を知っている人にきちんと習ってから使うことをお勧めします。ほんとに。

今回は結構マルチを切ってしまって、後から補修しました。涙
マルチ案外高いんですよー。

マルチ側の雑草は諦めて手で抜くことに。

こういう輩もいる





うおい!!!(# ゚Д゚)

さすがだよ、雑草…。
こういうのが結構ありました。。

そのまま引っこ抜くと根が横に広がっていた場合、マルチを引きちぎってしまう可能性が…。(マルチ高いんですって(2回目))

そのため、この部分だけは除草剤の力を借りることにしました。

根を枯らす力のある除草剤の原液を草の生長点に塗って、枯れるのを待ってから抜いていきます。

土を耕した時点で除草剤を撒いてしまえばこれほど苦労することはなかったのです。

表面上を綺麗に刈っても、根は生きているので結局いたちごっこ。

無農薬で栽培されている方たちは本当にご苦労なさっているのですよ…。

結び

梅雨の間は植物がたくさんの雨を浴びて、ぐんぐん成長します。
そして、暑い夏も元気に育ってくれるのです。。

農家の方たちは酷暑と言われるような今年の夏も熱中症で倒れながら、水を何リットルも飲みながら畑に出ています。

農家というのは本当に大変です。

筆者は兼業のため、平日は冷房の効いたオフィスで精神を病みながら(?)もしっかり給料をいただき、土日は土にまみれている訳なのでいいとこどりです。

専業農家は天候一つで仕事の進め方も、収入すら左右されます。

最近、新型コロナウイルスによって多くの方が都会を離れて地方で暮らすようになっていると聞きます。

それは非常に良いことです。

筆者も農業は素晴らしいと考えており、いずれは農業収入だけでやっていきたいと思っています。

ただ、簡単ではないこと、学ぶことも多いことを心に留めておいてほしいです。

今はYouTubeで刈払機の使い方も学べるのですから、自身の力で知識を得てほしいです。

それプラス、信頼できる農家さんに教えを乞うてください。

農地のことなどはまた追ってまとめていきたいと思っています。



兼業茶農家の仕事‐雑草と虫とわたし‐






少しずつ暑くなり、雨が増えました。

湿度が高くてもうすでにエアコンの虜。

一番茶期を終えた筆者の畑のその後について、簡単な作業日記です。

暑くなると増えるもの、そう、雑草(と虫)。 “兼業茶農家の仕事‐雑草と虫とわたし‐” の続きを読む

兼業茶農家の畑仕事‐更新という作業について‐






先日、筆者が生葉を摘採して工場に持っていくという話を書きました。
▼参照記事:兼業茶農家とは?実際兼業茶農家ってどういう感じで茶と関わっているの?

兼業茶農家である筆者は一番茶を摘採し、工場に出荷。
残念ながら煎茶を作る、という作業はありませんがその後も茶畑の仕事は続きます。

あくまでも兼業茶農家としての畑仕事となりますが、茶畑で行う作業は様々ありますので、まずは更新について実際に行った作業をご紹介したいと思います。 “兼業茶農家の畑仕事‐更新という作業について‐” の続きを読む

日本のお茶刈り(摘採)について‐手摘み?ハサミ?機械?なんのこと?






筆者は茶の栽培に関わるようになって日が浅いです。

何度も書いていてしつこいですが、筆者は元々お茶カフェを経営しており、淹れる方が専門でした。(おまけに紅茶の方が強い)

日本茶の資格も持っていますが、実際製茶の現場で細かく製茶についてお伝え出来るかと言えば(残念ながら)そうではありません。
今も怪しい部分は多々ありますが…

2020年の新茶期を過ぎて、色々と気づいたことや感じたことがあったのでまずはお茶刈りについて簡単にまとめてみたいと思います。

日本のお茶刈り(摘採)について

日本茶の場合、ほとんどの農家は機械摘みです。

…機械摘み、と言われて頭に浮かぶだけでも十分お茶を知っている人ではないでしょうか。
茶を摘むことを「摘採(てきさい)」と言います。

「機械摘み」と言っても、大きく分けて二種類あります。

可搬型機械摘み(二人用茶摘機)

②乗用型機械摘み

他にもレール式や自走式等あるのですが、今回は大きく上記2つに分けてメリットデメリットを見てみましょう。

①可搬型機械(二人用茶摘機)摘みとは?


▼参考:落合刃物工業株式会社HP

両側を人が持ち、後ろの部分に大きな袋をつけます。

本体の手前にギザギザの葉が付いているのが分かると思いますが、ここで新芽を切り、モーターで起こした風によって後ろの袋に切った新芽を送っていきます。

…という説明でも分かりづらいので、動画を探しました。(音注意!)

お分かりいただけますでしょうか…。
今は動画があってありがたいですね。

筆者も様々な農家がSNSで動画をあげているのを見て、「こんな機械もあるんだなぁ」や「持ち方がちょっと違う」などを学んでいます。
今年は特にSNSにアップしてくれている農家が多い気がしています。気のせい?

②乗用型機械摘みとは?

▼参考:落合刃物工業株式会社HP

こちらは両側にキャタピラが付いていますが、その間に茶刈機が付いています。(シルバーの部分)

そこで刈った茶葉を後ろのコンテナに積み込んでいくものになります。

かなり大型です。

こちら非常に分かりやすいです。

一人が茶刈機を運転し、ガーーーーっと刈り取り。
もう一人はコンテナから出した茶葉をトラックで工場に運ぶ。

しかも可搬型機械(二人用茶摘機)摘みに比べて一気にたくさんの量が収穫できることが分かると思います。

刈られた後も綺麗ですね。

※ちなみに、コンテナではなく袋をつけて収穫を行うタイプもあります。
今回は可搬型と比較しやすいようにコンテナのものを採用しました。



可搬型機械(二人用茶摘機)摘みと乗用型機械摘みのメリットデメリット

★可搬型機械(二人用茶摘機)摘み★

【メリット】
・小回りが利く
・微調整がしやすい
・山間地(急傾斜)でも刈れる

【デメリット】
・人手がいる
・収量が限られる

★乗用型機械摘み★

【メリット】
・大量に収穫が可能
・人手が少なくて済む

【デメリット】
・初期費用(維持費等)がかかる
・平地でなければ使用できない

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

他にも細かい部分はたくさんあるのではないかと思いますが、大きい部分をピックアップして比較しました。
とはいえ、乗用型機械を使用したことないので筆者には細かいところは分かりかねます。。

可搬型機械(二人用茶摘機)摘みの場合は山間地(静岡の山の方など)ではよく見かけますし、乗用型機械摘みは平地(鹿児島など)でよく使われています。

傾斜が多いような場所ではどうしても可搬型機械(二人用茶摘機)を使わざるを得ず、効率が上がらないというのが現状です。

乗用型機械摘みは機械を購入するのにかなりの費用がかかると思いますが、茶畑の仕立て方も乗用に合わせてしまえば毎年安定した収穫ができて、しかも工場への搬送時間も短くなる傾向にあり、新鮮な状態で製茶に進めるため「より良いお茶」を作れると考えられます。

山間地ではあえて可搬型機械(二人用茶摘機)も使用せず、人の手で摘むことによりプレミアム感を持たせて販売しているようなところもあります。

※絶対、という訳ではありませんが機械で摘むよりも人の手で摘む方が茶葉の状態は良いと言われています。
機械の場合はどうしても摘む葉の位置にバラつきが出てしまいますが、人が摘むと同じ大きさで摘めるので良質になりやすいようです。
▼参照記事:煎茶伝統の手揉み茶が危機?手揉み茶とは?皇室献上茶とは?

時々聞く「ハサミ」って何?

こちらは茶業界用語なのではないかと思います。

筆者も最初聞いたとき「ハサミ?」となりました。。

機械刈りのことを通称「ハサミ」と言います。

「やぶきたのハサミです」=「やぶきたという品種を機械で摘採しました」
という意味です。
▼参照記事:兼業茶農家とは?実際兼業茶農家ってどういう感じで茶と関わっているの?

筆者が知っている限りでは可搬型機械(二人用茶摘機)摘みを「ハサミ」ということが多いように思います。(乗用の場合も言うのかな…?どなたか教えてください。)

農家に話を聞くときに時々出てくる場合があるので、覚えておくと便利です。
試験に出ます(笑)

ちなみに、本当に「茶ばさみ」というものもあります。

一人で茶摘みをすることが多い筆者はこちらが非常に欲しいです。

使ってみたことがないので詳細は分からないのですが、かなり収量が上がると思いますので欲しい…!

一人用茶摘機もあるのですが、そちらよりもレトロな感じで茶ばさみ欲しいです。(訴え)

結び


そもそも上記写真のように茶を仕立てているのは機械で刈り取るのに都合が良いためです。

手摘みで良ければ、「自然仕立て」という形で畝にせず、自然に伸ばして育てていきます。
▼参照記事:煎茶伝統の手揉み茶が危機?手揉み茶とは?皇室献上茶とは?
▼参照記事:旅の思い出2019年5月-京都府茶業研究所①(玉露の本ず栽培)-

茶農家は少しでも効率よく、収量が取れるように年間通して茶畑を管理しているのです。

そのためには機械で刈り取る際に一斉に新芽が伸びるように、茶期以外の管理や品種選び等が大事になってくる訳で、結局「茶農家スゲー」ってことです。(雑)

筆者は見習い(兼業)茶農家ですが、専業茶農家は本当にすごいです。

ただ、見習いだからこそ、「知らない人」の気持ちがよーくわかるのです。
筆者も知らないことがまだまだ多く、常に学びです。

「茶を知らない人」にいかに分かりやすく伝えていくか。

これは多くの茶業関係者の悩みでもありますので、筆者もできるだけ平易に伝えられるように努力していきたいと思います。

少しずつ新茶も届いてきました。
農家と自然に感謝しつつ、美味しくいただいていきたいと思います。(^^)/