兼業茶農家の仕事‐雑草と虫とわたし‐






少しずつ暑くなり、雨が増えました。

湿度が高くてもうすでにエアコンの虜。

一番茶期を終えた筆者の畑のその後について、簡単な作業日記です。

暑くなると増えるもの、そう、雑草(と虫)。 “兼業茶農家の仕事‐雑草と虫とわたし‐” の続きを読む

茶殻どうしてる?捨てる?再活用?伊藤園の茶殻リサイクルシステムから考える






お茶を日常的に飲む人たちは皆様感じているとは思いますが、過剰に生ごみを排出しがちじゃありませんか?

■気づくと三角コーナーに茶殻しか入っていない
■可燃ごみの袋の大半は茶殻だ

そう、あなたのことです。(そして筆者のことです)

当然のことながら、お茶を飲めば茶殻が出ます。
ティーバッグも生分解性素材のものだとすれば、ティーバッグごと生ごみです。
▼参照記事:ティーバッグってどこでどうやって生まれたの?素材はどんなもの?ティーバッグについての色々

どうしても発生してしまう茶殻問題。

家庭での茶殻の活用方法や、企業の努力についてもまとめてみたいと思います。 “茶殻どうしてる?捨てる?再活用?伊藤園の茶殻リサイクルシステムから考える” の続きを読む

兼業茶農家の畑仕事‐更新という作業について‐





先日、筆者が生葉を摘採して工場に持っていくという話を書きました。
▼参照記事:兼業茶農家とは?実際兼業茶農家ってどういう感じで茶と関わっているの?

兼業茶農家である筆者は一番茶を摘採し、工場に出荷。
残念ながら煎茶を作る、という作業はありませんがその後も茶畑の仕事は続きます。

あくまでも兼業茶農家としての畑仕事となりますが、茶畑で行う作業は様々ありますので、まずは更新について実際に行った作業をご紹介したいと思います。 “兼業茶農家の畑仕事‐更新という作業について‐” の続きを読む

日本のお茶刈り(摘採)について‐手摘み?ハサミ?機械?なんのこと?





筆者は茶の栽培に関わるようになって日が浅いです。

何度も書いていてしつこいですが、筆者は元々お茶カフェを経営しており、淹れる方が専門でした。(おまけに紅茶の方が強い)

日本茶の資格も持っていますが、実際製茶の現場で細かく製茶についてお伝え出来るかと言えば(残念ながら)そうではありません。
今も怪しい部分は多々ありますが…

2020年の新茶期を過ぎて、色々と気づいたことや感じたことがあったのでまずはお茶刈りについて簡単にまとめてみたいと思います。

日本のお茶刈り(摘採)について

日本茶の場合、ほとんどの農家は機械摘みです。

…機械摘み、と言われて頭に浮かぶだけでも十分お茶を知っている人ではないでしょうか。
茶を摘むことを「摘採(てきさい)」と言います。

「機械摘み」と言っても、大きく分けて二種類あります。

可搬型機械摘み(二人用茶摘機)

②乗用型機械摘み

他にもレール式や自走式等あるのですが、今回は大きく上記2つに分けてメリットデメリットを見てみましょう。

①可搬型機械(二人用茶摘機)摘みとは?


▼参考:落合刃物工業株式会社HP

両側を人が持ち、後ろの部分に大きな袋をつけます。

本体の手前にギザギザの葉が付いているのが分かると思いますが、ここで新芽を切り、モーターで起こした風によって後ろの袋に切った新芽を送っていきます。

…という説明でも分かりづらいので、動画を探しました。(音注意!)

お分かりいただけますでしょうか…。
今は動画があってありがたいですね。

筆者も様々な農家がSNSで動画をあげているのを見て、「こんな機械もあるんだなぁ」や「持ち方がちょっと違う」などを学んでいます。
今年は特にSNSにアップしてくれている農家が多い気がしています。気のせい?

②乗用型機械摘みとは?

▼参考:落合刃物工業株式会社HP

こちらは両側にキャタピラが付いていますが、その間に茶刈機が付いています。(シルバーの部分)

そこで刈った茶葉を後ろのコンテナに積み込んでいくものになります。

かなり大型です。

こちら非常に分かりやすいです。

一人が茶刈機を運転し、ガーーーーっと刈り取り。
もう一人はコンテナから出した茶葉をトラックで工場に運ぶ。

しかも可搬型機械(二人用茶摘機)摘みに比べて一気にたくさんの量が収穫できることが分かると思います。

刈られた後も綺麗ですね。

※ちなみに、コンテナではなく袋をつけて収穫を行うタイプもあります。
今回は可搬型と比較しやすいようにコンテナのものを採用しました。



可搬型機械(二人用茶摘機)摘みと乗用型機械摘みのメリットデメリット

★可搬型機械(二人用茶摘機)摘み★

【メリット】
・小回りが利く
・微調整がしやすい
・山間地(急傾斜)でも刈れる

【デメリット】
・人手がいる
・収量が限られる

★乗用型機械摘み★

【メリット】
・大量に収穫が可能
・人手が少なくて済む

【デメリット】
・初期費用(維持費等)がかかる
・平地でなければ使用できない

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他にも細かい部分はたくさんあるのではないかと思いますが、大きい部分をピックアップして比較しました。
とはいえ、乗用型機械を使用したことないので筆者には細かいところは分かりかねます。。

可搬型機械(二人用茶摘機)摘みの場合は山間地(静岡の山の方など)ではよく見かけますし、乗用型機械摘みは平地(鹿児島など)でよく使われています。

傾斜が多いような場所ではどうしても可搬型機械(二人用茶摘機)を使わざるを得ず、効率が上がらないというのが現状です。

乗用型機械摘みは機械を購入するのにかなりの費用がかかると思いますが、茶畑の仕立て方も乗用に合わせてしまえば毎年安定した収穫ができて、しかも工場への搬送時間も短くなる傾向にあり、新鮮な状態で製茶に進めるため「より良いお茶」を作れると考えられます。

山間地ではあえて可搬型機械(二人用茶摘機)も使用せず、人の手で摘むことによりプレミアム感を持たせて販売しているようなところもあります。

※絶対、という訳ではありませんが機械で摘むよりも人の手で摘む方が茶葉の状態は良いと言われています。
機械の場合はどうしても摘む葉の位置にバラつきが出てしまいますが、人が摘むと同じ大きさで摘めるので良質になりやすいようです。
▼参照記事:煎茶伝統の手揉み茶が危機?手揉み茶とは?皇室献上茶とは?

時々聞く「ハサミ」って何?

こちらは茶業界用語なのではないかと思います。

筆者も最初聞いたとき「ハサミ?」となりました。。

機械刈りのことを通称「ハサミ」と言います。

「やぶきたのハサミです」=「やぶきたという品種を機械で摘採しました」
という意味です。

筆者が知っている限りでは可搬型機械(二人用茶摘機)摘みを「ハサミ」ということが多いように思います。(乗用の場合も言うのかな…?どなたか教えてください。)

農家に話を聞くときに時々出てくる場合があるので、覚えておくと便利です。
試験に出ます(笑)

ちなみに、本当に「茶ばさみ」というものもあります。

一人で茶摘みをすることが多い筆者はこちらが非常に欲しいです。

使ってみたことがないので詳細は分からないのですが、かなり収量が上がると思いますので欲しい…!

一人用茶摘機もあるのですが、そちらよりもレトロな感じで茶ばさみ欲しいです。(訴え)

結び


そもそも上記写真のように茶を仕立てているのは機械で刈り取るのに都合が良いためです。

手摘みで良ければ、「自然仕立て」という形で畝にせず、自然に伸ばして育てていきます。
▼参照記事:煎茶伝統の手揉み茶が危機?手揉み茶とは?皇室献上茶とは?
▼参照記事:旅の思い出2019年5月-京都府茶業研究所①(玉露の本ず栽培)-

茶農家は少しでも効率よく、収量が取れるように年間通して茶畑を管理しているのです。

そのためには機械で刈り取る際に一斉に新芽が伸びるように、茶期以外の管理や品種選び等が大事になってくる訳で、結局「茶農家スゲー」ってことです。(雑)

筆者は見習い(兼業)茶農家ですが、専業茶農家は本当にすごいです。

ただ、見習いだからこそ、「知らない人」の気持ちがよーくわかるのです。
筆者も知らないことがまだまだ多く、常に学びです。

「茶を知らない人」にいかに分かりやすく伝えていくか。

これは多くの茶業関係者の悩みでもありますので、筆者もできるだけ平易に伝えられるように努力していきたいと思います。

少しずつ新茶も届いてきました。
農家と自然に感謝しつつ、美味しくいただいていきたいと思います。(^^)/



茶を作る2020‐出始めの新芽で作る釜炒り茶‐

新型コロナウイルスのため多くのイベントが中止になってしまいました。

茶のイベントも例外ではありません。
茶畑で行う茶摘み体験も多くが中止。

人数が必要な手摘みの場合などは万全の対策を講じた上で募集をかけているところもあるようです。

ありがたいことに筆者は相方と車で畑に行って、二人だけで畑仕事をしていますので問題はありません。
とはいえ、実際に要望いただいていた茶摘み&製茶体験のイベントを中止にしています。

今回は出始めの新芽を摘んで、少しだけ自家製茶を作りました。



製茶を始める前に

製茶をしてみたい、という方は多くいらっしゃるようです。
筆者もそのうちの一人です。

子どもの頃茶処で育った、というような方ですと町内会のイベントでお茶摘みや製茶体験をした経験があったりするようですね。

ただ、茶と縁もゆかりもない土地に住んでいると茶の木を意識してみたことがないと仰る方も多いです。
探して見ると垣根になっていたり、畑の隅っこに植えられていたりします。
あと、寺とか結構あちこちに植えられていますので要チェック!

前回、製茶の絵本について記事を書いているので、もしお茶を作る機会があったら是非参考にしてみてください。
▼参照記事: 製茶を始める前に。「茶の絵本」がおススメ!

先日作ったのは、まだまだ出始めの若芽を使った「釜炒り茶」と「紅茶」です。

静岡では「ミル芽」と言います。
「この葉はミルい」、という言い方をするのですが「ミル」の語源は分かりません。
最初聞いた時に聞き返したのを今でも覚えています。笑

萌黄色の生まれたてと言ってもいいような柔らかい芽。

齧るとと柔らかく、青い葉の香りが口中に広がります。
もう少し大きくなったくらいでよくてんぷらにして食べますね。

春の味です。

本来こちらの芽ですと普通煎茶の収穫には早すぎるかと思います。

ですが、筆者はこういった芽を摘んでも問題ない環境であることと(趣味のようなものなので)、成長の過程でどのような味(香り)の変化があるのか学びたくて摘んでみることにしました。

今回使ったのはホットプレートとざると菜箸、軍手。

ちなみに、軍手ですが熱い茶葉を触ったり、ホットプレートに触れてしまったりするため純綿のものがお勧めです。


相方が以前ホットプレートで軍手を溶かしてしまい、変な味のお茶になってしまったそうです。。

純綿軍手、実際に使用していますが厚手のものであればほとんど熱を感じず、子供さんでも問題ないかと思います。

また、手首が隠れるくらいの方がやけどを防げるかも知れません。
結構ホットプレートの端っこで手首をやけどするんですよね。。←経験者
とはいえ、十分ご注意を!


こちらは畑で摘んできたばかりの新芽たち



製茶工程を順を追って

本来は動画が一番分かりやすいかと思いますが、そういうの無理なんで(?)写真多めでお送りします。

前回の記事でご紹介した「茶の絵本」に従って作っています。

①生葉200~300gを用意。
ホットプレートの温度を200~250℃に温めておく。


最初、水分が多いので熱いホットプレートに入れるとじゅーっと湯気が立ち、すぐに焦げてしまうため軍手をした手と菜箸で手早く全体に熱が入るように混ぜます。

熱が均一に通ったところで一度ざるにあけます。

②熱を冷まして(蒸れないように時折かき混ぜて)優しく揉む。

③ホットプレートの温度を140-150℃程度に調整し、表面の水分を飛ばしていく。

④再度ざるに取り出し、揉み、またホットプレートに戻す…を数回繰り返す。
※途中で粉が出たら振るうこと(焦げるため)
※あまり揉みすぎてべたべたにしないこと

⑤120℃程度のホットプレートに和紙などをひき、乾燥。
時々かき混ぜる。

⑥全体的にパリパリになって乾燥したら完成。

多分摘んだ後からの工程で1時間半くらいあれば余裕です。
葉の量にもよりますが、今回は100g程度。

作ったら試飲しよう

普通に急須などで淹れても良いと思いますが、なんとなくカップに茶葉を入れて熱湯を注いでテイスティングしました。

少し乾燥が弱かったため、生の葉のような味わいが残りつつきちんと釜炒り特有の香りもあります。

渋みもそれほどなく、なかなか美味しく出来上がったと自画自賛。

撚られた葉がゆっくりと静かに開いていく様が本当に癒しを与えてくれます。

急須で淹れる場合は釜炒り茶ですので、85℃~90℃ほどのお湯で抽出すると良いのではないかと思います。

また、しっかり乾燥させたつもりでも、おそらくかなり水分は残っているかと思います。

製茶から少し経って、再度ホットプレートで軽く炒ってあげると風味に変化を与えることが出来ます。

「焙煎」や「仕上げ火入れ」になるでしょうか。
▼参照記事:武夷岩茶・焙煎の現場についてのセミナーで焙煎を学ぶ



結び

中国緑茶はおそらくこれくらいの柔らかい葉で作るものがあるのではないかと思います。
明前とか。

そのようなイメージで今回は作ってみました。

紅茶も作りましたが、そちらはまた今度。

これからは土日しっかり畑仕事が入ってくるのでますますブログが…。
平日はコロナ騒ぎで毎日大わらわです…。仕事があるだけマシと思うしかないのでしょうか…。

海外の茶園も少しずつ稼働し始めているのでまた記事にまとめたい気持ちもあるのですが、あるのですが…!!!←察して

筆者の小さな茶園の様子もまた少しずつアップしていきたいと思います。

さぁ、新茶期、皆さん財布のひもを緩めましょう!!!←?