頻度が多く、長期間に渡って茶を飲んでいる人ほど鬱になりにくい?シンガポール在住高齢者での研究結果

少し前のものですが興味深い調査を行っているという記事を見つけたので、調べてみました。

茶を長い期間、定期的にお茶を飲んでいる人の方が鬱になる方が少ない、という研究結果をシンガポール国立大学の研究チームが発表したそうです。(2017年6月)

シンガポールで過去からずっと、現在でも定期的に茶を飲んでいる高齢者を対象に茶を飲んでいない人に比べて鬱傾向が低いという結果が出たとのこと。

似たような調査は中国でも行われていました。

シンガポールの研究がどのような内容なのか、筆者が分かる範囲で調べてみました。



調査の内容について


【質問内容】
登録時もしくは45歳の時点で次の各食品または飲料をどのくらいの頻度で消費しますか(していましたか)?
対象の茶は緑茶、中国の烏龍茶、英国式紅茶。
つまり、これでお茶を飲んでいる人は15年ほど継続して茶を飲んでいるということが分かる。

【選択回答】
・ほとんど飲まない、もしくは稀に飲む
・月に1回以上、週に1回未満
・週に1~3回
・週に4~6回
・1日に1~2回
・1日3回以上

【被験者】
シンガポール市民とジュロン島に居住する60歳以上の永住者、614人
(「食事と健康的な高齢化研究」(Diet and Healthy Aging (DaHA) study)から抽出 2011年7月に開始)

【調査方法、内容】
訓練を受けたスタッフたちが訪問しアンケートを行い、Training and Research Academy at Jurong Point (TaRA@JP)で調査と評価。

うつ病のレベルは15段階の「老人性うつ病診断(GDS-15)」で測定。
不安の重症度は20項目の「老年不安尺度(GAI)」で測定。
スコアが高いほど重症度が高い。

「年齢、性別、民族、婚姻状況、学歴等の社会的要因」と「病歴や病状」はインタビュアーがヒアリング。



結果としてどうなの?

残念ながら詳細な結果については論文を購入しないとわかりませんので途中で挫折しました…。

中国の高齢者の研究結果では65歳から79歳までの男性のみに「長期的に茶を飲むこと」が軽度の鬱や不安症状を防ぐ効果があったとのこと。
(調査内容としては、2005年から2014年までの「長期健康寿命調査(CLHLS)」を利用して13000人に及ぶ中国の高齢者のデータを分析したもの。)

シンガポールの研究結果は中国の研究結果に合わせて【茶種】を加えたことで、どのお茶が鬱に効果的かということが具体的になったそうです。

また、今後も継続して調査は行っていくようですが、現時点でも「長期に渡って定期的に茶を飲むこと」は抑うつ及び不安症状の軽減に効果があるとしています。

詳細が気になる方は是非論文をダウンロードしてみてください。
Associations of Long-Term Tea Consumption with Depressive and Anxiety Symptoms in Community-Living Elderly: Findings from the Diet and Healthy Aging Study

結び

毎日世界の茶のニュースを少しずつでも読むようにしているのですが、「茶の効能」についての研究は世界中で非常に多く行われていると感じます。
▼例:烏龍茶が乳がんの予防に効果があるという研究結果について-薬事法とかいろいろと-

「ふむふむ」と読んでみるととんでもない内容(嘘ばかりや適当なもの)の時もあるのですが(どこの国でも同じ笑)、数千年にもわたって人間がお茶を飲み続けているのはやはり何かしら体に効果をもたらすからだと思います。

テアニンの効果でほっとしたり、リラックスしたり、カフェインの効果で夜中まで仕事を集中して出来たり。

とはいえ、毎回書いていますが、「茶=薬」ではないためご注意を!
▼参照:茶を飲むのは体に良いから?茶=薬?

どの茶種が一番高齢者の鬱に効果的なのか、他にも茶を飲むことでもたらされる効能は非常に気になりますので今後もこういった記事には注目していきたいと思います。



【実験】玄米茶をちゃんと玄米で作ってみた(完結編)

2020年、あけましておめでとうございます。
今年ものんびりとブログを更新していきたいと思います。
(いえ、サクサクと毎日更新するのが当初の目標だったのですが…)

年末から持ち越しの「玄米茶を作る」シリーズ完結編(?)です。
年明けですので、今回もゆるさ爆発です。

そして、今回はちゃんと玄米を買ってきました!←



玄米って?

白米を精製する前の状態のものです。
胚芽や糠がついた状態で、そのまま炊いて食べると歯ごたえがかなりあります。
一時期やたらと玄米でダイエットが流行った時がありましたね。
白米に比べて消化しにくいのでおなかにたまるそうです。

また、ビタミンB1などの栄養素も白米より多いので、健康食品やダイエット食品としても販売されています。


とはいえ、筆者は玄米を自分で炊いたことがないため、詳しいことは分かりません。
今回初めて購入したので食べてみたいと思っています。
▼参照:実験】自家製玄米茶(精米使用)を作ってみる

今回の材料と作り方について

【材料】

・玄米 大さじ2
・皿
・電子レンジ

【今回の作り方】


皿に大さじ2の玄米を満遍なく広げて、電子レンジ600W。


30秒ごとくらいに開けて、かき混ぜて再度チン。
次第にポンポンと爆ぜてきます。


どこら辺が止め時なのかいまいちわかりませんが、こちらで4分。
一部若干焦げた感じもありましたが、ひとまずセーフ。

熱いのですが、そのまま食べると非常に美味。
ちょっと岩塩でもかけて食べたら最高のおやつです。

実は電子レンジで作る前に焙烙でやってみたのですが、焦げ焦げになってしまいました…。

焙烙ってこれですね。


ほうじ茶を作る際に主に使用しています。
ごまとかスパイスとかを炒る時に使っている方もいらっしゃいます。

火が満遍なく入り、フライパンより手軽に炒ることができますので是非一つはおうちにあってもいいと思いますよ。


焙烙で焦がしてしまった玄米…。
黒ゴマ…?ってなっています。(;^_^A
でももったいないので、こちらは鍋で煮て飲みました。(栄養豊富だっていうからさ)


こんな感じで20分くらい煮込みました。



飲んでみよう

今回は深蒸しのつゆひかり(品種名)を混ぜてみました。
色々調べてみると、玄米:煎茶=1:1くらいが良いようです。
でも、玄米がいっぱいあったので、今回は2:1くらいの割合。


おお、なんかそれっぽい。←


たっぷり熱湯を注いで、飲みましょう。

ほっこり。

結び

お正月のおせち料理など豪華な食事で胃が疲れた時には玄米茶やほうじ茶は良いですよね。
▼参照:ほうじ茶って何?自宅で簡単ほうじ茶の作り方をご紹介!
▼参照:年の瀬のほうじ茶作り。2019年に向けての棚卸
▼参照:【実験】 自家製玄米茶(精米使用)を作ってみる
▼参照:【実験】玄米茶を白米で作ってみる(失敗編)

以前よく行っていた日本茶カフェで3煎目に玄米を入れて味変して飲む方法を提案されていました。
そのサービスが非常に嬉しかったのを覚えています。

フライパンで炒る方法もありますが、案外電子レンジ万能かもしれません。

どのみち焙烙やフライパンでもずっと混ぜている必要がありますし、電子レンジの30秒ごとくらいに混ぜて4分しかかからないならこちらの方が楽かと思います。

あと、深蒸し茶だと色も緑ですが、普通の煎茶ですと玄米の色も相まって、綺麗な黄金色になります。

これ、合わせる茶の種類を変えて色々ティスティングしたい衝動にかられています。
また実験ブームが来たらやってみようと思います。

あ、玄米茶とほうじ茶の記事が2,3個あってすみません…。
以前に書いたことを忘れて重複して書いてました…。無念。

茶畑からアブラヤシ畑に?!アッサムティの危機?

昨日少々気になるニュースを見つけました。
元記事はこちら

インド茶協会(ITA)は茶の価格に対する不満を抱えた現状から、茶畑をアブラヤシ畑に変えてしまおうとインド紅茶局に進言しているとのこと。

アブラヤシはパーム油を作ることができ、インドはパーム油をほぼ輸入に頼っているため大きな利益が見込めると考えているようです。

茶畑が無くなってしまう…?!



パーム油とは?


▼出典:http://www.bctj.jp/3minutes-palmoil/

パーム油とはアブラヤシから取れる植物油です。
ココナッツオイルも椰子から取れるものですが、栽培から精製までは全く異なっているようです。

アブラヤシは年間通して実をつけるため、単位面積当たりの収穫量が他の植物油に比べて圧倒的に高いのです。
大豆油や菜種油に比べて10倍程度の生産量があるため、当然価格は安く世界中で使用されている植物油です。
工業用だけではなく、食用に多く使用されています。

食用で利用されているのは例えば、チョコレート、アイスクリーム、カレールー、マーガリン、ホイップクリームの代替品、インスタント麺やスナック菓子の揚げ油などなど。

工業用に使用されているのは洗剤、シャンプー、歯磨き粉などなど。

恐らく今日本で暮らしている上で無意識に使用していない人はいないと思われます。

また、全世界の供給量の80%以上はインドネシアとマレーシアで賄われています。

パーム油の何が問題か?





筆者はただ単純に「茶⇒アブラヤシ」に農地転換していくことが問題だと思っていました。
それは世界一を誇るインド茶の生産量が必然的に減少することになるからです。
インドの紅茶を昔から愛飲している人間としては非常に切ない…

しかしながら色々と調べているうちに、アブラヤシ栽培による環境問題やパーム油を作るときに発生するトランス脂肪酸の問題にぶつかりました。

こちらのニュースによれば、インドでは州により茶栽培の土地の使用方法を定めているそうで、すでに西ベンガル州では部分的に「茶ではないもの」を栽培することが許されているとのこと。

そして、西ベンガルに追随してアッサムでも「茶ではないもの」を栽培する許可がおりるように期待していると。

西ベンガル州
↑赤い部分が西ベンガル州の位置、有名なダージリンも含まれます。
アッサムは赤い部分の右側に当たる場所です。

あまり利幅のない茶に代わるものとして、国益が見込めるアブラヤシの栽培を求めているという話は、一見致し方ないことのようにも思いました。(あくまでも素人の意見です)

しかし、アブラヤシの栽培地を確保するために熱帯雨林の木々が伐採され、燃やされ、多くの野生動物たちが住処を失っているということも現実に起こっています。
▼参照:WWFジャパンHP

また、パーム油を採るために駆り出される児童労働問題、強制労働問題等様々な問題を抱えています。

現在はRSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil、持続可能なパーム油のための円卓会議)が開催され、アブラヤシの生産者、農園を所有する企業、アブラヤシを加工する会社、スーパー等の小売店までが参加して、「持続可能なアブラヤシの生産と利用」について議論が行われ、「RSPO認証」を得たパーム油が増えてきているようです。

アッサム茶の今後は…?


先日の記事でアッサムの地理的表示(GI)保護制度について紹介しました。

アッサムの土地で作られて製茶されたものにマークを付けて、国が保護をしていくというものですが、もしアッサム州がパーム油の栽培にOKを出した場合、どうなっていくのでしょうか。

アブラヤシは実を採ってすぐに加工しないと品質が低下するため、近くに搾油工場を設けなければいけないそうで、莫大な敷地を必要とします。

アッサムは広大な平野が広がっているため、確かにアブラヤシの栽培には適しているように思います。
逆にダージリンなどは急傾斜が多い場所なので、アブラヤシ栽培には適さないのでは…?

しかし、アッサムはインドでの一大産地であり、輸出も多くされています。

アッサム州としてどのような判断を下すのでしょうか。
今後話し合いが行われていくのか、注目です。



結び

アッサムで作るチャイ(煮込みミルクティ)はとても美味しいので、もしこのニュースの通りになったら、個人的に非常に悲しく思います。

今の自分に出来ることは何かと考えると、ただ少量のアッサムティを購入することくらいで、何も力になれない無力さを感じます…。

環境問題、人権問題などなど、プランテーションの管理には様々な問題がつきものです。
長い茶の歴史を見れば、茶も同じような部分を抱えてきています。

簡単にどうのこうのと言える問題ではありませんが、今後も茶産地の動向は常にチェックしていきたいと思います。

最近割と真面目なものばかり書いている気がしますね…。(;^_^A

お茶にニコチンが入っている?!まさか、タバコのような害があるの?!

先日、こんな記事を見かけました。

タイトルは「Is There Nicotine in Tea? Everything You Need to know」。

teaと記載があったので、読み進めていきますと頭に?がいっぱいに。

ん?!
お茶にニコチン???

という訳で、お茶とニコチンについて、少しまとめてみました。



お茶にニコチンが入っている?!記事の内容は?

茶の葉-カメリア・シネンシスというツバキ科の常緑樹-には多くの方がご存知のように様々な成分が入っています。

カテキン類、カフェイン、アミノ酸、糖やビタミンなどなど。
人間の体に良いものが含まれているからこそ、人間は長い間お茶を飲み続けている訳です。

今は科学の力により以前よりさらに体に良い成分が分かるようになり、特定保健用食品として販売されていたり、一部の成分は薬として用いられているものもあります。
▼参照:茶を飲むのは体に良いから?茶=薬?
▼参照:今話題の紅茶がインフルエンザに効くという話について
▼参照:茶うがいは効果ある?効果的なうがい方法は?

で、話を元に戻しますと、ニコチンです。
筆者、今までお茶と長らく付き合ってきていますが、お茶にニコチンが入っているという話を一度も聞いたことがなく、????となりました。

記事の中に信用できるデータとして国立生物工学情報センター(NCBI)の論文が出ています。
1999年のものでしょうか。
詳細はNCBIに入会しないと見られないため挫折。

確かにその論文の概要の中に、
「 In addition, a variety of black as well as green teas was investigated for the nicotine content. Nicotine content in tea leaves was found to be highly variable and sometimes much larger than in the Solanaceae fruits. 」
と記載があり、茶葉中にもニコチンが含まれているとあります。

そして件の記事は、肺から吸収されるタバコのニコチンとは違い、茶のニコチンはかなり少量の上、消化器官から吸収されるため中毒性もないと続きます。

まとめとしてはたばこを吸うくらいなら、茶を飲んだ方が良い、ということのようです。
ここは断固として賛成

そもそも茶にニコチン入っていたっけ???


茶葉中にニコチンが含まれている前提で記事は終わっているので、改めて確認をしてみました。

文部科学省の日本食品標準成分表を見てみましたが、ニコチンやニコチンと同義のものの名前は見つかりません。(下記の図は見にくいですが…)


「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」から引用

アメリカと日本の研究の仕方が違うのか?
茶葉の種類も違うだろうし…。

やはり元の記事がちょっとアレなのか…?と思って、もう調べるのをやめようかと思ったのですが、こちらの記事で納得。

ニコチンアミドとニコチン酸の総称を【ナイアシン(ビタミンB3)】と呼ぶ。
だとすると、やはり件の記事は何かどこかで勘違いをしたまま書かれていることになるのでしょうか…?
筆者英語弱いのでどなたか検証を…!

確かに、お茶にナイアシンは入っています。
ニコチンは神経伝達物質ですが、似た名前のニコチン酸アミドはビタミンです。
上の表は分かりづらいですので、こちらからご確認ください。

紅茶葉には玉露や煎茶より多く含まれており、抽出すると当然減りますが、間違いなく含まれています。(烏龍茶にも含まれているようです)
茶の本にもあちこち記載があります。

という訳で、筆者の認識は間違いではなかったと一安心。

その後も色々と調べていたら、さらに気になる記事を見つけたのでニコチンと茶についての話は続きます。

結び





ひとまず、茶にニコチンが入ってなくてよかったーとなりました。
でも茶の中毒性と言ったら半端ないので、ニコチンが入っていると言われたらそうかもしれないと思うレベルです。笑

英語が分からない筆者は英語の記事というだけで信じてしまって(バカ)、「お茶にはニコチン入っているんだってー」とか言ってしまうところですよ。。

このブログを書くようになってから、気になるものは徹底的に調べることを心がけています。(そして戻ってこられないことも多々…)

それはもちろん当然のことなのですが、自分自身でも認識を誤ってしまう可能性があり、読者の方にもご迷惑をお掛けしてしまいますので、もしご指摘がありましたらご連絡いただければ幸いです。
まぁ、内容が内容だけに読者は少ないのですが…

茶の情報をネットで確認できる時代に?インド紅茶局のトレーサビリティ(茶情報追跡)に関する試み

お茶を手に取った時、そのお茶の情報は何が分かるでしょうか。

パッケージの表紙に書かれている茶名。
裏に書かれている賞味期限、原産地、販売者など。

販売者や生産者によっては、淹れ方、「そのお茶の作られた日」や「産地の土の状況」等のマニアックな情報を書いてくださっている方もいますが、それくらいが限度ではないかと思います。

それが例えば牛肉のように、バーコードやQRコードを読み込めばその牛が「いつ、どこで生まれて育てられ、いつ食肉にされたのか、品種は何か」等の詳細情報が分かるようになったら、とても安心ですよね。
▼関連記事:インド、アッサムティの地理的表示(GI)保護制度

数か月前にスターバックスが豆の追跡ができるように、「アジュール・ブロックチェーン・サービス」を導入していくというニュースがありました。こちら
筆者チラ見だけして覚えてませんでしたが…

生産物の追跡、これからの茶生産にも大きく関わってくるかも知れません。



スターバックスのアジュール・ブロックチェーン・サービスとは?

アジュールはMicrisoft Azureというマイクロソフト社クラウドサービスの集合体だそうです。

アジュールの<ブロックチェーン・サービス>というのはスターバックス、ブロックチェーン・サービスの導入のニュースが流れた(2019/05)一週間前に発表されたばかりのもの。

※<ブロックチェーン>というのは、「金融取引などをインターネット上の複数のパソコンで分散して保管する方法(ブロックを繋げるイメージ)」で、もともとは仮想通貨ビットコインの取引を行うために開発されたものだそうです。

2018年には「Bean to Cup」というプログラムで、ブロックチェーンを利用して農園と消費者をつないでいく試作を行うと発表していました。

アジュールのブロックチェーン・サービスを取り入れることにより、「いつ、だれが、どこで作ったもの」で、「どこの製造工場からいつ流通し、どこの小売店で販売された」か等の情報がブロックチェーン上に都度保管されるため、消費者がネット等で確認の上購入することが出来るようになります。

他にもメリットは様々あるようですし、スターバックスはこの研究結果をオープンソース化して、多くの企業が利用できるようにするそうです。
太っ腹…!

茶もブロックチェーンを利用?

先日インド紅茶局がブロックチェーンを利用した茶のトレーサビリティを国家レベルで行っていくことを発表したとのこと。
▼元記事:Amazon, Infosys respond to Indian tea board’s blockchain call

インド珈琲委員会ではすでにブロックチェーンを利用した珈琲市場を立ち上げ、約3万人の契約農家がいるそうです。

インドは国全体でブロックチェーンを取り入れて産業を盛り上げていこうとしていると記事にあります。

また、こちらも少し前ですが中国でも雲南省の普洱茶でブロックチェーンを利用して原材料調達、加工、倉庫、流通、店舗での販売からエンドユーザーまでを記録するプラットフォーム(基盤)を発表しました。

茶のデータは、すべての段階でIoTデバイスでVeChainThorブロックチェーンにアップロードされます。
スマートフォンを使ってQRコードやNFCチップをスキャンすることで、実績と生産データを見ることができるようにするそうです。
▼元記事:VeChain launches blockchain platform for tea traceability in China

システム的なところなどは筆者もよく理解できていませんが、
つまりは、ブロックチェーンというシステムを利用して茶の生産と流通を管理し、エンドユーザーにも見えるようにしていくという取り組みが世界中で行われ始めているということです。



ブロックチェーンを利用するメリットは?

珈琲生産国も茶生産国もこぞってブロックチェーン・システムを利用しようと試みているということは大きなメリットがあると判断されているものと考えられます。

何度も書いていますが、

原材料調達、加工、倉庫、流通、店舗での販売からエンドユーザーまでを明らかにできるということ。

これに尽きます。

正直、お茶を購入する際には産地名が分からないもの等がたくさんありました。。

そして、整備が進んでいっているにしても未だにまがい物の茶は世界で流通しているものと思われます。
以前の記事でも書きましたが、例えば地理的表示保護制度(GI)
のような取り組みがあるにも関わらずです。
▼関連記事南九州市知覧の茶商が初めてのFSSC22000取得。日本茶はますます海外へ。

先ほど例に挙げたインドは世界第2位の輸出国です。
しかし、伝統的なルーズリーフ茶の価格低下が続いており、このままだと摘採する労働者はいなくなり、伝統的な茶の製法はなくなってしまうのではないかとインド紅茶局は懸念しているとのこと。

また、中国の雲南省の普洱茶も価格の高騰により、粗悪品や模造品が横行していたことがあると耳にしたことがあります。

ブロックチェーン・システムの導入により、今まで以上に「正しく作られたもの」が「正しく評価される(価格面でも品質面でも)」ようになることを期待します。

言うまでもなく、購入するエンドユーザーにとっても安心ですよね。

スターバックスが挙げているメリットとしては他にも、
・ドライブスルーでの注文予測
・コーヒーマシンへの新メニュー一斉記憶
・小規模農家との直接的やり取りによる価格の安定
・産地偽造の防止

等、様々あるようです。

いずれ仮想通貨での取引も視野に入れているのでは?とも言われています。
(スターバックス側は否定しているようですが…)

茶に関して言えば、考えられるのはやはりトレーサビリティの面でしょうかね。

日本ですでにブロックチェーン・システムを取り入れているところがある?!


SHIZUOさんによる写真ACからの写真

そう考えると、日本の茶業はどうなっているのかなぁと思いますよね。(強要)

こちらもかなり前にニュースで見たのですが、静岡の「富士山まる茂茶園」がブロックチェーン・システムを導入した緑茶を販売したという内容。
こちらもちらっとニュースを見て終わっていました…
そして、まる茂さん、とてもお茶に熱く、様々なお茶をお作りになられていますので是非ネットショップで!

こちらの記事に詳しいです。
▼参照:VeChain ブロックチェーンとICチップで日本茶の生産地を証明

どういったものか、YouTubeで紹介していて分かりやすいです。

日本国内の場合、産地を偽装するもの等は今はほぼないのではないかと思います。
知らないだけかも知れませんが…。

ただ、今問題になっている偽「宇治茶」が中国で横行しているという話から考えますと、「日本国内で正しく作っているお茶」が「海外でも正しく販売される」ようになるのではないかという希望が持てます。
▼参照:【2019/11/18追記あり】中国で「宇治」が商標登録?!今後宇治茶と名乗れなくなる?!



結び

今後急速に、世界的にブロックチェーン・システムを導入する輸出国、輸入国は増えていくだろうと思われます。

どうなんでしょうね。
例えば、日本の慣行栽培の茶の場合、いつ、どの農薬をかけたか、等も明記されるようになるのでしょうか。

また、いつ摘採されたのか等も分かったら、面白いですね。
生産者としてはちょっと恐ろしいことでしょうが…

「正しく作られたもの」が「正しく評価」され、「正しくエンドユーザー」に届く、これは農作物(生産物)にとっては非常に大切なこと。

筆者が死ぬ頃には当たり前のシステムになっていそうだなぁ。

ブロックチェーンの仕組み等についてはあいにく理解しきれていないため、今後もニュースを追って調べていきたいと思っています。

そしてこれはただの呟きですが、こういうシステムを取り入れない(取り入れられない)小さな農園や茶園はつぶれていってしまうかも知れません。
筆者自身が弱小新規就農に片足を突っ込んでいるため、少々胸がざわつかなくもない…

小さなところは生き残れなくなり、大きなところに吸収される。もしくは廃業。

何か策を講じていかねばなりませんね…。(悩)

新しい紅茶のど飴が発売予定!「日東紅茶 紅茶ポリフェノールのど飴」(2019/10/18現在)

昨日(2019/10/17)の記事に引き続き、紅茶のど飴です。
日東紅茶から新しく紅茶ポリフェノールのど飴が発売されるというニュースリリースがありました。(2019/10/16)

三井農林株式会社とアポプラスヘルスケア株式会社による共同開発の「日東紅茶 紅茶ポリフェノールのど飴」が10/21(月)より保険薬局で販売されるとのこと。

紅茶の日に合わせて販売開始でしょうか…?
※参照:【○○茶の日】ってたくさんありませんか?10/1は日本茶の日!

どんな紅茶のど飴?

出典:https://www.apoplushc.co.jp/

【商品概要】
■商品名:日東紅茶 紅茶ポリフェノールのど飴
■内容量:56g(個包装込み)
■希望小売価格:500円(税抜)
■商品特徴:「紅茶ポリフェノール」と紅茶由来の「フッ素」のダブル効果で口内環境をサポートする
・レモンティー味(無果汁)
・カフェインレス
・シュガーレス
・紅茶ポリフェノール10㎎配合※
・紅茶由来フッ素0.007㎎配合※
※1粒(3.8g)当たり

「紅茶ポリフェノール」については先日の記事でも記載しましたのでよろしければご覧ください。

今回注目なのは、ここです。

榮太樓總本鋪「紅茶博士のテアフラビンのど飴」
【1袋(80g)あたり 10.32㎎】の「テアフラビン(紅茶ポリフェノール)」配合

▼三井農林×アポプラスヘルスケア「日東紅茶 紅茶ポリフェノールのど飴
【1粒(3.8g)あたり 10㎎】の「紅茶ポリフェノール」配合

▼参照
テアフラビンたっぷりの「紅茶博士のテアフラビンのど飴」。テアフラビンの力で風邪を防ごう。



紅茶ポリフェノールの含有量が多くない?

榮太樓總本鋪「紅茶博士のテアフラビンのど飴」に比べるとかなり紅茶ポリフェノールが多いです。

紅茶ポリフェノールと書かれているので、テアフラビン(4種類)以外のポリフェノールが含まれている可能性はありますが、それでも【1粒】と【1袋】の差はかなり大きいです。

というのも今更ですが、アポプラスヘルスケアのニュースリリースには「「日東紅茶 紅茶ポリフェノールのど飴」を共同開発し、10月21日(月)より医療機関取り扱いとして保険薬局にて発売いたします。」と書かれています。

ニュースリリースに正式な記載はありませんが、医療機関取り扱いとして保険薬局のみで販売されるなら「医薬品」「医薬部外品」であると想像できます。

榮太樓總本鋪「紅茶博士のテアフラビンのど飴」は≪スーパー(の菓子棚)で購入≫しているため「食品」扱いとなりますので、「医薬品」か「医薬部外品」であるとすれば、謳っている効果が高い紅茶のど飴となるでしょう。



のど飴って種類あったの?


出典:https://pengin-do.com/blog/医薬品と健康食品などとの違い%ef%bc%88分類表%ef%bc%89%e3%80%80漢方/

多くの方はのど飴を購入する時にあまり考えて購入しないと思います。
パッケージを見て読んでみることはあっても「のど飴」と書いてあればのどに良さそうだと思いますよね。
筆者は少なくともそうです。
つい最近、医療費控除を調べている時にのど飴に種類があることを知ったくらいですから。。
いつものど飴舐めているのに!

【医薬品】


トローチは病院で処方されて舐めたことがある方が多いのではないでしょうか。
子供の頃、すぐに噛んでしまって母親に怒られたのを思い出します。(どうでもいい思い出)

医薬品の場合は、国が有効成分が含まれていることを認めて薬として販売されているものになります。
※なお、トローチにも第2類と第3類があります。(入っている成分によるそうです)

厚生労働大臣によって認可されています。
薬局や登録販売者がいるドラッグストア等でしか販売出来ません。

——————————————————-

ちなみに、「第2類医薬品」と「指定第2類医薬品」は以下の違いがあるそうです。

【第2類医薬品】
その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生じるおそれがある医薬品

【指定第2類医薬品】
第2類医薬品のうち、特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するもの(薬事法施行規則第 210条第5号)

参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002w4wd-att/2r9852000002w511_1.pdf


【医薬部外品】



大辞林によれば医薬部外品とは

医薬品に準ずるもの。人体に対する作用が緩やかで、口臭・体臭・あせも・脱毛の防止、育毛または除毛、ハエなどの駆除を目的とするもの。または厚生労働大臣が指定するこれらに準ずるもの。染毛剤・生理用ナプキン・浴用剤なども含まれる。

とのこと。

鎮痛作用などの有効効果のある成分は含まれているものの、医薬品に比べると効果はそれほどないため予防や軽い症状の緩和に使用されます。

製造には国の許可が必要ですが、販売については制限がないことからコンビニ等でも手に入れやすいということがメリットと言えます。

【食品】

食品ののど飴の場合は医療効果はないものになります。

製造や販売にも制限はありませんので、スーパーの菓子棚にもたくさんの種類が並んでいます。
様々な味や香りのものがあるので、喉を潤わすために利用するのは良いでしょう。

結び

のど飴についてざっくりと知ってはいましたが、調べてみると色々複雑なのだと感じました。

医療費控除も「病気やケガの治療にともなうもの」が対象です。
医薬部外品は対象外ですし、食品も当然そうです。
のど飴は非常にその辺りが難しいものですね…。

お茶とほぼ関係ないことになってしまいましたが、以前から茶の成分であるカテキン、紅茶ポリフェノール等は医療にも使えるということで研究がされてきており、現在進行形です。

特定保健用食品の茶も増えているのをご存知かと思います。
今後ますます【薬】としての≪茶≫も増えていくことと思います。

とにかく「日東紅茶 紅茶ポリフェノールのど飴」については販売されたら購入してみたいと思います。
今回フッ素とかカフェインレスとか触れてないから…(;’∀’)

【参考】
烏龍茶が乳がんの予防に効果があるという研究結果について-薬事法とかいろいろと-
茶を飲むのは体に良いから?茶=薬?




農林水産省 平成31年度戦略的プロジェクト「⾼品質茶⽣産拡⼤のための適期被覆技術体系の確立」について。

先日ニュースを見ていたところ、タイトルのコンソーシアムに参加したという企業のニュースが目に入りました。

農業に関するいくつかのプロジェクトの中に茶の被覆についての内容もあったため、少し調べてみました。

農林水産省 戦略的プロジェクトとは?

戦略的プロジェクト推進事業の対策のポイントとしては、

「農林⽔産業の競争⼒強化に向けて、農林漁業者等のニーズを踏まえ⽬標を明確にしたスマート農業技術等の技術開発を推進する。」

ということだそうです。
詳細はこちらのPDFを。

その中で、「高品質茶生産拡大のための適期被覆技術体系の確立」という茶のプロジェクトがあります。

ざっくりと言うと「熟練者しか被覆のタイミングが分からない状態から、多くのてん茶生産者にも分かるように適期の指標などを各地で作ろう(栽培技術(被覆技術)の底上げをしよう)」という内容のようです。

先日、昔ながらの被覆の方法について少し書きましたので、合わせて参照ください。
旅の思い出2019年5月-京都府茶業研究所①(玉露の本ず栽培)-

国内外で抹茶の使用量が増え、抹茶の原料であるてん茶を作りたい人は増えているものの、被覆の適期を見つけるのが難しい等でなかなか手を出せない農家が多いそうです。

その情報をシステム化し、マニュアル化することによりより多くの農家がてん茶作りが出来るようにする、ということを目標に令和5年までのプロジェクトとなります。

そのコンソーシアム(共同事業体)に参加しました、というプレスリリースを株式会社システムフォレストという会社が出しており、この内容を知りました。

抹茶の原料であるてん茶とは?



抹茶は皆様ご存知、お茶をたてるときの緑の粉ですね。
こちらも以前の記事に抹茶のことを書いていますのでよろしければどうぞ⇒こちら

「てん茶」はその抹茶の原料となります。
少し長いですが、以下に動画を貼っておきます。
てん茶から抹茶への製造工程が細かく見ることができますのでよろしければご覧ください。

映像の最初に寒冷紗を取っていましたが(直掛けの場合)、寒冷紗を掛けるタイミングや取るタイミングが非常に難しいものと思われます。

摘採の20日以上前から掛ける、等言われていますが、その年の気候により掛けるタイミングは全く異なるでしょうし、摘採に入るタイミングも違うはずです。

その辺りをどのように体系化、マニュアル化していくのかが楽しみなところです。

前回の抹茶の記事で書いたのですが、日本で抹茶の定義については未だしっかりと確立されていない状況です。
このシステム化、マニュアル化とともに抹茶の定義もはっきりとして、生産も増え、日本の大切な茶の文化を他国の方に愛してもらえることを願います。



結び

最近、少しだけ農業に関わるようになったため、農林水産省のHPをよく見るようになったのですが、こうして色々なプロジェクトを外部に委託したりしているのですね。
全然知らなかったです。すみません、勉強不足で…

確かにお役所仕事で頭を突き合わせているよりは、専門家の方たちの意見をどんどん取り込んで、体系化して、それをシステムに強い企業に任せていく、という方が効率良い気もします。

令和5年までにまとまるのでしょうか。
今後に期待です。

個人的にこの戦略的プロジェクトの中にある「作物育種プロジェクトのうち 海外植物遺伝資源の⺠間等への提供促進【継続】」についても気になっています。

紅茶の産地の遺伝資源や烏龍茶栽培地の遺伝資源等を拝借できるなら、もっと紅茶や烏龍茶に適した品種が日本で生まれるのではないかと考えたり。

遺伝資源系の話は少しだけこちらに行ったときに拝見したのですが…。(そういえば書いてない…)
また改めて勉強してまとめてみたいと思っています。

【2019/11/18追記あり】中国で「宇治」が商標登録?!今後宇治茶と名乗れなくなる?!

ここ数日、ニュースで多く取り上げられています。

「宇治」が中国企業に商標登録される恐れがある(中国で「宇治」が使用できない)という衝撃的な内容です。

この問題について少し調べてみました。
宇治茶を愛する筆者には由々しき問題!!!




事の経緯

2010年、京都の老舗茶舗「福寿園」が宇治茶のブランド名を守るため、「宇治」を中国商標局に登録。

2011年の東京電力福島第一原発事故以降、放射性物質の安全性を証明することが難しくなり(日本と中国双方で放射性物質の安全性を示すことが曖昧なため)、宇治茶を中国へ輸出することが出来なくなる。

2017年、中国企業が商標取り消しを請求、今年8月に認可。
※中国商標法の規定では継続して3年以上使われない商標は取り消される。

⇒福寿園は異議申し立ての行政訴訟の手続きを行う

しかし、一方で中国企業が、商標取り消しを見越して「宇治」の商標登録を再申請。
福寿園も再登録を行うも、上記中国企業の方が一日再申請が早かったため、中国企業が「宇治」の登録者になる可能性が高い。
※現在、京都府、京都府茶業協同組合が中国当局へ異議申し立てをし、対応を急いでいる。



実際に調べてみると…

少し前に中国商標局にアクセスを試みたところ、2019/9/4に「宇治」が某中国企業に登録されていることが確認できました。(2019/9/4は若干うろ覚えですが…)

ただ、その後(10/3)再度閲覧を試みると、アクセスできない状況になってしまいました。

一度閲覧が出来た際に登録者になっていた会社には「宇治○○有限公司」と「宇治」の文字が登録されており、「宇治」で検索して出てきた他の商標には「宇治抹茶」等、宇治にまつわる言葉が多数登録されていました。
「小山園」というのもあったような…。社名では…?

ちなみに、対象の有限公司を検索すると、残念ながらやはり検索が出来ませんでした…。(しばらくグルグルするのが数回続きました)
また後日試してみたいと思います。

また、対象の企業名は伏せておきます。

今後どうなっていくのか考えてみる

調べてみると、似たような事例が最近ありました。
詳細はこちら

同じく中国の商標局で「岡山」を登録していた中国個人の登録が無効になったというものです。
岡山県と岡山県商工会議所連合会の連盟で無効請求を行っていましたが、「岡山」は「公知の外国地名」ということで登録無効が認められたとのこと。

ちなみに、こちらは検索が出来ました。


ちなみに、この下にも続いているのですが「岡山」まだありました…。

今回「岡山」って中国でも似たような地名があるでしょうから、日本のことを知らない方だったとしたら散々でしょうね…。

余談ですが、以前商標登録を考えている方に話を伺ったところ、同じものがないか片っ端から調べなければいけないとのことでした。

中国の方もまさか海外(日本)の県からクレームが来るとは思っていなかったでしょうし、商標登録について考えている方は、きちんと専門家に相談した方が良いと思います。

さて、話を戻しますと。

前例から考えると「宇治」も当然「公知の外国地名」ですし、申請取り下げの可能性は考えられます。

しかし、「岡山」の件は個人の方が登録申請したもの。
「宇治」については企業が相手です。

「岡山」の例ですと2017年6月に個人が商標登録、2018年10月に岡山県側で無効請求を行い、2019年9月30日に岡山県側で無効になったことを公表しています。

個人相手だとしても、1年近く無効になるまでかかっていますね…。
企業相手(企業の規模等にもよると思いますが)だともっとかかってしまうのでは…?

万が一中国企業の商標登録が通ってしまったら…?

一番心配なのは、宇治で作られていない茶を「宇治茶」として販売される可能性があるということでしょうか。

どこで作られたかわからないお茶が「宇治茶」として販売され、特に宇治の特産である玉露や抹茶のブランドイメージが失墜する可能性があります。

もちろん、あくまでも可能性です。
「岡山」に関しては10件以上の「岡山」の登録があるようですが、現状問題になったことはないとのこと。
前例の個人の方も<給湯と水浄化設備>の商標だったそうですし…。ちょっと可哀そうなくらい…。

「宇治」については、利益が相当絡んできますし、宇治側としては長年の信用も中国でのビジネスチャンスも失う可能性が高い訳です。

また、宇治茶だけではなく観光にも大きな打撃があると考えられます。

各国で国の文化や景観を守ろうと整備が進められていますが、今回のようなことが今後も継続して起こってくると考えられます。
日本の茶も海外への展開を今後より進めていくにあたって、より充実した保護制度が必要でしょう。

【関連記事】
旅の思い出2019年5月-京都府茶業研究所①(玉露の本ず栽培)-
「宇治茶の普及とおもてなしの心の醸成に関する条例」、「府『宇治茶』新条例」(仮称)とは?
南九州市知覧の茶商が初めてのFSSC22000取得。日本茶はますます海外へ。
▼東京オリンピック・パラリンピックに向けた茶の取り組み。GAPについて。
インド、アッサムティの地理的表示(GI)保護制度
ユネスコ無形文化遺産に日本茶を!大切な日本の文化を守ろう。



結び


モッチーさんによる写真ACからの写真

常識的に考えると、「宇治」がこのまま簡単に中国企業の商標登録とはならないと思っています。

宇治が日本にとってどれほどの歴史と文化を持った場所で、宇治茶がどれほど日本の茶業に影響を及ぼす存在であるかを考えれば、万が一、中国企業の商標となった場合は国同士の問題にも発展しかねないのではないかと筆者は考えています。

ただ、このようなことが起こり得ますから、世界的な共通の保護制度の整備が求められ、積極的に登録をしていくべきだと考えています。

登録は非常に大変であると聞いていますが、そこは国が財産を守るとしてもっと力を貸してほしいと願うばかりです。

※この辺りの知識が乏しいので、誤りがあったら是非お教えください。今後も勉強をしていきたいと思っています。

【追記 2019/11/18】
京都新聞で中国の宇治茶のコピーにより2億円の被害が出ているという記事がありました。こちら

記事の下に記載がありましたが、筆者も「国をあげて対応していかないといけない問題」だと思います…。

ティーバッグのマイクロプラスチック問題とは?ティーバッグで茶を飲むのは危険?

世界的にもかなり話題となっているマイクロプラスチック問題。

プラスチックストローが紙製に変わっていたり、買い物したときの袋が有料になったりと、日本も急激に改革が進んでいるのを感じます。

茶についてのニュースを日々検索しているのですが、ここ数日毎日のように見かけるニュースに「ティーバッグのマイクロプラスチック問題」があります。

★関連記事①:プラスチックストローが禁止?どうなる台湾のタピオカミルクティ!

★関連記事②:ティーバッグが破ける?ヨークシャーティ(Yorkshire Tea)のティーバッグ事件



ティーバッグのマイクロプラスチック問題とは?


https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.9b02540 より引用

カナダのマギル大学Nathalie Tufenkji教授の研究チームはモントリオールのカフェやショップからティーバッグを購入し、それを切り開いて洗い、茶葉無しの状態のティーバッグを95℃のお湯に浸しました。

そして、電子顕微鏡と分光法によって成分を分析したところ、多量のプラスチック粒子が発見されたというものです。
その数、約116億個のマイクロプラスチックと31億個のナノプラスチック。

非常に小さな粒子のため、1カップ当たりにすれば16マイクログラムとなり、それほど多くはありませんが食品や他のボトル飲料よりは多いとのこと。

このプラスチック粒子はティーバッグの組成と同じものであったことから、ティーバッグ由来のプラスチック粒子であることは間違いないとのそうです。

さらに、プラスチック粒子が多く含まれた水にミジンコを入れたところ、死にはしませんでしたが、異常行動と発達奇形が見られたとのことです。

実験当時(2019/9/25に論文が発表)、マイクロプラスチックが人間にどのような悪影響を及ぼすかははっきりしていませんが、小さな生き物にとってマイクロプラスチックはかなりのダメージとなることが考えられます。

※上記実験結果はこちらから読めます。(イラスト引用)
※参照①:https://www.newscientist.com/article/2217483-plastic-tea-bags-shed-billions-of-microplastic-particles-into-the-cup/
※参照②:https://www.sciencealert.com/plastic-teabags-are-filling-your-tea-with-microplastics
※参照③:https://gigazine.net/news/20190927-plastic-teabags-release-billions-microparticles/

実際どうなの?

具体的にどこのメーカーのティーバッグを使用して実験したのか等詳細は不明です。
恐らく商品名を出してしまうと、現状人間への影響がはっきりしていないのに風評被害で大変なことになりかねないのだろうと思います。

気になるのは、例えば自身もよく使用しているリーフティを入れるパック(だしを取るときにも使用)も同じなんでしょうかね。

だしパックの場合は紙素材のものが多いような気もしますが…。

こういうもの。

旅に出るときなどに、好きな茶葉をこれに入れて、ホテルでも飲めるようにしています。
非常に便利なんですが…。(;^_^A

また、最近よくある生分解性フィルターも同じなのでしょうか…。

こちらですね。
自身も使用しているのはこのタイプになります。

ほとんどのメーカーはこちらになっているような気がしていますが、これもマイクロプラスチック粒子が抽出されてしまうのでしょうか。。

また、茶関係の方ならあるあるかと思うのですが、試飲用コップも気になります。

茶のイベントなどが今年もまだまだ続きますが(こちらを参照ください)、個人的に紙コップでの試飲が嫌いです。
特に、少し熱めの茶を淹れると、紙の味がするため折角のお茶が美味しくなくなってしまいます。
そのため、筆者は今まで必ずプラスチックコップを使用していました。


ペットボトルからもマイクロプラスチック粒子は検出されていますので、試飲用カップもいずれ紙コップに切り替えるべき時が来るのでしょうね。

最近は紙コップでも、紙の匂いが気にならない作りの良いものが多く販売されるようになりました。

ちなみに、アメリカ、ペンシルベニア州立大学の研究によると、海水に含まれるマイクロプラスチックの60%は洗濯用糸くず(合成繊維)であるという研究も出てきています。
★参照:http://karapaia.com/archives/52282655.ht

そう考えると、ティーバッグから抽出されるマイクロプラスチックはそれほどでもないのかも知れませんが、無意識に身の回りに溢れているプラスチック製品。

長らく恩恵を受け続けてきましたが、見直しの時期にきているのかも知れませんね。

結び

こういう研究結果が出たことにより、安価で粗悪なティーバッグを使用しているメーカーは叩かれることになるかも知れませんし、茶業界全体でも検討していくべき事案であると思われます。

今のところ人体への影響がどれほどなのかはまだ分かりませんが、海洋生物たちの苦難を考えると少しずつでもプラスチック製品を使用しないようにしていくことが大切だと考えられます。

個人的に以前からゴミを出さないようにするという取り組みで、「給茶スポット」「お茶Bar」の活動に賛同しています。⇒昔の記事ですが、こちら

紙コップもプラスチックカップもティーバックも使わないのは、自身でポットや急須茶を淹れることです。

出るのは茶殻だけ!!(肥料にもなる!!!)

自宅でも職場でも、自分でお茶を淹れて、マイボトルを持って歩けば環境に優しいと思うんだよね~。

これを機に、ティーポットや急須で茶を淹れることを今より多くの方が見直してくれるようそっと願います。

台茶24号誕生!台湾生まれ台湾育ちの新品種?!




中華民国(台湾)の行政院に属している、行政農業委員会(日本の農林水産省にあたる)茶業改良所が2019/8/6に新品種台茶24号が発見されたというニュースをアップしています。
日本の茶業試験場、茶業研究所と同じイメージですが違っていたらどなたか教えてください。

台湾の茶業界では「タイワンマス(中華民国指定国宝魚)」ほど希少な在来種が発見され、19年間育種をしてきたものだそうです。
原木は氷河期時代にあったものだとのこと。

マッシュルーム、アーモンド、珈琲のような独特な香りを有しているそうです。

台茶24号って何?

台湾の茶の品種には通し番号がついています。
台茶1号、2号、3号…今回の台茶24号。

筆者が個人的に馴染み深いのは「台茶18号」です。
通称、「紅玉」と言われる、紅茶用品種です。
※りんごではありません

初めて≪台湾の紅茶≫と聞いて飲んだのがこの「紅玉」で、スリランカのウバのようなサリチル酸メチル(スーッとした薄荷のような香り)を感じ、強く印象に残っていました。

紅茶を例に出したので、日本の紅茶品種で見てみますと「べにふうき」という品種があります。

「べにふうき」は<べにほまれ>と<枕cd86>を親に持ち、鹿児島県枕崎の茶業試験場で
育てられました。
1993年には≪茶農林44号≫として品種登録がされています。
ちなみに、農林水産省の品種登録ホームページにていつ登録されたのか等が検索できます。



そもそも育種って何?

そうそう、そもそも育種って何?という方もいらっしゃるかと思います。
筆者もよくわかっていませんでした。(今も細かいところは分かりません。やったことないから)

かなり前に試験場に話を伺いに行った際、お話を伺ったことがあります。

“チャノキ”(学名カメリア・シネンシス)は自家受粉しません。(他花受粉)
つまり、花が咲いて、自分のおしべとめしべで受粉しないのです。

そのため、茶業試験場で茶の花が咲くと、育種したい品種の花粉を取り、違う品種に受粉させます。
そして、他の花粉が混じらないように花に袋を被せ、実が成るのを待つそうです。

結実しないこともあり、結実したものを土に植えても発芽しないものもあり…。
さらに、発芽して数年経っても枯れたり、うまく育って新芽を取って茶を作っても病害虫に弱く品種として登録できなかったり…。

さらに言うと、ある程度病害虫に強いとか耐寒性があるとか、新品種として特徴があるものは、農家さんに里子に出され、実際その土地でどのように育つのかを調べます。

よって、たった一つの品種が生まれるのにも十数年かかるということでした。
話を伺っているだけでも途方に暮れました…。
研究員一人が一つの品種を生み出すだけでも奇跡に近いんじゃ…?

品種って簡単に言うけど、ものすごいたくさんの方のたくさんの貴重な時間が費やされて生まれているのだと思うと堪らなく愛おしく思えます。

と。
ちょっと余談が過ぎました。。

今回の台茶24号は原木が氷河期のもの、とのことですので種が見つかったのでしょうかね?
それを茶業改良所で大切に大切に育てて、挿し木で増やして…とやったのではないかと勝手に推察します。(違ったらごめんなさい)

【追記】
中央通訊社の記事に記載がありました。
氷河期の遺存種で、「台茶」シリーズの中で初めての在来種の山茶となるそうです。(2019/8/8)

結び

台茶24号の≪マッシュルーム、アーモンド、珈琲≫の香りが、緑茶、烏龍茶、紅茶と作り分けた時にどのような変化を見せるのか、味はどうなのか、非常に気になります。

台茶23号もデビューしたばかり。
※こちらは紅茶用品種とのこと。

日本の新しい品種も全く飲めていないっていうのに、世界中でどんどん新しいお茶が出てくるから大変です。←
公益社団法人静岡県茶業会議所では【新版 茶の品種】が2019年3月に刊行されておりますが、購入したもののあまり見ていないっていう…。
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チャノキに限らず、お米や野菜なども美味しいものや珍しいものが年々増えていくのは、農業試験場(研究所)の方々のおかげですね。

農業(茶業)の奥深さを感じつつ、今後も新品種の動向を追っていきたいと思います。

参照:行政院農業委員会茶業改良所HP