【世界の茶事情】紅茶大産地ケニアの茶価格は下落、一方小さな茶園は増加の兆し

新芽 茶のニュース


大寒となり、まだまだ寒い日は続きますね。

そろそろ寒茶を作りに行こうかなと考えているところです。

さて、タイトルの件ですが先日対局にあると感じられる記事が二つありました。

一つは紅茶の大産地であるケニアでは3年連続紅茶の価格が下がっているというもの。
もう一つはイギリスで小さな茶園を作っていることについて。

最近日本でも見かける気がしているこれらの内容について考察してみたいと思います。

ケニアの紅茶の価格が3年続けて下落

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【記事概要】
Kenya Tea Development Agency (KTDA)は2021年1月18日、3年連続でケニアの紅茶価格が下落していることを明らかにした。

2019年と2020年の同時期を比較して、小規模茶生産者の収穫した生葉は0.7%少なくなっている。

また、モンバサティーオークションの同時期の2019年と2020年を比較すると価格は14%減少とのこと。

ケニアでは長年茶の作付面積を急速に増やしていたため、生産過剰になっていることと世界的な茶の供給過剰が重なったのではないかと見られている。

新法によって価格が安定することが望まれている。
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こちらは先日も記事にしましたが、新しい茶法が制定されてケニア茶の価格や小規模茶農家の待遇が改善していくのではないかというニュースと関連があるようです。
▼参照記事:【続】ケニアの茶産業について‐茶法改定とTea Board of Kenya (TBK)とTea Research Foundation (TRF)の再設立‐

細かいところは筆者もまだまだ勉強不足で理解しきれていないものの、Kenya Tea Development Agency (KTDA)の従来体制に恐らく問題があり、ケニア茶が低迷しているところを改革していく途中なのだろうと考えています。

新法はケニア政府に承認されており、今年の生産から適用になるものと思います。

今年からのケニア茶全体がどうなっていくのかを今後も追っていきたいと思います。
▼参考記事:Kenya’s tea prices fall for 3 consecutive years amid global glut

イギリス ジャージー島での茶生産

イギリスのジャージー島で茶を栽培している方の記事を見ました。

ジャージー島って…?
となったので調べてみるとこちら↓

イギリス本土よりは下の方ですが、緯度およそ50度。
これを日本に当てはめてみると…あてはまりません。。

ほぼ同緯度だと樺太の真ん中より下くらいです。

日本の場合は北海道でも一部茶を育てているところがありますが、経済的北限としては従来と変わらず新潟茨城を繋ぐ線上あたりであろうかと思います。
▼参照記事:日本最北の茶木は北海道にあった。ー北海道古平市へー

ジャージー島はイギリス王室の属領であるそうです。

また、有名なジャージー牛はここで生まれているとか。
ジャージー牛のミルクや乳製品(クロテッドクリームなど)は乳脂肪が多く、とてもおいしいです!!

イギリス本土で茶を育てていると言えば、お茶好きな方は皆さんご存じかと思いますが「Tregothnan Estate(トレゴスナンエステート)」。

2005年に初のイギリス国産紅茶を販売して話題になりました。
※このあたりはまたまとめてみたいと思います。

今回の記事のJersey Fine Teaは2017年から栽培をスタートし、昨年からようやく茶を生産したとのことです。

現在は6エーカー(およそ2.4ha)をすべて種子から栽培し、これからまだ増やす予定。
現在白茶、緑茶、紅茶を販売中。

2018年の植え付け直後に冬の寒さで苗がずいぶんやられてしまったようですが、今シーズンは製茶機械も届きいよいよ本格始動とのこと。
■詳細はこちら→JerseyFineTea.com.

ケニアとイギリスの茶生産から見えること

紅茶の大産地として突き進んできたインド、スリランカ、ケニアが少しずつ茶生産者が離れて行っているという話を時折耳にします。

現在は世界的にみると茶生産が以下のようになっているのではないかと感じます。

1,1800年代から始まった「ティーエステート」型の大規模茶園経営の後退
2,資本のある小規模茶生産者の独立
3,今まで産地ではなかった場所での茶園増加
4,「安価で大量」から「高級(プレミアム)で少量」な茶の製造
5,茶種のバリエーションの増加

現在はインターネットで世界中の情報が手に入り、また世界中のレアなお茶も手に入るようになりました。
中国の山奥とかはなかなか大変そうですが…

翻って見ると、日本も戦後から少し前までは共同工場で大量に安価なお茶を作ってきていましたが、今は小ロットでプレミアムなお茶が求められている傾向にあるかと思います。

対して「安価で大量」な茶はペットボトル飲料の原料として使用されており、両翼を担っているようにも見えます。

世界的にみても「安価で大量」と「高級(プレミアム)で少量」に分かれていっているのではないかと。

今はクラウドファンディングで寄付を募ることができ、インターネットで世界中に販売することさえできます。

世界的に茶生産を眺めてみると茶の栽培や販売も知能戦になっているように見えるのは筆者だけでしょうか。

また、茶種も生産地に関わらず作られるようになっていることを痛感します。

インド=紅茶だけではなく、緑茶や烏龍茶も作っているところがあります。
世界的に様々な茶種を試行錯誤している状況です。

今後緑茶や烏龍茶、紅茶という枠を超え、その土地に合った新しい茶種も生まれていくのかもしれません。

短い目で見ると、日本も含めて茶業は頭打ちだと言われますが若い芽はぐんぐんと力をつけて伸びて行っています。

今後も長い目でみていきたいと思います。

結び

個人的にはJersey Fine Teaに興味津々です。

6エーカーを種から全部育てていると考えるだけでものすごい熱意だと思います。

種がどこから来た品種なのかも非常に気になっております…。

また、一年目の冬に幼苗がやられてしまったというところは胸が痛いです…。

筆者たちも今年苗の植え付けなので、あの大切な子供たちが今年の冬に枯れてしまうと思うだけで涙が出るほど…。(´;ω;`)

ジャージー島の平均気温を調べたところ、年間平均11.8℃だそうです。

日本の茶栽培に適した気温より若干低いですが頑張ってほしいと願います。
そしてお友達になりたい。。

茶を育てるのは本当に大変です。
茶農家は本当にすごいんです。

作られたお茶も購入してみたい気持ちでいっぱいです。
どなたかシェアしませんか?!←本気

筆者も3月くらいからは本気出して畑仕事をしていくことになります。

まずは美味しい茶を作るところからですが、将来的にどうしたいのか、どうなりたいのか、何をしたいのか模索中でもあります。

目の前のことを着実に行っていけばきっと明るい未来があると信じて頑張ります。

どうぞ長い目で応援していただければ幸いです。

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