Hongyacha(HYC)-中国の山奥で見つかったノンカフェインの茶樹ー




先日お茶のニュースをいつものごとく見ていたところ、中国の科学者が中国の山奥から「カフェインを含まない」野生の茶を発見したというニュースを見つけました。
参照:https://www.asianscientist.com/2018/11/in-the-lab/china-low-caffeine-tea/

ご存知の通り、「チャ」学名「Camellia sinensis(カメリア・シネンシス)」にはカフェインが含まれています。
緑茶、紅茶、烏龍茶等チャノキを使って作られた「茶」にはすべてカフェインが含まれています。
そのためデカフェ茶やカフェインレス茶は<茶葉に自然に含まれている>カフェインを<人工的に抜い>ていることになります。

カフェインを抜くためにはいくつかの方法がありますが、そちらについては過去の記事を参照ください。

茶と茶の辺縁種って何?


山茶花の花

<チャは学名カメリア・シネンシスというツバキ科の常緑樹>であるということはこれを読んでいる多くの方は一度は聞いている話かと思います。

改めて説明しますと、植物は「界」-「門」-「綱」-「目」-「科」-「属」-「節」-「種」となっています。
チャの場合でいうと、「植物界被子植物真正双子葉ツバキ目ツバキ科ツバキ属(チャ節)チャノキ種」が植物界の正式名称となります。
長いね…。

ツバキ属はチャ、ツバキ、サザンカなど約90種もの種類があります。
チャはツバキ属の中の【チャ節】として位置づけられているのですが、【チャ節】の中には、
Camellia sinensis var. sinensis←中国種
Camellia sinensis var. assamica←アッサム種
Camellia taliensis
Camellia irrawadiensis
があります。

上記4種類にはカフェイン、テアニン、カテキン類が含まれています。(含有量は異なりますが)

また、ツバキ属サザンカ節である<サザンカ>には0.01%以下ですがカフェインが含まれているそうです。
ツバキ科のつるつるとした葉っぱを見るとそわそわする茶マニアの筆者。
でも、昔チャドクガにやられて酷い目に合ったことがあります。全身湿疹…

 

カフェインが含まれていない茶?


カカオの実

今回、中国農業科学アカデミー(the Chinese Academy of Agricultural Sciences)のChen Liang博士が率いる研究者チームが中国福建省の山中からHongyacha(HYC)を発見したと「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に発表しました。
実はそれ以前にも実は中国にはカフェインが生成されない茶の一種がありました。

通称ココア茶(毛叶茶、学名:Camellia ptilophylla)です。

ココア茶(毛叶茶、学名:Camellia ptilophyllaは広東省チワン族自治区、広東省、湖南省、海南省、中国本土のほかの地域にも分布しています。
およそ標高500m以下で生育しているそうです。
カフェインを含まず、テオブロミンを多く含んでいるとのこと。
ココア茶と通称されているのはおそらくここから来ているものと思われます。(定かではありませんが…)
※テオブロミン:チョコレートやココアの原料であるカカオに含まれる有機化合物

ココア茶で作った緑茶はカメリアシネンシスの緑茶とは違う香りで、烏龍茶や紅茶についてはカメリアシネンシスのものと近い香りが出るという研究論文もありました。
研究は今も行われているようです。

植物について詳しくないので、詳細は分かりませんがCamelliaがついているので、ツバキ属に属するチャの辺縁種となるのでしょうか…?
また、カメリアシネンシス、カメリアタリエンシス、カメリアイラワジエンシスにはテオブロミンが若干含まれているようです。
参照:図解 茶生産の最新技術

カフェインが含まれていない茶の今後

日本でもカフェインを含まない茶品種の研究はされています。
というのも、以前の記事でもご紹介していますがカフェインが入っていない茶を好む傾向が顕著です。
茶飲料を作っている企業でもカフェインを抜いたペットボトル飲料の研究が進んでいる現状です。
カフェインゼロへの挑戦。「キリン生茶」の試み。カフェインを吸着する物質とは?!

筆者の店でも妊婦さん、年配の女性などがよく「カフェインが入っていない紅茶はありますか?」と訪ねていらっしゃいました。
残念ながらハーブティしか置いてなかったのですが…
年々需要が増えている印象を受けていたのは事実です。

それゆえに、もともとカフェインが含まれていない茶樹の存在は貴重です。
なにせカフェインを抜くためには最初にもちらりと書きましたが、手間や費用がかかるからです。

ただ、お茶を飲む方たちにとっても心配なのは、従来のチャノキから作られる緑茶、烏龍茶、紅茶ができるかどうか、というところです。
ココア茶のようにテオブロミンを多く含んでいたりすると、どうしたって味は変わるでしょうし。

「カフェインを取るか
お茶の味や香りを取るか
それが問題だ」

というようなことになりそうです。

結び

不思議なもので、カフェイン抜きの紅茶や珈琲を好む人が増えている反面、<エナジードリンク>や<茶の成分を高濃度含んでいる機能性茶飲料>も増えています。

筆者は単純にお茶が好きなので、「自然に入っているものを、自然に摂取」することが幸せなのですが…。

人はないものねだりなのでしょうね。

ただ、お茶好きとしては今後、その野生のカフェインレスのココア茶やHongyachaがどのように研究され、どんな新しいお茶が生まれるのか楽しみでなりません。

ひとまず飲んでみたい、の一言です。