製茶を始める前に。「茶の絵本」がおススメ!





筆者が製茶に興味を持ったのは、7年ほど前のことでした。

お茶カフェをやっていたので、メニューブックにそのお茶の特徴を記載したり、新商品のポップを作ったりもすべて自分で行っていました。
いくら色々な茶を飲み、茶の本を読んでみても、茶の味や香りを表現する言葉が見つからずに毎回頭を悩ませていました。
そして、ベストな状態でそのお茶を淹れるのに試行錯誤の日々。

「そもそもこの茶は<どこで><どうやって>育って、<どういう状態>でここにいるのか」

そのお茶がどうやって育って、どうやって製茶されているのかが分かったら、もっとうまく説明が出来て、美味しく淹れられるのではないか、と思ったのが始まりでした。

あいにく店に立っている必要があるため、茶産地に度々足を運ぶことも難しく、実際に学べることが圧倒的に少なかったのです。
それでも時折休みを取って、行っていましたが…

そんな風に思っている方、もしくは茶に興味をもってお茶がどうやって作られているのかと思ったことがある方におススメの本をご紹介します。

茶の絵本?



【本名】つくって遊ぼう25 [茶の絵本]
【著】ますざわたけお へん やまふくあけみ え
【出版】農文協

農文協の本は知る人ぞ知るな名著に溢れています。
先日ご紹介した村松二六さんの本「チャとともに: 茶農家 村松二六 (農家になろう)」も農文協から出ています。
▼参照:丸子紅茶の村松二六さんに日本の烏龍茶製造を体験させてもらった!

取材に立ち会った方の話を伺ったところ、「とにかくライターさんの農業の知識がすごい」と仰っていました。

農文協の「つくってあそぼう」シリーズは①の<とうふ>から始まり、全40巻あるそうです。
しょうゆとかすとかキムチとか…。気になって仕方ないですよね!ね!←強要

子供がいるご家庭には非常におススメの絵本ばかりです。
そしてお茶の勉強をしたい方には

ちなみに、よく本屋でみかけるのは「うかたま」ですかね。


時折、欲しくなって購入します。
別冊も時々買ってしまいます。
個人的に「うかたま」のフォントが好きです。癒される感じ。

「茶の絵本」のすごいところ

この絵本のすごいところは、製茶をするようになった今読んでも学びがあるところです。

煎茶や釜炒り茶や紅茶の作り方を非常に簡単に写真とともに書いてあるのですが、脇にあるちょっとした説明などに「なるほど!」となります。
しかもホットプレートや電子レンジを使用して、簡単に作れると書いてあります。

蒸し製の煎茶の作り方の一例をあげます。

例えば…。

①蒸す
茶葉にラップをかけて1分30秒くらい電子レンジにかけ、青臭みがとれたらOKだ。

②蒸し露をとる(約20分)
蒸された茶葉は熱いので、最初は、敷物の上に広げてできるだけ早く冷まそう。
冷ました茶葉を温度120℃くらいに調整したホットプレートの上で、片手に手袋をしてほかの手に菜箸を持ち、よく混ぜながら蒸し露と茶葉の水分の一部をとるよ。
茶葉がやや黒みを帯び、芽や茎の部分にしわが少しできたら、もみの作業にうつろう。

などなど。

手揉み茶の記事を何度か書いていますが、正しくは焙炉がなければ手揉み茶を作ることは難しいと思います。(細く撚れた美しい形状の手揉み茶を作ろうと思ったら)
▼参照:煎茶伝統の手揉み茶が危機?手揉み茶とは?皇室献上茶とは?

ですが、そこまで体験の場合は求める必要はありません。
まず家にある電子レンジとホットプレートで煎茶を作ってみようと思いました。

 

さらに、絵本、というとお子様が読むイメージですが、こちらの絵本は容赦ありません。←誉め言葉

紅茶のページにこう記載があります。

②揉みの作業(約1時間)
萎凋が終わったらもみの作業だ。
茶葉の組織や細胞を破壊することで、酵素の酸化反応が進み、葉色がわずかに赤褐色に変わり、青臭い香りがへって甘い紅茶特有の香りがでてくるんだ。

しかも、すべての感じにフリガナがふってありますが、「茶葉」は「ちゃよう」、「葉色」は「ようしょく」…!←筆者も使わないですw

とにかく、1ページ1ページの重みがすごいのです。
お茶に興味ある人は是非手に取ってほしいです。
購入しなくても、図書館とかにあれば絶対見て!!!

さらに、もう一冊おススメの農文協の絵本があります。

【書名】そだててあそぼう44 チャの絵本
【編集】ふちのうえひろこ
【イラスト】いいのかずよし
【出版】農文協

こちらも、濃厚な内容です。
是非二冊一緒に!!!
※筆者と農文協には縁もゆかりもありません。

結び

「お茶を飲まなくなった」という嘆きをあちこちで聞きます。
そして確かに必要とされなくなった茶畑は手放され、耕作放棄地となっています。

それはお茶がどうやって、どこで育って、どうやって作られているかを知らない人が多いということにも原因があるのではないでしょうか。

子供の時に畑に行って、もぎたての野菜を食べたことがある子はその野菜を好きになるとよく言います。
緑茶、烏龍茶、紅茶も小さい頃から飲んで、畑に行って茶を摘んだことがある人はきっとお茶に興味を持つでしょう。
例え好きにならなくとも、記憶の片隅に残るはずです。

「茶育」という言葉が言われて久しくなりました。
茶処の小学校の家庭科の授業には「茶を沸かして飲む」という授業が行われているところもあります。

茶業者による「T1グランプリ」というイベントも毎年開催されています。
小学生の子供たちが大人より茶について勉強し、美味しく上手にインストラクションを行います。

あと10年、20年経った時、若い人たちが新しいアイデアを出し日本の茶業は劇的に面白くなっているはずです。

そんな次世代を育てる活動を、筆者もしていきたいと思っています。
小さくとも、確実に次世代の「お茶好き」を育てる活動を。




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【追記あり】丸子紅茶の村松二六さんに日本の烏龍茶製造を体験させてもらった!

2019年の11月は毎週のようにイベントが続き、あちらこちら顔を出しているうちにあっという間に時が流れています。汗

まだ、和紅茶や国産紅茶、という言葉がメジャーではない頃から、「丸子紅茶」を作っている村松二六さんの工房にお邪魔して、烏龍茶の製造を実際に葉に触れながら体験させていただきました。



村松二六さんとは?



和紅茶(国産紅茶)に馴染みのない方には村松二六さんの存在はあまり分からないかと思いますが、この本を読んでいただくと彼の茶農家としてのすばらしさは伝わると思います。

前に記事に書きましたが、多田元吉がインドから持ち帰った原木が静岡県の丸子に植えられていましたが、それらが山の開発で切られることになった際、移植をして今もその近くの工房で紅茶作りをされています。
▼参考記事:日本でも紅茶が作られている?-和紅茶の歴史やイベントなどについて-

日本で紅茶を作っている人はほとんどいなかった20数年前から紅茶用品種の“べにふうき”を民間で最初に育成し、紅茶を作り始めました。

農薬も使わず、天然の有機質肥料だけで工夫しながら紅茶作りをしてきたそうです。

そんな様々な二六さんの想いがたっぷり書かれているこの本を是非読んでいただきたいと思います。

二六さんは今も若手の生産者を集めて、製茶を教えたり、イベント等で新しい情報を常に収集されている非常に熱心な方です。
素晴らしい先輩がいることに感謝しなければなりません。

烏龍茶の製茶体験について

和紅茶や国産紅茶はかなり市民権を得るようになってきましたが、烏龍茶も各地で作られるようになりました。
お茶のイベント等に行くと、茶農家の多くが今烏龍茶作りを積極的に行っているように感じます。

日本で作られた烏龍茶を原料にしたペットボトルも販売されています。


筆者が到着したのが12時過ぎ。
10時くらいから茶刈りを行い、すでに「日干萎凋」中。
※製法については細かい説明省きます。なにせ烏龍茶系は疎い…

そのあと室内に入れて、「室内萎凋」。
温度と湿度を調整しながら、時間を置きます。

1時間半ごとくらいに軽く「揺青」。
茶葉をゆすって、香りや成分の変化を起こさせます。

少しずつ水分も抜け、「揺青」をしながら皿の量を減らしていきます。
11月半ばで夕方になると気温が低くなってきたため、暖房をつけて、加湿器も付けます。

少しずつ優しくゆする「揺青」から、激しくゆする「攪拌」へ。

最後の「攪拌」が終わったのが20:30。
あっという間に時間が過ぎていきます。オソロシイ。




酸化酵素の働きを止めるため、「殺青」を行います。
この殺青機の度計は150℃くらいを指しています。

ぐるぐると回転をしながら、葉を炒ります。
こちらが20分くらい。

殺青機から葉を取りだしたら、布で少しくるんで休ませます。
その後「揉捻」。

台湾式(望月式)揉捻機で10分弱揉みます。

揉み終わった葉は少し黒くなっています。
そして撚れている。

「乾燥」。
こちらは「中揉機」という緑茶を作るときにも使う機械に入れて、しばらく乾燥させます。25分ほど。
これもぐるぐる回るやつ。

「中揉機」から出た段階で試飲。
今回は“べにふうき”を使用していますが、台湾の包種茶のように花のような優しい香りと甘味。

ここまでの経緯を見てきたので、香りの変化に感動してしまいました。

「棚乾燥機」に入れて、6時間で完成。
この時すでに12時を回っていました。

星がきれい…。←もはや疲れて細かいところを覚えてないw

結び

烏龍茶の製法、確かに本で読んだことがありますし、なんとなくの工程も分かります。
ただ、実際に葉の変化を生で見ると非常に感動するものがありました。

機械摘みで行っており(今回摘み取りの機械が壊れてしまったそうで…)、時間的には本場のものに比べて短いですが、それにしても乾燥まで入れたら丸々一日仕事です。

手で攪拌を行っていましたが、最初の工程を行ってくれるという機械も今は販売されています。
先日の世界お茶まつり2019でも、萎凋工程をすべて行ってくれる機械の開発をしたと静岡県農林技術研究所茶業研究センターが紹介していました。
(これは「香り緑茶」を作るためのものだそうですが…)

昨今、「渋い、苦い」お茶ではなく、「香り」の良いお茶が好まれる傾向にあります。

時代は常に変化しており、香りの良さに重きを置く烏龍茶は今後日本でより多く作られるようになるでしょう。

楽しみです。
そして、自分でも烏龍茶を作りたい…!

【追記】

2020年1/13の15時過ぎに、村松二六さんの自宅と工場が火災に見舞われました。

自宅が全焼、工場も一部焼けてしまい、現場検証が行われております…。

二六さん夫婦とご家族が無事であったことは不幸中の幸いです。

今後現場が落ち着いたら支援の輪が広がっていくことと思います。その際はまた詳細をアップします。

 

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世界お茶まつり2019!<番外編>井村園の紅茶作り体験に行ってきた!

世界お茶まつりの会場内ではないのですが、井村園がこの期間に行っていた紅茶作り体験に参加させていただきました。

井村園は今和紅茶界で有名な「ももか」という桃の香りがする紅茶を作っている生産者です。
桃の香りがして、しっかりと紅茶らしい渋みを感じることが出来ます。
この桃の香りが出るのは限られた場所で作られたものだけだとか。

本を読んだ限りで適当に製茶をしている筆者にとっては貴重な経験となりました。



紅茶作り体験-ダイジェスト-

今年の夏摘みのウンカ芽を使用した萎凋葉を使用して、発酵度を変えながら紅茶作りをします。

はじめに製茶の流れを説明をしてくださいました。

製茶の流れとしてはこうです。

摘採⇒萎凋⇒揉捻⇒発酵⇒発酵止め⇒乾燥⇒焙煎

①摘み取り

今回は機械摘みの芽を使用。
手摘みだと芽がそろうので問題ないが、機械だとどうしてもバラつきがでてしまう。

②萎凋

日干萎凋は葉にムラができてしまうため、現在井村園では行っていない。
風を当てながら長時間室内で萎らせる。
気温もうまく調整が必要。
※今回は萎凋させた茶葉を冷凍しているため、細胞が壊れて赤くなってしまっている。

③揉捻

茶葉の水分を均一にして、発酵を促す。
優しく揉むと淡泊で水色は薄くなる。
強く揉むと水色は濃く苦渋みが出やすい。
最初はやさしく、次第に強く。

④発酵

茶温30℃以上に上がってしまうとダメ。
乾燥しないように水で濡らした布に包んで30分~2時間程度置く。
イメージは「酸味のあるりんご」から「熟したリンゴ」。

少しこのまま置きます。

⑤発酵止め

出来るだけ高い温度を茶葉に当てていく。

⑥乾燥

少し温度を落として水分率で5%くらいのところまで乾燥させる。
水分が残っていると後から酸味が出る。
乾きにくい大きな葉がぱきっと折れるくらいになればオッケー。

今回は上記写真の棚乾燥機で発酵止めをし、そのまま乾燥。
少しぱきっと折れるくらいまで置きました。

⑦焙煎

出来上がったお茶にアクセントをつける。
焙煎が弱ければフレッシュに。
強ければ香りも強く重厚になる。

今回はホットプレートと小さな火入れ機で軽く焙煎します。
ここを出すタイミングが難しい!
香りが立つ頃が良いそうなのですが、焦げるのが怖くて香りが立ってすぐに出してしまいました。。

⑧熟成

出来上がったばかりだと苦みやえぐみを感じるが、時間を置くと良くなる場合がある。
湿気は大敵なのでそれを防いで1か月、半年と変化を楽しむ。



製茶している間の色々

井村園の一番茶べにふうき紅茶を使用した水出しボトリングティ。(三井農林作)
甘くて、桃の香りがして美味しい。

よくももかには【SF-2Y】というようなロットナンバーがついています。
Yは八木式揉捻機のYとのこと。
通常は違うメーカーの揉捻機を使用しているけれど、一部変えて揉捻しているそうです。(コンテスト用に別に作ったり)

ちなみに揉捻機はこういうもの。

こちらは井村園さんに置いてあった小さな揉捻機。
生葉で2キロくらいしか揉めないそうですが、葉を入れて揉む機械です。
用途は若干異なりますが、緑茶にも紅茶にも揉捻という工程があります。

時間に余裕がある時に工場見学もさせていただきました。
うまく写真が撮れてないので、こちらは割愛させていただきます。無念。

ティスティングをしてみた!

今回10人の参加者がおり、萎凋葉をすぐに発酵止めしたチームと揉捻して発酵を進めたチームに分かれて作りました。

チームごとに同じものが出来ている訳でもなく、十人十色とはまさにこのこと。

全く違う味、香りの紅茶が出来上がりました。
筆者の作ったものはなんだかえぐみが強く、香りもない。。

今回ご指導くださった井村典生さんによれば、「1か月ほど熟成させれば美味しくなる(はず)」とのこと。

その言葉を信じ、まだ熟成中です。
パッケージは販売されている「ももか」と同じものに入れていただけて、持って帰ることが出来ました。
プレミアム感がすごい…!



結び

先生のご指導のお陰で、きちんとした紅茶が出来上がった印象です。
ティスティングをした限りではあまり…でしたが化けるのを待ってます。笑

筆者が通常製茶体験するのは「やぶきた」という緑茶用品種のため、「べにふうき」という紅茶用品種で作ることが出来たのは良い勉強です。

紅茶の知識だけではなく、井村園の製茶についてや他の方との交流もとても楽しかったです。

次に井村さんにどこかのイベントでお会いできるのかな…?
▼参考記事:日本でも紅茶が作られている?-和紅茶の歴史やイベントなどについて-

また、美味しい紅茶をいただきたいです。
(煎茶も美味しいんですよ!)
井村園のみなさま、本当にありがとうございました!

Twitterで話題になっていた「自家製正山小種(ラプサンスーチョン)」をやってみた

TwitterなどのSNSを見ていると、時折とても素敵な茶席を設けている方や美しい茶器でお茶を召し上がっている方がいて、目が潤うのと同時に勉強になります。

もう1か月くらい前ですが、Twitterで話題になっていたものを真似させていただき、作ってみました。

自家製正山小種(ラプサンスーチョン)です。



正山小種とは?



紅茶屋でラプサンスーチョン、を頼むとまるで正露丸の香りのような深紅の紅茶が出てくることがあります。
中国茶の世界では正露丸の香りではなく、フルーティでまろやかな香りの紅茶が出てくることが多いように思います。あくまでも主観。

「正山」とは紅茶や烏龍茶が最初に作られたとされる「武夷山」のことを指します。
「小種」とは元々烏龍茶作りに使われた野生種のことのようです。(諸説あります)
▼関連記事:茶の故郷、中国武夷山茶ブーム。価格はますます高騰中

17世紀の明から清へと変わろうとする転換期。
元々烏龍茶作りをしていた武夷山の桐木村に軍が侵攻してきました。
途中まで作った烏龍茶を置いて、農民たちは逃げ、戻ってきた頃には湿った茶葉が残っていたそうです。

それを乾燥させる際に、室内を温めるため松の木を燃やしたことから茶葉にその香りが移ったというのが正山小種の由来とされています。

そのお茶が大英帝国(イギリス)に渡り、オリエンタルな香りに魅了された貴族たちがこぞって嗜んだとか。

かなり昔ですが、テレビ番組で罰ゲーム的に使われていたこともありました。
正露丸的な香りが苦手、という方も当然いますが、ハマる方も結構多いです。
筆者はすごく疲れている時、無性に飲みたくなります。

このお茶は非常に歴史が長く、まだ解明されていないことも多いようですので筆者はわからないことが多いです、すみません。。



自家製正山小種とは?

元ネタはこちら

このツイートを見て、「おおお!!!」と興奮し、作り方を教えてもらいました。

瓶の中に入っているのは松ぼっくりと貝殻。
そこに仕切りをして、お茶を入れています。(茶種は伺わず)

茶器の美しさ、松ぼっくりを燃やして、茶葉に香りをつけるという発想!!!

センス皆無の筆者にとっては、目からうろこが落ちる内容でした。

で。
やってみました。
やりたかったんです!!!

まず、拾ってきた(←)松ぼっくりと貝殻を瓶に入れます。
紅茶は悩んだ挙句、先日自分で作ったやぶきたの和紅茶。こんな感じ。

松ぼっくりに着火。

しばらくすると瓶の中が燻ってきます。

見えるでしょうか、煙。

瓶の蓋を完全に閉めると酸素がなくなるので、少し開けつつ、火が消えたら他の部分に火をつけながら一時間ほど。

葉っぱから確かにラプサンスーチョンの香りが!!!

いざ、試飲!

とにかく、富士華名(@_fujibana)さんの写真がどれも美しいので、筆者もとっておきの茶器を探し出して淹れてみました。

仄かに香る燻煙。
決して嫌みがなく鼻に抜けていきます。

残念だったのは、自家製のやぶきた紅茶の作りが悪くて味は残念なものとなってしまいました。。
茶葉の選定は大事!

これは岩茶や鳳凰単欉などを使用しても、十分楽しめます。

松ぼっくりはたくさん拾ってきた(←)ので、また違う機会に違う茶葉で試してみようと思います。

楽しい遊びを教えていただきました。
富士華名(@_fujibana)さんに本当に感謝です。



世界お茶まつり2019!<セミナー編④>「茶の品種から考える<これまでとこれからの日本茶>」

今回の世界お茶まつりで筆者が参加したセミナーはこれが最後となります。
品種茶専門店心向樹の川口さんのセミナーです。

「茶の品種から考える<これまでとこれからの日本茶>」とはなんとも心惹かれるタイトルです。

数年前から品種に興味を持ち始めたものの、あまり詳しくないため心向樹さんのセミナーを今回とても楽しみにしていました。




品種茶専門店心向樹とは?

心向樹さんはお茶好きな方ならご存知かと思いますが、茶の品種をメインに扱っています。
例えば緑茶なら「やぶきた」と「さえみどり」と「おくみどり」等を販売しており、品種による違いを楽しむことが出来ます。

ありがたいのは一煎パックでも販売しているところです。
家で飲み比べが出来ます。

今まで品種ごとの飲み比べをする際、単一品種の茶を販売しているお店で購入していましたが、どうしても店によってクオリティが異なるため、品種の違いを感じるまでには至らないことが多々ありました。
そういった意味で一煎パック、ありがたいです。

さらに、茶の苗も販売していますので、お茶好きさんにはたまらないです。
一般の方が好みの品種の苗を手に入れるのはなかなか難しいことだったのです。
筆者もこちらで苗を数品種購入しました。(写真はいずみ)

埼玉にカフェもあるので、是非ご興味ある方は行ってみてください。
お茶のイベントにもよく出店されていますよ。

今年中に心向樹さんにお会いできるイベントは以下だそうです。

国産紅茶フェスティバル@愛知県尾張旭市 11/24

地紅茶サミット@愛知県豊橋市 12/8-9

どちらも愛知県でした…。

 

品種から考える“これまで”と“これから”

この「茶ート」は以前から見たことがあり、非常に素晴らしいと思っていました。
日本茶を鑑定する際に香りや味をみますが、正直ピンとこないことが多かったのです。。
こちらを見ながら茶を飲むと「そういえばサンルージュって渋みはあるけど香りはしないなぁ」というような自分の中での指針ができます。

さらに、「茶付箋」も非常に便利。

自分が飲んだ時の印象を書き込んでチャートにします。
この作業により、品種の特徴が自分なりに整理できるというもの。

静岡でお茶のツアーを行っている「そふと研究室」で主に製造しているそうで、心向樹にて監修をしているとのこと。

話がそれますが…。
そふと研究室はお茶に興味がある方におススメのツアーを多数行っています。
筆者も数回参加させていただいていますが、なかなか車がないと行けない場所にも案内してくれて、生産者の話を聞いたり、畑を見せてもらったり、作った茶を飲ませてもらったりできます。

他にも茶市場見学だったり、茶町歩きだったり、全く茶関係でない人も気軽に静岡の茶を満喫できます。
「茶処静岡に行ってみたいけど…」とためらっている方にはかなりおススメです。
※ちなみに茶マニアの人も楽しめる工夫がされており、非常に良いです。
※さらに、茶には関係ない富士山トレッキングツアーなども行っていますので、本当に静岡全部が満喫できます。




今回のセミナーで10種類の鑑定をさせていただきました。
茶付箋に自分の印象を書き込みつつ…。

最初に座学として、今回の10種類の品種の説明がありました。
品種の勉強をする際に必須の「新版 茶の品種」を参照しながら話は進みます。
こちらの本は品種の細かい情報が入っています。親は何か、茶農林〇号、何年に登録等
※こちらは公益社団法人静岡県茶業会議所で購入が出来ます。
もちろん、心向樹さんでも購入可能です。

<やぶきた>は母親(めしべ側)が静岡県在来種。
父親(花粉側)は不明です。

<やぶきた>は杉山彦三郎氏(日本茶界では有名人)が育成した現在日本茶のおよそ8割がこの品種だと言われているスター品種です。

「静岡県在来種」にどこからか飛んできた花粉がついて、種ができ、その種を撒き、その中から優良と思われる苗を繁殖させたもの。

<あさつゆ>は母親が京都(宇治)在来種。
父親は不明です。

天然玉露と言われる旨味が強い品種です。

<やぶきた><あさつゆ>を人為的に掛け合わせたものが<さえみどり>
<やぶきた><あさつゆ>の良いところを取り、旨味が多くて美味しく作れる品種が生まれます。

この<やぶきた><あさつゆ>が茶の第一世代。
第一世代の子供<さえみどり>が第二世代。

第一世代は在来種の中から優良なものを選抜したものです。
第二世代はその第一世代よりもっと美味しいもの、収量が取れるもの、やぶきたと収穫時期が被らないもの(早生か晩生)を目指して人為的に交配して作られたものとなります。

そして今は第三世代へ。

<きらり31>は母親が<さきみどり(第二世代)>
父親は<さえみどり>

<はると34>は両親が逆で、母親が<さえみどり>で、父親が<さきみどり>となります。

また、<やぶきた>が母親で父親が不明な<さやまかおり>
そこから母親が<さやまかおり>で、父親はやぶきたの血を引く<枕崎13号>を掛け合わせて生まれた<なんめい>は、病害虫にとても強い品種です。
※枕崎○○号というような名前は品種登録される前(されていない)の系統名だそうです。

病害虫に強いということは農薬を使う必要が無くなります。
無農薬でも美味しいお茶が作れれば、増加傾向の欧米諸国への日本茶の輸出はより増えていくはずです。
なにせ、欧米諸国は農薬基準が非常に厳しい。。。

第三世代は今の時代に合った品種を作っています。
他にも耐寒性が非常に強い<おくはるか>やアントシアニンが豊富ということで機能性に優れる<サンルージュ>等が生まれています。

▼参照:茶を飲むのは体に良いから?茶=薬?

両親の特徴が分かった状態で鑑定を行うと、子供の特性がよくわかるようになるそうです。
とはいえ、10種類を鑑定すると小さな違いは分かるのですが、品種香等まではさっぱり分かりませんでした…。




日本茶のこれから?

第三世代の品種として、「輸出できるもの、機能性があるもの、環境に耐えうるもの、(香りの良いもの)」が様々出てきているそうです。

そして、今日本茶のおおよそは<やぶきた>で成り立っていますが、あと20年ほど経てば<やぶきた>以外の品種がコンテストの上位を占めるのではないかというお話でした。(例えばきらり31)

現在の状況を考えると第三世代というのは多様性に富んでいますが、今後第四世代になってくると果たしてどんな特徴を持つ品種が生まれるのでしょうか。

筆者が苦肉の策で考えたのは、例えば宇宙で育つ品種(空気がいらないとか)やより機能性に特化して病気を治す品種とか。

機能性表示食品のペットボトルのように、「この品種の煎茶を飲み続ければ風邪が治る」というようなもの。
今はべにふうき煎茶は「メチル化カテキンが豊富で花粉症に効く」と言われています。
こんな感じ。


そういった効能に重視したほとんど薬と同じ扱いとなる品種なんかが生まれたりしませんかね…?
素人考えすぎますので、まぁその辺りは研究者の方にお任せして…。

結び

他にも品種茶トリビアなど様々お話をいただき、非常に勉強になりました。

頭を整理させて、改めて品種茶を鑑定していきたいと思っています。
実は心向樹さんの一煎パックが家に山のようにあります。笑

改めて「新版 茶の品種」を読み返し、品種茶を飲んでみて知識を蓄えながら、頭を整理していきたいと思っています。

今回の筆者が受講した日本茶のセミナーはすべて「未来」に向けたもので、非常に良かったと思います。
過去を振り返るだけではなく、未来へ向けて今後日本茶の世界はどうなっていくのか。
自身も未来を見据えて、考えながら学びを深めていきたいと思います。