日本でも紅茶が作られている?-和紅茶の歴史やイベントなどについて-

むかーしむかし。
筆者が茶カフェを始めた頃から閉店するまで(閉店は数年前)、ある和紅茶を出していました。

閉店する直前まで‐それはたった数年前ですが‐紅茶についてそれほど興味のない方たちは「日本でも紅茶って作っているんですね」と仰いました。

逆に、紅茶に興味があり、和紅茶ブームが到来した十数年前(?)に早速飲んでいた方は「和紅茶は二度と飲みたくない」と仰います。

店を営業している間に当店の和紅茶を初めて飲んだ方たちは「すっきりしていて飲みやすい」「優しい味わいがする」(あくまでも当店で扱っていた和紅茶の印象)と仰り、後者の方たちは頑なに「和紅茶は飲みたくないんです」と言い続けておられた気がします。

地方都市の小さな茶カフェでしたから、東京等に比べると和紅茶を知らない割合はぐっと多かったとは考えられますが。

和紅茶について、少し筆者の思い(抑えめ)を含めてまとめてみたいと思います。



日本で紅茶が作られるようになった歴史

和紅茶、国産紅茶などと言われています。
いずれも【日本国内で作った紅茶】のことを指します。
煎茶なども合わせて、総称して【日本茶】と呼ばれることもありますが、【日本茶】という言葉から想像されるのは、いわゆる煎茶(抹茶)ではないかと思います。

煎茶も和紅茶も、実は明治期に生糸とともに輸出をされていました。
江戸幕府が崩壊して鎖国が終わり、明治政府は列強各国との貿易の中で「茶」が外貨獲得に非常に大切なものだと分かっていました。

1859年横浜が開港したその年に緑茶が180トン輸出されています。
ちなみに、2019年1月~5月に輸出された緑茶は約2400トン(日本茶輸出促進協議会HPより)で、横浜開港した10年後にはおよそ6000トンの茶が輸出されていたというからすごいことです。

世界的にも、また輸出の最大相手国であるアメリカも緑茶より紅茶を求める声が大きくなっており、日本は早急に紅茶を増産しなければいけなくなりました。
※イギリスでの爆発的な紅茶ブームが少し遅れてアメリカにやってきたものと思われます。

1874年に明治政府は「紅茶製法書」を編纂し、各府県に配布して紅茶製造を奨励しました。
また、中国から二人の技術者を呼んで、九州四国の<ヤマチャ>を使って中国式の紅茶を作るように指導します。(ヤマチャ⇒山の中で自然に育っている茶木)

同時に、実際の海外の生産や製茶技術を学ぶため、「多田元吉(ただもときち)」を勧業寮に登用し、派遣させることに決めます。
彼は元々江戸の幕臣でしたが、明治維新後に駿河(今の静岡)で茶業(茶生産等)に尽力していました。
※勧業寮とは、内務省に設置された殖産興業を担当する部署のこと

1875年、彼はまず清国(今の中国)へ派遣され、茶の栽培法、紅茶の製法などを学び、製茶機械や茶の種を持って帰ります。

元吉は清国からの帰国後、すぐに今度はインドへ渡ります。
日本人で初めてダージリンやアッサムへ行き、製茶機械を模写し、茶の種を持って帰ってきたのが多田元吉です。




1877年に帰国。
帰国後、内藤新宿試験場や静岡県丸子に持ち帰った原木を植え、紅茶品種の栽培を行い、国産紅茶の普及のために丸子で増産した種や苗を持って、全国各地を回ります。
※内藤新宿試験場は現在の新宿御苑の場所にありました。

そして、最新の紅茶製造をインドで学んだ元吉は、失敗に終わっていた中国式紅茶ではなく、インドの製茶法を改めて高知県で作るよう指導に当たります。
他にも、静岡、三重、滋賀、福岡、熊本、大分、長崎、鹿児島等も周り、紅茶製造の指導を続けます。

1878年には政府が「紅茶製造伝習規則」を発令し、各産地に紅茶伝習所を設置しました。
その甲斐あって、1892年には150トンほどの紅茶が全国で生産されます。

しかし、日清戦争(1894-1895)や日露戦争(1904-1905)の間にインド、スリランカの台頭により、日本の紅茶の輸出は落ちますが、1929年の大恐慌の折にはインド、スリランカ等の茶業者が輸出制限を行ったため、日本の紅茶の需要が急増し40トン程度の年間輸出が数年で6000トンまで急激に伸びました。

第二次世界大戦が始まると、1945年には年間130トンほどに激減しますが、戦後には少しずつ復興し、1955年には8500トンほど生産の内、5000トンほどの紅茶を輸出しています。

しかし、1971年の紅茶輸入化に伴い、インドやスリランカの高品質で低価格の紅茶が急激に増え、日本の紅茶はほとんど壊滅状態となります。

緑茶の国内需要は伸び、栽培面積も広がっていましたが、缶飲料やペットボトル飲料の台頭により次第に伸び悩み、一番茶しか売れない時代となっていきます。
紅茶の製造に一番向いていると言われる二番茶を緑茶から紅茶に切り替える農家が増え、次第に各産地で地場の紅茶を作る方たちが増えていきました。

今では、紅茶用品種で、インドやスリランカや中国にも負けないような日本独自の紅茶があちこちで生まれています。

2019年、これから和紅茶に出会えるイベント

北の茶縁日和(9/6.7 札幌)

ジャパン・ティーフェスティバル2019(10/19.20 東京)

第15回地球にやさしい中国茶交流会(11/23.24 東京)

紅茶フェスティバルin尾張旭(11/24 名古屋)

第18回全国地紅茶サミットin愛知(12/8.9 豊橋)←8/29追記

日本茶AWARD2019

上記はかなり大きなイベントになりますが、和紅茶だけではなく、和烏龍茶等も販売されている方もいらっしゃいます。

生産者の声が聞ける、貴重なイベントです。

中にはグランプリを決めるものもあり、多くの方が好む和紅茶の傾向をつかむことが出来ますので、まずは賞を取ったものから飲んでみるのは非常におススメです。

他にもあちこちで和紅茶を作っている生産者が出店しているイベントや飲めるカフェ、雑貨屋などもありますので、気になる方は是非探して見てください。

ネットで購入できる和紅茶



「べにふうき」と検索すると、たくさん和紅茶が出てきます。
今、一番多く使われている和紅茶の品種はべにふうきではないかと思います。(筆者統計)

べにふうきは前述の多田元吉がインドから持ってきた種の中から選抜された品種(べにほまれ)を親に持っています。
日本育ちでインドの血を引いています。

実は日本には紅茶用の品種がいくつかあります。
品種の話はまた別の記事で書きたいと思います。まとまらないから。。

べにふうきはアレルギーに効く「メチル化カテキン」を多く含むということで有名になったこともあります。
ただし、紅茶にすると残念ながらメチル化カテキンの効果はなくなってしまうようです。

抗アレルギー効果を求めるならべにふうき緑茶をどうぞ。
※茶は薬ではありませんのでご了承ください

結び

筆者が紅茶にはまりだした20年ほど前は、和紅茶がそれほど浸透していなかったように思います。(もしかしたら知らなかっただけかも知れませんが…)

そして、非常に残念なことに二番茶が売れないからと、緑茶用品種(主にやぶきた)を緑茶用の機械で紅茶(のようなもの)を作っていた方が圧倒的に多かったと思います。

当時和紅茶和紅茶と言われるようになった時にその「はっきり言って適当に作った二番茶の紅茶」を飲んだ方たちは今でもトラウマを抱えている人が多いです。
それが冒頭の後者の方たちです。(二度と飲みたくないという言う方たち)

青みがかっていて、渋みではないえぐみがあり、飲むと胃が痛くなるようなものがたくさん世に出回っていたのです。

筆者も一時期は警戒しながら飲んでいましたが、ここ数年はコンテストやグランプリが行われるようになったこともあってか、非常にレベルの高い和紅茶も増えています。

人件費等を考え合わせると、正直まだまだレベルの割には価格の高いものが多いですが、和紅茶の未来は明るいと感じられるものが次々に出てきています。

美味しい和紅茶を作っている生産者の方の商品は毎年少しずつでも購入するようにしています。
これからもずっと美味しい和紅茶を作っていっていただきたいから。

筆者のような一般消費者にできる、唯一の応援です。

和紅茶に興味を持っていただいた方はまずはどこかで購入して飲んでみてください。
そして、それが口に合わなかったとしたら、くじけずに他のものも試してみてください。(SNS等で評判を聞いてみると、お茶好きさんは恐ろしいほどコメントしてくれます。笑)

そして、機会があればイベントに行って、生産者の想いを聞いてみてください。

きっと心が震えるほどの素敵な出会いがあるはずです。



小ロットで製茶ができる機械セット~インド紅茶局スタッフが作った小さな製茶機械セット~




少し前の記事となりますが、インド紅茶局の方が簡単に製茶ができる機械を開発したという記事がありました。

インド紅茶局のアシスタントディレクターである男性が2キロのお茶を作れる小さな製茶セットを作ったというもの。

筆者は趣味で時折お茶作り(製茶)をやらせていただきますが、すべての工程を手で行うため、それはそれは高尚な趣味な訳です。

簡単な茶種であっても数時間は最低かかります。(すべての茶種を作ったわけではありませんので、自身の知る限りですが)

そして1日で作れる量も生葉で1キロくらいがせいぜい。
生葉を手に入れるのもなかなか困難なため、完成品も当然少量です。
※あくまでも筆者の話です。

そもそも製茶機械とはどんなもの?

作る茶の種類(緑茶、烏龍茶、紅茶等)により、必要な機械は異なります。
すべてを釜だけで作り上げる中国の緑茶などもありますので、一言でまとめることができません。

今回は紅茶用機械の例を写真とともに簡単にご紹介します。。

▼萎凋(槽)<いちょう>

葉を揉みやすくするために、萎れさせるところです。
自然の風で行う場合もあれば、温風を当てる場合もあります。


インドダージリンの茶園

 

▼揉捻<じゅうねん>

萎れた葉を機械で揉みます。
手で行う場合は、板やざる、布などで揉む場合もあります。


静岡

インドやスリランカの揉捻機の大きさが分かりやすい写真がなかったため、静岡で和紅茶をお作りになっている農家さんの揉捻機の写真を載せておきます。

2枚目の写真をご覧いただくと、人が簡単に入るくらいのサイズ感であることがお分かりいただけるかと思います。

 

▼酸化発酵<さんかはっこう>


インドダージリンの茶園

上記写真では自然酸化発酵を行っていました。
電熱線が下に入っていて、温度を上げて強制的に酸化発酵を促すこともあります。

 

▼乾燥<かんそう>

揉んだ葉を乾燥させます。
大きな機械に葉を投入し、乾燥を行います。

 

▼ふるい分け


インドダージリンの茶園

乾燥した茶葉を大きさに分けてふるい分けやゴミを省いたりします。
人の手でゴミや悪い茶葉を取る茶園もあります。

非常に簡単ですが、このような流れで紅茶は作られます。
※オーソドックス製法



インド紅茶局のアシスタントディレクターが作った製茶機械とは?

こちらです。


写真出典(元記事)⇒こちら

本当にコンパクト…!!!

この機械は、<萎凋槽><ローラー(揉捻機?)><発酵室><加湿器><乾燥機>を装備しているそうです。

残念ながら実物を見なければどれがどのように動くのか、どうやって使用するのかが分かりませんが、実際にこの機械を導入してから3か月以内に【白茶】【緑茶】【烏龍茶】【オーソドックス製法の紅茶】を作ったそうです。


写真出典(元記事)⇒こちら

美しい茶葉の形状…。
これがあの機械でできるのか…。ほしい…。←本音

しかもしかもしかも!!!
こちらをお作りになったアシスタントディレクターによれば、家庭にあるような道具で作れ、1,5000ルピーで出来るとのこと!!!

1,5000ルピーですと、おおよそ2,5000円くらい!!!!!

小さめの揉捻機だけでも数十万円するというのに!!!!!
すべての機材がそろって、2,5000円!!!!!

送料を考えたって、作って送ってほしい…と記事を読みながら何度もつぶやいたのでした。←心の声が漏れ出てる状態

とはいえ、こちらは趣味で作ったわけではなく、小さな茶農家が自家製茶が作れるように開発されたものだそうです。

茶葉のみを大きな茶工場に持ち込んで売っている、小さな茶農家がそれぞれ自分のところで自家製茶を作ったら…。
将来的にはとても面白いお茶が小ロットで登場するかも知れません。

茶好きとしては非常に興味深いので、是非普及していってほしいです。

結び

茶業試験場には試験的に製茶を行う機械が置いてあります。
こちらも2キロくらいずつ作れると話だったかと思います。

先日京都の茶業試験場でも製茶機械を見せていただく機会がありましたので、そちらも追ってアップしたいと思います。

昔は手ですべて行っていた製茶ですので、実際に手作り茶を作ると、茶の成り立ちが見えて、非常に面白いです。

ちなみに、手で製茶する際の道具はこんなものを利用しています。(ごく一部)

こちらは萎凋用、揺青用に使用しています。
梅や野菜を干すのにも使えます。(というか、本来はこちらが正しい使い方)

こちらのザルの上で茶葉を揉むこともあり、酸化発酵を行う時もあります。
なんなら、粉も振るえます。

かなり必要不可欠な道具かも?



こちらは揉捻機の代わりに茶葉を揉む時に使用するもの。

紅茶をしっかりと揉みこみたい時に使用しています。
茶汁がしみ込んで、着色するのも素敵。←マニアックで伝わりにくい(笑)

などなど。

生葉を茶農家さんに販売していただける、家の庭に茶の木がある等、生茶葉が手に入りやすい環境にいる方には是非自分で手作り茶(自製茶、自家製茶)をお試しいただきたいと思います。(農家さんのご迷惑にならないようにしてくださいね~)

簡単に茶を飲めるグッズ②-TEA BREWER―

簡単にお茶が飲めるグッズシリーズです。

今回はたまたま雑貨屋をうろついていた際に見つけた、ポット代わりに紅茶が飲める持ち運び可能な簡易ポット???

…なんと説明したらよいのかよくわからないので、写真多めでご紹介していきたいと思います。




持ち運び可能なポット???

縦15㎝、横12㎝ほどのさほど厚みのない袋です。

裏面にはいろいろと記載があります。
「有機ブラックティー」「ベルガモット」「香料」ですので、紅茶の産地や種類はわかりません。
(HPにも特別記載はありませんでした。)

デザインのコンテストで賞を取っているようで、確かにオシャレですな。

これがポットになると…???

実際に淹れてみよう!

袋の上部がジッパーになっています。
開いてみると、中に不織布が貼られていて、二重構造になっていました。

なるほど。
なんとなくわかってきましたよ。

上部からお湯を注ぎます。(400㎖の線まで)
そして、5-7分ほど待ちます。
「400㎖×2-3回分、1.2ℓ分飲めます」と驚きの記載があったので、最初は1分ほどで抽出。

こうして、注ぎ口の蓋をとって注ぎます。
なるほどー。

HPに記載がありましたが、確かに「ポット」と「ティーバッグ」の間のような存在。

面白い商品を作ったものだと興味深くいただきました。

ただ、ここまで読んだ紅茶好きな方はお分かりかと思いますが、3煎飲めるはずはないので、念のため2煎目のお湯も淹れて、長めに抽出しましたが、まぁそうですよねという味わいになってしまいました。(;^_^A

※フルリーフの紅茶は煎を重ねて飲むことができるものもありますが、こちらの茶葉を見る限りでは3煎は難しいと判断します。
※こちらの会社、ハーブティがメインの会社ですので3煎飲めるという記載があるのだと思われます。
ハーブの方も今度購入してみたいと思います。

 

筆者が購入したアールグレイは以下になります。
渋みも強くなく、優しいアールグレイの香りなので紅茶初心者の方へのプレゼントにはいいと思います。

 

結び

メディカルハーブの販売をメインとされているので、例えば入院している方への差し入れなどにも良いかも知れませんね。
(ハーブも病気との相性等ありますので、きちんと調べてからご利用くださいね。)

筆者も長期入院したことがあるのですが、食べ物や飲み物に制限がなかったので毎日自分でお茶を淹れて飲みたくて仕方なかったです。

薄いほうじ茶は食事時にもらえたし、コンビニまで行けばペットボトルは飲めましたが、日々お茶を淹れ慣れている人にとっては、慣れた茶器で、体調に合わせた茶を飲めないのはとてもつらいことなのですよね。

病院で熱湯が手に入れば、この商品もいいかも知れません。

あとは山へ行くときとか?
ティーポット持っていない人へのプレゼント?

色々な想像をしながら、楽しむことができる商品です。
お茶好きさん同士の「こんなお茶飲んだことある?」っていう見せびらかし(?!)の際にもいいかも知れません。

楽しいティータイムを♪




 

三井農林の「お茶科学研究所」の研究がすごい

お茶が体に良い効果をもたらすという研究は世界的になされています。
その都度新しい研究結果が発表され、茶の健康効果等については日々進歩していると感じます。

茶の≪特定保健用食品(トクホ)≫を謳っているペットボトル飲料も気づくと新しいものがどんどん増えています。
特定保健用食品についてはこちら

茶の健康機能で最近話題になったのは紅茶の「インフルエンザ予防」でしょうか。
その記事はこちら

そして、つい数日前に新しい研究結果が出たというニュースを発見しました。




紅茶の香りが睡眠の質を向上させる効果がある?!

インフルエンザ予防に効果的とかがん抑制効果があるとか、健康効果が高いといわれる紅茶。
その紅茶の香りには癒し効果の他に快適な眠りに有効な効果があることが明らかになったそうです。

三井農林では2018年から鹿児島県西之表市と筑波大学との協力の元、西之表市の高齢者に対する<生活の質(QOL)支援活動>を開始し、その一環として紅茶の香りが高齢者の生活の質を向上させることを目的とした研究も行ってきたそうです。

研究内容としては、西之表市に住む年齢75歳前後の高齢者16名を対象に「紅茶の香り」または「水」のアロマディフューザーを寝る前に使用して拡散し、1か月間継続してもらう中での睡眠の質について調査を行ったものです。

紅茶の香りを嗅いだ場合は、睡眠の質の上昇、認知機能の上昇、うつ気分の改善が見られたとのこと。
※研究の成果は第20回日本健康支援学会年次学術大会等ですでに発表されているとのこと。

 

三井農林の「お茶科学研究所」が熱い

三井農林といえば、知らず知らずに皆様お世話になっているかと思いますが某大手ファミレスなどのドリンクバーに使用されている「WHITE NOBLE TEA」やスーパーで必ず見かける「日東紅茶」が有名です。

筆者にとっては昔から身近に当たり前のようにあった紅茶のイメージが強いです。
(多分多くの方が同じ感想だと思いますが…)

その三井農林で行われているお茶の研究、「お茶科学研究所」が熱いです。

お茶好きな方なら見たことがあるかと思いますが、日本人の感性に合わせた紅茶のキャラクターホイールを作って話題になりました。

参照:三井農林 お茶の科学研究所

こちらが発表されたのは確か2014年だったかと思います。
とても感動したのを今でも覚えています。
また、紅茶のティスティングをする際の参考にもさせていただいている貴重な資料です。

また、緑茶のキャラクターホイールもあるのです!
こちらも勉強になります。

 

参照:三井農林 お茶の科学研究所

筆者はこんなに素晴らしいものを惜しげもなく公表してくださる三井農林ファンになりまして、積極的に紅茶教室などで商品を使わせていただいております。
ありがとうございます。

純国産紅茶のティーバッグなども販売されており、長年様々なニーズに答え続けていらっしゃる茶業界にとっては重鎮の企業です。

お茶の科学研究所のHPをのぞくと、様々な茶の研究成果等も見ることができてとても興味深いです。
ちなみに日東紅茶のHPの紅茶占いが好きです。←
※大事なことを忘れていないか?とのお告げ。今日のおすすめはセイロンティでした。笑




結び

大手茶飲料の企業は様々な上述してきたような研究とともに、消費者の購買欲を刺激するような仕掛けを常に考えてくれていて、茶好きな人間としては常に注目です。

茶好きな方の中にはペットボトル飲料を毛嫌いする方もいらっしゃいますが、筆者はペットボトル飲料のおかげで今の茶ブームがあると言っても決して過言ではないと思っています。

様々な問題は常にあるものです。
目先の利益だけではなく、未来を見据えて茶について考えていくことは、今茶業に関わっている方(筆者レベルの人間も含めて)についての課題ではないでしょうか。

「昔は茶葉がたくさん売れて~」「今は急須を持っていない人ばかりで~」と恨み節ばかり言っている暇はありません。
前向きに、かつ多くの方が楽しめる茶の生産や販売を。

そういった意味で大手企業の参入は茶業にとって発展への大きな力になります。

三井農林の「茶の科学研究所」は今後も見逃せません。

インドの密造酒で死者多数。アッサムの茶園労働者たち




2019/02/21の夜以降、インド北東部にあるアッサム州ゴラカート県(Golaghat)で密造酒を飲んで体調不良を訴えた人々が病院に運び込まれたとのこと。
他にも近隣のジョルハット県(Jorhat)でも同様の症状で死亡した人たちがいるそうです。
23日の夜までに100人近い人たちが死亡。
さらに病院で治療を受けている方たちが200人程度いる模様。

病院に運び込まれた方たちは「深刻な嘔吐、胸部の激痛、呼吸困難」等を訴えているようです。

捜査当局によればアルコール度数を上げるために有毒なメチルアルコールが含まれている密造酒を摂取したためとのこと。
同月の頭にも同様にメチルアルコールが含まれている密造酒を飲んだ人たち、100名程度の死者が出ていました。

多くは貧しい茶園の労働者と見られており、来年のお茶の生産に影響があるのではないかと心配です。

メチルアルコールとは?

酒に使用されるのはエチルアルコール(エチノール)。
燃料等に使われるのはメチルアルコール(メチノール)。

メチルアルコール(メタノール)が体内に入ると、ホルムアルデヒドに分解され、最後に猛毒の「ギ酸」に変化します。

ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質の一つとして、一時期ニュースでも多く名前を聞きました。
気体の場合は呼吸器などの粘膜を刺激し、呼吸困難などを引き起こします。
また、ギ酸は頭痛や吐き気を引き起こします。
ギ酸には視神経を傷つける作用もあるため、少量でも長期間に渡って飲んだ場合は失明することもあるとか。

日本でも戦後の混乱期、エチルアルコールの酒が手に入らず、闇市などで購入したエチルアルコール(メタノール)入りの酒を飲んで死亡したり、失明したりした人が多くいたそうです。




なぜ密造酒?

20世紀代にはインドで酒は悪いものという教育がされていたようですが、現在は外国の情報も簡単に入ってくるようになり、インドのドラマなどでも飲酒シーンがあるとか。
※それより以前は逆に酒を飲むことは問題ではなかったようです。

しかし実際は、2017/4/1付で「高速道路沿い500m圏内での飲酒、酒の提供が禁止」と最高裁判所が決定し、飲酒運転による事故を減らそうとしています。
しかも、告知は前日だったとか。。

レストランでも、酒屋でも販売、広告を出すことも禁止という厳しい決定。
500m圏内の日本食レストランでも大損害を被ったようです。

茶園の労働者たちが実際にはどのように酒を入手して飲んでいたのかは、残念ながら筆者にはわかりません。
“貧しい茶園労働者”というニュースの通り、日常的に酒を手に入れることも難しい金銭状況なのか、禁酒の影響なのか…。

なぜ密造酒が2019年2月に入ってから二度も、しかも数百名の命を奪うことになったのか…。

ちなみに、インドで有名なキングフィッシャーは結構おいしいです。
筆者はほとんど酒を飲みませんが、キングフィッシャーはすっきりしており飲みやすいです。

結び

筆者がこのニュースを取り上げたのは、何より茶園の労働者に多数の死者が出たということです。アッサムでは時折川が氾濫して、多くの死者が出るというようなニュースも出るのですが、これから茶の生産が多くなるこの時期に多数の死者が出て、アッサム茶の高騰などにつながるのではないかと懸念しています。

命は落とさなかったとしても、失明する可能性が多いということもあります。

ダージリンのような産地に比べるとそれほど話題になりませんが(筆者があまり気にしたことがなかった汗)、今後もニュースを追いかけていこうと思います。

紅茶界の巨星墜つ-紅茶研究家 磯淵猛氏の訃報-




2019/2/21 16:08
紅茶界の巨匠、紅茶研究家の磯淵猛さんが亡くなりました。

そのニュースを知り、そっと涙を流している方は少なくないはずです。
日本中、いえ、韓国や中国までファンがいらっしゃる方ですので、SNSでもお悔やみの言葉が多く流れてきます。

筆者自身、紅茶にはまるきっかけとなったのは磯淵さんの本でした。
磯淵さんのセミナーに行くようになり、スリランカの紅茶に興味を持ちました。
思えば、スリランカの紅茶を意識して初めて購入したのは彼のお店でした。
(意識しないで購入したのは某メーカーのティーバッグ等ですが)
その後、スリランカのツアーにもご一緒させていただいたことがあります。

自身の店のことや、つまづいた時、悩んだ時、磯淵さんに相談させていただいたこともあります。
その度に、温かい言葉で励ましていただきました。

紅茶研究家 磯淵猛さんの功績


紅茶専門店ディンブラ HPより

1951年愛媛県出身。
学生の頃出会ったスリランカ人と商社に勤めていた時代に再会し、紅茶の輸入をするようになり、紅茶専門店ディンブラを開業。
のちに株式会社ティー・イソブチカンパニーを設立。(1994年)

多数の著書、テレビ、ラジオ等で紅茶の楽しさやすばらしさを広めてきた人物です。

特別紅茶好きでなくても、実は多くの方が無意識のうちに彼の紅茶に触れています。
モスバーガーやマザーリーフ、キリン午後の紅茶のプロデュースやアドバイザーをされていたのは磯淵さんです。

株式会社モスフードサービスの「マザーリーフ(Tea&Waffle motherleaf)」のコンサルタントやキリンビバレッジ株式会社「キリン午後の紅茶」のアドバイザー。

また、ご自身でマザーリーフでのティーセミナーやキリンの紅茶セミナーなども精力的に行っておられました。

また、日本創芸学院「紅茶コーディネーター養成講座」の主任教授でもあります。

“紅茶について知りたい”と思った時に、彼の存在を避けては通れないほどではないでしょうか。



磯淵猛さんの著書

磯淵さんの著書は非常に多いです。
残念ながら、今や絶版になっている本も多数。
(筆者おそらくすべて持っています。紅茶専門店ディンブラで直接サインもいただけました。)

最近では、以下の本でしょうか。

紅茶を飲んでみたい、自分で淹れてみたい、そんな方たちには必見の著書です。
最新の紅茶の産地の情報や紅茶の種類や味などの紹介、またアレンジ方法等も多数載っています。
筆者は個人的に彼のエッセイが好きなので、是非読んでいただきたいと思っています。
温かい人柄がにじみ出ている、とても心温まるお話ばかりです。

「金の芽」「紅茶の国 紅茶の旅」などはスリランカやインドへ行ってみたくなるお話が満載で、何度も読み返したことを今も思い出します。(どちらも絶版)

また、筆者が店で紅茶のアレンジを考える際、紅茶の教室を行う際に今でも参考にさせていただいている本が多数あります。

結び

個人的な思い出はこちらには書きませんが、これを書いているうちにたくさんのことを思い出しました。ここ数年、藤沢の紅茶専門店ディンブラにも足を運べず、磯淵さんにもお会いしていません。
ですが、ブログや著書でご活躍は拝見していたため、今でも信じられません。

紅茶界にはたくさんの巨匠がいらっしゃいますが、筆者が一番言葉をかけていただいたのは磯淵さんだと思います。
たくさんのお言葉をいただきました。
そして、茶の縁もたくさん繋いでいただきました。

多くの方を紅茶の世界に導いてきた彼の功績はあまりにも大きく、悲しみが尽きません、彼から学んだこと、教えていただいたことを次代に微力ながら繋げていきたいと思っています。
筆者なりに、細く長く。

長らく紅茶業界をけん引してきた磯淵さん、本当にお疲れ様でした。
どうぞ安らかに…。

紅茶の選び方①-フレーバードティについて-




筆者は現在普通のサラリーマンですが、以前お茶がメインのカフェを経営していました。
そのため、今でもお茶の教室のご依頼をいただいたり、ちょっとしたレッスンを行う機会があります。

中でも『紅茶について』のお問合せが一番多いです。
さらに依頼者の要望で多いのは「紅茶の基本的な部分」を知りたいというものです。
紅茶の種類、紅茶の淹れ方、紅茶の産地等。

紅茶初心者の方はおおよそ『アールグレイ』『ダージリン』『アッサム』くらいしかわからない、と仰います。

中でも多くの方が関心を寄せている『アールグレイ』についてまとめてみたいと思います。

アールグレイについて

アールグレイとは<Earl=伯爵> 、<Grey=グレイ>という意味です。
グレイ伯爵というイギリス伯爵の名前に由来しています。
※グレイ伯爵はイギリスの首相でもあったほど偉い方です。

アールグレイが生まれた歴史には諸説あります。
また、アールグレイを生み出したのはジャクソン社であったとか、トワイニング社であったとか、昔から逸話がある紅茶です。
それほど世界中で愛されている紅茶と言えます。

紅茶初心者の方の中にはダージリンやアッサムのようにアールグレイは紅茶の産地であると考えている方もいらっしゃいますが、定義としては「紅茶にベルガモット(柑橘系フルーツ)の香りづけをしたもの」となります。

 

ベルガモットはイタリアのシシリア島で多く作られている柑橘系のフルーツです。
あまりフルーツとしては販売されていませんので、ベルガモットの香りに興味がある方はアロマオイルを購入してみると良いかもしれません。

 

 

話を戻しますと、紅茶初心者の方でアールグレイを好きという方がぶつかる壁が「アールグレイという名前が書いてあるけれど、メーカーによって味が違う」ということです。

○○のティーバッグのアールグレイは美味しくなかった。
同じ<アールグレイ>という名前なのに…

という話を度々聞くのです。

なぜメーカーによって味が違うの?

アールグレイ、というのは各メーカーのオリジナル商品です。

上述の通り、<茶葉にベルガモットの香りをつけたもの>がアールグレイです。

各メーカーが茶葉をセレクトし、ベルガモットの香りを付けます。
ベースの茶葉はスリランカ茶葉を使っているもの、インド茶葉を使っているもの、オリジナルでブレンドしているもの…と様々です。
ベースの茶葉が違えば、味は変わります。
また、ベルガモットの香りも人工香料、天然香料と様々あります。

 

例えば、上記のように<ダージリン>にベルガモットの香りをつけた<ダージリンアールグレイ>というものもあります。
※多くの紅茶初心者さんが「???」となる商品です。笑

ロンネフェルト社は老舗の紅茶専門店ですので、ベースのダージリンもしっかりと良いものを使用しており、ベルガモットの香りが主張し過ぎず、ダージリンとアールグレイの両方を楽しめる逸品です。

 

同じくロンネフェルト社のものですが、上記のようなルイボスにベルガモットの香りをつけた<ルイボスアールグレイ>もあります。
紅茶ではありませんが、ノンカフェインでベルガモットの香りを楽しみたいという方にお勧めです。
ベルガモットの良い香りでルイボスの味が緩和される印象がありますので、ルイボスの味が苦手、という方にもお勧めします。
最近では緑茶アールグレイもありますし、国産紅茶にベルガモットの香りをつけたアールグレイも販売されています。

紅茶の味がしっかりして香りはやさしいアールグレイ。
香りは強いけど、渋みなどがほとんどないアールグレイ。

と、各メーカーがオリジナリティを出して作られたアールグレイが販売されています。

そのため、世界共通の<アールグレイ>という紅茶は正確に言えば、ありません。
トワイニングのアールグレイ、ルピシアのアールグレイ…のように<○○(メーカー)のアールグレイ>という表現が正しいのではないかと思います。

他のフレーバードティも同じ?

アールグレイだけではなく、他にも<ストロベリーティ>や<アップルティ>等の香りをつけている紅茶があります。

当然、アールグレイと同様、ベースの茶葉から着香までメーカーによって違いがありますので、<アップルティ>と一言で言っても多種多様のアップルティが世界中に存在します。

さらに言えば、<アップルティ>にはいくつか種類があります。

①茶葉にりんごの香りづけをしたもの
②乾燥したりんごを混ぜたもの
③乾燥りんご(リンゴジャム)に熱湯(紅茶)を注いだもの

①はフレーバードティ(フレーバーティ)と呼ばれ、②はセンテッドティと呼ばれます。
香りをつけた上で、乾燥りんごを混ぜたものもありますので、わかりづらい部分もあるかと思います。(;^_^A

さらに③は紅茶を使っていなくても<ティ>という場合がありますので、ますます混乱する方もいらっしゃいますが、そのあたりはまた別の記事でまとめたいと思います。

結び

“紅茶が好きです”と仰る方に聞いてみると、

「ペットボトルの○○が好きです。カフェに行ったら珈琲より紅茶を飲みます。」

から

「紅茶専門店の▲▲のダージリンのファーストフラッシュがとてもおいしくて、ネットでも違う茶園のものを購入しました。」

という方まで幅広くいらっしゃいます。

店側としては、お客様としっかり対話をして、その方の要望に合わせた紅茶を提案する必要があります。

ただ、どの紅茶を選ぶのも、それは購入する(飲食する)方次第ですので、是非自分飲みたいものを選択する際の参考になれば幸いです。

茶道具について①-お勧めの道具「はかり」-




お茶が好きな方にはこだわりの道具が色々あると思います。

お茶を好きになればなるほど道具も増えるもの。
こだわりすぎて破産しそうになることも多々あるもんです。汗

例えば、日本茶なら急須。

デザイン、握り具合、持ち手や注ぎ口の角度等々、こだわるポイントは人によって違いますが、よい(丁寧に正しく作られた)ものになればなるほど価格も上がるのは当然のこと。

紅茶や茶壺なども茶を美味しく淹れるためには必須の道具であり、こだわればこだわるだけ楽しみが増える部分です。
筆者もご多分に漏れず、お茶の道具にはこだわります。

店をやっていたこともあり、「魅せる」部分と、「美味しく一定に」淹れるための道具は必須であることを痛感しています。

道具には様々あるのですが、第1回目の今回はどの茶種でも共通に必須の【はかり】についてです。
 

【はかること】の重要性

茶の淹れ方に関する書籍は今でも一応一通り見ますし、購入もしています。(さすがにすべてという訳ではありませんが)
自身が紅茶を始めたばかりの頃、とにかくひたすらに紅茶の本を買い集め読みました。

しかしながら、読めば読むほど混乱…。

どの本にも書いてある「ティースプーン2杯程度」というようなざっくりとした説明…。
当時料理もろくにしなかった筆者としては、料理本に書いてある「ひとつまみ」「およそ」の曖昧な説明で本を閉じるほど。(おおげさ?)

20年近くお茶を飲んできた今はその説明、非常に良くわかります。
実際にお茶の教室をやらせていただくときにそうお伝えすることもあります。

なぜなら、茶の種類によって『さじ加減』が必要だから。

そして、経験を重ねたことで自分のさじ加減を即座に発見できるようになったから。

でも、今は思います。
初心者だからこそ計量すべき!と。

何度かはかって淹れてみれば、感覚がつかめてきます。
そうなったら、はかる必要はなくなります。
 

お茶初心者にとって【はかること】が大事な理由


 
例えば紅茶のパッケージの裏に書いてある、「おすすめの淹れ方は5gの茶葉に350㏄の熱湯」というような表示。

5gの茶葉…。
350㏄の熱湯…。

紅茶に慣れていない方には想像ができないのではないかと思います。
実際に初心者向けの紅茶教室をやらせていただくと、この部分で躓いて家で淹れられないと言う方が多いです。

これは【はかり】があれば、すぐにクリアできることです。
たかだか、はかりです。
1000円程度で買えてしまうんです。(高価なものは山ほどありますが)

ティーポットを購入するより、ティーカップを購入するよりハードルは低いはずですよね。

筆者が使用していて、教室等でも必ず使うのはこちら。
こちらは500gまではかれるので、茶葉やスパイス用に使用しています。

 

携帯用で、プラスチックの蓋がついているためある程度の衝撃にも耐えてくれます。
お茶の仕事の時は必ず持ち歩く道具のうちの一つです。小さい割に風袋引きもできて、優れものです。
ちなみに、筆者の家には10個の予備があります。
教室を行う際に一人一人使っていただいたりするためです。
価格もそれほど高価ではありませんので、本当に重宝しております。また、お湯を注ぐ時は通常のクッキングスケールを使用しています。

 

 

お湯の量をはかるときは、最大計量1㎏、最小表示1gで良いと思います。
これくらいでしたら1000円前後で購入できます。
逆に高性能の0.1から2㎏まではかれるというデジタルクッキングスケールを使用していた時期もあるのですが(茶葉もお湯もはかれるから便利!と思って)、結構すぐに壊れました。。
※あくまで筆者の経験によるものです

ちなみに、茶葉をはかる際にはこういったものを使用しています。
茶葉用はかりは500gまでしか計量できませんので、軽いものを乗せないと壊れてしまいます。

左は某100円ショップで販売している小さな計量カップ。
右はミルクピッチャーです。

先の部分が尖っていると、こぼさずにポットや急須に茶葉を入れられるのでお勧めです。





 
【はかること】が大切だというのには以下のような理由があります。

①毎回同じ状態で飲むことにより、キャラクターの違いを理解できるようになる
②目と舌で自分の好みがわかるようになる

 

筆者は紅茶教室で一番この部分を最初に話します。
まずはどんな紅茶に出会っても、【ティースプーン2杯とお湯300㏄で淹れてください】と。

ティースプーン1杯はおよそ2g。
ティースプーンで茶葉をすくった際にどれくらいで2gになるのかを感覚で掴めるようになるまで必ず計量してほしいと思っています。

フルリーフのものは結構山盛りだなーとか。
BOPなら摺り切りで2gだなぁとか。

これで毎回一定の状態で紅茶を淹れていると、それぞれの紅茶のキャラクターが分かるようになってきます。

ダージリンのセカンドフラッシュの茶園違いのものも、「こちらの茶園のものはフルーティだけど、前に飲んだあの茶園は渋みが強かったなぁ」というような感じで頭を整理することができるのです。

お茶の世界ではティスティング(鑑定)というものがありますが、それは必ず同じグラムの茶葉と一定の量の湯で味を見比べます。
同じ条件で淹れることにより、互いの個性(キャラクター)を際立たせて、取捨選択をすることになります。
※見極めるには技術が必要です。

それを行っていると、自然と自分の好みの味が分かってきます。
2gより多い方が美味しいとか、渋みが苦手だから少し減らそうとか。

そうなってくると、お茶を飲むことがより自然に、日常に溶け込んできます。

今日は胃の調子が悪いから、少し茶葉を減らして飲もう。
▼疲れているから、がっつり濃い紅茶にしよう。
▼ミルクティが飲みたい気分だから茶葉をいつもの倍にしよう。

と。

自分の体調や精神状態に合わせて淹れられるようになるのです。

こうなったら、お茶を淹れることが本当に楽しくなります。
前はもらった茶葉100gの茶缶の賞味期限が切れても飲みきれなかったけど、あっという間に飲みきれました、という状態になります。
 

結び

 
お茶は嗜好品のため、正解がありません。
そのため、「およそティースプーン2杯」というような表現になってしまうのです。

あくまでも、「飲む人が決める」のです。

故に、入り口で躓く方が多いのが事実です。

茶業界的に、ペットボトル飲料の台頭等もあり、急須やポットでお茶を淹れない方が増えていると言います。

「茶葉が売れない」「急須を買う人が少ない」と業界の方が嘆いている声をあちらこちらから聞こえてくるのですが、お茶初心者の方が躓かないように淹れる方法を伝えている人は圧倒的に少ないように思います。

なにせ茶を仕事にしていると、お茶を飲むことが当然すぎて、お茶初心者の方の疑問や不安に答えられなくなる、察することができなくなってしまうのです。
少なくとも筆者はそうでした。

お茶初心者の方が、無理のない範囲で、ちょっとだけの支出から始められるようにお茶を楽しむ方法をお伝えしていくべきではないかと個人的に思っています。

コツが分かれば、皆さん勝手にお茶を楽しむようになるのですから。




今話題の紅茶がインフルエンザに効くという話について




インフルエンザが猛威を振るう寒い時期。
筆者の職場でもポツポツと出てきました。毎年のことながら戦々恐々です。(^^;
朝の出勤時間が早いので、オフィスの窓を全開にして空気の入れ替えを自主的に担当しております。

インフルエンザに紅茶が効くと言う話までも猛威を振るっていますね。

もう何年も前から言われていたことですが、最近やたらに記事やSNSで見掛けるようになりました。
ご存じない方は試しに「紅茶 インフルエンザ」で検索してみてください。
山のように記事が出てきます。

今年はTwitterもなかなか賑わっています。

紅茶はインフルエンザに効果ある?

「茶」が風邪予防に効果があるというのは、おばあちゃんの時代から、つまりかなり前から言われていました。
風邪の予防について、前にお茶うがいの記事も書いています。⇒こちら

中でも紅茶はインフルエンザに効くと専らの噂。

緑茶や烏龍茶も効果があるのですが、紅茶ほどの効果はないとのこと。

また、薬や予防接種の場合、今年は<香港A型>が流行しているけれど、<香港B型>にしか効かない、というようなことが起こり得ます。

しかしながら、紅茶の場合はどの型でもオールマイティーに効くらしいのです。
新旧、型違い含めインフルエンザウィルスすべてに有効ということなのです。

日本紅茶協会のサイトには<インフルエンザ>についての記載があります。

国立感染症研究所協力研究員 獣医師・医学博士の中山 幹男 氏は、紅茶がインフルエンザウィルスの予防に効果があるということが研究で明らかになったと述べています。
また、三井農林お茶科学研究所でも様々な研究結果を記載しています。

①カテキンが紅茶の醗酵工程を経て紅茶ポリフェノールに変化し、それがインフルエンザウィルスを予防する効果がある

②通常飲む濃度の紅茶で、たった15秒で99.9%のインフルエンザウィルスの感染力を失わせる

         表の出典:三井農林お茶科学研究所

 

③ウィルスの型は問わない

④熱が下がった後も、紅茶を飲み続けることにより口の中のウィルスを感染させない

 

なぜ紅茶がインフルエンザウィルスに効果があるの?

こちらも三井農林お茶科学研究所のサイトより表をお借りしました。

 

インフルエンザウィルスにはタンパク質ででてきている突起物がついており(スパイク)、それが呼吸器粘膜に付着して、体内に侵入するそうです。

紅茶ポリフェノールのはその突起物(スパイク)の先にくっつき、スパイクが呼吸器粘膜に付着することを阻止します。

なお、紅茶ポリフェノールを最大限活躍させるには、ミルクティはやめた方が良いそうです。
カゼインというたんぱく質が紅茶ポリフェノールを覆うため

ストレートティ、レモンティが効果的とのこと。

結び

テレビでもいくつか「インフルエンザには紅茶!」という話を取り上げていたようですね。
Twitterが騒がしいのはこれが原因のようです。

筆者は医療の知識はほぼ皆無なのでなんとも言えませんが、実際にインフルエンザウィルスが体内に入ってしまったのであれば、もう薬を飲むしか方法はないと思います。

紅茶がインフルエンザに効果がある、というのはあくまでも予防です。

インフルエンザウィルスを体内に入れないために、紅茶でうがいをすること、紅茶でこまめに喉を抗菌することは効果的だ、ということだけです。
テレビなどで取り上げられているところから、盲目的に薬のように紅茶を摂取しよう!という発言が見られます。

インフルエンザを保菌した状態でいくら紅茶を飲んでも、くしゃみをしたり咳をしたら周りにうつります。
マスク、手洗い、と合わせて紅茶の摂取で、自身の体や周りの人をインフルエンザウィルスから守りましょう。

 

 

ちなみに。
筆者はこの時期毎日「しょうが紅茶」を職場に持っていっています。
喉が弱いのと、寒い時期(夏の冷房がきいた時期も)の体の温めには最適です。

作り方は簡単

①ドライジンジャーを砕いて、ポットに入れる
②茶葉を入れて、熱湯を注ぐ
③濾して、ポットに入れる

ドライジンジャーはこういったものを使用しています。↓

家で飲む場合は生の生姜をすりおろして、紅茶に入れ、はちみつなども加えて飲みます。
生姜にはショウガオールという辛味成分が体を温めるので、体力が落ちている時にも非常に効果的です。

筆者は夏はこれを使って自家製ジンジャーエールを作っています。
年中使えますのでお勧めです。
ジンジャーエールの作り方もまたご紹介したいと思います。

これのおかげかどうかはわかりませんが、ひとまず人生折り返し地点を過ぎてもインフルエンザにかかったことはありません。

効果があると筆者自身は思っていますが、それでも風邪をひくときはありますので、あきらめて風邪薬のお世話になる時もありますよ。笑

個人的にはどのペットボトル、どの茶葉が一番効果があるのかを知りたいところです。(調べるのも大変でしょうけど。)

 

新茶の摘採開始日を決定!インド紅茶局での取り決め




2018/12/21のニュースによれば、インド紅茶局ではインド北東部で紅茶の摘採日を決めることにしたとのことです。

今までは茶園が2月の何日から摘採をスタートするということを決めていたそうなのですが、茶樹が冬の休眠を終えて、新芽がしっかり出てきたところで摘採をするようにしたいということのようです。

天候やその他の理由で、そのスケジュールより前に摘採する場合はインド紅茶局の取締会に申告が必要となりました。

 

茶葉の摘採時期とは?

インドの摘み取り時期については具体的にどのように決められていたのかは筆者の勉強不足で正直よくわかりません。。

おそらく茶園のマネージャー等が葉の開き具合などを確認して摘み取り時期を決めているのではないかと思います。

日本でも摘採の時期というのは茶の品質に大きく関わってくるため、重要視されています。

例えば、新芽が開き始めた「今」摘まないと、翌日には開ききって品質がぐんと落ちてしまったりします。

農家に新茶期数日ファームステイをしたことがあるのですが、確実に明日の朝摘み取りをしなければならないとしても、朝起きると雨が降っている、ということもあり、まさに天候との戦いとなります。
※雨の水がつくことにより、品質が落ちる可能性があるためです。

「毎日天気予報(天候や気温)を見ながら、茶畑の様子をうかがっています」

とそこの農家さんは仰っていました。

おそらくそれはインドでも同様ではないでしょうか。
天候を睨みながら、一番良い状態で摘み取りたいというのはどの茶園でも願うことかと思われます。

 

 

なぜインド紅茶局は摘採日を決めたのか?

「適期を選んで摘採し、製茶する、なんて当然のことじゃないの???
それをわざわざ、しかも今更インド紅茶局で定める必要があるの???」

とニュースを読んでいて正直思いました。

「The Telegraph」のニュースを見ると、

This date applies to gardens in Assam, Arunachal Pradesh, Meghalaya, Mizoram, Nagaland, Tripura and Manipur. For Bengal and Bihar, the plucking season will commence from February 11 while it will begin from February 28 in Himachal Pradesh and Uttarakhand.

2/18はアッサム、アルナーチャルプラデーシュ州、メガラヤ、ミゾラム、ナガランド、トリプラ、マニプールの茶園に適用。
ベンガルとビハールは2/11から始まり、2/28からはヒマーチャルプラデーシュ州とウッタラーカンド州で摘採を開始すること。

となっています。

茶園管理に適した摘採時期を定めた、という話ではありますが、つまり「それ以前に収穫してしまう茶園がある」ということ。

1953年の茶法、2011年の食品安全基準によると、「早摘みした葉は規定されている基準に満たず、お茶の定義を順守していない」とされており、それら品質の悪いお茶が輸出増加の妨げになっているとの判断を下したということだそうです。

例えば日本でも毎年ご祝儀相場で入札される一番茶があります。
2018年は富士宮市の手もみ茶が1キロ109万円!
通常の煎茶は100g1080円程度ですので、どれほど高価か想像できるかと思います。
手もみ茶ということを考慮しても、やはりお高い…。(こちらが品質の悪いお茶という意味ではありません!)

「どこの茶園より早い一番茶」を謳えば、買う人がいるということです。

おまけに高く買ってくれるのですから、どこの茶園より早く製造して販売したいと考えるのは仕方のないこと。

 

結び

インドではおおよそ4回の旬があります。(「The Telegraph」によれば)

・ファーストフラッシュ(春
・セカンドフラッシュ(夏)
・レインフラッシュ(雨季)
・オータムナル(秋)

12/15に茶樹は休眠に入っているようで、来春に最初に出てくる新芽には冬の間に茶樹の中にため込んだパワーが溢れています。

適期に摘んで、最高級の紅茶(ファーストフラッシュ)を作り、3月末に市場に出回れば高値が付くということをインド紅茶局は期待しているようです。

日本でも茶業組合のようなところで様々な取り組みが行われていますが、インドでも同様で、おそらく茶を作っている国ではどこでもこうして改善策を考えながらより良いお茶作りを目指しているのだと思います。

世界各国の茶産地のニュースをわかりやすくお届けできたらよいと思いつつ、筆者自身も常に勉強です。

ちなみに、ダージリンのファーストフラッシュはこんな感じ。

ダージリンファーストフラッシュは特に日本人が「新茶」ともてはやす紅茶です。
ダージリンは標高が高い茶園が多く、醗酵が進みづらく緑茶のような緑色葉であるところから、日本(とドイツ)では非常に好まれますし高価です。
※あえて緑色っぽく仕上げているという説もあります

筆者はダージリンファーストフラッシュが出始める(日本では5月くらい)頃になると「今年も紅茶が本格的な時期になってきたぞ」と思います。

ダージリンに限らず、「今年の一番茶」という言葉に弱い日本人です。笑