静岡県製茶指導取締条例撤廃?!と騒然の2017年からおよそ1年。静岡県茶業振興条例(仮称)とは?




2017年の夏頃に巷を騒がせた「静岡県製茶指導取締条例撤廃」。
茶に関係する人たちがあちこちで声を上げたあの例の件。
先日一部に動きが見られたようですので、改めてどんな話なのかをまとめたいと思います。

 

静岡県製茶指導取締条例とは?

1956年(昭和31年)に設けられた静岡県独自の条例となります。

【条例の目的】
(条例第1条)
製茶の改善指導並びに不良製茶の 製造、加工及び販売を防止することに より、製茶の声価を維持することを目的 とする。

【条例の概要】
① 製茶の製造施設及び加工施設の清潔の維持
② 製茶への着色や異物(茶以外のもの)混入の 制限。ただし、知事の許可を受けたものは除く。
※玄米茶は異物ではないと認められています。
③ 製茶指導吏員(県職員)、製茶指導員(団体職員)に 立入調査の権限
④ 罰則
⇒②に違反し、製造・販売した者は、1年以下の懲役、 または30万円以下の罰金。                    ⇒③の調査を拒否した者は、3万円以下の罰金。

条例の設定のきっかけになったのは以下のようなことからでした。
1、「茶」以外のものを混入してかさ増し
2、石膏や黒鉛等を混ぜて着色

1945年に終結した第二次世界大戦によって日本茶の輸出は激減しました。
しかしアメリカの援助物資の見返りとして茶が選択されたことにより、茶産業は息を吹き返し始めます。
そんな大事な時期に、粗悪茶が多発したのです。
一説にはアメリカの検査員が日本茶を飲んで体調を崩したところから粗悪茶であることが発覚したとか。

アメリカからも指摘を受け、日本茶の名声を落とさないために条例が発令されました。
ちなみに、旨味を増すためにグルタミン酸(アミノ酸)や発色をよくするための重曹を添加することも禁止されています。

なぜ静岡県製茶指導取締条例を撤廃?!

2017年の夏に静岡県が「静岡県製茶指導取締条例」を撤廃させる方向にあることがニュースになりました。

静岡県内の茶の生産者や商工業者の団体で作られる「県茶業会議所」はその前年(2016年)に、1956年から状況は変化しているとして、条例の維持をしながらも、申請手続き(②の異物混入について)の簡素化や1956年以降に急速に生産が増加している紅茶や抹茶も規制対象に加えるよう条例の改定を求めました。

しかしながら、静岡県は確かに状況が変化していること、時代が変わっていることを鑑みて、「改定⇒撤廃」へ舵を切ろうとしたのです。
食品衛生法や食品表示法等の整備も進み、粗悪茶の取り締まりを目的とした「静岡県製茶指導取締条例」はもう役目を終えた、という判断でした。

確かに時代は変わりました。
変な化学物質を入れて、着色をしようとする業者も藁等を混ぜてかさ増ししようとする業者もいなくなったでしょう。多分。

でも、撤廃は極端じゃないの?!というのが消費者団体なども含め、茶に携わる多くの人の意見でした。
あちこちで反対意見を目に耳にしました。

「県茶業会議所」が求めていたのは撤廃ではなくあくまでも改定

「県茶業会議所」が求めていたのは今までの条例を残しつつ、時代に合わせて改定をしていってほしいということでした。

改定を求める理由は以下のようなことです。

①諸外国への輸出や若い人たちへの茶購入を促進するために、いわゆる「異物」入りの緑茶の申請を簡素にしたい

⇒玄米は「異物」ではないと認められているので、玄米茶は1956年当時から問題ありませんでした。
例えば紅茶などでドライフルーツが入っているものやフレーバーを着香しているものがあるように、緑茶もそういった商品の需要が増加しています。
しかし、この条例によって、「知事の許可」が必要であるため手続きが負担であるという不具合が生じているのが現状です。(大手企業などは良いでしょうが、個人の茶農家ではなかなか許可を取るのも大変…)

②1956年に発布された条例では緑茶のみだが、現在は紅茶や烏龍茶の生産や販売も多くなっているため、条例適用範囲を広げてほしい

⇒条例発布当時は緑茶のみに適用でしたが、国産紅茶や国産烏龍茶も盛んに作られるようになっています。
緑茶のみで考えるのではなく、他の茶種でも検討を行うべきではないかということです。

その結果、パブリックコメントを集め、2018年3月には静岡県の議会で改めて「条例の一部維持していくものの、フレーバーや花などの添加に関しての規制緩和を検討」していくことになりました。

結び

筆者も2017年当時、このニュースを聞いて驚き、あちこちの静岡茶関係の知り合いに話を聞きました。
おおよその人が条例廃止には反対という意見でした。

2018年10月27日のニュースで、新たな動きがありました。
1956年に発布された「静岡県製茶指導取締条例」は廃止、その上で新たに「静岡県茶業振興条例(仮称)」を制定する方針を固めたそうです。

▼グルタミン酸、重曹などの添加物規制は継続
▼フレーバー類は食品衛生法の範囲内で混入可
▼違反者には指導や勧告、従わない場合は公表
▼新たな商品の創出など、時代に合った茶業振興策を展開

と、上記のような内容で検討していき、11月には再度パブリックコメントを求めるとのこと。
年度内に静岡県議会へ条例案の提出を目指すようです。

時代は刻一刻と変化しています。
人が求めるものも常に変わります。
状況に応じて検討し、改定し、フットワーク軽く販路を広げていくことも茶業界には必要なことだと思います。

…茶業界以外の法律の改正もあちこち早く見直してほしいものですが…。

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茶を飲むのは体に良いから?茶=薬?特定保健用食品?機能性表示食品?(追記あり)




昨日たまたまテレビを付けると「林修の今でしょ!講座」でお茶を特集していました。
こういった特集があると知ると、勉強のため、新しい知識を得るために必ず観るようにしています。
しかしながら、観てがっかりする場合も多々あります。。
今回も後からSNSを見ると、あちこちからお茶好きな方たちの突っ込みやら悲鳴やらが上がっていました。

筆者は仕事をしながらだったので今回はほとんど観ることができませんでした。
ある意味残念だったような気がします…。

茶=薬?

お茶の教室などをさせていただいたり、茶のイベントに参加させていただくと一番聞かれるのは「茶の健康効果」かも知れません。

「がんの予防に聞くと聞いて興味を持ちました。」
「コレステロール値が高いから、飲むようになりました。」
等々。

確かに《茶》にはガン予防や血中コレステロール低下等の効果があります。
先日茶の風邪予防について書きましたが、確かに上記のような効果のある成分が《茶》には含まれています。
決して間違いではありません。

しかしながら、実際にガン宣告をされた方が緑茶を毎日飲んだからと言って、ガンが治るでしょうか。
毎日大量の紅茶を飲んだとして、LDLコレステロールが間違いなく減る、と言い切れるでしょうか。

当然そんなことはありません。
茶は薬ではありませんので、『絶対に効果がある』とは言い切れません。

薬も効かないことはありますし、薬を飲まずに治るという奇跡ももちろんあるのでしょうが、一般的なお話としては現代の医学では薬を飲まないと病気を治すことは難しいのだろう考えられます。




古来茶は薬だった?

現代の科学の力によって《茶》の効果が様々あることは分かっています。
そして、遥か昔、茶=薬でした。

中国で発祥した茶も初めは薬として扱われていました。
西暦500年前後の書物に《神農》という人物が登場します。
神農は多くの人が病で倒れていく中で、ありとあらゆる植物を自分で食べる(舐める?)ことによりその効果を一つ一つ検証していきます。

一日に100の草木を食べ、72の毒に当たったとも。

そして、解毒作用のある葉が《茶》であったことを身をもって証明したのです。
そのため、神農は『喫茶の祖』であるとされています。

のちに西暦800年代に唐から戻ってきた最澄や空海も茶を薬用(儀式用)として日本に持ち込みます。
種を持ち帰って植えたという話もあります。

日本書紀では西暦815年に永忠という禅僧が嵯峨天皇に茶を煎じて献上しています。
当時は蒸した葉を固めたものをすりつぶして飲む、というようなスタイルだったようです。

その後鎌倉時代に臨済宗の祖である栄西(1141-1125)が宋に留学し、茶について学びます。
栄西は日本で初めての茶についての専門書である『喫茶養生記』を著します。
茶の効能について多く語られている本で、この頃の茶は抹茶の原型のようなものだったようです。

そこから、王侯貴族の間で茶がもてはやされ、茶の栽培が盛んになり、千利休の手によって茶道が確立され、のちに抹茶だけではなく煎茶等が生まれてきます。

つまり、確かに茶が飲まれていた最初は『茶=薬』であったのです。

特定保健用食品とは?

現代では、

「茶は薬です。
がんが治ります。」

と言うと『薬事法』に抵触します。

しかし、最近は「○○に効果がある」というように書かれた『特定保健用食品』のペットボトル茶がたくさん販売されていますね。

▼特定保健用食品とは
食生活において特定の保健の目的で摂取する者に対し、その摂取により当該特定の保健の目的が期待できる旨の表示を行うもの。

○特定保健用食品として食品を販売するには、その表示について消費者庁長官の許可を受けなければならない
(健康増進法第26条第1項)。

○表示の許可に当たっては、食品ごとに食品の有効性や安全性について国の審査を受ける必要がある。

▼特定保健用食品の表示方法
○特定保健用食品とは、からだの生理学的機能などに影響を与える関与成分を含み、健康増進法第26条第1項の許可を受け、その摂取により、特定の保健の目的が期待できる旨の表示(保健の用途の表示)※をする食品

○平成30年9月3日現在、1,053件の食品が特定保健用食品の許可を受けている。
※保健の用途の表示とは・・・「お腹の調子を整える」、「コレステロールの吸収を抑える」、「食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする」
等の表示が挙げられる。
▼参照:消費者庁HPより

とはいえやはり「特定健康保険食品」は薬ではありません。

ですが、特定の症状(脂肪の燃焼等)に対して効果が見られる可能性があるということが研究によって明らかになっているので、国が認可することにより「特定健康保険商品」として販売することが可能となっています。

なお、似たものに「機能性表示食品」というものがあります。

こちらは、消費者庁が認定しているものではなく、販売する企業や団体が効果があるという研究成果等を消費者庁に提出することで表示することが出来ます。
(企業や団体が消費者にもその研究成果等を公開することが必要)

国は認定してはいないけれど、「ある一定の効果がある」ということを立証出来ているものとなります。
消費者庁HP参照


こうしてみると、同じメーカーで同じように「緑茶」を販売していても様々な種類のものがあるので難しいですね…。(;^_^A
トクホマークがついているかいないか、というところで判断するのが一番分かりやすいかも知れません。

結び

茶をたくさん飲むことにより効果がある場合もあるでしょう。
前回ご紹介したように風邪予防の効果や、他にもカフェインの覚醒効果などは明らかです。

ですが、効果があるとは言われていても、やはりその病気に対して直接的に改善をさせる医療用の薬とは効き方は異なります。

個人的に思うのは、茶には本能的に体に良い成分が入っているから、人間は数千年もの間、茶を愛しているのだということです。

例えば茶が「めざまし草」と呼ばれて、禅僧の修行の合間に飲まれていたというのはカフェインの効果が科学的ではなく体感的にわかっていたからです。

茶処に長寿の方が多いということも統計的には分かっています。

ですので、自身で飲んでみて、「体が美味しい」と感じるものは薬用ではなくとも効果があるのではないかと思っています。
個人的なことですが、筆者は毎日大量に茶を摂取していますがどこか調子が悪い時は茶が美味しく感じられず自然と量が減ります。

茶=薬、ではありません。

そして、お茶は美味しいから飲むのです。

美味しく飲むこと、楽しく飲むこと、誰かと幸せな時間を過ごすお茶の時間によって、心の健康が保て、ストレスの軽減効果はあるでしょう。

ストレスは病気を助長させますので、それを減らすことにより長生きにも繋がるのかも知れません。
(2020/2/5 一部追記編集あり)




茶うがいは効果ある?効果的なうがい方法は?

気温が急に下がり、体温調整が難しいこの時期。
ついうっかり風邪をひくことがありますよね。。
そんなこの時期に毎年あちこちで耳に(目に)する「茶うがい」。
果たして効果があるのでしょうか。
筆者も茶に携わる人間として、茶うがいに関してはずっと行っています。

その効果や効能についてまとめてみたいと思います。
▼関連記事:今話題の紅茶がインフルエンザに効くという話題について



お茶のカテキン類について

茶の葉の柵状組織にはカテキン類が含まれています。
そして葉の表皮には酸化酵素であるポリフェノールオキシダーゼが含まれています。


参考:図解茶生産の最新技術‐製造編‐

葉の表皮にあるポリフェノールオキシダーゼと柵状組織にあるカテキン類が結合することにより様々な変化が起こります。

⇒ポリフェノールオキシダーゼを熱で失活させてから作られるのが緑茶。

⇒一部結合しているものが半発酵茶と言われる烏龍茶類。


⇒ポリフェノールオキシダーゼとカテキン類の結合の効果を最大限使用したものが紅茶。

つまり、緑茶、烏龍茶、紅茶すべてにおいて、カテキン類が含まれており、酸化酵素との結びつきの強弱によって茶の種類が変わってきます。

緑茶に含まれるカテキン。
カテキン類がポリフェノールオキシダーゼによって変化した「烏龍茶ポリフェノール」。
同様に紅茶に含まれるカテキン類が変化した「テアフラビン」、「テアルビジン」。

これらのカテキン類には殺菌力があります。
日本では昔から「緑茶の茶殻を畳に撒いてから掃き掃除をすると綺麗になる」や「緑茶でうがいをすると風邪をひかない」という《おばあちゃんの知恵袋》的言い伝えがありますが、これらの言い伝えにはしっかりとした科学的根拠があるのです。

カテキン類に風邪予防効果がある?

公益法人世界緑茶協会のHPには「茶の効能」として風邪予防効果があると記載されています。
また、日本紅茶協会主催で医学博士による「紅茶のインフルエンザに対する効果」についての講演が行われています。

日本カテキン学会のHPにはカテキンの「抗ウイルス作用」について以下のように記載があります。

ウィルスは特定の細胞に結びついて、その細胞内で増殖する。
ウィルスには突起(スパイク)があり、その先には細胞と結びつくための結合部(ジョイント)がある。
カテキン類は突起(スパイク)の結合部(ジョイント)を塞ぐことにより、細胞との結合を防ぎ、増殖しないようにする。
インフルエンザウィルスの場合、突起(スパイク)にはそれぞれの型を表す記号が付いているが、カテキン類は結合部(ジョイント)を塞ぐため、どの型に対しても効果がある。

通常ワクチン予防は抗体を体内に入れて、特定の型を持つウィルスを捕まえることになるため、1つの型にしか効果がありません。
インフルエンザウィルスの場合は毎年「香港A型」「香港B型」のように変わるため、流行の前に予防接種をしたとしても、《型が違って効果がない=予防接種をしたのにインフルエンザにかかった》ということがあり得ます。

しかし、茶のカテキン類はどの型にも対応できるので、風邪だけではなくインフルエンザウィルスにも有効ということが分かっているのです。

 

効果的な茶うがい方法は?

うがいには二つの効果があります。
1、喉に付着しているウィルスを洗い流す
2、喉を潤すことによりウィルスの付着を防ぐ

帰宅した際には当然手洗いうがいを行うかと思いますが、その際に水ではなくお茶を使用するのが効果的です。

筆者が行っている茶うがいの方法をご紹介します。

①朝お茶を飲んだときの茶殻に水を注いで、冷蔵庫に入れておく
②帰宅した際にそれでうがいをする

これだけです。

お茶の種類は上述したように問いませんので、朝ティーバッグで紅茶を飲んだら、そのティーバッグを水に浸しておきます。
緑茶を飲んだ後に急須にお湯を注いで、耐熱グラスに移しておきます。
それを冷やしてから冷蔵庫へ。
手を洗った後にそれを冷蔵庫から出して、ガラガラっとうがい。

本当にただこれだけで良いのです。
筆者はインフルエンザに罹ったことがありません。
また、風邪も数年に一回くらいしかひきません。

日本茶インストラクター協会で行われた紅茶のインフルエンザへの効果の講演会によれば、「インフルエンザウィルスの感染性をたったの10秒で100%失わせる紅茶の濃度は、通常飲む紅茶の5分の1の濃さで良い」とのことです。

また、常に喉を潤しておくことにより風邪予防にもなります。
マイボトルなどに茶を淹れて、喉が渇く前に少しずつ飲むことにより抗菌効果があります。

結び

茶に従事している方は皆さん当たり前に茶うがいを行っていると思います。
少なくとも筆者の知人は皆さん行っています。

茶を美味しく飲み、出がらしでうがいするだけで風邪をひかないとは一石二鳥。
緑茶の場合は茶殻を食べることでビタミンCも摂取できますので一石三鳥ですね。

しかし、茶は薬ではありませんので、あくまでも「手洗い」や「人込みでのマスク」などを行った上で茶うがいをしていただくようお願い致します。
《茶うがいをしたのに風邪を引いた》ということもあることは頭に入れておきましょう。

ケニアの茶産業について




最近お茶のネタ探しをしていると、かなり多くの確立でケニアのお茶のニュースがヒットします。
昨年より輸出額が増えた、生産が増えた、というポジティブなニュースが多いです。

不動のスリランカを抜いて、現在世界の紅茶輸出国第2位に輝いているケニア。
地図を見ると赤道直下です。

筆者が紅茶に興味を持った20年ほど前は《紅茶と言えばスリランカかインド》のイメージでした。
今ではかなり様変わりしているようです。

【生産量】
1、中国
2、インド
3、ケニア

【輸出量】
1、ケニア
2、スリランカ
3、インド

※2017年くらいの最新のデータをあちこち探したのですが見つからず、輸出量については2011年のものとなっています。
すでに変動があるかも知れませんが、参考程度にご覧ください。

ケニアの茶産業について

ケニアでお茶作りが始まったのは世界的には割と遅く、1900年代に入ってからです。
インドから茶の苗木が持ち込まれ生産が始まりました。

茶は標高1500m~2700mほどの高地で栽培されています。
年間降雨量は1200㎜~1400㎜。
栽培されている品種は常に研究がされており、現在50種類以上あると言われています。
化学肥料や農薬を使用せずに製造されており、CTC製法で作られているものが多いです。
また、摘採は90%以上が手摘みです。

品質も向上しており、輸出は年々増加。
CTCで作られているため、多くはブレンド用、ティーバッグ用に使用されています。

ケニア茶の主要輸出国はエジプトが断トツの1位、英国、アラブ首長国連邦、ロシアと続きます。
世界中に輸出を増やしています。
日本では《ケニア茶》として販売されているものをそれほど見かけませんが、スーパーなどの紅茶コーナーでパッケージに表示されている原産国を確認してみてください。
今やケニアが入っていない方が少ないほどです。

参考:The Tea Board of Kenya

ケニア茶の味

ケニアというと頭の中にサバンナの野生動物が頭をよぎります。
数年前に知人がケニアに海外青年協力隊で行っていたのですが、現地で紅茶の生産が盛んであることを知ったと言っていました。
当然のように紅茶を飲んでいるとのこと。
そういえば、珈琲も作られていますね。

個人的に購入したケニア紅茶はクセのない飲みやすいものでした。
ブレンド用のベースとして使われているというのも頷けます。
あくまでも個人的な印象ですが、インドのニルギリやセイロンブレンドに近いような飲みやすい味わい。

様々なニュースやケニアの茶業サイトを見ていると、ケニアが国をあげて茶産業に力を入れているのが分かります。
現在はCTCでブレンド用やティーバッグ用に作られているという低価格、量産型ですが、今後茶園によってフルリーフのものを作ったり、個性が出てくるのではないかと期待しています。
紅茶だけではなく、実は緑茶の生産も増えているそうですよ。

無化学肥料、無農薬ということでナチュラル志向の方にも手に取りやすい紅茶と言えるでしょう。
以下にご紹介しているのはCTCのものですが、フルリーフのものも販売されています。

結び

ふと世界の情勢は様変わりしており、茶に関わる状況も変化してきていることに気づきます。
筆者は相変わらずスリランカの紅茶が好きなのですが、スリランカでは茶業に関わる人材の国外流出が激しく、茶離れが進んでいると聞きます。

ケニア茶も今は価格が非常に安いですので、人件費もかなり低く抑えられているのだろうと考えられます。

折角世界に誇る産業であるならば、茶に関わる人々が少しでも良い生活を送れるようになってほしいと思います。
筆者にできることは茶に興味を持つ人を少しでも増やし、少量でも購入が増えるように促すのみですが…。

自身が茶を好きであり続けるために。
茶を作ってくださる人々の幸せを願います。

紅茶の抽出方法を変えてみる①ー抽出方法による香味の違いー




今まで茶について勉強する上で様々な抽出方法を試してきました。

思えばそれらを正式に記録していなかったため、改めて一つ一つ抽出を行ってみて、ここに残していきたいと思っています。
ちょっとだけ試してみたい適当なものから、店に出せるくらい本気のものまで。
ただ思いつくままに試していきますので、気軽にお読みいただければ光栄です。

 

茶の抽出について考える

抽出について考える時、日本食ならシンプルな「昆布と鰹節」で取る出汁ですよね。
フランス料理のフォンドヴォーなどはもっと多くの素材が入って、絶妙な味わいを作り出します。

お茶の抽出に必要なものは、
「茶葉と湯」
のみ。

そのため、「茶葉」と「水」が茶液を構成する要素に大きく影響します。
言い方は悪いですが、誤魔化しがきかないものです。

ただし出汁もフォンドヴォーも茶も、温度や器などの『素材以外の』要素でかなり味が変わってきます。
出汁やフォンドヴォーについては詳しくないので、あくまでも茶に関して言えば「茶の質」と「水の質」が抽出後の茶液にダイレクトに出てくることを感じます。
いくら高級で質の良い茶葉を使用しても、水の質が悪ければ残念ながら美味しいお茶は飲むことができません。

 

紅茶を珈琲のように抽出してみる

今回試したのは、紅茶を珈琲のようにドリップしてみるというものです。
比較のため、通常の淹れ方でも試してみます。

①通常のポット抽出
・ディンブラ ダスト 3g
・湯 150㏄(ティーカップ1杯分)
・2分抽出

②珈琲のようにドリップ抽出したもの
・ディンブラ ダスト 3g
・湯 150㏄(ティーカップ1杯分)

それぞれ上記のように抽出しました。
右がドリップ抽出。
左はポット抽出。

茶葉は珈琲ほど細かいものは見つかりませんでしたので、スリランカのダストを使用。
以前BOPやCTCで抽出を行ったときは、ドリップしている間にお湯がそのまま下に流れ落ちるだけだったため、今回はできるだけ細かいものにしてみました。
ダストにすると、少しだけお湯がペーパーの中に滞留します。

結果は…?

【水色】
水色はほぼ変わりません。
そのまま出しても恐らくどちらがどちらかは判断がつかないと思います。

【味】
味は違います。(ハッキリ)
①のポットで抽出したものは、紅茶らしい甘味や香り、コクがあります。。
どこかフルーツのような爽やかさも感じます。
②は飲むまでは色も同じでわかりません。
しかし、口に含んだ瞬間にただの渋みしかない紅い液体だと気づきます。
ストンと喉を流れていく渋い液体…
①のように口中に広がる香りもコクも感じません。

紅茶はポットで数分置いてから抽出するのが鉄則です。
『蒸らし』作業が紅茶の香味に大きく作用することがよくわかる結果です。

ふと思い出します。
昔幼少の頃、喫茶店で出された紅茶は、マスターが珈琲フィルターのような布に茶葉を入れて、上からお湯をかけていました。
それゆえに渋くて苦いだけの液体でした。
その頃に《紅茶はミルクと砂糖を入れなければ飲めないもの》だと刷り込まれたような気がします。

それから高校生になり、初めて紅茶をポットで淹れて飲んだとき、「紅茶はこんなにも円やかで芳醇な味がするんだ」と感動をしたのです。
もちろん渋みも苦みも多少はあったはずです。
それよりももっと奥深く味わいのあるものが本来の紅茶だったのです。

淹れ方によってこうした変化があるところが茶の楽しさの一つでもあります。
同じ素材で淹れ方を変えただけでこれだけ楽しめるのです。

お茶は面白いものだなぁと改めて思わされます。

そういえば、下記のようなドリップ紅茶が販売されていますが、まだ飲んだことがありません。汗
茶葉のサイズなどもかなり研究されているのでしょうね。