【実験】玄米茶を白米で作ってみる(失敗編)

もう2019年も終わろうとしていますね。
個人的に盛りだくさんな一年だったため、穏やかな今が幸せに思う年末です。

そういえば昨年の同じ日はほうじ茶を作ってました。
▼参照:年の瀬のほうじ茶作り。2019年に向けての棚卸
そして実は、玄米茶を作ろうという記事も以前に書いていました。←!!!
▼参照:自家製玄米茶(精米使用)を作ってみる

ちなみに今年は夏に水出し緑茶を作り過ぎてほとんど消費してしまい、ほうじ茶を作るほどの在庫がなかったために冬用ほうじ茶を買いました。(正しいお茶の買い方)
▼参照:緑茶の水出し?淹れ方でカフェインの量は変わる?

残らないのがベストですよね、ほとんどの緑茶は劣化が早いので。
劣化せずに保存できる場合もあります。
▼参照:世界お茶まつり2019!<セミナー編③>「日本茶のビンテージを知る」



玄米茶とは?

読んで字のごとく、【玄米入りの茶】です。


手軽に手に入れられる価格のものは番茶を使用しているものが多く、カフェインも少なめで香ばしくほっこりした味わい。
ペットボトルでも多く出ているので飲んだことがある方は多いのではないかと思います。

ほうじ茶と同じくらい寒い時には飲みたくなるお茶です。

玄米を煎ったものを番茶(煎茶の場合も)に入れて販売されています。

どこの文献で見たのか忘れてしまって申し訳ないのですが、古くなった餅をあぶって茶に入れたのが始まりだとかなんとか。
玄米関係ねぇっていう突っ込みは聞き流します。

ただ、白米を入れているものもありました。(ということは前回の記事でも書いているのですが…(涙))

玄米茶

丸八製茶場のほうじ茶は非常に有名で、ペットボトル販売、スターバックスでの商品、北海道の有名菓子メーカー六花亭での茶葉販売等々、全国あちこちで提携をしています。

筆者も愛用している一人。

生産者の方に伺うと、「あの焙煎技術はすごい」とのこと。

実際に作ってみる

【材料】
・炊いた米(乾燥後) 4g
・煎茶 4g

【作り方】※今回失敗なので真似しない方が良いかと思います

①炊いた米をオーブンで乾燥&火入れ

180℃のオーブンで20分ほどやってみたのですが、ここでもっとやるべきでした…。

②茶と米を1:1で急須に入れて湯を注ぐ

番茶がなかったため、普通煎茶を使用。

もうさ、この時点で「急須にうっかり米落としちゃった」っていう状態なわけ…。

③飲む

…うん。
ね。

まぁ、玄米の味なんてとんとしないし。
美味しい煎茶をいただきましたとさ。



結び

店に立っていた時は暇があれば常に何か実験を行っていたのですが、会社員になると時間も限られているためこういった長期の休みの時に遊びたくなるものです。

お茶飲んでごろごろ。
最高の幸せですねぇ。
あー、これでお金入ってきたらいいなーw

実験もシリーズ化したいもんです。

年末なもので、かるーい内容にしてしまいました。(?)

寒い時期にはとっておきのチャイを。チャイの作り方のご紹介

朝起きると寒くて布団から出られない冬。
まずは目覚めに甘いミルクティを淹れるのが筆者の長年の習慣です。

時には鍋で煮込んだチャイもいいものです。

甘くて、ミルクたっぷり。
テンションが上がること間違いなしです。



チャイとは?

筆者は長らく煮込みのミルクティを「チャイ」と言っています。
他にも「シチュードティ」や「インディアンミルクティ」というような名前もあります。

「チャイ」と言ってしまうと、スパイスたっぷりのインドの飲み物を想像する方がほとんどだと思いますが、スパイスが入っていなくてもミルクで煮込んだものは「チャイ」と呼んでいます。(きっぱり)

シナモンを入れたものは「シナモンチャイ」。
マサラスパイスを入れたものは「マサラチャイ」。

と筆者は定義しています。

販売している茶葉でスパイス入りの「チャイ」と名前がついているものもありますので、別にいいのではないかと。
例えばこちら。

というか、そもそも「チャイ」は「茶」の意味ですからねーという認識。

筆者の「チャイ」の作り方はこんな感じですというご紹介ですので、ご参考までに。

【用意するもの(カップ2杯分くらい)】

・手鍋
・水 150㏄
・茶葉(CTCの細かいものがおススメ) 12gほど
・牛乳(ノンホモの低温殺菌牛乳がおススメ) 300㏄
・砂糖 大さじ2杯ほど

今回使用したのはケニア、アフリカ(マラウィなど)のCTCを混ぜ合わせたものです。(なぜならそれぞれ3gずつくらいしかなかったから(笑))

こういったコロコロとしたCTC製法の紅茶がチャイには合います。
(大きい葉のものでも出来ますが、CTCだと抽出が早いこと、味がしっかりしていることがありますのでおススメです)

結構量が入って安いので、ざぶざぶ入れて飲みましょう。

【作り方】


①まずは手鍋に水と茶葉を入れて煮立つまで待ちます。
煮立ったところに砂糖を入れて、1分ほど弱火で煮立たせます。
スパイスを入れるならここで投入し、一緒に煮込みます。


②ミルク投入
筆者の好みだと「ノンホモの低温殺菌牛乳」で作るのがおススメですが、毎日飲むと経費(?)がかかるので一般的な「UHT牛乳」を使用します。

※「ノンホモの低温殺菌牛乳」は脂肪球の大きさを揃えずに(ノンホモジナイズド)63℃~65℃くらいで30分殺菌しているもの。(75℃で15秒殺菌のもの等もあります。)
「UHT牛乳」は一般的にスーパーで売っているもの。120℃~130℃で2,3秒殺菌。
▼参照:筆者お勧めの本①‐「人とミルクの1万年」‐
▼参照:紅茶のミルク後入れ派が8割?!2003年王立科学協会の発表から15年





③インド風にかき混ぜる
インドのチャイ屋で見るとお玉でがちゃがちゃとかき混ぜているので真似をしています。
こうすると味がまろやかになるとかなんとか。でも確かにまろやかに感じます。


④空気を含ませながら茶葉を濾し、器に注ぐ
インドのチャイはあまーくて、ぬるいです。
空気を含ませながら高い位置から注いであげると丁度良く冷めて飲みやすくなります。
容器を二つ持って、何度か移すパフォーマンスを見たことがある方もいると思いますが、あれは温度を下げる効果もあるようです。

最近はありがたいことにこういった動画が見られますよね。
自分がお茶に興味を持ち始めた頃はまだ動画なんて当たり前じゃなかったんだよなー。


⑤完成
これで2人分くらいあるのですが、筆者はがぶがぶ飲みたいので500㎖入るこちらのグラスを愛用。


このグラスは耐熱で割れにくいので、夏はアイス、冬はホットで年中使えます。
カフェで利用している人も多く、筆者も使っていました。
非常にお気に入り。

結び

トップ画像の茶色い器はクリと言う素焼きの器です。
昔はこれにチャイを入れて、そのまま投げ捨てて土に返したらしいのですが今はほとんど見られないようです。

グラスだったり、プラスチックだったり。

牛乳ではなく豆乳で「ソイチャイ」も作れます。
ソイチャイを作るなら個人的には「調整豆乳」がおススメ。
「無調整豆乳」だと豆感が強すぎて、スパイスなどを入れても豆に負ける感じがします。

また、手鍋でチャイを作ると洗うのが大変…という方も多いと思います。
確かにこびりつくので落としにくいです…。
その場合は「だしパック」などに茶葉とスパイスを入れて煮込んでもオッケー!
チャイ用のティーバッグなども販売しています。

煮込まずに、電子レンジで作る方法もあります。
やり方は色々あるので検索してみてください。

筆者はマグに水とティーバッグを入れてレンジで温め、その後ミルクを入れてさらにレンジで温めて作る方法でやってます。

チャイの作り方は検索すればいくらでも出てきますので、ご自分に合った方法で作ってみてください。
慣れればとっても簡単。
体がホカホカ温まって、パワーが湧いてきます。

寒い朝に是非どうぞ!

筆者お勧めの本①‐「人とミルクの1万年」‐

筆者は非常にミルクが好きです。
前にも熱くなり過ぎた記事があります。よろしければこちらをどうぞ。

紅茶とミルクが切り離せないものであるということもありますが、ただ単純に昔から好きだったという理由です。
コーンフレークにもドバドバかけます。(ミルクボーイ、M1優勝おめでとう!2019)

そんなミルク好きな皆様に筆者お勧めの本をご紹介したいと思います。
紅茶好きな方にはきっと役に立つ本だと思います。



人とミルクの1万年

20代後半を青年海外協力隊としてシリアで過ごした著者は、牧畜で生計を立てているアラブ系牧畜民のベドウィンに出会います。

夏には50度以上にもなるシリア砂漠で牧畜をしながら暮らしている彼らから乳の活用方法を学び、興味を持ち、世界中の乳文化についてフィールドワークしたものをまとめた本です。

タイトルの「人とミルクの1万年」は、現在(こちらの本が発行された時点)、人間が牧畜を始め、乳製品の加工をしていることが確認されているのは紀元前7000年前くらいまでだそうです。

科学的に明らかにされている人類の乳製品の利用は8000~9000年前まで遡ることが出来ています。

しかし、今後新たな土器や古代の彫刻等が出てきて、事実が明らかになっていくとに希望を抱いて、【1万年】としているとのこと。

西アジアで発生したと考えられている乳文化が世界に広がり、どのような変化を遂げていったのか…。

筆者おススメポイント


cheetahさんによる写真ACからの写真

筆者はこの著書を何度読んでも感動するポイントがいくつもあります。

①家畜利用を始めた人間の知恵

②家畜たちの生命の神秘

②母乳の活用の仕方

などなど。
もうそこかしこに面白さが隠れているのですが、そこは是非読んでいただきたいので少ないポイントに絞ってご紹介したいと思います。

家畜利用を始めた人間の知恵

紀元前8700年~8500年ほど、狩猟をして野生動物を捕らえることから家畜を飼って肉を得るという生活に変化します。

4000種以上いる野生の哺乳動物の内、家畜化された動物は20種類ほどですが、
①群れを成す
②気性が(割と)大人しい、家畜化すると大人しくなる
という特徴があります。
羊とかヤギとか、牛とか…。

家畜を飼ってその肉を食べるということは、年間通して飼料が必要となりますので、それならば野生動物を狩る方が楽であったはずです。

それなのに、なぜ家畜を飼うのか。

その理由は本文から引用します。
「それでもなぜ、人は効率的ではない反芻動物を飼おうとしたのでしょうか。
ここで、ミルクの登場です。
ミルクを利用するという生業は家畜を殺さず、生かしたまま食料を利用するという活動、つまり、家畜という元本を残しておき、ミルクという利子によって生き抜いていくという生存戦略です。

筆者はこの一文を読んで震えました。

酪農や牧畜というものがあることは当然知っていましたが、人がより良く、効率的に生きていくための進化によって生まれたのだということを知り、感動すら覚えました。

日本のほとんどは農耕民族ですし、温暖な気候であり、海にも囲まれているため、食料に困ることはなかったのではないかと思います。
(貧富の差などは別として)

しかし、乾燥地帯、砂漠地帯に住む人たちにとって、反芻動物(牛や羊のように4つの胃を持ち、栄養価の少ない草を反芻しながら生きていく動物)の乳を利子として活用することは本当に理にかなっています。

人間の知恵って本当に素晴らしい…!




家畜たちの生命の神秘

家畜たちは家畜であるが故に、人に管理されて繁殖等を行っていきます。

本の中で紹介されているシリアでは、羊やヤギが主で家畜として飼われています。
そしてベドウィンたちは生活の多くをそのミルクに依存しています。

しかしながら、母乳というのは当然子供が生まれたら出るようになるもので、子供を守るために母親が血液から作り出すものです。

母親は8月以降の少し日照時間が短くなる頃から発情し、交尾、妊娠。
およそ5か月、子畜をおなかに宿して、1月2月の一番寒い時期に出産します。

シリアは地中海性気候のため、雨季と乾季があり真夏はかなりの高温で、植物も枯れ果ててしまいます。

一番寒い冬に出産し、しばらくの間母畜は子畜に乳を与えます。
3か月ほどして哺乳時期が終わると、気温も上がり草木が茂っています。
子畜たちは体も大きくなり、乳から草木を食べるようになるのです。
その土地の気候に合わせて、発情、出産を行う動物たちにも感動してしまいました。
牛乳は常にスーパーにあるものだから、そういう自然の摂理を忘れてしまうのでしょうね…。

③母乳の活用の仕方

母畜がまさに命を張って子畜を守るために出す母乳を、人間は横取りするのです。(こう書くと酷い…ってなる)

その横取り方法がなんとも興味深いのです。

まず、子畜に哺乳させます。
その後、子畜を引き離し、母畜に顔が見えるように繋ぎ、人間がこっそり母乳を搾取。
やっぱり、酷い…。

そして、搾乳した乳を人間は様々な方法で加工をし、食料不足や冬に備えて備蓄するのです。

シリアでは、母乳からまずヨーグルトを作り、ヨーグルトからバターを。
バターからバターオイルを作り、バターを作った際に残ったバターミルクからチーズを作ります。

温暖差があるシリアとは違って、年間暑く家畜がいつでも発情するインドでは、生乳でチャイを作ります。
ヨーグルトからバターを作ったりもしますが、チーズは作りません。
年中ミルクが採れるからです。(保存の必要がない)

そして、インドは乳菓子も作ります。

シリアなどの西アジアで発生したと考えられている乳文化が広がり、各地で乳製品の加工が行われるようになり、それぞれの国で様々な加工方法が発達します。

野生動物を家畜化し、その生存サイクルに合わせて人間が工夫をして利子(母乳)を利用する様が圧巻です。

他にもポイントはいっぱいあるのですが、とにかく読んでみてください…!!!読んだらわかる面白さ!!!←語彙力貧困

結び

少し前にクロテッドクリームを作った記事を書きました。
クロテッドクリームはヨーロッパ(イギリス)で発達した乳文化です。

そしてイギリスは酪農が盛んで、紅茶にもミルクを入れる文化があります。

また、ヨーロッパの一部で作られているチーズは西アジア等で生まれたチーズとはまた別のものだそうで、こちらも興味深いです。
チーズも大好物…!

茶に興味を持つと、茶にまつわるものにも興味を持つようになり、永遠に勉強だなぁと日々思います。
そしてそれが非常に楽しいのです。

かなりマニアックな記事が多いブログにはなっておりますが、ご興味持っていただければ非常に光栄です。
よろしければいいね、シェア、お願いします。(^^)/

茶畑からアブラヤシ畑に?!アッサムティの危機?

昨日少々気になるニュースを見つけました。
元記事はこちら

インド茶協会(ITA)は茶の価格に対する不満を抱えた現状から、茶畑をアブラヤシ畑に変えてしまおうとインド紅茶局に進言しているとのこと。

アブラヤシはパーム油を作ることができ、インドはパーム油をほぼ輸入に頼っているため大きな利益が見込めると考えているようです。

茶畑が無くなってしまう…?!



パーム油とは?


▼出典:http://www.bctj.jp/3minutes-palmoil/

パーム油とはアブラヤシから取れる植物油です。
ココナッツオイルも椰子から取れるものですが、栽培から精製までは全く異なっているようです。

アブラヤシは年間通して実をつけるため、単位面積当たりの収穫量が他の植物油に比べて圧倒的に高いのです。
大豆油や菜種油に比べて10倍程度の生産量があるため、当然価格は安く世界中で使用されている植物油です。
工業用だけではなく、食用に多く使用されています。

食用で利用されているのは例えば、チョコレート、アイスクリーム、カレールー、マーガリン、ホイップクリームの代替品、インスタント麺やスナック菓子の揚げ油などなど。

工業用に使用されているのは洗剤、シャンプー、歯磨き粉などなど。

恐らく今日本で暮らしている上で無意識に使用していない人はいないと思われます。

また、全世界の供給量の80%以上はインドネシアとマレーシアで賄われています。

パーム油の何が問題か?





筆者はただ単純に「茶⇒アブラヤシ」に農地転換していくことが問題だと思っていました。
それは世界一を誇るインド茶の生産量が必然的に減少することになるからです。
インドの紅茶を昔から愛飲している人間としては非常に切ない…

しかしながら色々と調べているうちに、アブラヤシ栽培による環境問題やパーム油を作るときに発生するトランス脂肪酸の問題にぶつかりました。

こちらのニュースによれば、インドでは州により茶栽培の土地の使用方法を定めているそうで、すでに西ベンガル州では部分的に「茶ではないもの」を栽培することが許されているとのこと。

そして、西ベンガルに追随してアッサムでも「茶ではないもの」を栽培する許可がおりるように期待していると。

西ベンガル州
↑赤い部分が西ベンガル州の位置、有名なダージリンも含まれます。
アッサムは赤い部分の右側に当たる場所です。

あまり利幅のない茶に代わるものとして、国益が見込めるアブラヤシの栽培を求めているという話は、一見致し方ないことのようにも思いました。(あくまでも素人の意見です)

しかし、アブラヤシの栽培地を確保するために熱帯雨林の木々が伐採され、燃やされ、多くの野生動物たちが住処を失っているということも現実に起こっています。
▼参照:WWFジャパンHP

また、パーム油を採るために駆り出される児童労働問題、強制労働問題等様々な問題を抱えています。

現在はRSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil、持続可能なパーム油のための円卓会議)が開催され、アブラヤシの生産者、農園を所有する企業、アブラヤシを加工する会社、スーパー等の小売店までが参加して、「持続可能なアブラヤシの生産と利用」について議論が行われ、「RSPO認証」を得たパーム油が増えてきているようです。

アッサム茶の今後は…?


先日の記事でアッサムの地理的表示(GI)保護制度について紹介しました。

アッサムの土地で作られて製茶されたものにマークを付けて、国が保護をしていくというものですが、もしアッサム州がパーム油の栽培にOKを出した場合、どうなっていくのでしょうか。

アブラヤシは実を採ってすぐに加工しないと品質が低下するため、近くに搾油工場を設けなければいけないそうで、莫大な敷地を必要とします。

アッサムは広大な平野が広がっているため、確かにアブラヤシの栽培には適しているように思います。
逆にダージリンなどは急傾斜が多い場所なので、アブラヤシ栽培には適さないのでは…?

しかし、アッサムはインドでの一大産地であり、輸出も多くされています。

アッサム州としてどのような判断を下すのでしょうか。
今後話し合いが行われていくのか、注目です。



結び

アッサムで作るチャイ(煮込みミルクティ)はとても美味しいので、もしこのニュースの通りになったら、個人的に非常に悲しく思います。

今の自分に出来ることは何かと考えると、ただ少量のアッサムティを購入することくらいで、何も力になれない無力さを感じます…。

環境問題、人権問題などなど、プランテーションの管理には様々な問題がつきものです。
長い茶の歴史を見れば、茶も同じような部分を抱えてきています。

簡単にどうのこうのと言える問題ではありませんが、今後も茶産地の動向は常にチェックしていきたいと思います。

最近割と真面目なものばかり書いている気がしますね…。(;^_^A

新年には大福茶を飲んで無病息災を願いましょう!ところで…大福茶って何?

お正月には「大福茶」を飲んで、一年の無病息災を願いましょう。

とか言いながら、関東以北に在住が多い筆者は「大福茶(おおぶくちゃ)」なるものを知ったのが10年ほど前のことでした。

関西方面の方は割とメジャーだそうで、子供の時から知っていたと言う知人もいます。

「大福茶」、ご存知ですか?



大福茶とは?

日本の食べ物用語辞典によれば、

「大福茶(おおぶく茶・おおぶくちゃ・obukucha)は、京都で正月に一年の無病息災と長寿健康を祈って飲む習慣のある縁起物の茶。
昆布(結び昆布)と梅干(福梅)を茶碗に入れ茶(主に煎茶や玄米茶)を注ぐ。
京都以外でも飲む習慣のある場所はあり、地域によっては正月のほか結婚式などの「ハレの日」に飲む場合もある。」

とあります。

大福茶の由来は?

こちらは京都の六波羅蜜寺のHPに記載があります。

「天歴5年(951年)空也上人が京畿に流行した、疫病退散を願って十一面観音像を造立した(六波羅蜜寺の創草)とき、御仏を車に安置して市中を曳きまわり、青竹を八葉の蓮片に割ってこれで茶をたて、中に梅干しと結昆布を入れ仏前に献じた茶をまず天皇に、そして病者にも授け、念仏を唱えられたところ、たちまち病魔が鎮まったという。」

今は一般的に【大福茶】と書きますが、六波羅蜜寺では【皇服茶】と記載がされています。
天皇(当時は村上天皇)が服した茶、という意味から【皇服茶】と書かれており、今も正月三が日には振舞われるそうです。

空也上人は上記写真の方です。
社会科の授業で見てますよね。
筆者は昔現物も見に行った覚えがあります。
口から出ているのは、念仏を唱えると6体の阿弥陀様が現れたという伝承に基づいているそうです。

空也上人が庶民に茶を振舞った平安時代中期はまだおそらく貴族にとっても茶はかなりの貴重品であったろうと思われます。
ようやく天皇が薬として飲んだと史実上で出てくるのが815年ですから。
そして、「茶=薬」の時代でした。
▼参照:茶を飲むのは体に良いから?茶=薬?

そんな時代に空也上人は庶民に茶を振舞ったというのですから、今の時代まで名を残している訳です。偉人…!

そして、その時の疫病がどんなものかは分かりませんが、現代で確認されている薬効成分が効いたとするならば非常に興味深いです。
論文書けそう…



2020年のお正月には大福茶を飲みましょう!

という訳で、間もなくやってくる2020年の幕開けに大福茶を家族で飲むのはいかがでしょうか。

【材料】
・茶(煎茶、玄米茶、ほうじ茶、お好みで良いと思います)
・梅干(はちみつ漬けでもカリカリ梅でも)
・昆布(結んでいるのがベストですが、結ばなくても気にしない)

家にあるもので十分だと思います。
筆者は毎年トップ画像にあるように梅干しを少しと昆布を簡単に結んで飲んでいます。

思えば…梅昆布茶ですよね。笑

ちなみに、最近はネットでも購入できるようになっています。

金粉が入っていたり、高級な煎茶を使っていたり、様々な大福茶が販売されています。

近くのお茶屋さんでも販売しているところはあると思いますので、是非足を運んでみてください。

結び

年末にはお茶屋さんも大セールを行っていたりします。
もうあと数か月後には新茶が出てきますしね。今から楽しみ…

この時期、風邪予防にお茶でうがいもおススメですし、購入して残った煎茶は焙じてしまいましょう。
ほうじ茶が家にたくさんストックがあると、筆者はなぜか幸せを感じます。

ほっこりとした香りでしょうかね。

▼参照:茶うがいは効果ある?効果的なうがい方法は?
▼参照:ほうじ茶って何?自宅で簡単ほうじ茶の作り方をご紹介!
▼参照:年の瀬のほうじ茶作り。2019年に向けての棚卸

そして、是非お正月には自分と大切な人の無病息災を願って、大福茶を召し上がってみてくださいね。

 

紅茶がタバコに?!その名はNICOLESS(ニコレス)!

茶とニコチンの関係第二弾。
第一弾はこちら




第一弾の件で色々と調べているうちに、知らずに驚いたことがあったのでご紹介します。

茶を嗜む方は割とタバコを吸わない方が多いので、実際吸った感想はまだヒアリングできていないのですが、非常に興味があります。
カフェで長らく働いていましたが、珈琲とタバコは鉄板でしたけどねー。

「NICOLESS(ニコレス)」とは?

ニコチンがゼロという加熱式タバコです。

タバコ葉を燃焼させて吸うのが紙巻きタバコ
加熱式タバコヒートスティックというタバコ葉を加熱をしてニコチンなどを摂取するものです。
加熱式タバコは紙巻きタバコに比べて、タールが含まれず有害性が1/10になるとか。

加熱式タバコで有名なものだと「IQOS(アイコス)」でしょうか。

上は「IQOS(アイコス)」本体ですが、これに別途ヒートスティックという紙巻きタバコに似た形状のスティックを差し込んで吸います。

「IQOS(アイコス」本体を利用してNICOLESS(ニコレス)は吸えるとのこと。
(アイコスのヒートスティックとして吸えるということですね)

ニコレスは加熱して成分を吸入するのですが、タバコ葉ではなく、なんと茶葉を使っているそうです。
ここにびっくり。

NICOLESS(ニコレス)のHPには
「上質な茶葉を使用した独自製法
茶葉の産地として有名な武夷山の「正山小種(紅茶の一種)」を使用した独自製法により、ニコチン0㎎を実現」
とあります。

正山小種を加熱して吸うとな…?!

茶葉を吸うってどうなの?

正山小種、特に燻煙されている一般的にラプサンスーチョンと呼ばれる紅茶を飲んだことがある方は「あ、わからなくもない」と思われると思います。

筆者も同じです。
松の木で燻煙した茶葉はスモーキーで、どこかタバコの煙に似た雰囲気を持っていますので、そのように思う方は多いでしょう。
▼関連記事:Twitterで話題になっていた「自家製正山小種(ラプサンスーチョン)」をやってみた


こちらを独自の製法でヒートスティックにし、吸うということのようです。。

ただ、色々調べてみたら麻薬を吸っていたビートルズのポールマッカトニーやジョンレノンは紅茶中毒でもあったそうで、トワイニングの紅茶をパイプに入れて吸っていたとか。
▼参照⇒あの海外スターが逮捕される原因になった!紅茶タバコとは?

あながちおかしな話でもないのかも知れません。
先日捕まった沢尻エリカさんも紅茶を吸っていれば問題なかったのに…(ピエール瀧さんもね…)

ちなみに、タバコの製法についてはJTのHPを参照ください。

結び





実際に吸っている方のブログを拝見したところ、
「お茶にフレーバーをつけて吸うことが今後一般的になってくるかと考えられます。」
とあり、そして、茶葉であればタバコ税がかからないので良いのではないかとも。

茶の代用茶(ドクダミ茶やハーブティ等)があるように、タバコの代用として茶が使われるというのは面白いことです。

茶葉のカフェインは加熱すれば昇華しそうな気もしますし、体に負担がかかる要素は思いつかないのですが、実際はどうなのでしょうか。

ついでに、どの段階でどのようにタバコにしているのかも気になって仕方ありません。

今度試しに吸ってみようかと思います。
え、どうやって…?

お茶にニコチンが入っている?!まさか、タバコのような害があるの?!

先日、こんな記事を見かけました。

タイトルは「Is There Nicotine in Tea? Everything You Need to know」。

teaと記載があったので、読み進めていきますと頭に?がいっぱいに。

ん?!
お茶にニコチン???

という訳で、お茶とニコチンについて、少しまとめてみました。



お茶にニコチンが入っている?!記事の内容は?

茶の葉-カメリア・シネンシスというツバキ科の常緑樹-には多くの方がご存知のように様々な成分が入っています。

カテキン類、カフェイン、アミノ酸、糖やビタミンなどなど。
人間の体に良いものが含まれているからこそ、人間は長い間お茶を飲み続けている訳です。

今は科学の力により以前よりさらに体に良い成分が分かるようになり、特定保健用食品として販売されていたり、一部の成分は薬として用いられているものもあります。
▼参照:茶を飲むのは体に良いから?茶=薬?
▼参照:今話題の紅茶がインフルエンザに効くという話について
▼参照:茶うがいは効果ある?効果的なうがい方法は?

で、話を元に戻しますと、ニコチンです。
筆者、今までお茶と長らく付き合ってきていますが、お茶にニコチンが入っているという話を一度も聞いたことがなく、????となりました。

記事の中に信用できるデータとして国立生物工学情報センター(NCBI)の論文が出ています。
1999年のものでしょうか。
詳細はNCBIに入会しないと見られないため挫折。

確かにその論文の概要の中に、
「 In addition, a variety of black as well as green teas was investigated for the nicotine content. Nicotine content in tea leaves was found to be highly variable and sometimes much larger than in the Solanaceae fruits. 」
と記載があり、茶葉中にもニコチンが含まれているとあります。

そして件の記事は、肺から吸収されるタバコのニコチンとは違い、茶のニコチンはかなり少量の上、消化器官から吸収されるため中毒性もないと続きます。

まとめとしてはたばこを吸うくらいなら、茶を飲んだ方が良い、ということのようです。
ここは断固として賛成

そもそも茶にニコチン入っていたっけ???


茶葉中にニコチンが含まれている前提で記事は終わっているので、改めて確認をしてみました。

文部科学省の日本食品標準成分表を見てみましたが、ニコチンやニコチンと同義のものの名前は見つかりません。(下記の図は見にくいですが…)


「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」から引用

アメリカと日本の研究の仕方が違うのか?
茶葉の種類も違うだろうし…。

やはり元の記事がちょっとアレなのか…?と思って、もう調べるのをやめようかと思ったのですが、こちらの記事で納得。

ニコチンアミドとニコチン酸の総称を【ナイアシン(ビタミンB3)】と呼ぶ。
だとすると、やはり件の記事は何かどこかで勘違いをしたまま書かれていることになるのでしょうか…?
筆者英語弱いのでどなたか検証を…!

確かに、お茶にナイアシンは入っています。
ニコチンは神経伝達物質ですが、似た名前のニコチン酸アミドはビタミンです。
上の表は分かりづらいですので、こちらからご確認ください。

紅茶葉には玉露や煎茶より多く含まれており、抽出すると当然減りますが、間違いなく含まれています。(烏龍茶にも含まれているようです)
茶の本にもあちこち記載があります。

という訳で、筆者の認識は間違いではなかったと一安心。

その後も色々と調べていたら、さらに気になる記事を見つけたのでニコチンと茶についての話は続きます。

結び





ひとまず、茶にニコチンが入ってなくてよかったーとなりました。
でも茶の中毒性と言ったら半端ないので、ニコチンが入っていると言われたらそうかもしれないと思うレベルです。笑

英語が分からない筆者は英語の記事というだけで信じてしまって(バカ)、「お茶にはニコチン入っているんだってー」とか言ってしまうところですよ。。

このブログを書くようになってから、気になるものは徹底的に調べることを心がけています。(そして戻ってこられないことも多々…)

それはもちろん当然のことなのですが、自分自身でも認識を誤ってしまう可能性があり、読者の方にもご迷惑をお掛けしてしまいますので、もしご指摘がありましたらご連絡いただければ幸いです。
まぁ、内容が内容だけに読者は少ないのですが…

「世界!ニッポン行きたい人応援団」で常滑焼急須が!日本の急須は素晴らしい!

昨日(12/9)にテレビ東京で「世界!ニッポン行きたい人応援団」を放映していました。
筆者はあまりテレビを観ませんが、今回の内容が常滑急須だったため、楽しみに見ることに。

今回(2019/12/9)は常滑急須作家の「村越風月」氏のところに急須好きなアメリカ人のアルトゥーロさんが訪問します。

彼はアメリカでろくろや電気釜を購入し、独自に急須を作っていますが、片手で持てないほど重いとか。。
日本の急須の薄くて軽いところや、茶漉し部分の作り方を学びたいと常滑にやってきます。

でも、お茶を淹れる時はわざわざ井戸水を汲みに行き、自製の急須でお茶を飲むとはなんとも素敵。
彼の急須に対する熱い想いが伝わってきて、じんわりとしました。(年、取ったなぁ…)

今回の番組にまつわるあれこれをまとめてみたいと思います。



村越風月氏とは?



こういった急須を作っている方です。
筆者は持っていないのですが、友人宅で使ったことがあります。
非常に軽く、すっと手に馴染み、水切れも良かったことを思い出します。

【村越風月氏 経歴】
1950年 常滑の窯元に生まれる
1965年 陶芸家・三代山田常山氏に師事日本伝統工芸展 入選6回
日本陶芸展 入選
日本煎芸工芸展 第一席文部大臣奨励賞受賞 全日本煎茶道連盟賞 受賞 煎茶工芸協会奨励賞受賞3回
長三賞陶芸展・陶業展 奨励賞 各受賞日本工芸会正会員 常滑「手造り急須」の会会員
▼引用:https://gotskasandon.com/sakka-5.html

 

ちなみに、師匠である三代 山田常山氏は古典なものからモダンなものまで100種類以上の形の急須を作っていたそうです。(2005年永眠)

平成6年、朱泥急須で「愛知県指定無形文化財保持者」に、平成10年には常滑焼(急須)で愛知県初の「国指定・重要無形文化財保持者(人間国宝)」に認定されているというまさに国の宝。
▼参照:http://www.wings-jp.com/profile/y_jyozan.html

山田常山氏の作品はオークションサイトなどで販売されているので、ご興味があれば見てみると良いかもしれません。(あとは骨董屋さんとか?)

また、番組内で村越風月氏の奥様は煎茶道の師範ということでご紹介されていました。

ご主人が理想の急須を作り、奥様がそれを使って最高の煎茶を淹れる、なんて素敵な夫婦でしょうか!

急須の作り方?

村越風月氏がアルトゥーロさんに薄い急須の作り方、急須の茶漉し部分の作り方を教えていきます。

村越風月氏ではありませんが、全体の急須の作り方はこちらをどうぞ。

筆者が急須作りで一番好きな工程。

作家の方一人一人作り方は違いますが、おおよその工程は上記を見ると分かるといます。
筆者は全く陶芸をやったことがありませんが、この動画はまじまじと見てしまいます。

また、番組の中で村越風月氏の土作りについても少し紹介されていました。

植物のようなものが混ざった、「田土(たつち)」という田んぼの下にあるような土を原料にするそうです。
水を張った甕で攪拌し、不純物を取り除き、濾します。
この工程を1日2回、1か月繰り返し、軽くてきめが細かい土を作り上げていきます。

そしてそれを焼き上げると、含まれている鉄が酸化して赤い色になるのだそうです。


常滑焼、と言えばこの色ですよね。

また、村越風月氏は
①急須の持ち手と注ぎ口を直角ではなく、87度から90度。
※持ち手が若干注ぎ口に寄っている
②注ぎ口は持ち手側に少し傾斜させる
※注ぎやすく水切れが良くなる
というコツを教えてくださっていました。

【ポンス】という茶漉しの穴をあける道具があることを初めて知りました。
そしてネットでも売ってました…。
村越風月氏使用のものは現在売っていないとのことでしたが。

常滑焼急須は渋みを取る効果がある?


harunoumeさんによる写真ACからの写真

様々な急須で飲み比べを行ったところ、常滑焼急須には茶の渋みをとる効果があるという実験結果を番組内で紹介していました。

色々と資料を探してみると、こちらに当たりました。
少々古い資料で、写真と見合わせてみても若干分かりづらいのですがおそらくこちらの資料を基に渋みが軽くなるとお話されているものと思われます。

少し凝ってお茶を召し上がる方は「淹れるもの」である急須や湯呑(ティーポット等)にこだわります。
そして、このお茶ならこの急須などと飲み分ける方もいらっしゃいます。

その傾向は特に中国茶で多いように思います。
鳳凰単欉ならこの茶壺、緑茶ならグラスで、とたくさんの種類の茶器をそろえている方がいらっしゃいます。

毎回お茶を飲む度にカテキン量やカフェイン量を計ることはありませんが(できませんが)、茶器を変えて飲んだ時の感じで渋みが弱くなったように感じられたり、まろやかな味わいになったりを感じるのでしょう。

これだけ科学が進歩した現代でも、お茶の香りや香味の検査は人間が行っていますから(官能審査)、人間の味覚や嗅覚はとても優れているのです。
※故に曖昧なことが多く、「嗜好品だから」で片づけなければいけない場合も多々発生しますが…

結び





筆者もお茶を飲むようになってから、急須について興味を抱くようになり、そして使えば使うほど有名な陶工の急須は使いやすいのだと感じます。

2万円や3万円が決して惜しくないと思えるのです。

何十年も修行をし、手で美しい急須を作り出す陶工たちに尊敬と感謝の気持ちを込めて、急須を大切に使っています。
割れてしまった時は一晩泣きますが…。

ただ、まだお茶をそれほど飲まない(急須やポットで飲んだことがない)という方には「まずは100円ショップでいいのでポット買ってみて」とお伝えしています。

「淹れる」という行為が難しくないと思うことがまず第一。
茶を淹れることを重ねていけば、自然と急須の良し悪しも見えてきます。
そして沼にはまっていくのですよ。(* ̄▽ ̄)フフフッ

まずはお茶を飲んでみること。
飲んでみて、より美味しくするにはどうするのかを考えてみること。

いつも先人に言われる言葉です。
筆者もまだまだ勉強中。
一緒に茶を楽しんでいきましょう。

茶の情報をネットで確認できる時代に?インド紅茶局のトレーサビリティ(茶情報追跡)に関する試み

お茶を手に取った時、そのお茶の情報は何が分かるでしょうか。

パッケージの表紙に書かれている茶名。
裏に書かれている賞味期限、原産地、販売者など。

販売者や生産者によっては、淹れ方、「そのお茶の作られた日」や「産地の土の状況」等のマニアックな情報を書いてくださっている方もいますが、それくらいが限度ではないかと思います。

それが例えば牛肉のように、バーコードやQRコードを読み込めばその牛が「いつ、どこで生まれて育てられ、いつ食肉にされたのか、品種は何か」等の詳細情報が分かるようになったら、とても安心ですよね。
▼関連記事:インド、アッサムティの地理的表示(GI)保護制度

数か月前にスターバックスが豆の追跡ができるように、「アジュール・ブロックチェーン・サービス」を導入していくというニュースがありました。こちら
筆者チラ見だけして覚えてませんでしたが…

生産物の追跡、これからの茶生産にも大きく関わってくるかも知れません。



スターバックスのアジュール・ブロックチェーン・サービスとは?

アジュールはMicrisoft Azureというマイクロソフト社クラウドサービスの集合体だそうです。

アジュールの<ブロックチェーン・サービス>というのはスターバックス、ブロックチェーン・サービスの導入のニュースが流れた(2019/05)一週間前に発表されたばかりのもの。

※<ブロックチェーン>というのは、「金融取引などをインターネット上の複数のパソコンで分散して保管する方法(ブロックを繋げるイメージ)」で、もともとは仮想通貨ビットコインの取引を行うために開発されたものだそうです。

2018年には「Bean to Cup」というプログラムで、ブロックチェーンを利用して農園と消費者をつないでいく試作を行うと発表していました。

アジュールのブロックチェーン・サービスを取り入れることにより、「いつ、だれが、どこで作ったもの」で、「どこの製造工場からいつ流通し、どこの小売店で販売された」か等の情報がブロックチェーン上に都度保管されるため、消費者がネット等で確認の上購入することが出来るようになります。

他にもメリットは様々あるようですし、スターバックスはこの研究結果をオープンソース化して、多くの企業が利用できるようにするそうです。
太っ腹…!

茶もブロックチェーンを利用?

先日インド紅茶局がブロックチェーンを利用した茶のトレーサビリティを国家レベルで行っていくことを発表したとのこと。
▼元記事:Amazon, Infosys respond to Indian tea board’s blockchain call

インド珈琲委員会ではすでにブロックチェーンを利用した珈琲市場を立ち上げ、約3万人の契約農家がいるそうです。

インドは国全体でブロックチェーンを取り入れて産業を盛り上げていこうとしていると記事にあります。

また、こちらも少し前ですが中国でも雲南省の普洱茶でブロックチェーンを利用して原材料調達、加工、倉庫、流通、店舗での販売からエンドユーザーまでを記録するプラットフォーム(基盤)を発表しました。

茶のデータは、すべての段階でIoTデバイスでVeChainThorブロックチェーンにアップロードされます。
スマートフォンを使ってQRコードやNFCチップをスキャンすることで、実績と生産データを見ることができるようにするそうです。
▼元記事:VeChain launches blockchain platform for tea traceability in China

システム的なところなどは筆者もよく理解できていませんが、
つまりは、ブロックチェーンというシステムを利用して茶の生産と流通を管理し、エンドユーザーにも見えるようにしていくという取り組みが世界中で行われ始めているということです。



ブロックチェーンを利用するメリットは?

珈琲生産国も茶生産国もこぞってブロックチェーン・システムを利用しようと試みているということは大きなメリットがあると判断されているものと考えられます。

何度も書いていますが、

原材料調達、加工、倉庫、流通、店舗での販売からエンドユーザーまでを明らかにできるということ。

これに尽きます。

正直、お茶を購入する際には産地名が分からないもの等がたくさんありました。。

そして、整備が進んでいっているにしても未だにまがい物の茶は世界で流通しているものと思われます。
以前の記事でも書きましたが、例えば地理的表示保護制度(GI)
のような取り組みがあるにも関わらずです。
▼関連記事南九州市知覧の茶商が初めてのFSSC22000取得。日本茶はますます海外へ。

先ほど例に挙げたインドは世界第2位の輸出国です。
しかし、伝統的なルーズリーフ茶の価格低下が続いており、このままだと摘採する労働者はいなくなり、伝統的な茶の製法はなくなってしまうのではないかとインド紅茶局は懸念しているとのこと。

また、中国の雲南省の普洱茶も価格の高騰により、粗悪品や模造品が横行していたことがあると耳にしたことがあります。

ブロックチェーン・システムの導入により、今まで以上に「正しく作られたもの」が「正しく評価される(価格面でも品質面でも)」ようになることを期待します。

言うまでもなく、購入するエンドユーザーにとっても安心ですよね。

スターバックスが挙げているメリットとしては他にも、
・ドライブスルーでの注文予測
・コーヒーマシンへの新メニュー一斉記憶
・小規模農家との直接的やり取りによる価格の安定
・産地偽造の防止

等、様々あるようです。

いずれ仮想通貨での取引も視野に入れているのでは?とも言われています。
(スターバックス側は否定しているようですが…)

茶に関して言えば、考えられるのはやはりトレーサビリティの面でしょうかね。

日本ですでにブロックチェーン・システムを取り入れているところがある?!


SHIZUOさんによる写真ACからの写真

そう考えると、日本の茶業はどうなっているのかなぁと思いますよね。(強要)

こちらもかなり前にニュースで見たのですが、静岡の「富士山まる茂茶園」がブロックチェーン・システムを導入した緑茶を販売したという内容。
こちらもちらっとニュースを見て終わっていました…
そして、まる茂さん、とてもお茶に熱く、様々なお茶をお作りになられていますので是非ネットショップで!

こちらの記事に詳しいです。
▼参照:VeChain ブロックチェーンとICチップで日本茶の生産地を証明

どういったものか、YouTubeで紹介していて分かりやすいです。

日本国内の場合、産地を偽装するもの等は今はほぼないのではないかと思います。
知らないだけかも知れませんが…。

ただ、今問題になっている偽「宇治茶」が中国で横行しているという話から考えますと、「日本国内で正しく作っているお茶」が「海外でも正しく販売される」ようになるのではないかという希望が持てます。
▼参照:【2019/11/18追記あり】中国で「宇治」が商標登録?!今後宇治茶と名乗れなくなる?!



結び

今後急速に、世界的にブロックチェーン・システムを導入する輸出国、輸入国は増えていくだろうと思われます。

どうなんでしょうね。
例えば、日本の慣行栽培の茶の場合、いつ、どの農薬をかけたか、等も明記されるようになるのでしょうか。

また、いつ摘採されたのか等も分かったら、面白いですね。
生産者としてはちょっと恐ろしいことでしょうが…

「正しく作られたもの」が「正しく評価」され、「正しくエンドユーザー」に届く、これは農作物(生産物)にとっては非常に大切なこと。

筆者が死ぬ頃には当たり前のシステムになっていそうだなぁ。

ブロックチェーンの仕組み等についてはあいにく理解しきれていないため、今後もニュースを追って調べていきたいと思っています。

そしてこれはただの呟きですが、こういうシステムを取り入れない(取り入れられない)小さな農園や茶園はつぶれていってしまうかも知れません。
筆者自身が弱小新規就農に片足を突っ込んでいるため、少々胸がざわつかなくもない…

小さなところは生き残れなくなり、大きなところに吸収される。もしくは廃業。

何か策を講じていかねばなりませんね…。(悩)