輸出をされていた日本茶ー商標である蘭字についてー






日本茶は明治から昭和期に盛んに輸出されていたことをご存知ですか。

お茶を勉強されている方や詳しい方には周知の事実かも知れません。
ですが、案外知らないというのが現状です。

でも、思い返せば歴史の授業で、必ずみんな学んでるのですよね。

「生糸」と「日本茶」

江戸幕府が終わって明治の時代に入る頃、輸出用茶箱に貼られていた蘭字というラベルが非常にオシャレで興味深いものだと最近知りました。

蘭字についてまとめてみたいと思います。

蘭字ってそもそも何?


▼写真:フェルケール博物館「蘭字ー日本の輸出茶ラベルー」展図録

どこかで見たことがある方もいるかと思います。

蘭字というのは、出だしで少し書きましたが輸出用茶箱に貼られたラベルです。

長い江戸時代が終わり、明治期に入る頃茶の輸出が行われるようになりました。

当時、中国南部の葦科の植物で編んだ「アンペラ」(ゴザのようなもの)で茶箱を包んでいましたが、そのアンペラに貼られていたものです。


▼写真:フェルケール博物館「蘭字ー日本の輸出茶ラベルー」展図録

こちらは静岡県清水市にあるフェルケール博物館で実際に見ることができます。

色あせてはいますが、綺麗に貼り付けたものだと感心してしまいます。

最近は、日本茶にこのような蘭字を模したパッケージのものも販売されるようになりました。


現代で販売されていても全く遜色ないオシャレさですよね。

海外の方がどういった反応をされるのかは分かりませんが、プレゼントして、お茶の説明と蘭字の説明が簡単に出来たらカッコいいなぁと妄想してしまいます。

江戸時代末期から横浜の外国商館扱いの輸出品には、商館ラベル(商標)がつけられており、茶用の蘭字だけではなく、生糸や缶詰なども似た雰囲気のラベルが付けられていたそうです。



蘭字が生まれる経緯は?

江戸時代末期、アメリカによって日米和親条約(1854年)が締結され、下田と函館を開港し鎖国は終焉を迎えます。

その後さらに日米修好通商条約(1858年)が結ばれ、イギリス、フランス、ロシア、オランダとも同様の(日本にとっては不平等な)条約を締結して「横浜」「神戸」「長崎」「函館」「新潟」が開港されます。

それにより、大量に輸出されることになったのが「生糸」と「日本茶」。

主に横浜から輸出されるようになった日本茶を入れた茶箱に付けられていたのが蘭字の元になった「茶箱絵(ちゃばこえ)」というものでした。

「茶箱絵」は浮世絵の絵師や摺師たちによって描かれた木版の多色刷りで、二代目歌川広重はこの茶箱絵を手掛けて「茶箱広重」とも呼ばれたそうです。

写真を見比べていただくと分かるかと思いますが、「茶箱絵」は確かに浮世絵の雰囲気です。

横浜で外国商館を経て再製(荒茶を乾燥させ、時には着色等を行った)され、輸出されていた日本茶は静岡の清水港(1906年~)からの直輸出に移行していくとともに茶名や輸出会社名等が書かれた蘭字に切り替わっていったようです。
▼参照:日本茶輸出の歴史に学ぶ~清水港茶輸出開始から100年~

蘭字に興味を持った!

筆者も割と最近蘭字について興味を持ったばかりで勉強途中のため、現在蘭字についての展示が静岡で見られるということで行ってきたのが、

フェルケール博物館
ふじのくに茶の都ミュージアム

です。

ふじのくに茶の都ミュージアムでは企画展「浮世絵・蘭字にみるお茶の世界」(10/5まで)が行われており、綺麗な着物を召された女性たちの傍らに急須や湯呑がある美しい浮世絵を見ることが出来ます。

茶の歴史に興味がある方なら非常に楽しめると思います。

フェルケール博物館に関してはここまでで色々と書いているので、機会があれば是非行ってみていただきたいと思います。

幕末明治の蘭字から、敗戦後の蘭字への変遷なども見ることができて蘭字の歴史を知るには最適な場所だと思います。

1階の常設展では横浜から外国商館を経て輸出されていたお茶をなんとか産地から直接輸出したいと清水港移設に奔走した人たちの思いも感じ取れました。

結び





蘭字について興味を持つことが出来たのは、茶の先輩たちが貴重な資料等をお教えくださったお陰です。

しかもありがたいことにオンラインで勉強させていただくことが出来ました。

図録を読んで、オンラインでお話を聞き、実際に博物館で見ると当時の情景が頭に浮かび胸が熱くなります。

さらに疑問が湧いてきて、しばらく自身の蘭字ブームは収まりそうにありません。(笑)



こちらの本も購入する気満々でいます。

知りませんでしたがデザイン関係の仕事をされている方からは以前から注目されているようです。

筆者は残念ながらセンスがないことで有名な上、お茶にしか興味はないものの浮世絵、茶箱絵、蘭字を追っていくとただのパッケージだけではなく当時の茶の形状や味等も見えてきて興味は尽きません。

横浜の再製工場の様子はどうだったのか。
着色されていた日本茶はどんな味だったのか。
船便で数か月もかかって運ばれた茶の味はどうなっていたのか。

などなど。

蘭字から派生して、茶の輸出の歴史をもっと学びたくなり、今は違う本を開いています。

お茶を知りたいと思うと、茶の作り方、畑のこと、化学、歴史…と様々なことを勉強したくなります。

学生の頃にお茶に出会っていたら今はもっと素晴らしい人生を歩んでいられたでしょうか。。(ぼやき)

とはいえ、一生お茶のことを勉強していこうと決めていますので学びたい時が花ですね。
頑張ります。

蘭字についてはまた他の分野で歴史等をまとめていきたいと思っています。(いつか…きっと…)

簡単にお茶を飲めるグッズ⑤ーMennäONEー






簡単にお茶を飲めるグッズシリーズは気づくと5回目になっています。

暑いので毎日ステンレスボトルにお茶を入れて、がぶがぶ飲んでおります。
ペットボトルも併用しながら、マスクで暑い中、熱中症には要注意です。
▼参照記事:熱中症?と思ったらまず何をする?熱中症予防の水分補給にオススメのお茶は?

こんな暑い夏には給茶スポットもおススメです。
▼参照記事:熱中症予防に「給茶」や「お茶Bar」!お茶屋さんで色々なお茶を楽しもう!

そして、簡単にお茶を飲めるグッズシリーズで以前ご紹介していたteploティーポットがついに日本でも購入できるようになったようです。
▼参照記事:簡単にお茶を飲めるグッズ②-【追記あり】Teplo “The Smart Bottle”と”IoT teapot teplo”-

25000円で自動で、しかも体調に合わせてお茶を淹れてくれるティーポット。
試してみたい気持ちは満々です。
(25000円のお小遣いと置く場所をなんとか捻出したいところ)

そちらとは別に今回は筆者が非常に気になったカナダのお茶グッズをご紹介したいと思います。

そういえばなかったかも!

今回ご紹介商品の紹介記事を読んでいて、「あれ?そういえばこういう商品はなかったかも…」と思いました。

例えば、筆者も持っていて以前ご紹介しているこちら。


HARIOフィルターインボトル ポータブル。
▼参照記事:簡単にお茶を飲めるグッズ③ーHARIO/ハリオ フィルターインボトル・ポータブルー

このように茶葉を入れて、お湯を入れたり水を入れたりして持ち歩くタイプのボトルはたくさん販売されています。

上記記事の中にもリンクありますが、筆者はこれの前に持ち歩いていたのが「ビタントニオ ツイスティプラス」でした。
他にも今は様々なメーカーから販売されていますので、使い勝手の良い、自分のお気に入りを探して見てください。

で。

ふと気づいたんです。

保温とか保冷効果が無いってことに。←今更

今回筆者おススメの商品(MennäONE)は痒い所に手が届いている!


MennäONEは茶葉を入れて持ち歩くタイプのボトルです。

それらは今日本でもたくさん販売されていることは上記でお伝えしています。

そして、さらに前に筆者が使用していた「ビタントニオ ツイスティプラス」は、茶葉を入れたままにして持ち運べる上に、抽出し終わったらボトルを回転させて弁を閉め、茶葉と抽出液をしっかりとセパレートすることが出来ます。(自分の良いところで抽出を終了させられる)


煎のきく烏龍茶系などもしっかり水を切っておけば、外で何煎か飲むことが出来ます。

急須(ティーポット)とカップが一体化しているような便利さです。

MennäONEはそのさらに上をいきます。

HPを見ると、

1. Fill the infuser basketPlace loose-leaf or bagged tea inside the infuser basket.  Fill the vessel with water and attach the top

2. Twist the ring

After a few minutes of steeping, turn the ring to the closed position to stop the tea from brewing further.

3. Enjoy on the go!

Enjoy perfectly brewed tea! After drinking, you can add more water to steep again and again!

▼参考:https://mennalife.com/

となっています。

2の説明を見ると「ビタントニオ ツイスティプラス」と同じようにボトルについているリングを捻ることで茶葉と茶液をセパレートして持ち運べるようです。

さらに、筆者が今回ものすごく注目したのがこちら。

”Our double-walled vessel keeps things hot or cold for up to 6 hours.”

これですよ!

最大6時間、保温保冷効果があるそうなのです!!!

素晴らしい!!!



何がそんなに素晴らしいのか?

筆者は夏の間、茶葉を入れっぱなしで持ち歩くタイプのボトルは使いません。

ステンレスボトルなどに水出しのお茶を入れる、もしくは熱湯で濃いめに抽出したお茶に氷を目いっぱい入れて急冷茶を持っていくか、のどちらかです。

あくまでも保温、保冷効果のあるステンレスボトル。

というのも、お茶ははただの葉っぱと水ですので、どうしても水につけておいて高温のところにおいておくと痛みます。。

そのため真夏の長時間持ち歩きは危険ですので、出先でペットボトルを購入することも多々あります。

MennäONEはその辺りも考慮して(いるかどうかは知りませんが)、茶葉を入れたまま持ち歩ける上に保温保冷効果があるのです。

筆者お勧めの本③ー茶の涙ー






暑い暑いと言いながら、少しずつ朝晩は秋の気配を感じるようになりました

若い頃は「暑さだって寒さだって終わりが来るよ。辛いことも悲しいことも永遠には続かない。」と言われてもその一点の苦痛に目を奪われて先のことなど何も見えなくなっていましたが、今は少し長い目で見ることが出来るようになった気がします。←どうした?!

前回は茶柱倶楽部という漫画のご紹介を書いたので、今日も茶の漫画をご紹介です。

茶の涙について



水面かえる著

2009年から2011年に無料のWEBコミック誌「EDEN&ブレイドコミックアーカイブ』」(現『WEBコミック EDEN』)にて連載。
NPO法人日本茶インストラクター協会協力。

単行本は全4巻。

フランス人のハーフである主人公「内藤涙(ルイ)」は宇治で900年の歴史を持つ老舗茶屋「神那木」の元筆頭茶師。

突然日本茶の輸入禁止を決めたフランス漁農相や中東出身の大富豪を相手に日本茶の素晴らしさを披露し、「神那木」の元筆頭茶師を辞めることになった悲しい過去と対面していくことに。

詳しい内容は是非手に取って読んで見てください。



筆者おススメポイント


漫画の内容も面白く、あちらこちらに茶に関わっている方たちの思いや伝えたいことが入っているので取材協力されている方たちのお顔が浮かんできます。

伝えたいことが多すぎて、4巻には収まりきらない内容になっている感じが正直ありましたが。。

また、巻末に「日本茶 茶のみ話」という本編の補足が数ページ書かれているのですが、ここは日本茶を飲み始めたばかりの方などには非常に役に立つ内容ばかりです。

美味しい淹れ方、水出しの作り方、等はお茶を実際に淹れる時の参考になりますし、「茶問屋について」とか「合組」についての説明等もあります。

品種についても触れており、簡単でかつ明快に説明がされているので自身の勉強にもなりました。
▼参照記事:日本の茶には様々な品種がある?品種について学びたい!
▼参照記事:紅茶の選び方②~シングルオリジン?orブレンド?~

あとは、これは有名ですが、茶業界の有名人がキャラクターとして出ていらっしゃいます。(答え、書いてた…)
▼参照記事:世界お茶まつり2019!<セミナー編③>「日本茶のビンテージを知る」

結び

昔は生粋の漫画っこ(?!)だったのですが、最近は漫画読まなくなっておりました。

頭を空っぽにして漫画の世界にどっぷり漬かるのはなかなかに楽しいものです。
実際はお茶のことで頭がいっぱいでしたが。(笑)

今年の冬も家に籠ることが多いかと思いますので、茶関係の読んでいない図書(読んだけど忘れてしまった)を片付けていこうと思っています。

他にもお茶関係の漫画があるので、そちらも読み次第ご紹介しようと思います。



筆者お勧めの本②ー茶柱倶楽部ー


まだ暑い日が続いておりまして省エネモードですが、少しずつ本を読むようにしています。
(積読と忘れてしまったことが多すぎて…)

本を読むと新たな学びや刺激があるものです。

それと同様に先日オンラインでお茶を学ぶことが出来ることを書きましたが、こちらも刺激になります。

暑いとどうしてもだらだらと過ごしがちですよね。
そういう時はせめてYouTubeで茶関係の動画を見たり、勉強系の動画を流してます。

まぁ、所詮兼業サラリーマンですがね。。(自爆)

そんな暑い日にぼんやり茶のことを学んだり、茶を飲みたくなるような漫画をご紹介します。
今更って言わないでください。。不朽の名作です!

茶の漫画?

茶関係の漫画はいくつかあります。

筆者が学生だった頃には「紅茶王子」が流行りました。

紅茶の入ったティーカップに満月を映すと、そこから紅茶の王子が現れて…という内容です。

イケメンの紅茶王子がいっぱい出てきて、”THE 少女漫画!”という内容ではありますがつい紅茶を飲みたくなるハートフルな内容です。

これを読んだ多くの方が一回はティーカップを持って満月を見に行ったことがあるはずです。(笑)

筆者の友人はこれを読んでからすっかり紅茶にハマり、紅茶が好きすぎて年に一度はイギリスやスリランカを旅行をしています。

茶柱倶楽部とは?


週刊漫画TIMES」(芳文社)にて2010年5月~2015年11月まで連載。
単行本は全8巻で、筆者は青木幸子。

筆者である青木さんにお会いしたことがあります。
お茶の知識がとても豊富で、お茶愛が伝わってくる方でした。

「紅茶王子」は紅茶がテーマですが、茶柱倶楽部は「日本茶」が題材となっています。

主人公である鈴は静岡のお茶屋の娘。
あるときケガをした年配女性を助けてとても美味しいお茶をもらいます。
その年配女性を探しながら、宝くじで当たったトラックを移動茶店にして全国を回っていく物語。

様々な人に出会い、様々なお茶が鈴の手で淹れられ、様々な縁が生まれます。

果たして鈴は年配女性に出会えるのでしょうか。
そして、美味しいお茶の正体を知ることができるのでしょうか。

1話完結が多く、毎回美味しそうな日本茶に魅了され、涙がほろりと出るような心温まる内容ばかりです。

日本茶に興味がある方もない方も是非読んで見ていただきたい漫画です。

筆者おススメポイント


鈴がよく素敵なセリフを言ってくれるのです。

上の言葉は旅に出る前父親に「移動喫茶がどう「茶」のためになる?」という問いに対して、

「お茶の実力が知ってもらえる。

成分だけ抽出したようなものじゃない
きちんと丁寧に煎れた
本物の「お茶」の味…

たいして興味のない人にこそ飲んでほしいの。
専門店とか講習会に来るような人は自分からどんどん飲むでしょう?

だからこっちから行く!」

そう、お茶はお茶を飲んだことがない人にこそ飲んでもらいたいのです。

他にも、筆者のツボに入った言葉。

「≪好みの味≫じゃなくて≪体にいい≫だけを追求するのなら、≪錠剤(サプリメント)にして飲めばいい≫になっちゃいます。

お茶の最大有効成分は、煎れ手と飲み手が向き合う時間だと思います。

これは本当にそうなんです。

以前の記事でも何度も書いていますが、お茶は美味しいから飲むのであって、健康のために飲むものではありません。

もちろん、茶は元来薬でしたから体に良い成分もたくさん含まれていることは研究でも明らかになっています。

ですが、鈴の言う通り「茶の最大有効成分は人が向き合う時間」なのです。

筆者は一人で茶を飲んで内省するのも良いと思っています。

人と人でも良し。
自分と向き合うでも良し。

茶は体よりむしろ心に効くものかも知れませんね。
▼参照記事:茶を飲むのは体に良いから?茶=薬?特定保健用食品?機能性表示食品?(追記あり)
▼参照記事:「緑茶に含まれるカテキン類が新型コロナウイルスに効果的 」という文言はアウト!消費者庁の注意喚起。

結び

新型コロナウイルスで家にいることが多くなっているかと思います。

そんな時、お茶を飲みながらこうしてお茶の漫画や本を読むというのもなかなかオツなものですよ。

お茶をつまみにお茶を飲む、みたいな。←

筆者の茶友達の中には夢は「鈴のように移動茶店をやる」と言いながら日々茶の指導を行っている人や、全国を回って茶の仕入れをしているバイヤー等がいます。

こんな産地があったんだ。
このお茶飲んでみたいな。
こういう風にお茶を煎れてみよう。

などなど、読む度に日本茶が好きになる漫画です。

是非是非読んで見てくださいね。

日本の茶には様々な品種がある?品種について学びたい!






暑い日が続きますね。

相変わらず 仕事休みの日は畑に足を運んでいますが、それ以外は省エネモードで動いております。

出勤するだけで体力を奪われ、仕事で精神力を奪われ、帰って寝るだけですよ。本当に…。

さて、今日は品種について少し考えてみたいと思います。

茶の品種とは?

以前自身の畑でも「実生」と「苗」とどちらも育てているということを書きました。
▼参照記事:茶を育てる‐種から育てる編-
▼参照記事:茶を育てるー挿し穂から挿し木編①ー
▼参照記事:茶を育てるー挿し穂から挿し木編②ー
▼参照記事:茶を育てるー挿し穂から挿し木編③ー
▼参照記事:茶を育てるー挿し穂から挿し木編④ー

品種名は基本的に同じ遺伝子を持ったものの総称のため、挿し木で育てられるものだと考えた方が良いかと思います。
「やぶきた」とか「べにふうき」とか。

茶の教室を行う際に割とはじめの段階でお話しておくのが「茶には品種がある」ということです。

茶への興味がそれほどない方からしてみれば、茶畑に生えている茶は全部「茶」でしかない訳で、それが在来実生だろうと、やぶきただろうと、香駿だろうと全部「茶」以外の何物でもないのです。

「ほら、葉っぱの色と厚みが違うだろう?」

といくら言ったところで、「…言われてみれば、そうかな?そうかも知れない。」くらいです。
とはいえ、筆者も葉の形状などを見て品種を当てられるほどの力はありません。
もしかしてこの品種かも?くらいです。

そのため、茶の教室等で最初に説明させていただくのが、

「お茶には品種があります。
お米にコシヒカリやササニシキがあるようなものだと考えてください。」

ということです。

よく聞く例えですが、お米で考えると非常に分かりやすいです。
例えば、寿司に向いているのは「コシヒカリ」、冷えても美味しいのでお弁当には「ゆめぴりか」等。

それと同じように紅茶向きの品種だったら○○、煎茶向きなら△△…と様々あります。
※海外のものは除く

また、病害虫への抵抗性、寒さや暑さへの強弱等々、品種にも様々な個性があります。

品種に興味を持った!

ここまで読んで品種に興味が出た!!!という方は結構なもの好きですね。(笑)

恐らくすでに興味を持っていて、たまたまこの記事にぶつかった方が多いのではないかと思います。

品種についてご興味ある方には「新版 茶の品種」という本をお勧めします。

こちらは「公益社団法人 静岡県茶業会議所」にて販売されています。

もしくは、「品種のお茶専門店心向樹」でも購入できます。

心向樹では1煎パックの煎茶、紅茶、烏龍茶等が販売されているので品種の勉強をしたい方にはかなり良いお店です。
▼参照記事:世界お茶まつり2019!<セミナー編④>「茶の品種から考える<これまでとこれからの日本茶>」

品種の違いで茶が楽しくなる

以前紅茶のブレンドについての記事を書きました。
▼参照記事:紅茶の選び方②~シングルオリジン?orブレンド?~

この中で「シングルオリジンティ」と「ブレンドティ」があることについて説明をしているのですが、日本の場合も同様です。

煎茶で例えるなら、以下のような違いがあると思ってください。


「ブレンドティ」は一般的にお茶屋で売っている産地名がついているもの。(やぶきたブレンドなどもありますが、例えば静岡茶、宇治茶、のようなもの)

上の例ですと、三種類とも静岡県産ではありますが「菊川茶」「掛川茶」「牧之原」と産地の特徴を出して販売しています。

販売されているところが製茶問屋なので、各産地で製茶された荒茶を仕入れ、自社の割合で配合(合組)をし、仕上げをして販売しているものと思われます。

その産地のものを産地の特色を出して仕上げ、販売しているという意味では飲み比べに最適です。

それに対して、「シングルオリジンティ」は以下のようなものになるでしょうか。


①作っている農家(産地)が明らか
②いつ作られたものかが明確(2020年春など)

となっています。

紅茶と若干違うのは「ロットについては分からない」ということでしょうか。
シングルオリジンティの定義がどこまでなされているのかが分からないので正確に言うと異なる可能性がありますが、誤りがありましたら後日訂正致します。(例えば品種名を書くか書かないかなど)

この例の場合は「屋久島の深山園」が2020年に作った品種違いの煎茶です。

「やぶきた」「さえみどり」「あさつゆ」の三品種となっており、こちらも品種の違いを楽しむためには最適なセットかと思います。

生産者が同じ場合は作り方や仕上げの仕方がほとんど同じ場合が多く、特に品種の違いを感じやすいでしょう。

品種の違いはどんなところで分かる?





今回は煎茶に限っての話とはなりますが、品種の違いは様々あります。

香り、味、その品種を煎茶にした場合に出てくる共通した香味、とでも言えば分かりやすいでしょうか。

桜葉のような香り
葡萄のような香り
穀物系の香り

などなど。

香りが一番分かりやすいので、「新版 茶の品種」にもこのような記載がされています。

日本茶の鑑定の場合、茶葉を熱湯に浸して出てくる香りや味を確認します。

これはどこかで飲み比べのセミナー等を受けるのが一番勉強になります。

一つ一つ飲んでいてもあまり分からないことが多いのですが、例えば10種類等を一斉に飲み比べしてみると「5番より6番の方が花の香りがする」とか「1番は他のものに比べて色が黄色い」等と比較、整理しやすいです。

これはどの茶種でも同じです。
▼参照記事:茶の鑑定(テイスティング)をする際の道具について

鋭い方や勉強をしっかりされている方は鑑定をすることで品種を当てられたりします。(普通はそこまでする必要ありませんがw)

品種について詳しく知らなくても、自分の好きな香りの品種がどれなのかが分かっていると購入や飲食する時にも便利です。

お茶屋に行った時に伝えやすいので、より自分好みのお茶を飲める確率が増えます。

もし茶の特徴などをもっと勉強したい方は三井農林のキャラクターホイールを参考にすることをおススメします。
筆者も利用させていただいていますが非常に便利です。
▼参照記事:三井農林の「お茶科学研究所」の研究がすごい!

とはいえ、品種にこだわり過ぎる必要はない


Twitter @shuminohabaさんより引用

先日Twitterで見かけた投稿で、お茶好きな方たちも色々と意見を飛ばしていました。

日本酒も茶もこういった経験をすることが多いです。
恐らく珈琲なども。

筆者自身も何度も体験しています。
周りの人がみんな「バラの香りがする」と言っているのに、筆者には全く感知できなかったりするような場合、自身の勉強が不足しているのではないか、鼻がおかしいのではないかと悲しくなったりしていました。
ぶっちゃけ今も時々あります。。

また、周りのみんながそう言っているために、自身では分からない香りを意識的に探して感知してしまうこともあります。

ですが、香りや味は人によって感じ方が様々です。

また、嗜好品ですので、多くの方が好まれる香りや味を受け入れなければならないということはありません。

嫌いなら嫌いで
理由は分からないけど好きなら好きで

あまり深く考えないでください。

そんなことで茶を飲むことをやめてしまうことの方がつまらないと筆者は思います。

このお茶飲むとほっとするなー
このお茶の香りを嗅ぐと幸せな気持ちになるなー

嗜好飲料なのですから、これくらいの感じで飲んでいきたいものです。

結び

今回は品種についてまとめてみたのですが、ものすごくさわりの部分という感じです。

もっとマニアックな方向に進む記事も書いていきたいと思っています。

筆者自身も品種茶がかなり好きで好んで購入しています。

ですが、お茶のプロであるお茶屋が販売しているような合組(ブレンド)されたお茶も好きです。

紅茶のブレンドの時にも書いたのですが、その土地の水に合うように、多くの方の好みに合うようにお茶屋は計算して合組(ブレンド)を行っています。

そのため、飲みやすく美味しいものが多いのです。
おまけに年中同じ味に配合しているので安定感があります。

品種茶の場合は当たりはずれも激しいです。

同じ品種であっても作り手によって全く違う香味になっているものも少なくありません。

どちらを好むのもあなた次第。
どちらも楽しめるようになれれば楽しみ方は倍。

で・す・が!

先ほども書いたように、まずは自分が好きだと思うお茶を飲んで癒されること。
幸せだと思えること。

それが何より大事です。