兼業茶農家の仕事‐雑草と虫とわたし‐





少しずつ暑くなり、雨が増えました。

湿度が高くてもうすでにエアコンの虜。

一番茶期を終えた筆者の畑のその後について、簡単な作業日記です。

暑くなると増えるもの、そう、雑草(と虫)。

それよりなにより筆者の畑がどんなのか知らないけど?

そういえば、畑の詳細について書いていなかったような気がするので簡単にご紹介します。

筆者のところは現在茶畑は4か所あります。
トータルで5反ほど

兼業でやっていけるレベルの畑ですので全体的に畑は小さいです。
写真もいつもバラバラの畑で撮っているので、よく見るとおかしいところがあるかも知れませんがご了承ください。。

筆者のところの畑は農薬も使用せず、緑茶用の畑以外は肥料も撒いていません。

肥料を撒くのも年間通して撒いている訳ではなく、一番茶収穫少し前に芽を元気に出す程度の肥料です。

刈り落とした葉や刈った雑草が自然と肥料になっている状態です。

…聞こえはいいですが、ただのほったらかしです。(笑)

雑草との闘いが本格的に

暑くなり、雨が多くなると増えるのは雑草と虫と病気。

なにせ兼業のため、土日しか畑に行けません。
6月に入ってからは毎週草刈りです。






そしてこちらは、兼業茶農家の畑仕事‐更新という作業について‐でご紹介した畑です。


これね。

丁度一か月前にアップしている記事ですね。

あれ?
芽が出てきた???

と思ったあなた、残念でしたーーーー!←イラっとするヤツ

蔓ですよ…。蔓…。
この畑はまだましな方で、半分くらいしか覆っていませんでした。

とはいえ、思えば更新してから一か月くらいこの畑には行っていなかったので、筆者が悪い…。

それほど暑くもなく、まだ梅雨入りする前だったにも関わらず、半分蔓が覆っているのです。

想像してみてください。
これが6/25~7/25の一か月だったら…。

オソロシイ…。
恐らく茶はどこにも無い状態になっているでしょうね…。

こちらは3畝(10畝が1反(約10ha))ほどしかない畑ですが、相方と二人で黙々とむしるにむしって、気づいたら日が暮れていました。(午後から行った我々が悪い…)

どんな植物がいるの?

蔓にも多数の種類があります。

全部は撮りませんでしたが、今回はこちら。

ヤマイモと草イチゴ(へびイチゴ?)

ヤマイモは蔓が細くて、結構しっかりとしているのでなかなか抜けない…。
秋には実をつけるのですが、「むかご」と呼ばれて食べます。

茶畑の秋の隠れた名物の一つです。

「むかごご飯」は美味しいですよ。
小さいですが、味はちゃんと芋です。

筆者は揚げて食べるのが好きです。

下の写真の草イチゴかへびイチゴはバラ科なので棘が酷いんです…。(涙)

手袋二重にしていても刺さったりします…。
赤い実がなり、あまり美味しくないですがジャム等を作ることはできるようです。

気が向いたらそのうちやってみようと思います。←多分向かないケド

本当はメインの「ヤブガラシ」や「ヘクソカズラ」のようなものの写真を撮るべきだったのに、蔓取りに必死になり過ぎて忘れていました…。また今度…。



虫も増えてきた

虫に関しては、筆者非常に興味津々なのですが嫌いな方も多いそうなので、上げないことにしています。

久しぶりに見かけたこの人だけ、そっとあげておきます。

そういえば大人になってからあまり見なくなったような気がします。

いえ、多分いらっしゃったのだと思いますよ。
筆者が汚い大人になっちまって見えなくなっていたのかな…←

梅雨を感じますね。

カマキリや蜘蛛の卵が大量に孵り、赤ちゃんたちがうじゃうじゃ歩き回っていたのがつい先日の出来事。

もう随分成長してきて、あちこちで蜘蛛の巣がはられ、虫を食べています。

暑い夏が着実に近づいています。

結び

雨が続くと葉の病気も増えてきます。

今年は深く更新を行っているので恐らくそれほど病気にはならないと思います。

トップの画像は更新した後から出てきている茶の赤ちゃんです。

かなり老木の上、葉が刈り取られて光合成も大変な状況でも彼らは生きています。

生きるために芽を伸ばしています。

蔓取りや草刈りは大変ですが、こういう姿を見せてくれると頑張る意欲が湧いていきます。

更新をしていない畑が一つだけあるので、そこは良い芽が出ていれば製茶をまたしようと思っています。

茶殻どうしてる?捨てる?再活用?伊藤園の茶殻リサイクルシステムから考える





お茶を日常的に飲む人たちは皆様感じているとは思いますが、過剰に生ごみを排出しがちじゃありませんか?

■気づくと三角コーナーに茶殻しか入っていない
■可燃ごみの袋の大半は茶殻だ

そう、あなたのことです。(そして筆者のことです)

当然のことながら、お茶を飲めば茶殻が出ます。
ティーバッグも生分解性素材のものだとすれば、ティーバッグごと生ごみです。
▼参照記事:ティーバッグってどこでどうやって生まれたの?素材はどんなもの?ティーバッグについての色々

どうしても発生してしまう茶殻問題。

家庭での茶殻の活用方法や、企業の努力についてもまとめてみたいと思います。

一般家庭どころか大企業も茶殻処理に苦労してる?

先日ニュースになっていましたが、伊藤園が茶殻を活用して、抗菌対策自販機を設置するとのことです。

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伊藤園は、株式会社ワンウィルとサンロック工業株式会社と共同開発した製品「茶殻配合シート」を活用した「茶殻抗菌シール」を、自動販売機での購入時に手が触れる部分に貼付した、抗菌対策自動販売機を6月より順次展開する。衛生面への配慮が求められる病院や介護施設などから先行し、全国30,000台を目標に展開する。

茶殻抗菌シールは、独自の技術「茶殻リサイクルシステム」により開発され、カテキンなど緑茶成分由来の抗菌効果がある。同社によれば、茶殻配合シートは、大腸菌、MRSA、サルモネラ菌、白癬菌を用いて抗菌力評価試験を行ったところ、抗菌効果が認められたという。

▼引用:“茶殻”を活用した抗菌対策自販機、伊藤園が3万台展開へ

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この記事を読んでいて、伊藤園で働いている知人から手紙が届いた際に、茶殻入り封筒だったことを思いだしました。

それもかれこれ5年ほど前の話ですが、伊藤園のHPを見ると2000年から独自の「茶殻リサイクルシステム」を開発されているそうです。
そしていくつもの賞を受賞されています。



確かこの6折紙ナプキン、静岡のお茶の郷博物館(現在:ふじのくに茶の都ミュージアム)のレストランで使っていました。
現在は存じ上げませんが…

意識していなくてもお茶のイベントなどで見かけているんですよね。

伊藤園HPにある「茶殻リサイクルシステム」開発秘話などを読むと、「10トンの茶殻を燃やすのに5000リットルの灯油が必要だったため、水を含んだまま茶殻を運んだり処理したりする方法を考えた」とのこと。

ここがすごいところ!

生ごみとして捨てるだけだと、水分を含んで相当な重さになる上に燃やすのに相当なエネルギーを消費するのです。

そのため家庭でも茶殻を再利用する場合は乾燥させてから使用することが多いです。

茶殻は水を多く含みカビやすいため、筆者も余裕がある時はオーブンで乾燥させたり、日干しにしたりしてから可燃ごみとして捨てています。

それを水分を保持したまま処理できるようにしたというところに企業努力を感じます。

あれだけの大手企業ですとペットボトルの売れ数から考えれば、茶殻の量は想像できないほどの量になります。

そこから新たな商品を生み出すとは…。
びっくりしたものにはお茶殻ベンチや屋内向けのタイルまでありました。

そして、ペットボトルが今ほど普及する前からリサイクルについて考えているとはさすがです、伊藤園。



家庭での茶殻はどうしてる?

茶殻の活用方法として、筆者が頻度高く利用しているのは以下になります。

①食べる
②除湿、乾燥剤
③消臭剤
③堆肥にする

簡単にですがご紹介したいと思います。

①食べる


こちらは以前にもご紹介しました。
▼参照記事:茶葉を食べる?筆者おススメレシピもご紹介

新茶の場合、柔らかいものが多いので茶殻にそのままポン酢をつけて食べると非常に美味しいです。

水溶性の栄養分は茶を飲むことで摂取し、脂溶性の栄養分(ビタミン等)は茶殻を食べることで摂取できます。
一石二鳥!

 また、新茶の時期になると、多くの方が新茶を飲んだ後の茶殻でおにぎりを作っていますね。
▼参考:お茶をいれた後の緑茶葉おにぎり

あくまで好みですが、筆者は新茶の時期の煎茶の茶殻を食べるのが一番美味しいと思っています。(ちなみに乾燥状態で食べるのも好き、ポリポリ)

②除湿、乾燥剤
③消臭剤
②と③はほぼ同じくらいの頻度ですね。

こちらは飲んだ後の茶殻を乾燥させてから使用します。

筆者は電子レンジでカラカラに乾くまで乾燥させて、小さい布の袋などに入れて洋服ダンスに入れます。

乾燥剤兼消臭剤として使用できます。

布に入った乾燥茶殻にエッセンシャルオイルを垂らして、ポプリのようにも使用しています。

一番使うのがシューキーパー。

使い古したストッキングやシャツの腕を切って、縫い合わせてそこに乾燥茶殻を詰めるだけ詰めて、ロングブーツに入れると形を保つのにも最適。

これからの梅雨時期や冬のブーツ等を履く時期には消臭剤代わりになって便利です。

匂いが取れたらついに生ごみとしてポイ。

これだけ使えば、心おきなく捨てられるというものです。

③堆肥にする

これは普通の生ごみと同様です。

家庭用コンポストは今かなり安く購入できますね。

ただ、筆者の現在の住まいは庭がないため、コンポストが使えません…。
室内で使えるコンポストもありますが、少々香りがね…ほら夏だし…。。

店時代はこれでかなり生ごみを処理して、ゴミの量を減らしていました。
また、庭の植物への堆肥としても使っていました。

理想的には茶殻をコンポストで堆肥にし、それを茶畑で撒きたいと思っています。
あ、でも共食い…?w

結び





茶殻リサイクルシステムが非常に気になったのは、丁度三角コーナーが茶殻で埋まっていたからでした。

特に今は水出しを毎日3ℓくらい作っているので、お湯で飲む場合よりかなりの茶殻が発生するのです。。
▼参照記事:夏必携!HARIO カークボトルはすごい!割れない、耐熱、横置きできる!
▼参照記事:緑茶の水出し?淹れ方でカフェインの量は変わる?

そしてそれを上回る店時代に茶殻の消費するため色々なことを試しました。
ネットで調べて枕も作ったことが…。



最近よく見かけるのは緑茶配合の上記のような消臭スプレーやアルコールですね。

緑茶に殺菌効果、抗ウイルス効果があることは知られています。

ただし、新型コロナウイルスに関してはまだ研究結果が出ていません。
▼参照記事:「緑茶に含まれるカテキン類が新型コロナウイルスに効果的 」という文言はアウト!消費者庁の注意喚起。

それでも、お茶好きな筆者は「なに?!緑茶成分配合?」と知っては購入してしまうのでした。(笑)

ちなみに、食器用洗剤も現在緑茶成分配合…w

実際に一般家庭でのカテキン効果がどれほどあるのかは筆者も正直よくわかっていませんが、こうして様々な企業も活用しているくらいですから間違いなくあるのでしょう。

リサイクルという意味でも、殺菌効果という意味でも茶殻を活用していきたいものです。

兼業茶農家の畑仕事‐更新という作業について‐





先日、筆者が生葉を摘採して工場に持っていくという話を書きました。
▼参照記事:兼業茶農家とは?実際兼業茶農家ってどういう感じで茶と関わっているの?

兼業茶農家である筆者は一番茶を摘採し、工場に出荷。
残念ながら煎茶を作る、という作業はありませんがその後も茶畑の仕事は続きます。

あくまでも兼業茶農家としての畑仕事となりますが、茶畑で行う作業は様々ありますので、まずは更新について実際に行った作業をご紹介したいと思います。

更新とは?

「鋏摘みを繰り返すと、枝条が細くなり、新芽数は多いが百芽重が小さくなりすぎる。
そのようになった場合や樹高が高くなり過ぎて摘採作業が困難になったときに、枝条の若返りや樹高を下げるための操作が更新である。」
▼参照:<図解 茶生産の最新技術>より引用

要するに、新芽が伸びた部分(木の表面)だけを茶刈りしていくと、上の方の枝がどんどん細くなり、弱い芽ばかりが増えてしまいます。(芽数(がすう)が増えると言います)

そのため、芽の数は少なくなりますが、しっかりとした強い芽を出させるために細い枝を刈り落とします。(芽重(がじゅう)型の芽を作るため)

また、機械で刈るときに樹が高すぎると、刈り取るのが大変なため、刈りやすい高さに揃えるという作業でもあります。

一番茶が終わった後に刈るケース、二番茶の後に刈るケース、茶農家によっても、茶木の状況によっても様々です。



実際にはどういうことをするの?

筆者のところでは、可搬型機械で刈り落としを行いました。

とは言っても、摘採で使用した機械とは違う「浅番刈機(あさばんかりき)」を使用して葉の下にある枝を刈りました。
▼参照記事:日本のお茶刈り(摘採)について‐手摘み?ハサミ?機械?なんのこと?


▼参照:落合刃物工業株式会社HP

【更新前】

【更新後】

五分刈りだった頭を坊主にしてしまったような感じ?違う?

まだまだ伸びている新芽があるので、刈り取るのは心苦しいのですがこれをすることによりまた数年元気に良い芽を出してくれる(はず)です。
脇が汚いのは後日また別途刈り取ります。。

筆者の畑の茶木はもう経済年齢をとうに過ぎているのと、写真の畑の場合は紅茶、烏龍茶用のため肥料をやっていません。
そのため、更新をしたとしても芽が充実するかは正直不明です…。

【補足】芽数(がじゅう)型と芽数(がすう)型について

先ほど記載したように、多少新芽の力が弱いものの数で勝負の芽数型か、新芽自体のパワーは強いものの数は少ない芽重型か、という感じです。

どちらを選ぶのかは茶農家によって違いますし、作りたい茶によっても異なってくるかと思います。

言葉で書くと非常に飲み込みにくいのではないかと思いますので(筆者がそうでした…)漫画で描かれているサイトのリンクを貼っておきます。
非常に分かりやすいのでお勧めです。

▼参考:株式会社静岡茶通信直販センターHP


▼参考:株式会社静岡茶通信直販センターHP

筆者のところはかなり樹高が高くなったため一番茶終わってすぐに更新をしました。

二番茶も摘採する場合は二番茶後に更新を行う場合もありますし、浅く刈って(浅刈り)二番茶の成長を邪魔しないようにする場合もあります。

更新の頻度、時期、刈り取る深さ等は茶木の状況を見ながらの茶農家の判断に寄ります。

結び





茶畑の仕立て方についてはまだまだ勉強すべき点が多くあります。

筆者のところはほとんどが紅茶、烏龍茶用の畑のため煎茶の仕立て方と変えた方が良いのかも知れませんし、品種によっても対応方法は違うのだと思いますのでこれから試行錯誤です。

一つ一つの作業に意味があり、良い葉を育てるまでの工程は農家によって様々です。

茶農家の考え方を聞いてみるのは非常に勉強になるでしょう。

「なぜ、こういうお茶を作ろうと思ったのか」
「このお茶を作るためにどういった畑の管理をしているのか」

皆さん、それぞれに信念があり、考え方も異なります。

茶を売る側は特に農家の考えを正しくヒアリングして、顧客に伝えなければならないと思います。
それがなかなか難しいのですが…←経験者

他を批判するのではなく、他の考えを参考に、自分なりのやり方を確立していければと思っています。

苗や種が育つのはまだまだ先なので…。汗

▼参考文献:茶園管理12か月 生育の見方と作業のポイント 木村政美著(農文協)
▼参考文献:図解 茶生産の最新技術ー栽培編ー 社団法人静岡茶業会議所

日本のお茶刈り(摘採)について‐手摘み?ハサミ?機械?なんのこと?





筆者は茶の栽培に関わるようになって日が浅いです。

何度も書いていてしつこいですが、筆者は元々お茶カフェを経営しており、淹れる方が専門でした。(おまけに紅茶の方が強い)

日本茶の資格も持っていますが、実際製茶の現場で細かく製茶についてお伝え出来るかと言えば(残念ながら)そうではありません。
今も怪しい部分は多々ありますが…

2020年の新茶期を過ぎて、色々と気づいたことや感じたことがあったのでまずはお茶刈りについて簡単にまとめてみたいと思います。

日本のお茶刈り(摘採)について

日本茶の場合、ほとんどの農家は機械摘みです。

…機械摘み、と言われて頭に浮かぶだけでも十分お茶を知っている人ではないでしょうか。
茶を摘むことを「摘採(てきさい)」と言います。

「機械摘み」と言っても、大きく分けて二種類あります。

可搬型機械摘み(二人用茶摘機)

②乗用型機械摘み

他にもレール式や自走式等あるのですが、今回は大きく上記2つに分けてメリットデメリットを見てみましょう。

①可搬型機械(二人用茶摘機)摘みとは?


▼参考:落合刃物工業株式会社HP

両側を人が持ち、後ろの部分に大きな袋をつけます。

本体の手前にギザギザの葉が付いているのが分かると思いますが、ここで新芽を切り、モーターで起こした風によって後ろの袋に切った新芽を送っていきます。

…という説明でも分かりづらいので、動画を探しました。(音注意!)

お分かりいただけますでしょうか…。
今は動画があってありがたいですね。

筆者も様々な農家がSNSで動画をあげているのを見て、「こんな機械もあるんだなぁ」や「持ち方がちょっと違う」などを学んでいます。
今年は特にSNSにアップしてくれている農家が多い気がしています。気のせい?

②乗用型機械摘みとは?

▼参考:落合刃物工業株式会社HP

こちらは両側にキャタピラが付いていますが、その間に茶刈機が付いています。(シルバーの部分)

そこで刈った茶葉を後ろのコンテナに積み込んでいくものになります。

かなり大型です。

こちら非常に分かりやすいです。

一人が茶刈機を運転し、ガーーーーっと刈り取り。
もう一人はコンテナから出した茶葉をトラックで工場に運ぶ。

しかも可搬型機械(二人用茶摘機)摘みに比べて一気にたくさんの量が収穫できることが分かると思います。

刈られた後も綺麗ですね。

※ちなみに、コンテナではなく袋をつけて収穫を行うタイプもあります。
今回は可搬型と比較しやすいようにコンテナのものを採用しました。



可搬型機械(二人用茶摘機)摘みと乗用型機械摘みのメリットデメリット

★可搬型機械(二人用茶摘機)摘み★

【メリット】
・小回りが利く
・微調整がしやすい
・山間地(急傾斜)でも刈れる

【デメリット】
・人手がいる
・収量が限られる

★乗用型機械摘み★

【メリット】
・大量に収穫が可能
・人手が少なくて済む

【デメリット】
・初期費用(維持費等)がかかる
・平地でなければ使用できない

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他にも細かい部分はたくさんあるのではないかと思いますが、大きい部分をピックアップして比較しました。
とはいえ、乗用型機械を使用したことないので筆者には細かいところは分かりかねます。。

可搬型機械(二人用茶摘機)摘みの場合は山間地(静岡の山の方など)ではよく見かけますし、乗用型機械摘みは平地(鹿児島など)でよく使われています。

傾斜が多いような場所ではどうしても可搬型機械(二人用茶摘機)を使わざるを得ず、効率が上がらないというのが現状です。

乗用型機械摘みは機械を購入するのにかなりの費用がかかると思いますが、茶畑の仕立て方も乗用に合わせてしまえば毎年安定した収穫ができて、しかも工場への搬送時間も短くなる傾向にあり、新鮮な状態で製茶に進めるため「より良いお茶」を作れると考えられます。

山間地ではあえて可搬型機械(二人用茶摘機)も使用せず、人の手で摘むことによりプレミアム感を持たせて販売しているようなところもあります。

※絶対、という訳ではありませんが機械で摘むよりも人の手で摘む方が茶葉の状態は良いと言われています。
機械の場合はどうしても摘む葉の位置にバラつきが出てしまいますが、人が摘むと同じ大きさで摘めるので良質になりやすいようです。
▼参照記事:煎茶伝統の手揉み茶が危機?手揉み茶とは?皇室献上茶とは?

時々聞く「ハサミ」って何?

こちらは茶業界用語なのではないかと思います。

筆者も最初聞いたとき「ハサミ?」となりました。。

機械刈りのことを通称「ハサミ」と言います。

「やぶきたのハサミです」=「やぶきたという品種を機械で摘採しました」
という意味です。

筆者が知っている限りでは可搬型機械(二人用茶摘機)摘みを「ハサミ」ということが多いように思います。(乗用の場合も言うのかな…?どなたか教えてください。)

農家に話を聞くときに時々出てくる場合があるので、覚えておくと便利です。
試験に出ます(笑)

ちなみに、本当に「茶ばさみ」というものもあります。

一人で茶摘みをすることが多い筆者はこちらが非常に欲しいです。

使ってみたことがないので詳細は分からないのですが、かなり収量が上がると思いますので欲しい…!

一人用茶摘機もあるのですが、そちらよりもレトロな感じで茶ばさみ欲しいです。(訴え)

結び


そもそも上記写真のように茶を仕立てているのは機械で刈り取るのに都合が良いためです。

手摘みで良ければ、「自然仕立て」という形で畝にせず、自然に伸ばして育てていきます。
▼参照記事:煎茶伝統の手揉み茶が危機?手揉み茶とは?皇室献上茶とは?
▼参照記事:旅の思い出2019年5月-京都府茶業研究所①(玉露の本ず栽培)-

茶農家は少しでも効率よく、収量が取れるように年間通して茶畑を管理しているのです。

そのためには機械で刈り取る際に一斉に新芽が伸びるように、茶期以外の管理や品種選び等が大事になってくる訳で、結局「茶農家スゲー」ってことです。(雑)

筆者は見習い(兼業)茶農家ですが、専業茶農家は本当にすごいです。

ただ、見習いだからこそ、「知らない人」の気持ちがよーくわかるのです。
筆者も知らないことがまだまだ多く、常に学びです。

「茶を知らない人」にいかに分かりやすく伝えていくか。

これは多くの茶業関係者の悩みでもありますので、筆者もできるだけ平易に伝えられるように努力していきたいと思います。

少しずつ新茶も届いてきました。
農家と自然に感謝しつつ、美味しくいただいていきたいと思います。(^^)/



茶を作る2020‐出始めの新芽で作る釜炒り茶‐

新型コロナウイルスのため多くのイベントが中止になってしまいました。

茶のイベントも例外ではありません。
茶畑で行う茶摘み体験も多くが中止。

人数が必要な手摘みの場合などは万全の対策を講じた上で募集をかけているところもあるようです。

ありがたいことに筆者は相方と車で畑に行って、二人だけで畑仕事をしていますので問題はありません。
とはいえ、実際に要望いただいていた茶摘み&製茶体験のイベントを中止にしています。

今回は出始めの新芽を摘んで、少しだけ自家製茶を作りました。



製茶を始める前に

製茶をしてみたい、という方は多くいらっしゃるようです。
筆者もそのうちの一人です。

子どもの頃茶処で育った、というような方ですと町内会のイベントでお茶摘みや製茶体験をした経験があったりするようですね。

ただ、茶と縁もゆかりもない土地に住んでいると茶の木を意識してみたことがないと仰る方も多いです。
探して見ると垣根になっていたり、畑の隅っこに植えられていたりします。
あと、寺とか結構あちこちに植えられていますので要チェック!

前回、製茶の絵本について記事を書いているので、もしお茶を作る機会があったら是非参考にしてみてください。
▼参照記事: 製茶を始める前に。「茶の絵本」がおススメ!

先日作ったのは、まだまだ出始めの若芽を使った「釜炒り茶」と「紅茶」です。

静岡では「ミル芽」と言います。
「この葉はミルい」、という言い方をするのですが「ミル」の語源は分かりません。
最初聞いた時に聞き返したのを今でも覚えています。笑

萌黄色の生まれたてと言ってもいいような柔らかい芽。

齧るとと柔らかく、青い葉の香りが口中に広がります。
もう少し大きくなったくらいでよくてんぷらにして食べますね。

春の味です。

本来こちらの芽ですと普通煎茶の収穫には早すぎるかと思います。

ですが、筆者はこういった芽を摘んでも問題ない環境であることと(趣味のようなものなので)、成長の過程でどのような味(香り)の変化があるのか学びたくて摘んでみることにしました。

今回使ったのはホットプレートとざると菜箸、軍手。

ちなみに、軍手ですが熱い茶葉を触ったり、ホットプレートに触れてしまったりするため純綿のものがお勧めです。


相方が以前ホットプレートで軍手を溶かしてしまい、変な味のお茶になってしまったそうです。。

純綿軍手、実際に使用していますが厚手のものであればほとんど熱を感じず、子供さんでも問題ないかと思います。

また、手首が隠れるくらいの方がやけどを防げるかも知れません。
結構ホットプレートの端っこで手首をやけどするんですよね。。←経験者
とはいえ、十分ご注意を!


こちらは畑で摘んできたばかりの新芽たち



製茶工程を順を追って

本来は動画が一番分かりやすいかと思いますが、そういうの無理なんで(?)写真多めでお送りします。

前回の記事でご紹介した「茶の絵本」に従って作っています。

①生葉200~300gを用意。
ホットプレートの温度を200~250℃に温めておく。


最初、水分が多いので熱いホットプレートに入れるとじゅーっと湯気が立ち、すぐに焦げてしまうため軍手をした手と菜箸で手早く全体に熱が入るように混ぜます。

熱が均一に通ったところで一度ざるにあけます。

②熱を冷まして(蒸れないように時折かき混ぜて)優しく揉む。

③ホットプレートの温度を140-150℃程度に調整し、表面の水分を飛ばしていく。

④再度ざるに取り出し、揉み、またホットプレートに戻す…を数回繰り返す。
※途中で粉が出たら振るうこと(焦げるため)
※あまり揉みすぎてべたべたにしないこと

⑤120℃程度のホットプレートに和紙などをひき、乾燥。
時々かき混ぜる。

⑥全体的にパリパリになって乾燥したら完成。

多分摘んだ後からの工程で1時間半くらいあれば余裕です。
葉の量にもよりますが、今回は100g程度。

作ったら試飲しよう

普通に急須などで淹れても良いと思いますが、なんとなくカップに茶葉を入れて熱湯を注いでテイスティングしました。

少し乾燥が弱かったため、生の葉のような味わいが残りつつきちんと釜炒り特有の香りもあります。

渋みもそれほどなく、なかなか美味しく出来上がったと自画自賛。

撚られた葉がゆっくりと静かに開いていく様が本当に癒しを与えてくれます。

急須で淹れる場合は釜炒り茶ですので、85℃~90℃ほどのお湯で抽出すると良いのではないかと思います。

また、しっかり乾燥させたつもりでも、おそらくかなり水分は残っているかと思います。

製茶から少し経って、再度ホットプレートで軽く炒ってあげると風味に変化を与えることが出来ます。

「焙煎」や「仕上げ火入れ」になるでしょうか。
▼参照記事:武夷岩茶・焙煎の現場についてのセミナーで焙煎を学ぶ



結び

中国緑茶はおそらくこれくらいの柔らかい葉で作るものがあるのではないかと思います。
明前とか。

そのようなイメージで今回は作ってみました。

紅茶も作りましたが、そちらはまた今度。

これからは土日しっかり畑仕事が入ってくるのでますますブログが…。
平日はコロナ騒ぎで毎日大わらわです…。仕事があるだけマシと思うしかないのでしょうか…。

海外の茶園も少しずつ稼働し始めているのでまた記事にまとめたい気持ちもあるのですが、あるのですが…!!!←察して

筆者の小さな茶園の様子もまた少しずつアップしていきたいと思います。

さぁ、新茶期、皆さん財布のひもを緩めましょう!!!←?