世界お茶まつりの会場内ではないのですが、井村園がこの期間に行っていた紅茶作り体験に参加させていただきました。
井村園は今和紅茶界で有名な「ももか」という桃の香りがする紅茶を作っている生産者です。
ほのかな桃の香りがして、紅茶らしいしっかりとした渋みも感じることが出来ます。
この桃の香りが出るのは限られた場所で作られたものだけだとか。
本を読んだだけの適当な製茶しかできない筆者にとっては貴重な経験となりました。
紅茶作り体験-ダイジェスト-
今年の夏摘みのウンカ芽を使用した萎凋葉を使用して、発酵度を変えながら紅茶作りをします。
はじめに製茶の流れを説明をしてくださいました。
製茶の流れとしてはこうです。
摘採⇒萎凋⇒揉捻⇒発酵⇒発酵止め⇒乾燥⇒焙煎
①摘み取り
今回は機械摘みの芽を使用。
手摘みだと芽がそろうので問題ないが、機械だとどうしてもバラつきがでてしまう。
②萎凋
日干萎凋は葉にムラができてしまうため、現在井村園では行っていない。
風を当てながら長時間室内で萎らせる。
気温もうまく調整が必要。
※今回は萎凋させた茶葉を冷凍しているため、細胞が壊れて赤くなってしまっている。
③揉捻
茶葉の水分を均一にして、発酵を促す。
優しく揉むと淡泊で水色は薄くなる。
強く揉むと水色は濃く苦渋みが出やすい。
最初はやさしく、次第に強く。
④発酵
茶温30℃以上に上がってしまうとダメ。
乾燥しないように水で濡らした布に包んで30分~2時間程度置く。
イメージは「酸味のあるりんご」から「熟したリンゴ」。
少しこのまま置きます。
⑤発酵止め
出来るだけ高い温度を茶葉に当てていく。
⑥乾燥
少し温度を落として水分率で5%くらいのところまで乾燥させる。
水分が残っていると後から酸味が出る。
乾きにくい大きな葉がぱきっと折れるくらいになればオッケー。
今回は上記写真の棚乾燥機で発酵止めをし、そのまま乾燥。
少しぱきっと折れるくらいまで置きました。
⑦焙煎
出来上がったお茶にアクセントをつける。
焙煎が弱ければフレッシュに。
強ければ香りも強く重厚になる。
今回はホットプレートと小さな火入れ機で軽く焙煎します。
ここを出すタイミングが難しい!
香りが立つ頃が良いそうなのですが、焦げるのが怖くて香りが立ってすぐに出してしまいました。。
⑧熟成
出来上がったばかりだと苦みやえぐみを感じるが、時間を置くと良くなる場合がある。
湿気は大敵なのでそれを防いで1か月、半年と変化を楽しむ。
製茶している間の色々
井村園の一番茶べにふうき紅茶を使用した水出しボトリングティ。(三井農林作)
甘くて、桃の香りがして美味しい。
よくももかには【SF-2Y】というようなロットナンバーがついています。
Yは八木式揉捻機のYとのこと。
通常は違うメーカーの揉捻機を使用しているけれど、一部変えて揉捻しているそうです。(コンテスト用に別に作ったり)
ちなみに揉捻機はこういうもの。
こちらは井村園さんに置いてあった小さな揉捻機。
生葉で2キロくらいしか揉めないそうですが、葉を入れて揉む機械です。
揉捻を行う目的は若干異なりますが、緑茶にも紅茶にも揉捻という工程があります。
時間に余裕がある時に工場見学もさせていただきました。
うまく写真が撮れてないので、こちらは割愛させていただきます。無念。
ティスティングをしてみた!
今回10人の参加者がおり、萎凋葉をすぐに発酵止めしたチームと揉捻して発酵を進めたチームに分かれて作りました。
チームごとに同じものが出来ている訳でもなく、十人十色とはまさにこのこと。
全く違う味、香りの紅茶が出来上がりました。
筆者の作ったものはなんだかえぐみが強く、香りもない。。
今回ご指導くださった井村典生さんによれば、「1か月ほど熟成させれば美味しくなる(はず)」とのこと。
その言葉を信じ、まだ熟成中です。
パッケージは販売されている「ももか」と同じものに入れていただけて、持って帰ることが出来ました。
プレミアム感がすごい…!
結び
先生のご指導のお陰で、きちんとした紅茶が出来上がった印象です。
ティスティングをした限りではあまり…でしたが化けるのを待ってます。笑
筆者が通常製茶体験するのは「やぶきた」という緑茶用品種のため、「べにふうき」という紅茶用品種で作ることが出来たのは良い勉強です。
紅茶の知識だけではなく、井村園の製茶についてや他の方との交流もとても楽しかったです。
次に井村さんにどこかのイベントでお会いできるのかな…?
▼参考記事:日本でも紅茶が作られている?-和紅茶の歴史やイベントなどについて-
また、美味しい紅茶をいただきたいです。
(煎茶も美味しいんですよ!)
井村園のみなさま、本当にありがとうございました!
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