今回はちょっと独り言のような内容になります。
ネガティブな内容で、お茶とは関係ないので、お嫌な方はご覧にならないでください。
何度か書いていますが、筆者は数年前まで小さいお茶カフェをやっていました。
カフェを開くために、飲食店でずっと働いてきて、店を閉めた後は普通にサラリーマンをしています。
どこの世界もそうですが、儲かって豪遊している方などごく一部。
少なくとも筆者の周りの個人事業主で、楽に暮らしている人はいませんでした。
どんな仕事も断らずにやり、笑顔を欠かさず、裏で血を吐くような状態の方が多いです。
「好きなことだけをやっていられていいですね」
「毎日楽しいでしょう」
店をやっている時に、よく言われました。
確かに、好きなことをさせていただいていました。
楽しいこともたくさんありました。
素晴らしい出会いや店をやっているからこそ学べたことも数えきれないほどあります。
ですが、裏では魚が死んだような目で過ごしていた日々もたくさんありました。。
今回の増税は他人事ではありません。
ニュースを見ながら、胃が痛くなります。
筆者も実は認識していなかったインボイス制度についても調べてみました。
個人店の元店主として増税に思うこと
筆者の店は本当に小さな店で、筆者と従業員が一人いました。
フード、ドリンクの作成から片付け、レジ打ち、包装、掃除、メニュー作り、ポップ作り、SNS等の宣伝、集客…。
非常に細かいですがやることは常にてんこ盛り。
お客様の流れにも左右されますので、予定していたことが出来ない場合もあり、逆にお客様が全く来なくて売上の心配ばかりしている時もあります。
そこで、この増税。
おまけに煩雑な軽減税率。
極めつけが4年後のインボイス制度。
仕入れするものが10%に上がれば、カフェで提供(販売)するものも価格を上げざるを得ません。
価格を変更する⇒メニューもポップも作り直し⇒レジの入力訂正⇒時間ない⇒できない⇒店閉める
老舗の飲食店があちこちで閉店をしている、というのはおそらくこういった流れだと思われます。
色々なことを乗り越えてきたけれど、もう限界。
年齢的にももう無理。
何十年も続けてきたけれど、すでに65歳を超えているような方たちは皆さん「もう限界かな」と仰っていました。
ただでさえ時間がないのに、また新たに原価計算をして価格を決めて、店内のポップやメニュー表を作り直し、レジを直して、お客様にお知らせをして…。
9/30に徹夜で作業した店も多かったことでしょう。
通常の営業をしながらこれらの仕事をこなすのはかなりの負担です。
これは年齢問わず厳しいと思います。
筆者ももう嫌だと思いました。(;^_^A
思えば、筆者の店でも数年で原材料の値上げが何度も起こっていました。
実際筆者もそれにより、やむなく価格を何度か改定しています。
茶、バター等の乳製品、小麦粉、などなど。
「あれ?前は○○円だったような…?」
というお客様からの声が聞こえるとその度に胸が痛み、頭を下げに行ったことを思い出します。
筆者のように真面目に(?)店をやっている人たちはみんな苦しんでいます。
「そんなの仕方ないよ!国が悪いんだから!」
と言ってくださるお客様がほとんどですが、値上げにより明らかに足が遠のいたお客様もいましたし、嫌みを言われたこともあります。
だからこそ、「価格を変えずに工夫して乗り切ろう!」と頑張ってきた店が、今回の増税ではバタバタと倒れていくのを見ました。
身近な店も、テレビなどでも。
カフェで軽減税率は果たして…?
▼テイクアウトが出来るところは8%、店内で食べると10%
▼酒類は10%
▼セット売り、ギフト売りの難しさ
細かく書けばきりがないほど、個人店にとっては煩雑過ぎて混乱ばかりです。
個人店のカフェは価格が上がればやはり客足が落ちます。
残念ながら、コンビニのテイクアウトドリンクで十分、ペットボトルで十分、という方がほとんどの世の中ですから、他にメリットがなければカフェにはいかなくなってしまうかと思います。
お金さえあれば誰でも開けるのがカフェだと言われてきましたが、もうそうではなくなっています。
零細の個人事業主を淘汰するために、今回の増税とインボイス制度が考えられたとすら思ってしまいます。
インボイス制度については、正確に始まるのが4年後。(2023年10月1日から)
ですが、すでに2019年10月(増税と同じタイミングで)から「区分記載請求書等保存方式」を導入しています。
詳細は≪政府広報オンライン≫を。
インボイス制度については国税庁のPDFを。
課税売上高が1000万以下で益税を得られることがそもそも不公平だ、と言われたらそれまでなんですが…。
カフェで課税売上高1000万以上なんて、大手しかないでしょうね…。
インボイス制度については、筆者ももう少し勉強して改めてまとめてみたいと思います。
結び
増税だけならまだなんとか乗り切れるかも知れませんが、今後のインボイス制度を考えると筆者もきっと店を閉める決断をしていたと思います。
(違った理由で閉店しているのですが…。)
それは茶関係者も同じです。
販売する人も、仕入れを行う人もみんな厳しい現状…。
とにかく、個人事業主にとっては確実に向かい風が吹いています。
課税売上高が1000万未満で免税だった方たちから、消費税分を巻き上げて、弱いところは淘汰する、というのが今回の増税からの流れでしょうから、個人事業主はそれに負けない何かを手に入れる必要がありますね。
筆者はもう無理…。
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