お正月には「大福茶」を飲んで、一年の無病息災を願いましょう。
とか言いながら、関東以北に在住が多い筆者は「大福茶(おおぶくちゃ)」なるものを知ったのが10年ほど前のことでした。
関西方面の方は割とメジャーだそうで、子供の時から知っていたと言う知人もいます。
「大福茶」、ご存知ですか?
大福茶とは?
日本の食べ物用語辞典によれば、
「大福茶(おおぶく茶・おおぶくちゃ・obukucha)は、京都で正月に一年の無病息災と長寿健康を祈って飲む習慣のある縁起物の茶。
昆布(結び昆布)と梅干(福梅)を茶碗に入れ茶(主に煎茶や玄米茶)を注ぐ。
京都以外でも飲む習慣のある場所はあり、地域によっては正月のほか結婚式などの「ハレの日」に飲む場合もある。」
とあります。
大福茶の由来は?
初詣は、毎年恒例の六波羅蜜寺へ。 弁財天吉祥初稲穂を授与してもらい、皇服茶(大福茶)をいただく。
今年は暖かい京都のお正月。 pic.twitter.com/zfVogXggrp— meg (@megmmeg) January 3, 2014
こちらは京都の六波羅蜜寺のHPに記載があります。
「天歴5年(951年)空也上人が京畿に流行した、疫病退散を願って十一面観音像を造立した(六波羅蜜寺の創草)とき、御仏を車に安置して市中を曳きまわり、青竹を八葉の蓮片に割ってこれで茶をたて、中に梅干しと結昆布を入れ仏前に献じた茶をまず天皇に、そして病者にも授け、念仏を唱えられたところ、たちまち病魔が鎮まったという。」
今は一般的に【大福茶】と書きますが、六波羅蜜寺では【皇服茶】と記載がされています。
天皇(当時は村上天皇)が服した茶、という意味から【皇服茶】と書かれており、今も正月三が日には振舞われるそうです。
空也上人は上記写真の方です。
社会科の授業で見てますよね。
筆者は昔現物も見に行った覚えがあります。
口から出ているのは、念仏を唱えると6体の阿弥陀様が現れたという伝承に基づいているそうです。
空也上人が庶民に茶を振舞った平安時代中期はまだおそらく貴族にとっても茶はかなりの貴重品であったろうと思われます。
ようやく天皇が薬として飲んだと史実上で出てくるのが815年ですから。
そして、「茶=薬」の時代でした。(もてなしにも使われているそうですが)
▼参照:茶を飲むのは体に良いから?茶=薬?
そんな時代に空也上人は庶民に茶を振舞ったというのですから、今の時代まで名を残している訳です。偉人…!
そして、その時の疫病がどんなものかは分かりませんが、現代で確認されている薬効成分が効いたとするならば非常に興味深いです。
論文書けそう…
2020年のお正月には大福茶を飲みましょう!
という訳で、間もなくやってくる2020年の幕開けに大福茶を家族で飲むのはいかがでしょうか。
【材料】
・茶(煎茶、玄米茶、ほうじ茶、お好みで良いと思います)
・梅干(はちみつ漬けでもカリカリ梅でも)
・昆布(結んでいるのがベストですが、結ばなくても気にしない)
家にあるもので十分だと思います。
筆者は毎年トップ画像にあるように梅干しを少しと昆布を簡単に結んで飲んでいます。
思えば…梅昆布茶ですよね。笑
ちなみに、最近はネットでも購入できるようになっています。
金粉が入っていたり、高級な煎茶を使っていたり、様々な大福茶が販売されています。
近くのお茶屋さんでも販売しているところはあると思いますので、是非足を運んでみてください。
結び
年末にはお茶屋さんも大セールを行っていたりします。
もうあと数か月後には新茶が出てきますしね。今から楽しみ…
この時期、風邪予防にお茶でうがいもおススメですし、購入して残った煎茶は焙じてしまいましょう。
ほうじ茶が家にたくさんストックがあると、筆者はなぜか幸せを感じます。
ほっこりとした香りでしょうかね。
▼参照:茶うがいは効果ある?効果的なうがい方法は?
▼参照:ほうじ茶って何?自宅で簡単ほうじ茶の作り方をご紹介!
▼参照:年の瀬のほうじ茶作り。2019年に向けての棚卸
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