日本の茶には様々な品種がある?品種について学びたい!

品種本 茶のいろいろ

暑い日が続きますね。

相変わらず 仕事休みの日は畑に足を運んでいますが、それ以外は省エネモードで動いております。

出勤するだけで体力を奪われ、仕事で精神力を奪われ、帰って寝るだけですよ。本当に…。

さて、今日は品種について少し考えてみたいと思います。

茶の品種とは?

以前自身の畑でも「実生」と「苗」とどちらも育てているということを書きました。
▼参照記事:茶を育てる‐種から育てる編-
▼参照記事:茶を育てるー挿し穂から挿し木編①ー
▼参照記事:茶を育てるー挿し穂から挿し木編②ー
▼参照記事:茶を育てるー挿し穂から挿し木編③ー
▼参照記事:茶を育てるー挿し穂から挿し木編④ー

品種名は基本的に同じ遺伝子を持ったものの総称のため、挿し木で育てられるものだと考えた方が良いかと思います。
「やぶきた」とか「べにふうき」とか。

茶の教室を行う際に割とはじめの段階でお話しておくのが「茶には品種がある」ということです。

茶への興味がそれほどない方からしてみれば、茶畑に生えている茶は全部「茶」でしかない訳で、それが在来実生だろうと、やぶきただろうと、香駿だろうと全部「茶」以外の何物でもないのです。

「ほら、葉っぱの色と厚みが違うだろう?」

といくら言ったところで、「…言われてみれば、そうかな?そうかも知れない。」くらいです。
とはいえ、筆者も葉の形状などを見て品種を当てられるほどの力はありません。
もしかしてこの品種かも?くらいです。

そのため、茶の教室等で最初に説明させていただくのが、

「お茶には品種があります。
お米にコシヒカリやササニシキがあるようなものだと考えてください。」

ということです。

よく耳にする例えですが、お米で考えると非常に分かりやすいです。
例えば、寿司に向いているのは「コシヒカリ」、冷えても美味しいのでお弁当には「ゆめぴりか」等。

それと同じように紅茶向きの品種だったら○○、煎茶向きなら△△…と様々あります。
※海外のものは除く

また、病害虫への抵抗性、寒さや暑さへの強弱等々、品種にも様々な個性があります。

品種に興味を持った!

品種本
ここまで読んで品種に興味が出た!!!という方は結構なもの好きですね。(笑)

恐らくすでに興味を持っていて、たまたまこの記事にぶつかった方が多いのではないかと思います。

品種についてご興味ある方には「新版 茶の品種」という本をお勧めします。

こちらは「公益社団法人 静岡県茶業会議所」にて販売されています。

もしくは、「品種のお茶専門店心向樹」でも購入できます。

心向樹では1煎パックの煎茶、紅茶、烏龍茶等が販売されているので品種の勉強をしたい方にはかなり良いお店です。
▼参照記事:世界お茶まつり2019!<セミナー編④>「茶の品種から考える<これまでとこれからの日本茶>」

品種の違いで茶が楽しくなる

以前紅茶のブレンドについての記事を書きました。
▼参照記事:紅茶の選び方②~シングルオリジン?orブレンド?~

この中で「シングルオリジンティ」と「ブレンドティ」があることについて説明をしているのですが、日本の場合も同様です。

煎茶で例えるなら、以下のような違いがあると思ってください。



「ブレンドティ」は一般的にお茶屋で売っている産地名がついているもの。(やぶきたブレンドなどもありますが、例えば静岡茶、宇治茶、のようなもの)

※オリジナルの名前がついていることもあります。

上の例ですと、三種類とも静岡県産ではありますが「菊川茶」「掛川茶」「牧之原」と産地の特徴を出して販売しています。

販売されているところが製茶問屋なので、各産地で製茶された荒茶を仕入れ、自社の割合で配合(合組)をし、仕上げをして販売しているものと思われます。

その産地のものを産地の特色を出して仕上げ、販売しているという意味では飲み比べに最適です。

それに対して、「シングルオリジンティ」は以下のようなものになるでしょうか。


①作っている農家(産地)が明らか
②いつ作られたものかが明確(2020年春など)

となっています。

紅茶と若干違うのは「ロットについては分からない」ということでしょうか。
シングルオリジンティの定義がどこまでなされているのかが分からないので正確に言うと異なる可能性がありますが、誤りがありましたら後日訂正致します。(例えば品種名を書くか書かないかなど)

この例の場合は「屋久島の深山園」が2020年2021年に作った品種違いの煎茶です。

「やぶきた」「さえみどり」の二品種となっており、こちらも品種の違いを楽しむためには最適なセットかと思います。

生産者が同じ場合は作り方や仕上げの仕方がほとんど同じ場合が多く、特に品種の違いを感じやすいでしょう。

品種の違いはどんなところで分かる?

今回は煎茶に限っての話とはなりますが、品種の違いは様々あります。

香り、味、その品種を煎茶にした場合に出てくる共通した香味、とでも言えば分かりやすいでしょうか。

桜葉のような香り
葡萄のような香り
穀物系の香り

などなど。

香りが一番分かりやすいので、「新版 茶の品種」にもこのような記載がされています。

日本茶の鑑定の場合、茶葉を熱湯に浸して出てくる香りや味を確認します。

これはどこかで飲み比べのセミナー等を受けるのが一番勉強になります。

一つ一つ飲んでいてもあまり分からないことが多いのですが、例えば10種類等を一斉に飲み比べしてみると「5番より6番の方が花の香りがする」とか「1番は他のものに比べて色が黄色い」等と比較、整理しやすいです。

これはどの茶種でも同じです。
▼参照記事:茶の鑑定(テイスティング)をする際の道具について

鋭い方や勉強をしっかりされている方は鑑定をすることで品種を当てられたりします。(普通はそこまでする必要ありませんが)

品種について詳しく知らなくても、自分の好きな香りの品種がどれなのかが分かっていると購入や飲食する時にも便利です。

お茶屋に行った時に伝えやすいので、より自分好みのお茶を飲める確率が増えます。

もし茶の特徴などをもっと勉強したい方は三井農林のキャラクターホイールを参考にすることをおススメします。
筆者も利用させていただいていますが非常に便利です。
▼参照記事:三井農林の「お茶科学研究所」の研究がすごい!

とはいえ、品種にこだわり過ぎる必要はない

Twitter引用
Twitter @shuminohabaさんより引用

先日Twitterで見かけた投稿で、お茶好きな方たちも色々と意見を飛ばしていました。

日本酒も茶もこういった経験をすることが多いです。
恐らく珈琲なども。

筆者自身も何度も体験しています。

周りの人がみんな「バラの香りがする」と言っているのに、筆者には全く感知できなかったりするような場合、自身の勉強が不足しているのではないか、鼻がおかしいのではないかと悲しくなったりしていました。
ぶっちゃけ今も時々あります。。

また、周りのみんながそう言っているために、自身では分からない香りを意識的に探して感知してしまうこともあります。

ですが、香りや味は人によって感じ方が様々です。

また、嗜好品ですので、多くの方が好まれる香りや味を受け入れなければならないということはありません。

嫌いなら嫌いで
理由は分からないけど好きなら好きで

あまり深く考えないでください。

そんなことで茶を飲むことをやめてしまうことの方がつまらないと筆者は思います。

このお茶飲むとほっとするなー
このお茶の香りを嗅ぐと幸せな気持ちになるなー

嗜好飲料なのですから、これくらいの感じで飲んでいきたいものです。

結び

今回は品種についてまとめてみたのですが、ものすごくさわりの部分という感じです。

もっとマニアックな方向に進む記事も書いていきたいと思っています。

筆者自身も品種茶がかなり好きで好んで購入しています。

ですが、お茶のプロであるお茶屋が販売しているような合組(ブレンド)されたお茶も好きです。

紅茶のブレンドの時にも書いたのですが、その土地の水に合うように、多くの方の好みに合うようにお茶屋は計算して合組(ブレンド)を行っています。

そのため、飲みやすく美味しいものが多いのです。
おまけに年中同じ味に配合しているので安定感があります。

品種茶の場合は当たりはずれも激しいです。

同じ品種であっても作り手によって全く違う香味になっているものも少なくありません。

どちらを好むのもあなた次第。
どちらも楽しめるようになれれば楽しみ方は倍。

で・す・が!

先ほども書いたように、まずは自分が好きだと思うお茶を飲んで癒されること。
幸せだと思えること。

それが何より大事です。

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