ずいぶん前に茶道具のはかりがお勧めであるという記事を書きました。
▼参照記事:茶道具について①-お勧めの道具「はかり」-
最近、お茶会にちょこちょこと参加させていただいている関係で、お茶初心者の方とお会いする機会も増えました。
もはやお茶と出会って20年ほど経つため、お茶を飲み始めの頃一体何を思って、何を考えてお茶を淹れるという行為をしていたのかと考えなおすようになりました。
当時SNSもほとんどまだなかった頃でしたので、紅茶専門店に足を運び、「これがこの紅茶の味なのか」と頭に叩き込み、その紅茶を買って帰っては淹れる日々。(筆者は紅茶がスタートでした)
今は便利だなぁ。YouTubeで淹れ方も見られるし。
そんな日々を思い出しながら、「徐々に買い揃えていった道具ってなんだったろうか」と。
はかりの重要性について①で書きまして、次は温度計です。
湯の温度を測ることは重要?
どのお茶でも淹れるにあたり非常に大切なことがいくつかあります。
その中でも以下三点は必ず押さえておいた方が良いポイントです。
1、湯の量
2、茶葉の量
3、温度
少し細かく見てみましょう。
1、湯の量
茶葉の量に対するお湯の量はとても大事です。
お湯の量が多すぎたら味が薄くなりますし、少なかったら濃くなります。
特にこれに注意すべきなのは「紅茶」ではないかと思います。
多くの紅茶はティーポットで1回で抽出します。
5g300㏄で5分抽出、というように。
そのため、湯が少なく、味が濃い場合は湯を足せばよいのですが、薄かった時は調整が出来ません。
5分から10分まで抽出時間を延ばすことで対応できる場合もありますが、薄すぎる場合はもう…。涙
状況によっては追い茶葉をすることもありますが、それなら潔く淹れ直した方が美味しく飲めるのではないかと。。
ちなみに、台湾茶、中国茶は淹れ慣れると二煎、三煎と味の足し算引き算ができます。
一煎目が薄かったら二煎目は長めに抽出して足していったり、一煎目が濃かった場合は二煎目をさっと出して足してあげればバランスが良くなります。
こういった蓋碗(がいわん)という磁器の器で淹れているところを見たことがある方も多いと思います。
※茶壺というものもあります。
しかもNARUMIの蓋碗ってあるんですね。。(NARUMIは食器メーカーです。ティーカップなどが有名)
茶葉の形状などにより淹れ方を変える必要はあるのですが蓋碗の使い方としては分かりやすいかと思います。
細かく言えば作法も色々あります。
2、茶葉の量
こちらは1とほぼ同じ内容になってしまいますが、「湯の量」に対する「茶葉の量」が非常に大切です。
そのため、茶道具について①ではかりの重要性について書いています。
はかりで茶葉の量、お湯の量を量ることにより、美味しく抽出できる確率がぐんと上がります。
正直、茶の初心者の方は最初これだけでも十分なくらいです。
3、湯の温度
湯の温度はこれまた非常に大事です。
今回のポイントはこちら!
1で「湯の量」が一番大事なのは紅茶、と書きましたが、「湯の温度」が大事なのが「緑茶」、続いて「台湾茶、中国茶」になるかと思います。
紅茶の場合は基本的に「沸騰した湯」を使用します。
対して緑茶ー特に柔らかい新芽を使った緑茶ーは湯温を下げることが必要になります。
例えば玉露だったら60℃~70℃、上質な一番茶は70℃~80℃程度など(中国茶の緑茶も少し湯温を下げた方が筆者は好み)
茶葉によって異なります。←これ!!!ここ重要!!!
「茶葉によって(湯の温度が)異なります」というのが茶の難しいところであり、何より非常に面白いところです。
よくお茶淹れのプロの方が「(お湯を入れた器に触りながら)これくらいが70℃です」とか言います。
プロの方ですから、今までの経験からおおよその温度は分かるのでしょう。
ですが、
「そんなのわかるかーい!(# ゚Д゚)」
と思ったことが筆者にはたくさんありました。
実際、容器も違えば触った時の温度も違います。
筆者も一応店をやっていましたので、やかんの表面状態でおおよその温度は分かりますがやかんの質、ガスなのかIHなのかによってもかなり違いがありました。
(あと気圧とか。結構マニアックにやってます、実は。)
だからこそ、湯温を計りましょう!
案外、温度計を持っていない方は多いと思います。
小学校で使った以来でしたが、20年前の筆者はまずこちらを購入しました。
紅茶のためのお湯の温度を測りたかったので、200℃まで測れるものにしました。
それでもネットで1000円程度とは驚きです。
当時、どこで買ったのかももはや覚えていませんが、ホームセンターを探し回った記憶があります。
現在も持っていますが、今はほとんど使わなくなりました。
というのも温度が安定するまで少し時間がかかるのと、割れた時に怖いということからデジタルに変えました。
今はこちらが主かも知れません。
温度を計測する時間は棒状温度計より早く、正確です。
ただ、ヤカンに立てておけないというデメリットがあります。(手でずっと持っている必要があります)
筆者はこれを長年使っていて慣れており、壊れないのでまだしばらく使う予定ですが、調べていたらこういったものもありました。
防水ですし、キャップで持ち手を延長することが出来るというところがかなり良いです。
急須内の湯の温度を測る程度ですと全く問題ないのですが、ヤカンや湯沸かしの温度を測りたい場合はヤカンの上空が非常に熱いので、持ち手を延長できるのはありがたいのです。
筆者はいつも温度計をトングで持ってました。そして時々落としたりしてました。笑
もし今のデジタル温度計が壊れたら、こちらを購入しようと思います。
また、さらにお勧めなものがあります。
ケーキやパンを作る人にはお馴染みかと思いますが、こちらを一つ持っていると良いかと思います。
こういった放射温度計はあると非常に便利です。
熱くもないので、デジタル温度計よりも楽かと思います。
放射温度計は製茶の時に茶温を計るのにも使用しています。
筆者はこちらの三つを用途に合わせて使っている感じでしょうか。
外でお茶を淹れる場合はデジタル温度計と短い棒状温度計を持っていきます。
放射温度計を持っていくとその場が盛り上がるのですが、「それ欲しい!」「どこで売っているの?」とテレビショッピングのようになることが多いです…。
結び
お茶淹れに慣れてしまうと、実は温度計はあまり使いません。
家で温度計で毎回お湯の温度を測っていたのはお茶の世界に入って最初の1年くらいだったかと思います。
ただ、外で初見の茶を淹れなければいけない時、イベント等で湯の温度が分かりづらい時(ポットで湯が配布されることもあるため)には温度計は必ず持って行っています。
自身の安心のためでもあります。
茶のレッスンや教室でも必ず持っていきます。
お茶と長く付き合っていくと、自分の体調や相手の好みによってお茶を淹れられるようになるものです。
ですが、最初から上手に淹れるとか美味しく淹れるとかは考えない方が楽です。
どの分野でもそうですが、まずは「真似る」。
とにかく、本通り、袋の後ろに記載がある通り、専門店のスタッフが言う通り、何度か淹れてみることから始めましょう。
いずれ肩の力を入れずに、ゆったりと自然にお茶を淹れられるようになります。(嫌でも)
「習うより慣れろ」
ですね。
最初は基本的にじっくりとお茶と向き合ってみることをしておくと、その後の成長はとても早くなると思います。(量を計る、温度を測るというように軸を固めておく感じでしょうか)
そして、経験値が上がれば上がるほどお茶が楽しくなっていきますよ。(^^)/
あくまでも筆者のやり方ではありますがよろしければ参考にしてみてください。
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