前回デカフェ茶やカフェインレス茶について記事を書きました。
カフェインを抜いた茶はここ数年で、消費者の需要が高まり、至るところで販売されているのを目にします。
以下の記事にはキリン生茶のカフェインゼロについての挑戦の記録が書かれています。
不可能を可能にした「おいしさ」との両立。世界初*のカフェインゼロ緑茶が誕生するまで ~「キリン やさしさ生茶 カフェインゼロ」~
カフェインゼロの何がすごいの?
従来のように、カフェインを茶葉から水で抽出する方法だと(前回の記事)、カフェインだけではなく他の成分も抽出されてしまい、味が落ちてしまいます。
キリンの研究者の方たちは《味を落とさず》に、《カフェインを抽出する》方法を探り続けます。
そして「緑茶抽出液からカフェインを除去」する方法を考えつきます。
従来のように《茶葉からカフェインを抽出》するのではなく、《抽出した緑茶液からカフェインを抜き出す》という、今までなかった方法です。
これはペットボトル飲料だからこそできる抽出方法です。
そして、天然の吸着剤を100種類以上試すことにより、ついにカフェインのみ抜き出し、他の成分には影響をできる限り与えない《天然の吸着剤》を発見します。
これによって、0.001g(100ml当たり)というほぼカフェインゼロの緑茶飲料を作ることに成功したのです。
使用されている天然吸着剤とは?
なんと、モンモリロナイトという鉱物だそうです。
意外と普通に売っていて驚きました。。。
キリンの研究者の方がどこにでもある成分だと言っていたことが記事中にあります。
しかし、元来文系の筆者にはこの鉱物がカフェインを吸着するとは想像ができないのです。。
正直、「鉱物???」と思いながら記事を読んでいた次第です。
そして検索すると普通に売ってる…。
確かにどこにでもありました。汗
しかも、このモンモリロナイト、エビの飼育にも使用するとか。
エビの骨格を作るミネラル分が溶出するのと、水質が安定するそうです。
6500万年ほど前、火山が活発化し、その火山灰が海に沈んでいきました。
その火山灰が海のミネラルと結合してできた希少な粘土です。
クレオパトラが化粧水代わりに使用していたり、動物たちが食したりもする不思議な鉱物。
今では様々な商品に活用されています。
具体的にモンモリロナイトはどんな商品に使われているの?
前述したようにエビの飼育の時のように原石を水槽に入れて使用する場合もあるのですが、商品としては以下のようなものに使用されています。
パック
かのクレオパトラが美容のために使用していたくらいですから、効果は絶大。
天然素材なので、お肌が弱い方でも安心です。
化粧水
他にもローションやソープの原料としてもモンモリロナイトは使用されています。
また、パウダー状のモンモリロナイトも販売されています。
水を混ぜることにより簡単にパックが作れるそうです。
モンモリロナイトは汚れを吸着するので、パウダーの微粒子で手が届きにくい角質や毛穴の汚れもスッキリするとのこと。
カフェインを吸着する鉱物は美容にも良い、というのがどうも筆者には飲み込めませんが、思った以上にモンモリロナイトという鉱物は筆者(だけ?)が知らないところで活躍していました。
結び
今回、キリンのカフェインゼロへの取り組みの記事を読んでいて、具体的にどんなものがカフェインを吸着するのかが気になりました。
そして、色々調べているうちに《モンモリロナイト》に行き当たったのですが、少々驚きを隠せぬまま調べていました。
ちなみに、このモンモリロナイトは珈琲飲料のカフェイン吸着にも効果があるそうです。
学術論文として公表されているので、モンモリロナイトを使用してカフェインゼロ(100ml当たり0.001g以下)のペットボトル飲料を販売する会社が増えるのではないかと興味深く思っています。
医学などもそうですが、茶の世界も日進月歩で発展をしています。
特にペットボトルの革新というのは驚くべきものがあります。
企業努力が半端ない。
さすが生真面目な日本企業です。
茶好きな方や昔ながらのお茶屋などにはペットボトル反対派も多いですが、こうして企業が参入して茶の成分の研究を進めてくれるおかげで、茶産業に様々な良い影響がもたらされている(もたらされる)のではないかと筆者は思っています。
ペットボトルについての情報も今後も記事にしていきたいと思います。
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