紅茶界の巨星墜つ-紅茶研究家 磯淵猛氏の訃報-




2019/2/21 16:08
紅茶界の巨匠、紅茶研究家の磯淵猛さんが亡くなりました。

そのニュースを知り、そっと涙を流している方は少なくないはずです。
日本中、いえ、韓国や中国までファンがいらっしゃる方ですので、SNSでもお悔やみの言葉が多く流れてきます。

筆者自身、紅茶にはまるきっかけとなったのは磯淵さんの本でした。
磯淵さんのセミナーに行くようになり、スリランカの紅茶に興味を持ちました。
思えば、スリランカの紅茶を意識して初めて購入したのは彼のお店でした。
(意識しないで購入したのは某メーカーのティーバッグ等ですが)
その後、スリランカのツアーにもご一緒させていただいたことがあります。

自身の店のことや、つまづいた時、悩んだ時、磯淵さんに相談させていただいたこともあります。
その度に、温かい言葉で励ましていただきました。

紅茶研究家 磯淵猛さんの功績


紅茶専門店ディンブラ HPより

1951年愛媛県出身。
学生の頃出会ったスリランカ人と商社に勤めていた時代に再会し、紅茶の輸入をするようになり、紅茶専門店ディンブラを開業。
のちに株式会社ティー・イソブチカンパニーを設立。(1994年)

多数の著書、テレビ、ラジオ等で紅茶の楽しさやすばらしさを広めてきた人物です。

特別紅茶好きでなくても、実は多くの方が無意識のうちに彼の紅茶に触れています。
モスバーガーやマザーリーフ、キリン午後の紅茶のプロデュースやアドバイザーをされていたのは磯淵さんです。

株式会社モスフードサービスの「マザーリーフ(Tea&Waffle motherleaf)」のコンサルタントやキリンビバレッジ株式会社「キリン午後の紅茶」のアドバイザー。

また、ご自身でマザーリーフでのティーセミナーやキリンの紅茶セミナーなども精力的に行っておられました。

また、日本創芸学院「紅茶コーディネーター養成講座」の主任教授でもあります。

“紅茶について知りたい”と思った時に、彼の存在を避けては通れないほどではないでしょうか。



磯淵猛さんの著書

磯淵さんの著書は非常に多いです。
残念ながら、今や絶版になっている本も多数。
(筆者おそらくすべて持っています。紅茶専門店ディンブラで直接サインもいただけました。)

最近では、以下の本でしょうか。

紅茶を飲んでみたい、自分で淹れてみたい、そんな方たちには必見の著書です。
最新の紅茶の産地の情報や紅茶の種類や味などの紹介、またアレンジ方法等も多数載っています。
筆者は個人的に彼のエッセイが好きなので、是非読んでいただきたいと思っています。
温かい人柄がにじみ出ている、とても心温まるお話ばかりです。

「金の芽」「紅茶の国 紅茶の旅」などはスリランカやインドへ行ってみたくなるお話が満載で、何度も読み返したことを今も思い出します。(どちらも絶版)

また、筆者が店で紅茶のアレンジを考える際、紅茶の教室を行う際に今でも参考にさせていただいている本が多数あります。

結び

個人的な思い出はこちらには書きませんが、これを書いているうちにたくさんのことを思い出しました。ここ数年、藤沢の紅茶専門店ディンブラにも足を運べず、磯淵さんにもお会いしていません。
ですが、ブログや著書でご活躍は拝見していたため、今でも信じられません。

紅茶界にはたくさんの巨匠がいらっしゃいますが、筆者が一番言葉をかけていただいたのは磯淵さんだと思います。
たくさんのお言葉をいただきました。
そして、茶の縁もたくさん繋いでいただきました。

多くの方を紅茶の世界に導いてきた彼の功績はあまりにも大きく、悲しみが尽きません、彼から学んだこと、教えていただいたことを次代に微力ながら繋げていきたいと思っています。
筆者なりに、細く長く。

長らく紅茶業界をけん引してきた磯淵さん、本当にお疲れ様でした。
どうぞ安らかに…。

紅茶の選び方①-フレーバードティについて-




筆者は現在普通のサラリーマンですが、以前お茶がメインのカフェを経営していました。
そのため、今でもお茶の教室のご依頼をいただいたり、ちょっとしたレッスンを行う機会があります。

中でも『紅茶について』のお問合せが一番多いです。
さらに依頼者の要望で多いのは「紅茶の基本的な部分」を知りたいというものです。
紅茶の種類、紅茶の淹れ方、紅茶の産地等。

紅茶初心者の方はおおよそ『アールグレイ』『ダージリン』『アッサム』くらいしかわからない、と仰います。

中でも多くの方が関心を寄せている『アールグレイ』についてまとめてみたいと思います。

アールグレイについて

アールグレイとは<Earl=伯爵> 、<Grey=グレイ>という意味です。
グレイ伯爵というイギリス伯爵の名前に由来しています。
※グレイ伯爵はイギリスの首相でもあったほど偉い方です。

アールグレイが生まれた歴史には諸説あります。
また、アールグレイを生み出したのはジャクソン社であったとか、トワイニング社であったとか、昔から逸話がある紅茶です。
それほど世界中で愛されている紅茶と言えます。

紅茶初心者の方の中にはダージリンやアッサムのようにアールグレイは紅茶の産地であると考えている方もいらっしゃいますが、定義としては「紅茶にベルガモット(柑橘系フルーツ)の香りづけをしたもの」となります。

 

ベルガモットはイタリアのシシリア島で多く作られている柑橘系のフルーツです。
あまりフルーツとしては販売されていませんので、ベルガモットの香りに興味がある方はアロマオイルを購入してみると良いかもしれません。

 

 

話を戻しますと、紅茶初心者の方でアールグレイを好きという方がぶつかる壁が「アールグレイという名前が書いてあるけれど、メーカーによって味が違う」ということです。

○○のティーバッグのアールグレイは美味しくなかった。
同じ<アールグレイ>という名前なのに…

という話を度々聞くのです。

なぜメーカーによって味が違うの?

アールグレイ、というのは各メーカーのオリジナル商品です。

上述の通り、<茶葉にベルガモットの香りをつけたもの>がアールグレイです。

各メーカーが茶葉をセレクトし、ベルガモットの香りを付けます。
ベースの茶葉はスリランカ茶葉を使っているもの、インド茶葉を使っているもの、オリジナルでブレンドしているもの…と様々です。
ベースの茶葉が違えば、味は変わります。
また、ベルガモットの香りも人工香料、天然香料と様々あります。

 

例えば、上記のように<ダージリン>にベルガモットの香りをつけた<ダージリンアールグレイ>というものもあります。
※多くの紅茶初心者さんが「???」となる商品です。笑

ロンネフェルト社は老舗の紅茶専門店ですので、ベースのダージリンもしっかりと良いものを使用しており、ベルガモットの香りが主張し過ぎず、ダージリンとアールグレイの両方を楽しめる逸品です。

 

同じくロンネフェルト社のものですが、上記のようなルイボスにベルガモットの香りをつけた<ルイボスアールグレイ>もあります。
紅茶ではありませんが、ノンカフェインでベルガモットの香りを楽しみたいという方にお勧めです。
ベルガモットの良い香りでルイボスの味が緩和される印象がありますので、ルイボスの味が苦手、という方にもお勧めします。
最近では緑茶アールグレイもありますし、国産紅茶にベルガモットの香りをつけたアールグレイも販売されています。

紅茶の味がしっかりして香りはやさしいアールグレイ。
香りは強いけど、渋みなどがほとんどないアールグレイ。

と、各メーカーがオリジナリティを出して作られたアールグレイが販売されています。

そのため、世界共通の<アールグレイ>という紅茶は正確に言えば、ありません。
トワイニングのアールグレイ、ルピシアのアールグレイ…のように<○○(メーカー)のアールグレイ>という表現が正しいのではないかと思います。

他のフレーバードティも同じ?

アールグレイだけではなく、他にも<ストロベリーティ>や<アップルティ>等の香りをつけている紅茶があります。

当然、アールグレイと同様、ベースの茶葉から着香までメーカーによって違いがありますので、<アップルティ>と一言で言っても多種多様のアップルティが世界中に存在します。

さらに言えば、<アップルティ>にはいくつか種類があります。

①茶葉にりんごの香りづけをしたもの
②乾燥したりんごを混ぜたもの
③乾燥りんご(リンゴジャム)に熱湯(紅茶)を注いだもの

①はフレーバードティ(フレーバーティ)と呼ばれ、②はセンテッドティと呼ばれます。
香りをつけた上で、乾燥りんごを混ぜたものもありますので、わかりづらい部分もあるかと思います。(;^_^A

さらに③は紅茶を使っていなくても<ティ>という場合がありますので、ますます混乱する方もいらっしゃいますが、そのあたりはまた別の記事でまとめたいと思います。

結び

“紅茶が好きです”と仰る方に聞いてみると、

「ペットボトルの○○が好きです。カフェに行ったら珈琲より紅茶を飲みます。」

から

「紅茶専門店の▲▲のダージリンのファーストフラッシュがとてもおいしくて、ネットでも違う茶園のものを購入しました。」

という方まで幅広くいらっしゃいます。

店側としては、お客様としっかり対話をして、その方の要望に合わせた紅茶を提案する必要があります。

ただ、どの紅茶を選ぶのも、それは購入する(飲食する)方次第ですので、是非自分飲みたいものを選択する際の参考になれば幸いです。

烏龍茶が乳がんの予防に効果があるという研究結果について-薬事法とかいろいろと-




茶はがんの抑制効果がある、という話はあちこちで聞く話。
先日の紅茶がインフルエンザに効くという話と同じで、本当に目に、耳にします。

先日、烏龍茶が乳がんの抑制効果があるという論文が「 Anticancer Research」誌に発表されたというニュースを見ましたので、茶とがんについての話をまとめてみたいと思います。

 

烏龍茶が乳がんの抑制をする?

Anticancer Research」誌で発表された新しい論文には烏龍茶が乳がん細胞の増殖を防ぎ、進行を妨げる効果があると記されているそうです。

ミズーリ州セントルイス大学の研究者チームが緑茶、烏龍茶、紅茶および濃茶の抽出物(dark tea extracts、何を意味するのかよくわかりません…)の濃度を変えて、6種類の乳がん細胞株に対する生物学的効果を調査したそうです。

結果として、烏龍茶は乳がん細胞の増殖、および腫瘍形成において抑制的役割を果たしていることが判明したとのこと。
乳がんに対する化学的な抑制剤として大きな可能性があると結論付けています。

ただ、上記はあくまでもシャーレの中での話であって、人間(動物)で実験を行っている訳でも、臨床実験が行われている訳でもありません。

「乳がんに対する化学的な抑制剤として大きな可能性がある」ということです。

※詳細は医療従事者でも、研究者でもないただのお茶好きな筆者には難しいため、概要のみの説明となります。
ご興味ある方は「 Anticancer Research」誌の論文をお読みください。

 

 

緑茶にはがん予防効果があるという話は?

 

緑茶にはがん予防効果がある、という話も今のところは上記の「烏龍茶が乳がん抑止に効果がある可能性がある」と同様のレベルに近いのではないかと思います。

確かに、お茶屋さんの宣伝文句としても多く見られますし、テレビやラジオのメディアでも時折耳に、目にします。

「緑茶はがんの予防に効果がある」
なら良いのですが、
「緑茶はがんに効く」
と断言してしまっている方も(少数ですが)いらっしゃいますので問題ですよね。。

そもそも、病気の治療、予防を目的とするものは「医薬品」となります。
上記のような表示や宣伝文句は「医薬品」として国の承認を受けたものにしか許されません。
薬事法によって、そう定められています。

茶は薬ではありませんので、がんの治療や予防については言及してはいけません。
※こちらは以前に特定保健用食品についてまとめた記事も参考にどうぞ。

ダメ、誇大広告!
 

 

公的にはどうなっているの?

国立がん研究センターでは「科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」を行っているそうです。

緑茶と胃がんリスクという内容がHPにまとめられています。

様々な研究論文をまとめた結果、

「疫学研究と生物学的メカニズムの両面から、日本人女性においては、緑茶の摂取が胃がんリスクを低下させる可能性があるという結論になりました。しかし、男性に関しては緑茶と胃がんリスクの関連を示す十分な疫学的エビデンスは得られていません。」

と結論づけています。

つまり、やはり残念ながらカテキンや紅茶(烏龍茶)ポリフェノールのがん抑止効果についてははっきりとした科学的証拠がないというのが実情のようです。

 

 

結び

筆者の友人が若くして乳がんにかかった際に「お茶ががんに効くと聞いてから、お茶ばかり飲んでいる」と言っていたことを思い出します。

その時ばかりは
「間違いない。絶対に効くよ」
と断言した覚えがあります。

そして、効くことをただひたすらに願いましたが残念なことに彼女は再発した乳がんにより、旅立ちました。

筆者にはがんになった方の気持ちは汲み取ることができません。
しかしながら、「がんに効く(可能性がある)」と言われた方が藁にも縋る思いで茶を購入する気持ちはある程度想像ができます。

筆者自身も大病をした経験があるのですが、その時に健康食品の押し売りに心動いたことがあったからです。
あとから、「あー、こうやって詐欺は生まれるのだなぁ」と思ったり。

そういった経験から「せめて茶についてはできうる限り正しい情報を、正しく伝えたい」と強く思うようになりました。

勉強不足で分からないことも多々ありますし、勘違いをしている部分も複数ありますが、茶を愛する者としてせめて気持ちだけでも「正しく伝える」を意識していきたいと思っています。

「茶ががん予防に効く」と大きな声で言えるようになることを願いつつも、美味しいから飲んでほしいというお茶好きとして複雑な心境ではありますが。笑

 

 

茶道具について①-お勧めの道具「はかり」-




お茶が好きな方にはこだわりの道具が色々あると思います。

お茶を好きになればなるほど道具も増えるもの。
こだわりすぎて破産しそうになることも多々あるもんです。汗

例えば、日本茶なら急須。

デザイン、握り具合、持ち手や注ぎ口の角度等々、こだわるポイントは人によって違いますが、よい(丁寧に正しく作られた)ものになればなるほど価格も上がるのは当然のこと。

紅茶や茶壺なども茶を美味しく淹れるためには必須の道具であり、こだわればこだわるだけ楽しみが増える部分です。
筆者もご多分に漏れず、お茶の道具にはこだわります。

店をやっていたこともあり、「魅せる」部分と、「美味しく一定に」淹れるための道具は必須であることを痛感しています。

道具には様々あるのですが、第1回目の今回はどの茶種でも共通に必須の【はかり】についてです。
 

【はかること】の重要性

茶の淹れ方に関する書籍は今でも一応一通り見ますし、購入もしています。(さすがにすべてという訳ではありませんが)
自身が紅茶を始めたばかりの頃、とにかくひたすらに紅茶の本を買い集め読みました。

しかしながら、読めば読むほど混乱…。

どの本にも書いてある「ティースプーン2杯程度」というようなざっくりとした説明…。
当時料理もろくにしなかった筆者としては、料理本に書いてある「ひとつまみ」「およそ」の曖昧な説明で本を閉じるほど。(おおげさ?)

20年近くお茶を飲んできた今はその説明、非常に良くわかります。
実際にお茶の教室をやらせていただくときにそうお伝えすることもあります。

なぜなら、茶の種類によって『さじ加減』が必要だから。

そして、経験を重ねたことで自分のさじ加減を即座に発見できるようになったから。

でも、今は思います。
初心者だからこそ計量すべき!と。

何度かはかって淹れてみれば、感覚がつかめてきます。
そうなったら、はかる必要はなくなります。
 

お茶初心者にとって【はかること】が大事な理由


 
例えば紅茶のパッケージの裏に書いてある、「おすすめの淹れ方は5gの茶葉に350㏄の熱湯」というような表示。

5gの茶葉…。
350㏄の熱湯…。

紅茶に慣れていない方には想像ができないのではないかと思います。
実際に初心者向けの紅茶教室をやらせていただくと、この部分で躓いて家で淹れられないと言う方が多いです。

これは【はかり】があれば、すぐにクリアできることです。
たかだか、はかりです。
1000円程度で買えてしまうんです。(高価なものは山ほどありますが)

ティーポットを購入するより、ティーカップを購入するよりハードルは低いはずですよね。

筆者が使用していて、教室等でも必ず使うのはこちら。
こちらは500gまではかれるので、茶葉やスパイス用に使用しています。

 

携帯用で、プラスチックの蓋がついているためある程度の衝撃にも耐えてくれます。
お茶の仕事の時は必ず持ち歩く道具のうちの一つです。小さい割に風袋引きもできて、優れものです。
ちなみに、筆者の家には10個の予備があります。
教室を行う際に一人一人使っていただいたりするためです。
価格もそれほど高価ではありませんので、本当に重宝しております。また、お湯を注ぐ時は通常のクッキングスケールを使用しています。

 

 

お湯の量をはかるときは、最大計量1㎏、最小表示1gで良いと思います。
これくらいでしたら1000円前後で購入できます。
逆に高性能の0.1から2㎏まではかれるというデジタルクッキングスケールを使用していた時期もあるのですが(茶葉もお湯もはかれるから便利!と思って)、結構すぐに壊れました。。
※あくまで筆者の経験によるものです

ちなみに、茶葉をはかる際にはこういったものを使用しています。
茶葉用はかりは500gまでしか計量できませんので、軽いものを乗せないと壊れてしまいます。

左は某100円ショップで販売している小さな計量カップ。
右はミルクピッチャーです。

先の部分が尖っていると、こぼさずにポットや急須に茶葉を入れられるのでお勧めです。





 
【はかること】が大切だというのには以下のような理由があります。

①毎回同じ状態で飲むことにより、キャラクターの違いを理解できるようになる
②目と舌で自分の好みがわかるようになる

 

筆者は紅茶教室で一番この部分を最初に話します。
まずはどんな紅茶に出会っても、【ティースプーン2杯とお湯300㏄で淹れてください】と。

ティースプーン1杯はおよそ2g。
ティースプーンで茶葉をすくった際にどれくらいで2gになるのかを感覚で掴めるようになるまで必ず計量してほしいと思っています。

フルリーフのものは結構山盛りだなーとか。
BOPなら摺り切りで2gだなぁとか。

これで毎回一定の状態で紅茶を淹れていると、それぞれの紅茶のキャラクターが分かるようになってきます。

ダージリンのセカンドフラッシュの茶園違いのものも、「こちらの茶園のものはフルーティだけど、前に飲んだあの茶園は渋みが強かったなぁ」というような感じで頭を整理することができるのです。

お茶の世界ではティスティング(鑑定)というものがありますが、それは必ず同じグラムの茶葉と一定の量の湯で味を見比べます。
同じ条件で淹れることにより、互いの個性(キャラクター)を際立たせて、取捨選択をすることになります。
※見極めるには技術が必要です。

それを行っていると、自然と自分の好みの味が分かってきます。
2gより多い方が美味しいとか、渋みが苦手だから少し減らそうとか。

そうなってくると、お茶を飲むことがより自然に、日常に溶け込んできます。

今日は胃の調子が悪いから、少し茶葉を減らして飲もう。
▼疲れているから、がっつり濃い紅茶にしよう。
▼ミルクティが飲みたい気分だから茶葉をいつもの倍にしよう。

と。

自分の体調や精神状態に合わせて淹れられるようになるのです。

こうなったら、お茶を淹れることが本当に楽しくなります。
前はもらった茶葉100gの茶缶の賞味期限が切れても飲みきれなかったけど、あっという間に飲みきれました、という状態になります。
 

結び

 
お茶は嗜好品のため、正解がありません。
そのため、「およそティースプーン2杯」というような表現になってしまうのです。

あくまでも、「飲む人が決める」のです。

故に、入り口で躓く方が多いのが事実です。

茶業界的に、ペットボトル飲料の台頭等もあり、急須やポットでお茶を淹れない方が増えていると言います。

「茶葉が売れない」「急須を買う人が少ない」と業界の方が嘆いている声をあちらこちらから聞こえてくるのですが、お茶初心者の方が躓かないように淹れる方法を伝えている人は圧倒的に少ないように思います。

なにせ茶を仕事にしていると、お茶を飲むことが当然すぎて、お茶初心者の方の疑問や不安に答えられなくなる、察することができなくなってしまうのです。
少なくとも筆者はそうでした。

お茶初心者の方が、無理のない範囲で、ちょっとだけの支出から始められるようにお茶を楽しむ方法をお伝えしていくべきではないかと個人的に思っています。

コツが分かれば、皆さん勝手にお茶を楽しむようになるのですから。




今話題の紅茶がインフルエンザに効くという話について




インフルエンザが猛威を振るう寒い時期。
筆者の職場でもポツポツと出てきました。毎年のことながら戦々恐々です。(^^;
朝の出勤時間が早いので、オフィスの窓を全開にして空気の入れ替えを自主的に担当しております。

インフルエンザに紅茶が効くと言う話までも猛威を振るっていますね。

もう何年も前から言われていたことですが、最近やたらに記事やSNSで見掛けるようになりました。
ご存じない方は試しに「紅茶 インフルエンザ」で検索してみてください。
山のように記事が出てきます。

今年はTwitterもなかなか賑わっています。

紅茶はインフルエンザに効果ある?

「茶」が風邪予防に効果があるというのは、おばあちゃんの時代から、つまりかなり前から言われていました。
風邪の予防について、前にお茶うがいの記事も書いています。⇒こちら

中でも紅茶はインフルエンザに効くと専らの噂。

緑茶や烏龍茶も効果があるのですが、紅茶ほどの効果はないとのこと。

また、薬や予防接種の場合、今年は<香港A型>が流行しているけれど、<香港B型>にしか効かない、というようなことが起こり得ます。

しかしながら、紅茶の場合はどの型でもオールマイティーに効くらしいのです。
新旧、型違い含めインフルエンザウィルスすべてに有効ということなのです。

日本紅茶協会のサイトには<インフルエンザ>についての記載があります。

国立感染症研究所協力研究員 獣医師・医学博士の中山 幹男 氏は、紅茶がインフルエンザウィルスの予防に効果があるということが研究で明らかになったと述べています。
また、三井農林お茶科学研究所でも様々な研究結果を記載しています。

①カテキンが紅茶の醗酵工程を経て紅茶ポリフェノールに変化し、それがインフルエンザウィルスを予防する効果がある

②通常飲む濃度の紅茶で、たった15秒で99.9%のインフルエンザウィルスの感染力を失わせる

         表の出典:三井農林お茶科学研究所

 

③ウィルスの型は問わない

④熱が下がった後も、紅茶を飲み続けることにより口の中のウィルスを感染させない

 

なぜ紅茶がインフルエンザウィルスに効果があるの?

こちらも三井農林お茶科学研究所のサイトより表をお借りしました。

 

インフルエンザウィルスにはタンパク質ででてきている突起物がついており(スパイク)、それが呼吸器粘膜に付着して、体内に侵入するそうです。

紅茶ポリフェノールのはその突起物(スパイク)の先にくっつき、スパイクが呼吸器粘膜に付着することを阻止します。

なお、紅茶ポリフェノールを最大限活躍させるには、ミルクティはやめた方が良いそうです。
カゼインというたんぱく質が紅茶ポリフェノールを覆うため

ストレートティ、レモンティが効果的とのこと。

結び

テレビでもいくつか「インフルエンザには紅茶!」という話を取り上げていたようですね。
Twitterが騒がしいのはこれが原因のようです。

筆者は医療の知識はほぼ皆無なのでなんとも言えませんが、実際にインフルエンザウィルスが体内に入ってしまったのであれば、もう薬を飲むしか方法はないと思います。

紅茶がインフルエンザに効果がある、というのはあくまでも予防です。

インフルエンザウィルスを体内に入れないために、紅茶でうがいをすること、紅茶でこまめに喉を抗菌することは効果的だ、ということだけです。
テレビなどで取り上げられているところから、盲目的に薬のように紅茶を摂取しよう!という発言が見られます。

インフルエンザを保菌した状態でいくら紅茶を飲んでも、くしゃみをしたり咳をしたら周りにうつります。
マスク、手洗い、と合わせて紅茶の摂取で、自身の体や周りの人をインフルエンザウィルスから守りましょう。

 

 

ちなみに。
筆者はこの時期毎日「しょうが紅茶」を職場に持っていっています。
喉が弱いのと、寒い時期(夏の冷房がきいた時期も)の体の温めには最適です。

作り方は簡単

①ドライジンジャーを砕いて、ポットに入れる
②茶葉を入れて、熱湯を注ぐ
③濾して、ポットに入れる

ドライジンジャーはこういったものを使用しています。↓

家で飲む場合は生の生姜をすりおろして、紅茶に入れ、はちみつなども加えて飲みます。
生姜にはショウガオールという辛味成分が体を温めるので、体力が落ちている時にも非常に効果的です。

筆者は夏はこれを使って自家製ジンジャーエールを作っています。
年中使えますのでお勧めです。
ジンジャーエールの作り方もまたご紹介したいと思います。

これのおかげかどうかはわかりませんが、ひとまず人生折り返し地点を過ぎてもインフルエンザにかかったことはありません。

効果があると筆者自身は思っていますが、それでも風邪をひくときはありますので、あきらめて風邪薬のお世話になる時もありますよ。笑

個人的にはどのペットボトル、どの茶葉が一番効果があるのかを知りたいところです。(調べるのも大変でしょうけど。)

 

ワインと茶の共通点。北海道ワイン小樽醸造所を訪ねて思うこと。




今回は茶ではなく、ワイナリーへ行ってきたのでその話を書いていきたいと思います。
以前より嗜好飲料であるワインや日本酒についても関心を持っているのですが、あまり飲めないということもあり、本で読む程度。

ワイナリー(や酒造)に行ってみたい、と以前から思っていた願いを友人が叶えてくれたので、喜び勇んで行って参りました。

日本で一番国産ぶどうを使用している「北海道ワイン株式会社」

今回お邪魔したのは北海道小樽市にある有名な北海道ワイン小樽醸造所。

南小樽駅からタクシーで15分ほどでしょうか。
無謀にも1月の半ば。
前日は札幌が大雪だったのですが、小樽はそれほど積もらなかったようで道路は問題なしの状態。

結構山の中です。

うっかり外観の写真を撮り忘れましたが、HPでご確認ください。
北海道ワイン株式会社HP

 

エントランスを入るとギャラリーがあり、写真で製造方法の紹介などがあります。
また、奥には無料試飲もできる販売所が。

ワインの工場見学。しかも無料案内付き!

無料試飲で少しだけワインを味わい、帰りに買うものに目星をつけたところで、いざ工場見学。

我々二人のみのかなり贅沢なツアー。
真冬ですし、工場も稼働してませんからね。

工場に入ると、寒い!!!
真冬なので、温度調節せずともそのまま冷蔵庫(下手したら冷凍庫)です。

そして、でかいものが目の前に!!!
見上げると首が痛くなるほど大きい貯蔵タンクがいくつも並んでいます。
壮観!
この貯蔵タンク1台でおよそ、2万ℓのワインが貯蔵できます。
720㎖のワインボトルが28000本!!!

写真左側にある温度計のようなものは、中にどれくらいワインが入っているかを確認できるようになっています。(写真のものは真ん中くらいまでロゼワインが入っています)

北海道ワインでは1年で260万トンのワインを作っているとのこと。
専用のブドウ畑は浦臼町にある鶴沼ワイナリーで、東京ドーム100個分の敷地だそうです。
会社広報の動画によると、<ミュラー・ツゥルガウ>、<ツヴァイゲルト>、<ピノ・ブラン><ゲヴュルツトラミネール>などのドイツ、オーストリア、フランス系のブドウ品種を栽培しています。

北海道の気候が、欧州と合うとか。
そういえば、ウィスキーもそんな感じだったような…?
酪農もそうですね。考えてみれば。
北海道ってすごいな。

写真上部の左側に見えるカーテンのところから、摘まれたぶどうが入ってきて、グレーのバケツに入ります。
グレーのバケツは500㎏のぶどうが入るそうです。
そして最繁忙期には1日にバケツ200杯のぶどうが…!

より良いブドウを選別して、高級価格帯のワインを作る場合は選別機を使って、えり分けするそうです。
その機械も見せていただきました。
糖度が高いぶどうだけを選別できるというかなり高価な機械。
ある程度機械でえり分けて、人間の目でも判定をし、最高級のワインが出来上がるとのこと。
美味しいものにはそれだけの手間がかかっているということです。

その後ぶどうは除梗破砕機を通って、下に落ち次の工程へ。

通常白ワインの製造工程では果皮を取り除きますが、こちらでは入れたままにしているそうです。
というのも、ぶどうの果皮には香り成分が多く含まれており、低温で果汁と果皮を保管しておくことにより果汁にしっかり果皮の香り成分が移るとのこと。
これを【スキンコンタクト】製法というそうです。

スキンコンタクトは、気温が低い北海道だからできること。
夏でもそれほど気温が上がらないので、クリアなワインができるそうです。

スキンコンタクトが終わると、まだまだ残っている果肉の果汁を絞り出すため、圧搾機にかけます。

写真は旧式の圧搾機。
中に大きいバルーンが入っていて、バルーンが膨らみ、圧搾機が回転することで外側に押し付けられた果肉、果皮から果汁が絞り出されます。

今はさらに高性能なものもあるとか。

こちらは発酵のタンク。

右側のステンレスのものが新式。
左のものが旧式。

新式のものは温度管理、発生するおりの処理、攪拌等がオートメーション化されています。
しかし、左の旧式のものは、溜まったおりは人力でバケツで掻き出さなければいけないし、温度調整もできないので、寒い今は白い保温用のシートを巻いています。
暑くなるとこれをはがす、という手間もかかります。(大変…)

新式は1台1000万(!!)するそうで、いまだに小さい醸造所は旧式で大変な思いをされているところも多いとか。

繁忙期はスタッフの方ですら、ここは立ち入り禁止になるそうで、貴重なものを見せていただきました。

発酵の際に酵母がブドウ糖を食べ、熱と二酸化炭素が発生します。

すべての発酵タンクの上にはホースがつながっており、熱が高くなると水を流して冷やす仕組みとなっています。

しかもその水は冷たい雪解け水を地下からくみ上げたもので、うまい具合に活用されています。
自然環境に恵まれている小樽だからできることですね。

こちらはワインに残ったおりや酵母を濾す機械です。
細かいフィルターが並んでおり、ここを4回通すそうです。
以前は2回だったけど、今は4回。
ますますクリアな味わいに磨きがかかったわけですね。

ここで出たおりや酵母はおよそ250トン。
従来は畑に肥料として撒いたりもしていますが、それでも余ってしまうそうです。
再利用のために、ワインビネガーを作ったり、いずれは化粧品に使用されるように現在研究中だとか。

この後、オートメーションで瓶に詰められていきます。

 

結び-ワインと茶の共通点-

案内してくださったお兄さんがとてもワインを愛していて、知識も豊富。
工場を案内していただくと非常にワインを身近に感じ、もっと勉強してみたいと思いました。

お兄さんのお話の中で、「自然派ワイン」を名乗る正しく作られていないワインが流行っている話を伺いました。
これはお茶の世界でもよくある、極端なナチュラル志向の弊害です。
「無農薬栽培茶」と名乗って、生ごみを撒き、ハエがたかっているような土でお茶を作っている人もいる話を以前茶農家さんから聞いたことがあります。

難しい問題ではありますが、人にも作物にも良い状態できちんと管理をしないと美味しいものは生まれないのではないかと個人的には考えています。
土の管理、肥料、農薬の管理然りです。

さらに、茶とワインの共通点について考えたのは、「国産ワインと日本ワインの違い」のお話です。
・国産ワイン⇒海外から輸入したぶどう(濃縮果汁等)を日本で加工して作られたワイン
・日本ワイン⇒日本で育ったぶどうで日本国内で加工したワイン

簡単に言うとそういう違いだそうです。
この定義が法律で定まったのはなんと2018年10月だとのこと。
つい先日です。

海外で日本ワインを訴求するにも、強みを生かすためにも、きちんとした定義と法整備が必要だと思われるのは、これまた茶と同じ。

 

最後に、ワインと茶との共通点として安易ですが以下を考えます。

①品種の違いが味に出る
②その土地の風味が味に出る
③昼夜の寒暖差のある場所で良質な原料が育つ

ワインのソムリエの方が使っている、風味を表現する時の言葉、用語等はそのまま茶を表現するにも使えますし、おそらくワインを深めるとさらに多くの共通点が見つかるのではないかと思います。

アルコールに弱いので、多くの飲み比べはできませんが、少しずつティスティングをし、茶と同様に自分の知識と経験をためていきたいと思いました。
フードペアリングについても!

違う角度から茶を見る機会を与えてもらって、良い経験となりました。

 

ちなみに、購入してきたワイン。
ナイアガラという白ブドウ品種で作られた甘口です。
ぶどうのさわやかな香りと生ぶどうジュースのような甘味にすっかりメロメロになりまして、迷わずゲットしてきました。
※筆者の購入したものは2017年のものでした。

アルコールに弱いけど美味しいワインを飲みたい方に是非お勧めしたいです。
甘すぎるくらい甘いですが、美味しいです!!!

年の瀬のほうじ茶作り。2019年に向けての棚卸




いよいよ2018年もあと数日。
大掃除ついでに冷凍庫から大量の緑茶が発掘されました。
お茶好きさんなら毎年のことかと思います。

購入⇒封を切って試飲⇒冷凍庫に保管⇒年末に発掘⇒改めて飲んでみる⇒劣化してる⇒どうしよう?

というのが筆者の毎年の年末です。汗

①そのまま放置⇒次の新茶の時期に茶葉が溢れかえってカオス
②廃棄⇒胸が苦しい
③再活用

という選択肢しか筆者にはないため、③再活用 を迷わず選択。

 

「そうだ、ほうじ茶作ろう」
(そうだ、京都行こうのノリで)

ほうじ茶とは何か、作り方は前の記事でもご紹介しています。

ほうじ茶って何?自宅で簡単ほうじ茶の作り方をご紹介!

今回はフライパンや焙烙を使用せずに、オーブンで作る方法をご紹介します。

【用意するもの】

1、緑茶(多少古くてもOK)
2、オーブン
3、クッキングシート

【作り方】

1、茶葉をふるう

製茶されている販売されているお茶でも、どうしても砕けて細かく粉になっているものがあるので、ムラなく焙じるためにまずはふるいましょう。

 

2、クッキングシートの上に茶葉を平にひく

今回筆者は以前購入した品種違いの緑茶が大量に発掘されたため、二種類に分けて作ってみることにしました。

3、オーブンに入れる

150℃10分⇒180℃10分⇒200℃5分

で今回はやってみました。

200℃以上で最初にガンと火を入れ、その後下げていくという考え方もあるかと思いますし、逆に同じ温度(例えば180℃で30分というような)で一定に火を入れる方法もあるかと思います。

どれが良いのかは筆者自身まだ模索中です。
緑茶の仕上げをしている茶商の方などに聞いてみてもおそらくまちまちでないかと思います。

色々試してみて自分なりのほうじ茶道を極めるのは楽しいですし、<おいしいを追及する>のに答えはないのかも知れません。

購入して気に入ったお茶屋さんでこっそり聞いてみるといいかも知れません。
企業秘密かもしれませんので、あくまでもこっそりと!

4、完成

ムラなく火が入りました。
全体的にしっかり焙じられているのが分かります。

しっかり冷まして、落ち着いてから飲むのがおすすめです。
一日くらい置いた方が味が安定するように思います。

自宅で製茶やほうじ茶を作るのにおすすめグッズ

正直、焙烙やフライパンでほうじ茶を作る方が難しいです。汗
温度調整が難しく、オーブンでやるように満遍なく火が入らないのです。
生っぽいほうじ茶だったり、焦げちゃったり。。

オーブンをお持ちでしたら、オーブンで一気に行う方が楽かと思います。

筆者が使っているのはこちらのオーブン

筆者が使っているのはこの機種の数年前のバージョンですので、今はもっとムラなくできるのだろうな、と思います。

ちなみに、製茶をする際にも発酵や乾燥はこのオーブンで行っています。

パンやケーキを焼くのにも最適で、場所さえ確保できるならもう一台お茶用に購入したいところです。

やっぱり肉を解凍したり、おかずを温めたりした後にお茶を作るのは気が引けます。。
アルコールや重曹で丁寧に掃除は行っていますが、においは限界がありますよね…。

お茶とは全く関係ありませんが、大掃除時期なので掃除の際には重曹大活躍中。

筆者の家の掃除にはこれが欠かせません。
ガスコンロの掃除から、においのついたオーブンの掃除まで。

オーブン掃除には、200㏄くらいの水とおおさじ1ほどの重曹を耐熱容器に入れて5分ほど電子レンジでチン。
そのまま10分ほど放置してから、濡れた布巾で拭くだけで汚れとにおいが驚くほど取れます。

製茶を行う際にはこの作業を行ってからやります。

いや、もう説明するまでもないほど様々なサイトで重曹の使い方はご紹介されているのでこれ以上は割愛します。
とにかく重曹優れもの。

結び

今茶樹たちはじっと寒い冬に耐え、旨味をため込み、来春に備えています。
筆者も来春にまた様々な新茶に出会うため、2018年の緑茶は一度整理します。

でも、ついつい発掘されたお茶を飲んでしまうため進まないんですよね。汗汗
飲みきれない緑茶を濃いめに入れて、掃除の最後に拭き掃除に使うと殺菌効果がありますのでこちらも良いですよ。

作った山のようなほうじ茶を少しずつ飲みながら、年を越すのでしょう。
改めて掃除頑張ります。

 

新茶の摘採開始日を決定!インド紅茶局での取り決め




2018/12/21のニュースによれば、インド紅茶局ではインド北東部で紅茶の摘採日を決めることにしたとのことです。

今までは茶園が2月の何日から摘採をスタートするということを決めていたそうなのですが、茶樹が冬の休眠を終えて、新芽がしっかり出てきたところで摘採をするようにしたいということのようです。

天候やその他の理由で、そのスケジュールより前に摘採する場合はインド紅茶局の取締会に申告が必要となりました。

 

茶葉の摘採時期とは?

インドの摘み取り時期については具体的にどのように決められていたのかは筆者の勉強不足で正直よくわかりません。。

おそらく茶園のマネージャー等が葉の開き具合などを確認して摘み取り時期を決めているのではないかと思います。

日本でも摘採の時期というのは茶の品質に大きく関わってくるため、重要視されています。

例えば、新芽が開き始めた「今」摘まないと、翌日には開ききって品質がぐんと落ちてしまったりします。

農家に新茶期数日ファームステイをしたことがあるのですが、確実に明日の朝摘み取りをしなければならないとしても、朝起きると雨が降っている、ということもあり、まさに天候との戦いとなります。
※雨の水がつくことにより、品質が落ちる可能性があるためです。

「毎日天気予報(天候や気温)を見ながら、茶畑の様子をうかがっています」

とそこの農家さんは仰っていました。

おそらくそれはインドでも同様ではないでしょうか。
天候を睨みながら、一番良い状態で摘み取りたいというのはどの茶園でも願うことかと思われます。

 

 

なぜインド紅茶局は摘採日を決めたのか?

「適期を選んで摘採し、製茶する、なんて当然のことじゃないの???
それをわざわざ、しかも今更インド紅茶局で定める必要があるの???」

とニュースを読んでいて正直思いました。

「The Telegraph」のニュースを見ると、

This date applies to gardens in Assam, Arunachal Pradesh, Meghalaya, Mizoram, Nagaland, Tripura and Manipur. For Bengal and Bihar, the plucking season will commence from February 11 while it will begin from February 28 in Himachal Pradesh and Uttarakhand.

2/18はアッサム、アルナーチャルプラデーシュ州、メガラヤ、ミゾラム、ナガランド、トリプラ、マニプールの茶園に適用。
ベンガルとビハールは2/11から始まり、2/28からはヒマーチャルプラデーシュ州とウッタラーカンド州で摘採を開始すること。

となっています。

茶園管理に適した摘採時期を定めた、という話ではありますが、つまり「それ以前に収穫してしまう茶園がある」ということ。

1953年の茶法、2011年の食品安全基準によると、「早摘みした葉は規定されている基準に満たず、お茶の定義を順守していない」とされており、それら品質の悪いお茶が輸出増加の妨げになっているとの判断を下したということだそうです。

例えば日本でも毎年ご祝儀相場で入札される一番茶があります。
2018年は富士宮市の手もみ茶が1キロ109万円!
通常の煎茶は100g1080円程度ですので、どれほど高価か想像できるかと思います。
手もみ茶ということを考慮しても、やはりお高い…。(こちらが品質の悪いお茶という意味ではありません!)

「どこの茶園より早い一番茶」を謳えば、買う人がいるということです。

おまけに高く買ってくれるのですから、どこの茶園より早く製造して販売したいと考えるのは仕方のないこと。

 

結び

インドではおおよそ4回の旬があります。(「The Telegraph」によれば)

・ファーストフラッシュ(春
・セカンドフラッシュ(夏)
・レインフラッシュ(雨季)
・オータムナル(秋)

12/15に茶樹は休眠に入っているようで、来春に最初に出てくる新芽には冬の間に茶樹の中にため込んだパワーが溢れています。

適期に摘んで、最高級の紅茶(ファーストフラッシュ)を作り、3月末に市場に出回れば高値が付くということをインド紅茶局は期待しているようです。

日本でも茶業組合のようなところで様々な取り組みが行われていますが、インドでも同様で、おそらく茶を作っている国ではどこでもこうして改善策を考えながらより良いお茶作りを目指しているのだと思います。

世界各国の茶産地のニュースをわかりやすくお届けできたらよいと思いつつ、筆者自身も常に勉強です。

ちなみに、ダージリンのファーストフラッシュはこんな感じ。

ダージリンファーストフラッシュは特に日本人が「新茶」ともてはやす紅茶です。
ダージリンは標高が高い茶園が多く、醗酵が進みづらく緑茶のような緑色葉であるところから、日本(とドイツ)では非常に好まれますし高価です。
※あえて緑色っぽく仕上げているという説もあります

筆者はダージリンファーストフラッシュが出始める(日本では5月くらい)頃になると「今年も紅茶が本格的な時期になってきたぞ」と思います。

ダージリンに限らず、「今年の一番茶」という言葉に弱い日本人です。笑

ティーバッグが破ける?ヨークシャーティ(Yorkshire Tea)のティーバッグ事件




2018/12/20、イギリスのニュースでヨークシャーティのティーバッグが破ける事件が発生していると話題になりました。

ヨークシャーティ(Yorkshire Tea)と言えば、イギリスではPGチップス(PG Tips)と首位を争うくらいの人気紅茶メーカーです。

当然多くのイギリス国民に愛されているわけですが、ティーバッグが破けるということで非難が殺到しているそうです。

ヨークシャーティ(Yorkshire Tea)とは?

紅茶好きな方なら一度は見たことがあるであろうこちらのパッケージ。

ちなみにPGチップス(PG Tips)はこちら。

ヨークシャーティ(Yorkshire Tea)は1886年にチャールズ・テーラーと息子二人によって設立されました。
北ヨークシャー周辺の町、ハロゲイトに1号店をオープンさせ、1896年にはLondon Grocery Exhibitionにて金メダルを獲得。

今では英国王室御用達の紅茶となっています。

100年以上の歴史があり、イギリスのスーパーで見かけないところはないほど国民に愛されている紅茶です。
全世界で毎日800万杯、900万杯飲まれている紅茶と言われています。

ティーブレンダーたちは何百とあるアッサム、ダージリン、セイロンなどをティスティングし、硬水、軟水やミルクに合う合わない等を鑑みて常に一定の味が保てるようにブレンドを行っています。

ヨークシャーティを販売する方たちはヨークシャーティの茶園や工場を視察し、持続可能な公正で誠実な取引を行っているとのこと。
また、環境保全にも貢献しています。
熱帯雨林の保護、農薬削減等を推進し、レインフォレスト・アライアンスとも協定を結んでいます。
※レインフォレスト・アライアンスについてはこちらを参照ください。

ティーバッグが破れる事件とは?

ヨークシャーティの愛飲家であるイギリスの有名人らがSNSで「最近ヨークシャーティのティーバッグが破れやすくなり茶葉が出てしまう」などをつぶやきだしたところから、話題になったようです。

ヨークシャーティのHPには2018/12/18にそれらに対する謝罪文を掲載しています。ざっくり説明すると以下の通り。

「破けやすいティーバッグが存在していること、本当に申し訳ございません。
今まで石油ベースのプラスチックで作られていたティーバッグを、環境にやさしい生分解性のティーバッグに切り替えたところ、一部のティーバッグが破れやすくなってしまっています。
これから改善をしていきますので、ティーバッグが破けた方はお問合せください。」
ヨークシャーティHPより

ということだそうです。

以前の記事でも紹介しておりますが、全世界でプラスチック製品を排除する方向に進んでいます。⇒こちらを参照ください。
また、ティーバッグについてはこちらでまとめています。

結び

SNSで軽く炎上しつつあるところですかさず謝罪文を出すあたり、さすが世界のヨークシャーティと思わざるを得ません。

筆者も店でティーバッグを一つずつ詰めていたのですが、シーラーが甘いとすぐに開いてしまって、実際に何度もやり直した経験があります。
ちなみに、生分解性のティーバッグを使用していました。

他人事ではない事件ではありますが、全世界で愛されているヨークシャーティが体にも自然にもやさしい生分解性のティーバッグに切り替えているということが明らかにもなり、企業イメージはアップしているようにも思います。

茶葉を少々食べたって害があるものではありません。
日本茶なんて食べますからね、実際。

負けずに頑張っていただきたいところです。

 

 

 

全然関係ないですが、筆者が使用していておすすめのシーラーはこちら。

少々高いですが、お茶を仕事にしたいならこのレベルのシーラーは買うべきです。
というのも、筆者、いくつかの安いシーラーを購入しては封ができておらずに茶葉をばらまいたことがあります。笑
経験に基づいておりますので、非常におすすめです。
※現在も使用中

「宇治茶の普及とおもてなしの心の醸成に関する条例」、「府『宇治茶』新条例」(仮称)とは?




「日本茶」が海外でも注目を浴びるようになり、日本茶をもっとアピールしていこうという気運が高まっていることを日々感じます。

毎日のように茶産地でのイベント、茶文化の普及のための取り組み等のニュースを目にします。

筆者の記事、以下もご参照ください。

▼静岡独自の茶の条例についての記事
静岡茶条例

▼日本茶がユネスコ無形文化遺産登録?
ユネスコ

▼茶にまつわる場所でのイベント
⇒松江市の松平不昧没後200年記念祭(2018年12月末まで)

京都府宇治市では「宇治茶の普及とおもてなしの心の醸成に関する条例」というオリジナルの茶条例が制定されています。(2014年10月)

さらに、府内だけではなく全国に向けて宇治茶を発信するための「府『宇治茶』新条例」(仮称)が新しく制定されることとなりました。

京都府、宇治市の茶への取り組みについてまとめてみたいと思います。

「宇治茶の普及とおもてなしの心の醸成に関する条例」とは?

宇治茶の発祥の地であることに誇りを持ち、宇治茶の消費拡大による「宇治茶の普及」、客に宇治茶を振る舞うことを通した「おもてなしの心の醸成」により先人たちが築きあげてきた宇治茶の伝統、産業を守り、国内外に情報発信。
また、宇治市がより発展していくこと、合わせてその取り組みを行っていく旨を表明しています。(宇治市HPより)

まずは宇治市に住む人々が自分の住んでいるところの茶文化に興味を持ってくれるように仕掛けた条例と言えるでしょう。

実際に宇治市のHPを見ると、茶の産地ツアー、茶イベントの紹介、茶の飲み方等々がまとめられており、一番HPを見るであろう宇治市の方たちに視覚的にも訴えかけているように感じます。
茶好きな筆者はHPを見て宇治市に住みたくなっております。笑

「府『宇治茶』新条例」(仮称)とは?

宇治市民を巻き込んで茶を盛り上げていこうという「宇治茶の普及とおもてなしの心の醸成に関する条例」の次は、宇治茶を全国で普及させて府内の茶産業発展につなげていくための条例が制定されることになりました。

2018年12月20日から中間案が発表となり、2019年1月21日までに条例の愛称やパブリックコメントを募集し、2019年4月の施行を目指すとのこと。

実際の振興案などはこれからですが、条例案としては「茶は喉だけではなく心を潤す」という理念のもと、
・「府民の役割」として日常的に宇治茶に親しむこと
・「府の責務」として宇治茶の普及と促進、茶産業の振興に取り組むこと
を掲げています。

 

結び

「茶は喉だけではなく心を潤す」という言葉。
本当にそうなんですよ。

・疲れてほっと一息つきたいとき
・誰かと楽しい時間を過ごすとき

そんな絵を想像する時、日本茶や紅茶(もちろん珈琲や中国茶だって)がテーブルにありませんか?
湯のみやマグカップを手にしている姿が頭に浮かびませんか?

喉が渇いているだけなら、何を飲んでもいいのです。
むしろ水の方がよいでしょう。

ですが、「茶」は空間や時間がともに存在します。
幸せな空気が漂っているイメージです。(筆者だけ?!違うよね?!)

日本国中の茶産地が力を合わせて、茶産業を盛り上げようとすればまだまだ盛り上がっていくはずです。
世界に誇れる「日本茶文化」を守りたい、守ろう。

筆者の個人の活動では限りがありますが、急須を持ったことのない若い方たちやこれからを担う子供たちにもせめてその思いを伝えていきたいと思います。