【大人の社会科見学】ワインと茶の共通点。北海道ワイン小樽醸造所を訪ねて思うこと。




今回は茶ではなく、ワイナリーへ行ってきたのでその話を書いていきたいと思います。
以前より嗜好飲料であるワインや日本酒についても関心を持っているのですが、あまり飲めないということもあり、本で読む程度。

ワイナリー(や酒造)に行ってみたい、と以前から思っていた願いを友人が叶えてくれたので、喜び勇んで行って参りました。

日本で一番国産ぶどうを使用している「北海道ワイン株式会社」

今回お邪魔したのは北海道小樽市にある有名な北海道ワイン小樽醸造所。

南小樽駅からタクシーで15分ほどでしょうか。
無謀にも1月の半ば。
前日は札幌が大雪だったのですが、小樽はそれほど積もらなかったようで道路は問題なしの状態。

結構山の中です。

うっかり外観の写真を撮り忘れましたが、HPでご確認ください。
北海道ワイン株式会社HP

 

エントランスを入るとギャラリーがあり、写真で製造方法の紹介などがあります。
また、奥には無料試飲もできる販売所が。

ワインの工場見学。しかも無料案内付き!

無料試飲で少しだけワインを味わい、帰りに買うものに目星をつけたところで、いざ工場見学。

我々二人のみのかなり贅沢なツアー。
真冬ですし、工場も稼働してませんからね。

工場に入ると、寒い!!!
真冬なので、温度調節せずともそのまま冷蔵庫(下手したら冷凍庫)です。

そして、でかいものが目の前に!!!
見上げると首が痛くなるほど大きい貯蔵タンクがいくつも並んでいます。
壮観!
この貯蔵タンク1台でおよそ、2万ℓのワインが貯蔵できます。
720㎖のワインボトルが28000本!!!

写真左側にある温度計のようなものは、中にどれくらいワインが入っているかを確認できるようになっています。(写真のものは真ん中くらいまでロゼワインが入っています)

北海道ワインでは1年で260万トンのワインを作っているとのこと。
専用のブドウ畑は浦臼町にある鶴沼ワイナリーで、東京ドーム100個分の敷地だそうです。
会社広報の動画によると、<ミュラー・ツゥルガウ>、<ツヴァイゲルト>、<ピノ・ブラン><ゲヴュルツトラミネール>などのドイツ、オーストリア、フランス系のブドウ品種を栽培しています。

北海道の気候が、欧州と合うとか。
そういえば、ウィスキーもそんな感じだったような…?
酪農もそうですね。考えてみれば。
北海道ってすごいな。

写真上部の左側に見えるカーテンのところから、摘まれたぶどうが入ってきて、グレーのバケツに入ります。
グレーのバケツは500㎏のぶどうが入るそうです。
そして最繁忙期には1日にバケツ200杯のぶどうが…!

より良いブドウを選別して、高級価格帯のワインを作る場合は選別機を使って、えり分けするそうです。
その機械も見せていただきました。
糖度が高いぶどうだけを選別できるというかなり高価な機械。
ある程度機械でえり分けて、人間の目でも判定をし、最高級のワインが出来上がるとのこと。
美味しいものにはそれだけの手間がかかっているということです。

その後ぶどうは除梗破砕機を通って、下に落ち次の工程へ。

通常白ワインの製造工程では果皮を取り除きますが、こちらでは入れたままにしているそうです。
というのも、ぶどうの果皮には香り成分が多く含まれており、低温で果汁と果皮を保管しておくことにより果汁にしっかり果皮の香り成分が移るとのこと。
これを【スキンコンタクト】製法というそうです。

スキンコンタクトは、気温が低い北海道だからできること。
夏でもそれほど気温が上がらないので、クリアなワインができるそうです。

スキンコンタクトが終わると、まだまだ残っている果肉の果汁を絞り出すため、圧搾機にかけます。

写真は旧式の圧搾機。
中に大きいバルーンが入っていて、バルーンが膨らみ、圧搾機が回転することで外側に押し付けられた果肉、果皮から果汁が絞り出されます。

今はさらに高性能なものもあるとか。

こちらは発酵のタンク。

右側のステンレスのものが新式。
左のものが旧式。

新式のものは温度管理、発生するおりの処理、攪拌等がオートメーション化されています。
しかし、左の旧式のものは、溜まったおりは人力でバケツで掻き出さなければいけないし、温度調整もできないので、寒い今は白い保温用のシートを巻いています。
暑くなるとこれをはがす、という手間もかかります。(大変…)

新式は1台1000万(!!)するそうで、いまだに小さい醸造所は旧式で大変な思いをされているところも多いとか。

繁忙期はスタッフの方ですら、ここは立ち入り禁止になるそうで、貴重なものを見せていただきました。

発酵の際に酵母がブドウ糖を食べ、熱と二酸化炭素が発生します。

すべての発酵タンクの上にはホースがつながっており、熱が高くなると水を流して冷やす仕組みとなっています。

しかもその水は冷たい雪解け水を地下からくみ上げたもので、うまい具合に活用されています。
自然環境に恵まれている小樽だからできることですね。

こちらはワインに残ったおりや酵母を濾す機械です。
細かいフィルターが並んでおり、ここを4回通すそうです。
以前は2回だったけど、今は4回。
ますますクリアな味わいに磨きがかかったわけですね。

ここで出たおりや酵母はおよそ250トン。
従来は畑に肥料として撒いたりもしていますが、それでも余ってしまうそうです。
再利用のために、ワインビネガーを作ったり、いずれは化粧品に使用されるように現在研究中だとか。

この後、オートメーションで瓶に詰められていきます。

 

結び-ワインと茶の共通点-

案内してくださったお兄さんがとてもワインを愛していて、知識も豊富。
工場を案内していただくと非常にワインを身近に感じ、もっと勉強してみたいと思いました。

お兄さんのお話の中で、「自然派ワイン」を名乗る正しく作られていないワインが流行っている話を伺いました。
これはお茶の世界でもよくある、極端なナチュラル志向の弊害です。
「無農薬栽培茶」と名乗って、生ごみを撒き、ハエがたかっているような土でお茶を作っている人もいる話を以前茶農家さんから聞いたことがあります。

難しい問題ではありますが、人にも作物にも良い状態できちんと管理をしないと美味しいものは生まれないのではないかと個人的には考えています。
土の管理、肥料、農薬の管理然りです。

さらに、茶とワインの共通点について考えたのは、「国産ワインと日本ワインの違い」のお話です。
・国産ワイン⇒海外から輸入したぶどう(濃縮果汁等)を日本で加工して作られたワイン
・日本ワイン⇒日本で育ったぶどうで日本国内で加工したワイン

簡単に言うとそういう違いだそうです。
この定義が法律で定まったのはなんと2018年10月だとのこと。
つい先日です。

海外で日本ワインを訴求するにも、強みを生かすためにも、きちんとした定義と法整備が必要だと思われるのは、これまた茶と同じ。

 

最後に、ワインと茶との共通点として安易ですが以下を考えます。

①品種の違いが味に出る
②その土地の風味が味に出る
③昼夜の寒暖差のある場所で良質な原料が育つ

ワインのソムリエの方が使っている、風味を表現する時の言葉、用語等はそのまま茶を表現するにも使えますし、おそらくワインを深めるとさらに多くの共通点が見つかるのではないかと思います。

アルコールに弱いので、多くの飲み比べはできませんが、少しずつティスティングをし、茶と同様に自分の知識と経験をためていきたいと思いました。
フードペアリングについても!

違う角度から茶を見る機会を与えてもらって、良い経験となりました。

 

ちなみに、購入してきたワイン。
ナイアガラという白ブドウ品種で作られた甘口です。
ぶどうのさわやかな香りと生ぶどうジュースのような甘味にすっかりメロメロになりまして、迷わずゲットしてきました。
※筆者の購入したものは2017年のものでした。

アルコールに弱いけど美味しいワインを飲みたい方に是非お勧めしたいです。
甘すぎるくらい甘いですが、美味しいです!!!

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