夏になると大量消費するのが麦茶。
冷蔵庫にどこのご家庭でも入っているのではないでしょうか。
麦茶の効能やカフェインの有無などについてまとめてみたいと思います。
茶の定義
そもそものお話ですが、麦茶や黒豆茶のようなものは正確に言うと「茶」ではないということをご存じでしょうか。
「茶」の定義としては公益社団法人日本茶業中央会が平成21年に定めているものに下記のような記載があります。
【「茶」とは、ツバキ科カメリア属(Camellia sinensis(L)O.Kuntze
の植物(以下「チャ」という。)から製造したもので、実施細則(以下「実施細則」という。)に定めるもの及びこれを原材料として加工した茶製品をいう。】
※緑茶の表示基準として定義されているものを引用しています。
ツバキ科カメリア属で作られている「紅茶」、「中国茶」、「緑茶」は「茶」とつけられるということになります。
では麦茶は?
麦茶は麦の抽出物。
ハーブティもハーブの抽出物。
ということになります。
マテ茶、ルイボスティ、タンポポティなどもこの定義から言うと正確な「茶」ではなくなりますが、だからと言って「茶」ではない!と喚き散らす気はありません。
緑茶の定義からすると、麦茶やハーブティなどは「茶外茶(ちゃがいちゃ)」や「代用茶」と言われることがありますよ、ということをご認識いただければ十分です。
茶の茶外茶(代用茶)の違いとは?
簡単に言うと、
茶➡カフェインやカテキンを含むカメリアシネンシスの葉から作られたもの
茶外茶(代用茶)➡茶以外のものを抽出しやすく加工したもの
ということになります。
※ただし、マテ茶はモチノキ科ですが少量のカフェインを含んでいます。
つまり、麦茶はカメリアシネンシスから作られていないため、カフェインが含まれていません。
夏に大量に飲んでも、体に負担がないということになりますね。
※水分を取り過ぎる危険はありますので、何事も過剰には注意です。
麦茶の効能は?
緑茶や紅茶、中国茶にはカフェインやカテキン(紅茶ポリフェノール)の効果として、
・覚醒効果
・がんの発生を抑える効果
・動脈硬化効果
・風邪やインフルエンザの予防効果
等多くの効果が研究されています。
まだまだ分かってない部分が多いため、現在も常に研究がされています。
では、麦茶の効果はどのようなものがあるのでしょうか。
・血流増加
・中性脂肪やコレステロール値を下げる
・ノンカフェインで胃が荒れない
・ノンカロリー
麦を焙煎したときに発生する「アルキルピラジン」という香ばしい香り成分が血行を良くしてくれて、さらに「GABA(ギャバ)」という成分が中性脂肪やコレステロール値を下げてくれます。
そして、ノンカフェインの上、ノンカロリーであること。
水代わりに結構大量に飲んでしまうことの多い麦茶ですが、体への負担は茶より少ないと言えます。
妊婦さんや赤ちゃんも平気?
よく聞かれるのは妊婦さんや赤ちゃんでも平気ですか?ということです。
麦茶の原料である大麦は体を冷やす効果があると言われています。
そのため、妊婦さんの場合は冷たい麦茶よりは常温、もしくは少し温めた麦茶を飲んだ方がよさそうです。
妊婦さんではなくとも体を冷やしすぎてしまうのはよろしくありません。
また、赤ちゃんに飲ませても特別問題はありません。
ただし、赤ちゃんは様々な成分を処理する能力がまだ確立していませんので、少し薄めて飲ませてあげた方が良いでしょう。
麦茶って良い飲み物!
江戸時代くらいから麦茶に似たものがあったようです。
「茶」は禅僧が修行中に眠ってしまわないように飲んでいたものですが、麦茶は夏にさっぱりと水代わりに飲めるということを自然とわかっていたのでしょうね。
人間の知恵というのは素晴らしいです。
水代わりに、とはいいつつも過剰に飲みすぎるのは胃酸を薄めて食欲減退にも繋がりますし、冷たいものを一気に飲むことも体の負担になりますから注意しましょう!
冷茶も美味しいですが、大量に水分を取りがちな夏は少しカフェインを抑えるという意味でも麦茶は最適かと思います。
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