うっかり前編ではいただいた商品のレビューを書くだけで終わりにしてしまいました。すみません。。
さて、いよいよ本編です。
いただいた荒茶100gを火入れしていきます。(前回5g荒茶を飲んだので、正確に言えば95g)
当選者に送られてきたセット一式の中に仕上げの簡単な説明用紙がついているのですが、2021年8月28日(土)には「お~いお茶 真夏の火入れ大作戦」YouTubeライブが行われました。
ライブではそれ以前に行われた「火入れ王決定戦」で選ばれた伊藤園社内の方たちが説明をしながら実際に仕上げを行ってくださり、視聴者みんなで一緒に楽しめる感じでした。
こちらが「火入れ王決定戦」↓
社員の皆様、みんなクセ強めで笑えます。
レッツ火入れ!
1,水分を飛ばす
まずは電子レンジで水分を少し飛ばします。
荒茶を平皿に広げて、500wで1分ほど。
2,振るう
篩で粉を取ります。
葉の大きさが違うと、火入れをした時にムラが出てしまいます。
結構たくさん粉茶が取れました。
多分少々振るい過ぎ。(;^_^A
3,茎を取る
これがなかなかの…。
色が白っぽい茎の部分をピンセットで取っていきます。
現在は静電気を利用したり、色彩選別機のような機械で分別を行います。
そういった機械が出来る前は当然このように手でふるい分けをしましたので、昔は大変だったでしょうね…。
少ないですが、茎ではない雑草や小枝が入っていましたので、そちらも取り除いておきました。(自分で作ったお茶の方が大量に異物が入ってることがよく分かりました…)
4,それぞれを火入れ
まずは本茶(茎等を取り除いた)から。
フライパンを少し温めてから茶葉を投入。
焦がさないようにゆっくりとかき混ぜながら、香りが立つのを待ちます。
ベストな瞬間で火を止めることを「入った!」と言うそうです。
実際に行う前に「火入れ王決定戦」の動画で見ていた時は「どんな感じで入るのか??」と思っていましたが、ずっと香りを嗅ぎながら丁寧に混ぜていると確かに香りがぐんと立つ瞬間がありました。
「あ、入ったかも?」
というような感じではありましたが、良い感じになったと思います。
その後、茎の火入れ、粉茶の火入れと続けて行います。
本茶より、量の少ない茎と細かい粉茶は難しく感じました。
どこで「入った」のやらわからないままでした。(;^_^A
実際にお茶の仕上げ加工が行われている動画がありましたので、こちらも合わせてご覧ください。
最後は合組!!!
これで、それぞれのパーツが完成しました。
茶商やお茶屋の腕の見せ所がここ、合組です。
一度分解したパーツをそれぞれ仕上げて、最後に調合します。
これは初体験ですので、正直何をどれくらい入れればどうなるのかが未知数です。
また、茎は量が圧倒的に少ないので少量になってしまいますし、あまり粉茶を足すのも…と考えて、本茶8割+残り2割を茎と粉にしました。(内訳:茎2割、粉茶8割)
味はどう???
茶液の色が分かりづらいですが、一番右が本茶のみ、真ん中が合組したもの、左はいただいた伊藤園のおーいお茶。
・本茶を飲んでみると、少々苦渋みが目立ちます。
火入れの感じは良かったようで、甘味や香りも感じられます。
・合組したものは、本茶のみに比べると確かに味わいが複雑になりました。
そして、全体的にマイルドに。
ただ、茎を一部焦がしていたようで、どこかにほうじ茶のような香りが…。(^-^;
・最後に伊藤園のおーいお茶を。
緑茶のペットボトルは新作が出ると購入して飲むのですが、改めておーいお茶を飲むのは久しぶりです。
あれ、美味しい。
筆者の印象だと火香が強めの印象があったおーいお茶でしたが、苦味、渋味、甘味旨味のバランスが良く、非常に飲みやすい。
また、いわゆる「ペットボトル緑茶」くささがそれほど感じられません。
分かる人にしか分からない表現ですみません。。
いつから飲んでいなかったのか、改良されているのを知らなかったのか、そもそもペットボトル緑茶の良い部分を探そうとしていなかったのか、と記憶を探ってぐるぐると考えていましたが、とにもかくにも案外美味しいというのが率直な感想です。
あ、もしやそっちが狙いなの?伊藤園さん??
だとしたらまんまと罠にかかりましたよ、コレ。
筆者は自分で作ったものにはやたら厳しいため、客観的にどうなのかはよく分かりませんが本茶の火入れのタイミングは良かったと思います。
あとは合組の割合と、茎茶と粉茶の火入れ具合なのでしょう。
どこかで煎茶を購入したときに新しい目線で葉を見ることが出来そうです。むふふ。
ブレンドと合組
以前紅茶で「シングルオリジン」か「ブレンド」かという記事を書きましたが、合組は紅茶で言うところのブレンドに当たる部分かと思います。
▼参照記事:紅茶の選び方②~シングルオリジン?orブレンド?~
ダージリンという名称で販売されている紅茶は多くありますが、「ダージリン○○茶園No.△△」という売り方が「シングルオリジン」で、「ダージリン」という地名のみを冠して販売しているものが「ブレンド」(※例外あり)となります。
よくスーパーなどで販売されている「静岡茶」「宇治茶」と産地名を冠したものの多くが茶商やお茶屋が合組をして、オリジナルのお茶を作っています。
※単一茶園のものもありますので裏の表記をよく見てみてください。
静岡や宇治の産地の特徴を出すようにブレンドしたり、販売店の希望(顧客の希望)に合わせてブレンド(=合組)したりしています。
ブレンド≒合組
ティーブレンダー≒茶師
と考えると分かりやすいのではないかと思います。
厳密に言えば細かい部分は色々と異なっていますが、筆者はこういうイメージで考えています。
今回の「真夏の火入れ大作戦」ではパーツの合組でしたが、茶園や品種の合組もありますし、すべてを行うこともあるかと思います。
どちらも「年間通して同じクオリティを保つため」に必要なことです。
結び
筆者自身が「火入れや合組というのは最終的な商品を作るのにとても重要な工程なんですよ」と偉そうに言っていましたが、実際にその工程を自身で行ったことはありません。
今回、こうして本当に葉に触れ、葉の様子を観察し、香りを嗅ぎながら仕上げ工程を体験できたのはとてもとても勉強になりました。
数年前に仕上げ工場を見せていただいた時の記憶がフラッシュバックしました。
実はあまり覚えていない…
畑から生葉を作り出し、そこから製茶する部分も非常に面白いですが、この仕上げ工程には出来上がった茶葉中にある良い部分を引き出してあげるという印象を持ちました。
自身も紅茶や烏龍茶(時々釜炒り茶)を作っておりまして、仕上げ焙煎を行います。
今回と同じように茎や異物を取り、低い温度でゆっくりと何度も火を入れることにより、香味が変化していきます。
もちろん、製茶過程で失敗があった場合は火入れ焙煎を行ってもある一定以上は美味しくなることがありません。
これが良く言う「ない袖は振れぬ」状態。
それは何より楽しく、また難しい部分です。
今回「真夏の火入れ大作戦」を体験してみて、仕上げ工程というのは「生産者」と「茶師」がタッグを組んで、最高のお茶を作り上げるということなのだと改めて感じました。
自分がやったことのないことはどうしても上っ面な言葉になりがちですが、今回たった一回の経験でしたが自身の五感を使いながら行ったことで言葉に魂が宿った気がします。
子供から大人まで楽しめて学びがある体験を無料でさせてくださるなんて、伊藤園さんがますます好きになっちゃいます。(媚)
ありがとう、伊藤園さん!
本当に感謝です!
今から言っておきます。
第三段も参加しますから!!!
コメント