筆者おススメの本⑥ーへうげものー

へうげもの レビュー

三連休、雨で畑仕事もできないもので久しぶりにのんびり過ごしております。

最近改めてお茶の映像などを探しながら、Amazonプライムビデオなどを見ているのですが「dアニメストア」でたまたま「へうげもの」を発見。

放映された当時に一度見ているのですが、今回改めて絶賛視聴中です。

今回ご紹介する「へうげもの」は、漫画自体も持っているのですが以前読んだまま本棚に並んでいるだけになっていますのでこちらも改めて開いてみようと思います。

へうげものとは?

織部

時は戦国乱世。織田信長が今まさに天下を獲らんとするその陰に、茶の湯と物欲に魂を奪われた一人の武将がいた。のちに数奇者として天下に名を轟かせる「古田左介(織部)」である。「出世」と「物」、二つの欲の間で葛藤と悶絶を繰り返す日々の中、時代は大きく揺れ動く。やがて左介は「数奇者」としての天下獲りを心に決め、「へうげもの」への道をひた走る。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、戦国時代を駆け抜けた男/知られざる傑物の物語。
▼引用元:https://www6.nhk.or.jp/anime/program/detail.html?i=hyouge

「へうげる」は現代語ですと「ひょうげる(剽げる)」で、「ふざけた」「おどけた」というような意味があり、左介(のちの織部)のような数寄者や面白い形の品のことを指す言葉です。

左介の登場時が織田信長の直臣ですので、名物がたくさん出てきますし、陶芸や茶道をなさっている方には非常に面白いのではないかと思います。

筆者がアニメを見て(見ている)興味をそそられた部分を特に2つピックアップします。

アニメの見どころ

1,茶器や茶室の美しさ

左介(のちの織部)は利休の弟子として、いずれ天下一の茶人となる人なので茶会の様子が度々登場します。

そして出てくる茶室や茶入れや茶碗の描写が非常に丁寧で美しいです。
高麗青磁
色絵付け
当然漫画の方でも綺麗に描かれているのですが、アニメはより美しく、まるで目の前にあるかのように描写されています。

手を伸ばして触れたくなりました。

日本全国から名物を集めて「御茶湯御政道(おんちゃのゆ ごせいどう)」を推し進めた織田信長の直臣である左介は多くの名物を目にすることとなり、それらを手に入れたいという欲で出世するよう努力していきます。

織田信長の「御茶湯御政道」は茶を政治的に利用しているものですが非常に斬新な発想であり、また後世の日本の茶の歴史においても非常に重要なポイントとなっています。

「へうげもの」に出てくる茶碗が紹介されている動画もありましたので合わせてご覧ください。
へうげもの名品名席
最初の九十九茄子(茶入)でテンション上がりました⤴⤴

2、抹茶の色

茶液
漫画で読んでいる時には気にもしなかったのですが(白黒ですからね。。)、改めて今回映像で見ている時に気になったのは点てている抹茶の色でした。

1580年代からスタートする「へうげもの」の中には茶室(茶室以外も)で茶を飲むシーンが非常に多く出てきます。

織田信長が推し進めた「御茶湯御政道」により、武士たちがみな茶道を手習うようになり、武功を挙げて名物を手に入れて信長に茶会開催の許可をもらえるようになることを願います。

当然茶を飲むシーンが頻繁に出てくるのですが、「へうげもの」では抹茶の色が茶色に描かれています。

鎌倉時代末期から室町時代にかけての「往来物(おうらいもの)」(手紙の往復書簡を手習いの手本とした初級教科書)に茶産地が多く出てくるようになりますが、栂尾、宇治が大人気の時代です。

宇治では丁度覆い下茶園が生まれた頃ですから、以前より美味しく、緑の濃い抹茶が作られるようになったのではないかと想像します。

実際に戦国時代には宇治が宇治茶ブランド(無上と別儀)を作り、覆い下栽培、石臼の改良等々が盛んに行われていたようです。

「日本茶の歴史」(橋本素子著)にそのあたりのことは詳しく書かれていますのでよろしければご参考に。
▼参照記事:筆者おススメの本④ー茶道教養講座4 日本茶の歴史ー

果たして、茶色の抹茶は正解なのか。

今のように鮮やかな緑色にはなっていなかったかも知れませんが、アニメのようにしっかり茶色だったのだろうか。

劣化?
石臼で熱が入って茶色になった??

などなど色々と考えていましたが、筆者に分かるはずもありません。。
機会があれば調べてみようかと思います。(と、自分でタスクを増やして進まないっていうね)

結び

最近ようやく日本茶の歴史の流れが頭に入ってきたので(なんとなくですが)、2011年の放送当時よりかなり興味深く映像が見られています。

筆者は茶道を習ったことがないため茶入や茶碗などは無頓着です。

しかし利休が楽茶碗を作らせるシーンや待庵で茶を点てるシーン、大名物が登場する場面などはなんとも興奮するものです。

また、織田信長の「御茶湯御政道」に端を発して、利休や左介も窯元に金を積み陶芸という日本の文化の一つを守っていたことに改めて気づかされます。

まだ最後まで見られていませんが、確かアニメでは利休切腹あたりで終わっていたかと思います。

漫画の方は左介が死を迎えるところまであります。
漫画とアニメをそれぞれ見てみるのはとても良いと思います。

ちなみに、筆者は「dアニメストア」に加入しているので見られますが、U-NEXTでも見られるようです。

どちらも1か月ほどは無料で視聴できますので、夏休み中に試してみてはいかがでしょうか。(あれ?大人は今日で夏休み終わり??)

※本ブログ中のアニメの画像は「dアニメストア」から写真に撮り拝借しました。

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