インドの密造酒で死者多数。アッサムの茶園労働者たち

茶のニュース




2019/02/21の夜以降、インド北東部にあるアッサム州ゴラカート県(Golaghat)で密造酒を飲んで体調不良を訴えた人々が病院に運び込まれたとのこと。
他にも近隣のジョルハット県(Jorhat)でも同様の症状で死亡した人たちがいるそうです。
23日の夜までに100人近い人たちが死亡。
さらに病院で治療を受けている方たちが200人程度いる模様。

病院に運び込まれた方たちは「深刻な嘔吐、胸部の激痛、呼吸困難」等を訴えているようです。

捜査当局によればアルコール度数を上げるために有毒なメチルアルコールが含まれている密造酒を摂取したためとのこと。
同月の頭にも同様にメチルアルコールが含まれている密造酒を飲んだ人たち、100名程度の死者が出ていました。

多くは貧しい茶園の労働者と見られており、来年のお茶の生産に影響があるのではないかと心配です。

メチルアルコールとは?

酒に使用されるのはエチルアルコール(エチノール)。
燃料等に使われるのはメチルアルコール(メチノール)。

メチルアルコール(メタノール)が体内に入ると、ホルムアルデヒドに分解され、最後に猛毒の「ギ酸」に変化します。

ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質の一つとして、一時期ニュースでも多く名前を聞きました。
気体の場合は呼吸器などの粘膜を刺激し、呼吸困難などを引き起こします。
また、ギ酸は頭痛や吐き気を引き起こします。
ギ酸には視神経を傷つける作用もあるため、少量でも長期間に渡って飲んだ場合は失明することもあるとか。

日本でも戦後の混乱期、エチルアルコールの酒が手に入らず、闇市などで購入したエチルアルコール(メタノール)入りの酒を飲んで死亡したり、失明したりした人が多くいたそうです。




なぜ密造酒?

20世紀代にはインドで酒は悪いものという教育がされていたようですが、現在は外国の情報も簡単に入ってくるようになり、インドのドラマなどでも飲酒シーンがあるとか。
※それより以前は逆に酒を飲むことは問題ではなかったようです。

しかし実際は、2017/4/1付で「高速道路沿い500m圏内での飲酒、酒の提供が禁止」と最高裁判所が決定し、飲酒運転による事故を減らそうとしています。
しかも、告知は前日だったとか。。

レストランでも、酒屋でも販売、広告を出すことも禁止という厳しい決定。
500m圏内の日本食レストランでも大損害を被ったようです。

茶園の労働者たちが実際にはどのように酒を入手して飲んでいたのかは、残念ながら筆者にはわかりません。
“貧しい茶園労働者”というニュースの通り、日常的に酒を手に入れることも難しい金銭状況なのか、禁酒の影響なのか…。

なぜ密造酒が2019年2月に入ってから二度も、しかも数百名の命を奪うことになったのか…。

ちなみに、インドで有名なキングフィッシャーは結構おいしいです。
筆者はほとんど酒を飲みませんが、キングフィッシャーはすっきりしており飲みやすいです。

結び

筆者がこのニュースを取り上げたのは、何より茶園の労働者に多数の死者が出たということです。アッサムでは時折川が氾濫して、多くの死者が出るというようなニュースも出るのですが、これから茶の生産が多くなるこの時期に多数の死者が出て、アッサム茶の高騰などにつながるのではないかと懸念しています。

命は落とさなかったとしても、失明する可能性が多いということもあります。

ダージリンのような産地に比べるとそれほど話題になりませんが(筆者があまり気にしたことがなかった汗)、今後もニュースを追いかけていこうと思います。

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