トルコ産の紅茶がどんどん増えてます、というニュースです。
2018年の上半期に93か国に茶を輸出して、450万ドル以上の収入を得ているとのこと。
トルコ紅茶のトップ3バイヤーはドイツ、トルコキプロス、米国となっています。
また、サウジアラビアへの輸出も増加中とのことで、今後ますます注目の紅茶産地となっていきそうです。
トルコの紅茶ってあまり聞いたことない…
トルコはこちら
実はトルコ、現在世界一の紅茶消費国です。
《一人当たりの紅茶消費量が多い国》
1位 トルコ
2位 アイルランド
3位 イギリス
となっています。
年間一人当たり3キロの紅茶を消費します。
ちなみに、日本は年間一人当たり1キロ程度。
1日10杯、20杯と飲む方も多いのです。
とはいえ、冒頭の写真のようなトルコの紅茶用グラスはおよそ100㏄程度しか入りません。
それでも紅茶を1ℓ、2ℓ飲むと思ったら…結構多いですね。汗
さらに、生産量も世界で5位!
あまり聞かないけれど、かなりの量を作って、輸出も行っています。
トルコの紅茶産業について
トルコで紅茶の栽培が本格化したのは1938年と、世界的にはかなり遅いです。
例えばスリランカなどは1800年代の末くらいから、珈琲に代わって紅茶のプランテーションが本格化しています。
1970年頃から紅茶の生産が軌道に乗り、時を同じくして、国の緊縮財政により珈琲が輸入できなくなったため紅茶の生産量がぐんと増えたそうです。
黒海に面したRize(リゼ)という急傾斜の地にできたティープランテーション。
Rize(リゼ)は湿度の高い温暖湿潤気候。
海に面しているので、冬は暖かく、夏は涼しい土地柄です。
冬は湿った雪も降るそうです。
茶畑はトルコの中でこのRize(リゼ)にしかないそうです。
Rize(リゼ)は雪が降るために、虫がつかず、無農薬栽培とのこと。
また、恐らく気候や土地柄かと思われますが、カフェインが少ないと言われています。
トルコの人たちはどのように紅茶を飲んでいるの?
冒頭写真の「トルコチャイグラス」は80㏄~100㏄ほどの紅茶を入れることができます。
ここで注意していただきたいのは、「チャイ」というと多くの方がインドのようなミルクやスパイスを混ぜた紅茶を想像しますが、トルコはストレートティ(Black tea)をチャイと言います。
こちらはインドのチャイ
こちらがトルコのチャイ
世界には紅茶のことを《ティー(テ)》というところと、《チャイ》というところがあります。
これは茶が中国や日本から伝播した時、陸路か海路、どちらによるかに関係します。
このあたりももう少し掘り下げて記事にしたいところです。
このグラスに入れたチャイに角砂糖2個くらいを入れてあまーくして飲むのがトルコスタイル。
糖分を取りすぎということで、砂糖を入れずに飲める日本の煎茶も今はトルコで生産されているそうです。
煎茶にハーブをブレンドしたりした商品もあるようですよ。
日本でもトルコ産紅茶を買えるの?
日本での輸入はそれほど多くないようです。
ですが、調べると結構販売しています。
以下のメーカーは有名なトルコでもメジャーなものです。
筆者は少し前に友人がトルコ旅行して買ってきてくれたものを飲みました。
カフェインが少ないと確かに思える、渋みの少ないまろやかな味わいでした。
日常使いにはコスパが良いのと、恐らく胃に負担も少ないのでおすすめです。
世界で5位の生産量を誇っているのに、日本にはそれほどトルコ紅茶の名前を聞かないのはなぜでしょう。
《消費量が世界一なので、自国消費をしていること》と《実際に輸入量が少ない》ということが考えられます。
または、《ブレンドティのベースとして使用されているために名前を聞かない》可能性も考えられます。
良い意味で味に個性がないので、ティーバッグなどでベースになる役割を担っているのかも知れません。(よって、生産量は多い)
日本紅茶協会にリンクがある財務省のデータを参照すると、《3キロ以下の直接包装されているもの》としてしか輸入されていないようです。
※バルクで輸入がされていないので、少量のみということが分かります
また、2017年はデータがなく、2018年のみ反映があるので、2018年に入ってから急増していることも分かります。
おまけにチャイグラスかわいい…
このトルコチャイグラスってかわいいですよね。
ブルーが素敵すぎる…!
トップ画像のようにシンプルなものもありますが、筆者のイメージの中ではこういった装飾が付いたものがトルコチャイのイメージです。
心躍るチャイグラス。
筆者はガラス製品がとても好きなもので、トルコに行ったら間違いなく様々な種類のものを爆買いしてしまう…。
そしてトルコの紅茶とトルコチャイグラスでトルコチャイ茶会します。(まだトルコ行っていませんが断言)
結び
紅茶の生産量や産地は刻々と変化しています。
筆者が紅茶を飲み始めた頃は輸出のトップは断トツのスリランカでした。
スリランカの方にも直接お話を伺ったのですが、スリランカの方たちは真面目で繊細な気質を持っており、今は海外で能力を発揮している方たちが多いそうです。
紅茶はスリランカの大切な輸出品でもありますが、実際には低賃金等により少しずつ縮小されているとのこと。
その分、トルコのように20年前くらいにはほとんど名前を聞かなかった国が台頭してきているようです。
これからも見逃せないトルコ産のお茶。
トルコの煎茶、トルコの烏龍茶なども販売されることを期待しています。
【追記】2019/02/11
2019年1月はドイツ、オランダ、フランスをはじめとする42か国にトルコ紅茶が輸出されたというニュースがありました。
昨年(2018年1月)に比べて、量が110%、価格としては102%増。
これから日本への輸入も増えてくると思われます。
コメント