少し前ですが、インド紅茶局の方が簡単に製茶ができる機械を開発したという記事がありました。
インド紅茶局のアシスタントディレクターである男性が2キロのお茶を作れる小さな製茶セットを作ったというもの。
筆者は趣味で時折お茶作り(製茶)をやらせていただきますが、すべての工程を手で行うため、それはそれは高尚な趣味な訳です。
簡単な茶種であっても数時間は最低かかります。(すべての茶種を作ったわけではありませんので、自身の知る限りですが)
そして1日で作れる量も生葉で1キロくらいがせいぜい。
生葉を手に入れるのもなかなか困難なため、完成品も当然少量です。
※あくまでも筆者の話です。
そもそも製茶機械とはどんなもの?
作る茶の種類(緑茶、烏龍茶、紅茶等)により、必要な機械は異なります。
すべてを釜だけで作り上げる中国の緑茶などもありますので、一言でまとめることができません。
今回は紅茶用機械の例を写真とともに簡単にご紹介します。。
▼萎凋(槽)<いちょう>
葉を揉みやすくするために、萎れさせるところです。
自然の風で行う場合もあれば、温風を当てる場合もあります。
インドダージリンの茶園
▼揉捻<じゅうねん>
萎れた葉を機械で揉みます。
手で行う場合は、板やざる、布などで揉む場合もあります。
静岡
インドやスリランカの揉捻機の大きさが分かりやすい写真がなかったため、静岡で和紅茶をお作りになっている農家さんの揉捻機の写真を載せておきます。
2枚目の写真をご覧いただくと、人が簡単に入るくらいのサイズ感であることがお分かりいただけるかと思います。
▼酸化(発酵)<さんか(はっこう)>
インドダージリンの茶園
上記写真では自然酸化(発酵)を行っていました。
電熱線が下に入っていて、温度を上げて強制的に酸化(発酵)を促すこともあります。
▼乾燥<かんそう>
揉んだ葉を乾燥させます。
大きな機械に葉を投入し、乾燥を行います。
▼ふるい分け
インドダージリンの茶園
乾燥した茶葉を大きさに分けてふるい分けやゴミを省いたりします。
人の手でゴミや悪い茶葉を取る茶園もあります。
非常に簡単ですが、このような流れで紅茶は作られます。
※オーソドックス製法
インド紅茶局のアシスタントディレクターが作った製茶機械とは?
こちらです。
↓
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写真出典(元記事)⇒こちら
本当にコンパクト…!!!
この機械は、<萎凋槽><ローラー(揉捻機?)><発酵室><加湿器><乾燥機>を装備しているそうです。
残念ながら実物を見なければどれがどのように動くのか、どうやって使用するのかが分かりませんが、実際にこの機械を導入してから3か月以内に【白茶】【緑茶】【烏龍茶】【オーソドックス製法の紅茶】を作ったそうです。
写真出典(元記事)⇒こちら
美しい茶葉の形状…。
これがあの機械でできるのか…。ほしい…。←本音
しかもしかもしかも!!!
こちらをお作りになったアシスタントディレクターによれば、家庭にあるような道具で作れ、1,5000ルピーで出来るとのこと!!!
15,000ルピーですと、おおよそ25,000円くらい!!!!!
小さめの揉捻機だけでも数十万円するというのに!!!!!
すべての機材がそろって、25,000円!!!!!
送料を考えたって、作って送ってほしい…と記事を読みながら何度もつぶやいたのでした。←心の声が漏れ出てる状態
とはいえ、こちらは趣味で作ったわけではなく、小さな茶農家が自家製茶が作れるように開発されたものだそうです。
茶葉のみを大きな茶工場に持ち込んで売っている、小さな茶農家がそれぞれ自分のところで自家製茶を作ったら…。
将来的にはとても面白いお茶が小ロットで登場するかも知れません。
茶好きとしては非常に興味深いので、是非普及していってほしいです。
結び
日本の茶業試験場にも試験的に製茶を行う機械が置いてあります。
こちらも2キロくらいずつ作れると話だったかと思います。
先日京都の茶業試験場でも製茶機械を見せていただく機会がありましたので、そちらも追ってアップしたいと思います。
昔は手ですべて行っていた製茶ですので、実際に手作り茶を作ると、茶の成り立ちが見えて、非常に面白いです。
ちなみに、手で製茶する際の道具はこんなものを利用しています。(ごく一部)
こちらは萎凋用、揺青用に使用しています。
梅や野菜を干すのにも使えます。(というか、本来はこちらが正しい使い方)
こちらのザルの上で茶葉を揉むこともあり、酸化(発酵)を行う時もあります。
なんなら、粉も振るえます。
かなり必要不可欠な道具かも?
こちらは揉捻機の代わりに茶葉を揉む時に使用するもの。(使用したりしなかったりですが)
紅茶をしっかりと揉みこみたい時に使用しています。
茶汁がしみ込んで、着色するのも素敵。←マニアックで伝わりにくい(笑)
などなど。
生葉を茶農家さんに販売していただける、家の庭に茶の木がある等、生茶葉が手に入りやすい環境にいる方には是非自分で手作り茶(自製茶、自家製茶)をお試しいただきたいと思います。(農家さんのご迷惑にならないようにしてくださいね~)
▼参照記事:製茶を始める前に。「茶の絵本」がおススメ!
▼参照記事:製茶をしたい人にお勧めの本「茶の科学」「茶の絵本」
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