お茶カフェを開くということ~筆者の経験に基づくお茶カフェ経営~

茶のいろいろ




誰でも一度は思ったことがある、「自分の城を持って、自分の好きなものに囲まれて仕事がしたい」という想い。

自身は運よくその夢を叶えることが出来ました。

お茶が好きで。
大好きなお茶をたくさんの方にご紹介したくて。
一人でも二人でも、お茶を好きになる人を増やしたくて。

ただただ、その気持ちでした。
今も変わらずその想いがあります。

カフェって?

カフェってそもそも何でしょう。

お茶や珈琲を気軽に飲める場所
ちょっとした軽い食事がとれる場所
誰かと過ごす時間
一人時間を満喫する空間

そのような印象を持っている人が多いのではないでしょうか。
最近は人と人を繋ぐ場所であったり、フレンチのように豪華なランチが食べられるようなカフェもありますね。
非常に多様化していると思われます。
よって、お客様の求めるものも多岐に渡ります。

バラエティに富んだカフェのうちでも「お茶カフェ」はお茶に特化したカフェです。
日本茶カフェ、紅茶カフェ、中国茶カフェと茶種に特化して経営しているところもありますし、すべての茶種を出しているまさに「お茶カフェ」もあります。
また、お茶とスイーツを楽しめるお茶カフェも多いです。

お茶カフェだけど…

筆者の経験ですが、お客様は「何カフェ」だろうと関係ないという方が多いです。
それはカフェの定義があまりにも曖昧だからと思われます。
筆者は「お茶カフェ」と名乗って始めたのですが、最初は毎日のように「ハンバーグはないのか?」「カレーはないのか?」「酒は飲めないのか?」と言われる日々でした。

もちろん、筆者の店のコンセプトが弱かったこともあります。
店のロゴや看板などにもよりわかりやすい表示が必要だったとも思います。
また、地方であるということもあったかも知れません。
経営の勉強をしてから始めたら、こんなことはなかったのかも知れません。
何度も後悔しましたし、辛い思いもしました。。

筆者の店ではオープン当時お茶はもちろんあるけれど、お茶の合わせたスイーツやランチも出すことにしました。
実はこのランチが非常に曲者です。

多くのカフェではランチがあり、お客様も当然のように求めてきます。
そして、客単価を上げるためにはランチを出さないと厳しいのです。

思い出してください。

珈琲一杯頼んで、カフェで読書していたら数時間経っていたり。
紅茶のポットを頼んで、友人と店が閉まる時間までいたり。
スイーツも飲み物も無くなって、お水だけを飲み続けて時間を過ごしたり。

そんな体験をしたことが皆さんあるはずです。

珈琲一杯500円や600円で3時間。
カフェは便利な場所です。
最近はコンセントが付いているところまであります。

しかしそれでやっていけるのは、大手のチェーン店のみです。
席数が多く、回転も良い立地だからこそできる経営です。
筆者の経営していたような従業員が数名の小さな店は死活問題です。

お客様が長時間店内で過ごすと考えたら、客単価を上げるしかありません。
そのためにフードの提供を考えるのです。
主にランチを。

次第にお客様の要望はエスカレートします。
「本日のランチ」を出すようになったり、毎日メニューを考える日が続きました。
料理の勉強ばかりでした。

はい。
お茶はどこへ?

お茶カフェとしてやっていくなら

お茶カフェには大きく2パターンあると筆者は思っています。

①スイーツや食事をメインにして、お茶を添え物とする
②お茶をとことん突き詰める

お茶とスイーツや食事のペアリングを強化して、単価を上げていく方法が①
とにかくお茶好きな人に何種類もお茶を飲んでもらったり、買ってもらったりする②

一般的に小さい店でも軌道に乗りやすいのは①かと思います。
店主一人のワンオペカフェなどの場合は、お客様をお待たせするというようなケースも増えますので注意が必要ですが、経営は安定しやすいと思われます。

お茶をとことん突き詰める場合は、よっぽどの知識と経験が必要となります。
お茶好きな人はマニアックな人が多いです。
お茶カフェとして名乗りを上げるなら、とことんお茶を突き詰める必要があるでしょう。
そしてご自身がお茶が好きでたまらないなら、客単価を上げるためにランチなどを安易に取り入れないことをお勧めします。

中国茶カフェなら、中国に住んでいた経験があってお茶を直接仕入れられるとか。
紅茶カフェならロンドンに毎年行っているとか。

そういった経験や知識を店を開いた後も継続していけるほどにお茶が好きな方でなければ難しいのではないかと思います。
現在お茶カフェとして何年もやっているお店はどこも素晴らしいところばかりです。
お茶カフェをやりたいと思うなら、実際にお茶カフェを経営されているオーナーに話を聞いてみてください。

結び

筆者はチェーンのお茶カフェで数店働き、休みの日にはお茶の教室に通いながら自分なりに経験を積んでいきました。
お茶仲間にも恵まれ、縁あって店を持つことも叶いました。

しかし、やはり日々苦労しました。

もっとお茶の勉強をしておけばよかった。
もっと経営の勉強もしておけばよかった。
もっと料理のことも学んでおけばよかった。

常にそう思い続けていました。
それは向上心にも繋がることですので、お茶のことを学び続ける原動力ともなってくれました。
そして10数年続けられたということは、確実に支えてくださるお客様がいたからです。

どんな仕事をしていても長く続けるには努力が必要です。
自身の成長が必須です。

お茶カフェも継続するのは簡単ではありません。
でも、楽しいです。
お茶が好きならなんでも乗り越えられます。

若い人たち(若くなくても)がお茶カフェをやりたい、と思うなら応援したいと思います。
もちろんそれなりの覚悟を持っていただいて!

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