少し前のものですが興味深い調査を行っているという記事を見つけたので、調べてみました。
茶を長い期間、定期的にお茶を飲んでいる人の方が鬱になる方が少ない、という研究結果をシンガポール国立大学の研究チームが発表したそうです。(2017年6月)
シンガポールで過去からずっと、現在でも定期的に茶を飲んでいる高齢者を対象に茶を飲んでいない人に比べて鬱傾向が低いという結果が出たとのこと。
似たような調査は中国でも行われていました。
シンガポールの研究がどのような内容なのか、筆者が分かる範囲で調べてみました。
調査の内容について
【質問内容】
登録時もしくは45歳の時点で次の各食品または飲料をどのくらいの頻度で消費しますか(していましたか)?
対象の茶は緑茶、中国の烏龍茶、英国式紅茶。
つまり、これでお茶を飲んでいる人は15年ほど継続して茶を飲んでいるということが分かる。
【選択回答】
・ほとんど飲まない、もしくは稀に飲む
・月に1回以上、週に1回未満
・週に1~3回
・週に4~6回
・1日に1~2回
・1日3回以上
【被験者】
シンガポール市民とジュロン島に居住する60歳以上の永住者、614人
(「食事と健康的な高齢化研究」(Diet and Healthy Aging (DaHA) study)から抽出 2011年7月に開始)
【調査方法、内容】
訓練を受けたスタッフたちが訪問しアンケートを行い、Training and Research Academy at Jurong Point (TaRA@JP)で調査と評価。
うつ病のレベルは15段階の「老人性うつ病診断(GDS-15)」で測定。
不安の重症度は20項目の「老年不安尺度(GAI)」で測定。
スコアが高いほど重症度が高い。
「年齢、性別、民族、婚姻状況、学歴等の社会的要因」と「病歴や病状」はインタビュアーがヒアリング。
結果としてどうなの?
残念ながら詳細な結果については論文を購入しないとわかりませんのでここまでとなります。
中国の高齢者の研究結果では65歳から79歳までの男性のみに「長期的に茶を飲むこと」が軽度の鬱や不安症状を防ぐ効果があったとのこと。
(調査内容としては、2005年から2014年までの「長期健康寿命調査(CLHLS)」を利用して13000人に及ぶ中国の高齢者のデータを分析したもの。)
シンガポールの研究結果は中国の研究結果に合わせて【茶種】を加えたことで、どのお茶が鬱に効果的かということが具体的になったそうです。
また、今後も継続して調査は行っていくようですが、現時点でも「長期に渡って定期的に茶を飲むこと」は抑うつ及び不安症状の軽減に効果があるとしています。
詳細が気になる方は是非論文をダウンロードしてみてください。
Associations of Long-Term Tea Consumption with Depressive and Anxiety Symptoms in Community-Living Elderly: Findings from the Diet and Healthy Aging Study
結び
毎日世界の茶のニュースを少しずつでも読むようにしているのですが、「茶の効能」についての研究は世界中で非常に多く行われていると感じます。
▼例:烏龍茶が乳がんの予防に効果があるという研究結果について-薬事法とかいろいろと-
「ふむふむ」と読んでみるととんでもない内容(嘘ばかりや適当なもの)の時もあるのですが(どこの国でも同じ笑)、数千年にもわたって人間がお茶を飲み続けているのはやはり何かしら体に効果をもたらすからだと思います。
テアニンの効果でほっとしたり、リラックスしたり、カフェインの効果で夜中まで仕事を集中して出来たり。
とはいえ、毎回書いていますが、「茶=薬」ではないためご注意くださいませ。
▼参照:茶を飲むのは体に良いから?茶=薬?
どの茶種が一番高齢者の鬱に効果的なのか、他にも茶を飲むことでもたらされる効能は非常に気になりますので今後もこういった記事には注目していきたいと思います。
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