先日トワイニング(片岡物産)のマーケティング部長による、2018年秋冬飲料の商品施策が発表されました。
2018年の春先は気温が高く、飲料業界に打撃を与えたこと。
引き続き変化を続けている核家族化による家庭用飲料の大きな変化もあり、今年の春夏はますます荒れたとのこと。
飲料業界は常に時代の流れとともに商品の変化があります。
茶飲料の《今》と《今後》を少し考えてみました。
現在ブームの茶飲料
カフェイン少ない(ゼロ)のドリンク
以前の記事でご紹介しましたが、ペットボトル飲料はデカフェ、ノンカフェインの茶や代用茶がますます増えてきています。
カフェインを敬遠する傾向は年々高まっているので、今後も開発や発売が続いていくでしょう。
【過去記事】
▼参照記事:カフェインゼロヘの挑戦。「キリン生茶」の試み。カフェインを吸着する物質っていったい何?!
▼参照記事:麦が珈琲に?!キリン CEBADA!代用コーヒーの代表、たんぽぽコーヒー(茶)とは?
▼参照記事:デカフェ茶やカフェインレス茶ってなに?どうやって作られているの?
抹茶ドリンク
抹茶ドリンクはここ数年常に人気です。
ネスレ日本では数年前から抹茶の需要増加を見越し、2016年には京都府と連携協定を結んでいます。
ネスレ日本の発売している「キットカット」の抹茶味も人気ですし、ネスカフェドルチェグストの「濃い抹茶」も人気。
マシンでコーヒーも紅茶も、さらに抹茶まで飲めるという優れもの。
筆者も持っています。
紅茶は自分で淹れるのですが、珈琲はドルチェグストを使って淹れると手軽で美味しくいただけます。
カフェラテ大好きなのです、筆者。
抹茶粉末ドリンクも好調です。
お湯に溶かすだけでドルチェグストで飲める抹茶と同様の味を楽しめるということで人気です。
確かに味がしっかりとした抹茶です。
機械を置くのが難しいというような方におすすめです。
スーパーやドラッグストアでも手に入ります。
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味の素AGFでもブレンディシリーズで「紅茶ラテ」「抹茶ラテ」を販売しています。
こちらもよく目にします。
最近は《お湯に溶かすだけ》で本格的なカフェラテや抹茶ラテなどが楽しめて便利な時代だと思います。
フルーツティ、フレーバードティ
フレーバードティやフルーツティは昔からありますが、数年前からリプトン(ユニリーバ・ジャパン)が仕掛けている「Fruits in Tea」は毎年話題になっています。
元々は「期間限定店舗にてタンブラーごとフルーツティを販売する」というスタイルと「SNS用にぴったりのフォトジェニックさ」がうけて、早い勢いで拡散されました。
ローソンのMACHIcaféでもフルーツインティを販売をして、大好評です。
2018年7月3日より限定発売し、一瞬で完売。
現在再販中です。(2018年8月2日現在)
また、東京と大阪限定ですが「Uber Eats(ウーバーイーツ)」によってフルーツインティを配達するという企画も行っています行っていました。
「Uber Eats(ウーバーイーツ)」は2016年9月から始まったサービスです。
現在東京、横浜、川崎、大阪(2018年7月現在)のみですが、ネットで注文を受けた商品を配達するデリバリーサービス。
リプトンのこちらの商品の場合は「Fruits in Tea」3本3,900円(税込み)~となっています。
商品+Uber Eatsのデリバリー料がかかるようです。
「オリジナルティータンブラー」と「水出し紅茶」と「フルーツティレシピ」をセット販売というのも行っています行っていました。
今までになかったアイデアで、今も人気が続いています。
フレーバードティはトワイニング(片岡物産)でも今年の秋冬にさらに強化していくというマーケティング部長のお話でした。
トワイニング(片岡物産)は2016年から「インフューズティ」を販売しています。
ハーブやフルーツを抽出するインフューズティ。
「茶(カメリア・シネンシス)」を使用しておらず、ノンカフェインです。
今後の茶飲料は?
怒涛の勢いの抹茶ブームはまだしばらく続くでしょう。
カフェイン抜きの茶飲料、代用茶への需要もまだ伸びると思われます。
まだ発掘されていない代用茶が出てくるんでしょうね。
結構世界中の健康茶が掘り出されたような気もしますが…
正直、経営学を学んだわけでもない、ただの元茶カフェ店主なので、今後どのようなものが流行るのかはわかりません。
長らく、茶をリーフで飲む人口たちが減ったと言われています。
そして、ペットボトルやスティックティを否定する《本格派》の人や茶業界の人たちも多く見てきました。
自身も店をやっていたので、急須やポットで飲んでほしいという願いは常々ありました。
筆者のような末端としてできることは茶に興味を持って、リーフを購入したり、急須を買ってみたりする人が一人でも二人でも増えるようなきっかけ作りをすることだけでした。
リーフで茶を飲む人口が減ったことに対する企画を日本の茶業界も様々行っています。
小学校での家庭科の授業にお茶淹れを取り入れたり、お茶のイベントを各地で行ったりしています。
とはいえ、大手の茶飲料業界の威力(広告力など)には正直敵いません。
ペットボトルやスティックティへの企業努力は並々ならぬものがあり、常に革新を起こしています。
ペットボトルやスティックティを飲んでいる人たちが、次のステップとして《リーフの茶を淹れてみたい》と思ってくれるようになったら、茶業界全体の繁栄に繋がるのではないかと考えています。
ペットボトルやスティックティが悪だと真向否定するのではなく、そこをきっかけとしてファンをコツコツと増やしていくことにより、茶を育てててくださっている農家への還元にもなり、リーフで茶を飲む人口も増加するのではないでしょうか。
難しいことだとは思いますが、茶に携わる人たちが互いに手を取って茶業が盛り上がるように向かっていくことを「ひとりのお茶ファン」としては願うばかりです。
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