兼業茶農家とは?実際兼業茶農家ってどういう感じで茶と関わっているの?

茶のいろいろ

筆者は非常に小さな茶畑で、茶業界全体から見たらお遊び程度の農家です。
(まぁ、そもそも兼業なのでお遊びみたいなものですが。汗)

「兼業茶農家です」

と言ってもよくわかっていただけないことが多いです。実は。

というのも、「兼業茶農家」というと「ほかの農作物」と「茶」の兼業だと思われるようだということに最近気づきました。笑

筆者の場合は「会社員」と「茶農家」の兼業です。
平日サラリーマン、土日農家

思えば、「茶農家」と言ってもお茶のことを知らない方から見ればなんだかわからないのではないかと思いまして、筆者のところを例に取り、少しまとめてみたいと思います。

「茶農家」、といってもピンからキリまで

「茶農家」というと、「茶の栽培して、管理して、製造して、販売する人たち」という印象を受け方は多いのではないでしょうか。(自園自製自販)

筆者は自身が栽培や製造に関わるようになるまで、もれなくそうでした。。

茶のイベント等でお見掛けする方たちは皆さんそうでしたし、直接お付き合いのある茶農家さんもそうだったからです。

ですが、茶の栽培から販売まで一貫して行う方は、おそらく絶対数としては少ないのではないかと思われます。

茶業経営形態は以下のように分類されています。

1、茶の栽培、製造から販売まで行う(自園自製自販)
2、茶の栽培、荒茶製造まで行い、販売(自園自製、自園自製兼買葉)
3、生葉を摘んで、販売(生葉売り)

というように茶農家の形態は別れています。(他にも様々な組み合わせは考えられますが大きく分類しています)

※自園自製⇒年間生葉処理量の80%以上を自給し、製茶した荒茶を販売する形態
※自園自製兼買葉⇒自園の生葉及び購入生葉を製茶し、荒茶を販売する形態。年間の生葉自給率が50%以上80%未満を「自園が主」、50%以下を「買葉が主」と言う
▼参考:「茶生産指導指針」静岡県経済農業協同組合連合会 平成20年版より

さらに、最近では茶農家をしながら茶の販売を行い、自製した茶を使用してカフェを経営したり、農家民宿を経営したりしている6次産業を行っている方も最近は多く見られるようになりました。

農家の茶畑を眺めつつお茶を飲めるというこちらも6次産業になるのでしょうか。

まだこちらの茶畑の中のティーテラスを体験したことはありませんが、最高でしょうね。間違いない。
※現在は新型コロナウイルスの影響で中止をしているようです。(2020/5/15現在)

筆者はどれにあてはまるの?実際何をしているの?

筆者の場合は、
3、生葉を摘んで、販売(生葉売り)
に近いです。
詳細を書いてしまうと身バレするので多くは書きません。色々と大人の事情が…ごにょごにょ

とはいえ、一部は少量紅茶や烏龍茶を作り、人に譲ったりしています。

趣味の域です。残念ながら。

実際何をしていたの?

読んで字のごとくなのですが、茶畑を管理して、新芽を刈り取り(摘採)、共同工場へ納品しています。

軽トラで軽量
摘んだ生葉を軽トラに乗せたまま、軽量します。
前の車の下(緑の部分)は量りになっています。
(量りのサイズからみると、大きいトラックはどうするんだろうか…?)

軽トラが生葉を搬入
計量が終わったら、茶葉を工場に入れます。

茶袋

刈り取った生葉を入れた袋を軽トラから降ろし、

生葉コンテナ

出していきます。

軽トラ軽量
空になった袋を再度軽トラに積み込み、先ほどの入り口で量ります。

軽トラの重さを引いて、生葉量を計測。

生葉受入伝票
こんな感じで畑⇒工場⇒畑⇒工場を繰り返します。

前回の記事にも書きましたが「やぶきたはさみ」と書かれていますね。
▼参照:日本のお茶刈り(摘採)について‐手摘み?ハサミ?機械?なんのこと?

以上。

と、筆者がやるのはここまで。

ここから先は共同工場にて荒茶の製造が行われます。
この日も工場を離れる際に、生葉を蒸している香りと乾燥している香りが漂っていました。

え?これだけ?!と思う方もいらっしゃるでしょうねー。
筆者モオモッテタ。。

兼業茶農家の現実

ガテン系男子

生葉を納品するまでの過程は、茶畑をきちんと管理して、良い葉を収穫することにある訳ですが、自然相手なので当然難しいことが多々あります。

筆者の地域は昨年霜にやられてしまった場所も多かったようで、芽が遅れて出てきた筆者の畑は難を逃れました。

そして、兼業茶農家の場合は土日等にしか摘採が出来ません。

GWの休みに少し有給を足したりして新茶期は出来るだけ長く畑にいられるようにするものの、気温が低い日が続いて芽が伸びなかったり、雨が多すぎて摘採できなかったりとなかなかうまくいきません。(´;ω;`)

さらに、自分で自由にお茶を作りたいという欲が出てくるのですが、それも簡単には叶いません。

小さくても茶工場を作るとなれば多大な費用がかかります。

若くてパワーのある方たちがクラウドファンディングで資金を集めたり、中古の機械をもらったり安く購入したりしてカスタマイズしたり、自園自製自販を目指して奮闘しているのも見ています。

とはいえ、実際筆者のような生葉売りを行っているような方たちは高齢化が進み、畑を手放していっています。

放棄茶園は増え続け、「茶が売れない時代」と言われて久しい昨今です。

それならば放棄茶園をもっと多くの方に貸し出せばよいのに、と思うのですが、そこはまた法律等も絡み簡単にはいかないのです。。

茶を作ったはいいけれど、販売するのにも様々な縛りがあります。(衛生的に、許可的に…)
この辺りもまたまとめてみたいと思っています。

結び

筆者はカフェを経営していたのですが、カフェは飲食店の中では非常に簡単に開業できる業態ではあります。

その代わり一般的に儲からない、と言われます。
客単価、低いですしね…。

開業資金はそこそこかかりますし、カフェだけの場合は資金的に厳しいのでテイクアウトを行ったり、イベントを開催したりとあれやこれや頭を悩ませていました。
テイクアウトも色々と縛りがあるので大変です。

兼業茶農家になってみて、こちらも同じようなものだと感じています。

当然、自身も製茶機械を導入して、製造販売を行いたいと思います。

まだ農家の仲間入りをしてからの時間が短いので、今後も様々な道を模索しながらいつかは専業で茶を作っていきたいと企んでいます。

苗や種の生育記録とともに、見守っていただければ幸いです。
▼参照記事:茶を育てる‐種から育てる編-
▼参照記事:茶を育てるー挿し穂から挿し木編①ー
▼参照記事:茶を育てるー挿し穂から挿し木編②ー
▼参照記事:茶を育てるー挿し穂から挿し木編③ー

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